「劣化版」の超能力者

第一章 「劣化版」と「強化版」

第2話 テレポート？

俺は走って学校へ向かっていた。
遅刻しそうだったので路地裏を通り近道をしようとしたのだが...

「おいごら、聞いてんのかガキ！」

そう、路地裏でチンピラに絡まれました。
なんでこんな時に。
ぶっ殺してやりたい。

「いや、だから金ならありませんって、遅刻しちゃうんで通してくれませんかね？」

俺ってば優しいっ！
こんなチンピラごときに敬語とか！

「あぁん？本当か？ちょっとバック見してみろ！」

ホント往生際が悪いな。
まぁこうなる事は最初からわかった事だ。

「離せや！！おいごらチンピラども、こんな事してねーでさっさと働けやぁぁあ！！」

「えっ...？」

俺の突然の逆ギレにチンピラも困惑している。

「ふっ...じゃあな、二度と会いたくねー、プレイバック！！」

ちなみに俺の能力は連続して使うことができない。
だから俺は1分前に戻った瞬間チンピラの反対方向に走って逃げた。

「ふぅ...余計な手間とらせやがって。」

そして再び学校へ向かった。
そんな時今度は見覚えのある顔が視界に入って来た。
俺の幼なじみの伊藤紗夜いとうさよだ。
若干、いやかなりの中二病だがかなりの美人だ。

「おーい、紗..夜...？」

「...！！」

俺はそんな彼女に声を...かけようとしたら、あり得ないことが起きた。
なんと紗夜が消えたのだ。
俺が声をかけると同時に綺麗さっぱり。
彼女が消える前に一瞬目があい、彼女は焦った顔をしていた。
もしかしたら何か人に知られてはいけないことを...。
まさかあいつも...？
俺と同じ能力者なのか...？
だとしたら今のはテレポート..なのか...？
というか朝見たニュースにテレポートと思われる行為が見られた。
...いやあいつに限ってそんなこと...
全ては学校へ行けば分かることだ。
俺は止めていた足を再び動かし学校へ向かった。
だが俺は気づかなかったんだ。
俺の近くに怪しい人影があったことを...