「劣化版」の超能力者

カルパッチョ

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第一章 「劣化版」と「強化版」

第3話 このテスト、チート使いました

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「はぁ..はぁ..やっと...着いた。」

あの後全力疾走で学校へ向かったのでなんとか間に合った。
急いで教室に向かう。
【1ーA】と書かれた俺のクラスに着いた。
そして着いたと同時に俺は彼女、紗夜を探す。
ちなみに俺と紗夜は同じクラスだ。
再びクラス内を見渡す。
すると、目立った髪色の美少女を見つけた。
...やっぱりいた...。
まだこっちには気づいてないようなのでゆっくりと紗夜に近づく。

「よぉ、紗夜おはよ!」

「!!」

怪しまれないように自然に挨拶したんだがな。
紗夜は驚きのあまり椅子から転げ落ちていた。
たまにこういう天然なところを見せるんだ、こいつは。
可愛いから許す!

「ほらよ」

そう言って俺は紗夜に手を差し出す。

「あ、ありがと」

紗夜はそう言うと俺の手を借りて椅子に座りなおした。
そしてしばらくすると...。

「ね、ねぇ時和、もしかして...もしかしなくても...見ちゃった?」

やっぱり...!
こいつなのか?強盗犯人は?

「おう、もしかしなくても見た!」

さりげなく聞いてくる彼女に俺はきっぱり言う。
キーンコーンカーンコーン...
朝のチャイムが鳴った。

「放課後話したいことがある。...いい?授業終わったら私のところに来て?」

「わかった。」

それだけ告げると紗夜は無言でじっとしている。
そして俺も席に着く。

「今日はテスト返しだー、皆心しておくように!」

と言う教師のドキドキさせられる言葉が発せられた。


✳︎ ✳︎ ✳︎


テストが返ってきた。
俺は未だに自分の点数が信じられないでいた。
気になる順位はなんと学年5位。
中学生の時は平均ぐらいだったのに5位だ。
ちなみに俺の学年の人数の合計は250人だ。
その中での5位は中々だ。
まぁカンニングしたのだが。
しっかし本当に便利な能力だなぁー。
よし、期末も使うかー!
そう心に誓うと、大事なことを思い出した。
テスト結果の興奮ですっかり忘れていたが紗夜のことについてだ。
俺は慌てて紗夜の机に向かう。

「わ、悪りぃー、このとーり!」

「ま、まぁいいけど何してたの?」

「テスト結果の余韻に浸ってました。」

「ちなみに順位は?」

「5位」

と俺はドヤ顔で言った。

「えぇ!!あの平均ぐらいの普通人間の時和が?5位ぃ!?」

なんかボロクソ言われてるんですが。

「おい、いくら付き合い長いからって傷つくときぐらいあるんだぜ?」

若干傷つきながらも俺は本題を切り出す。
急に真剣な顔つきになったため、緊張が走る。

「んで、本題に入るぞ、朝のことだ...お前はテレポートをした。合ってるな?」

「!!...やっぱり...見たんだ」

「そして…」

俺が本題を切り出すと紗夜は俺の声を遮るかのように...

「待って!...ちょっと部室にきてほしいの...」

「部室?」

「そう、私達の部活、超常現象・能力研究部に!」
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