婚約者を奪われて前世の記憶を思い出したので色々と何か企みます

まや

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Part1 第一章

第六話 宿題

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 両親の部屋に行くと二人とも顔色が悪かった。それもそうだ。昨日に私がこの国の王子に婚約解消してくれと言われたのだ。顔色が悪くなるのは当然だ。

「アメリア、君は本当にエレナに虐めをしていたのかな」

 最初に口を開いたのはお父様だった。お父様はこの国で一番腕が立つと言われるぐらい凄いお方だ。赤字を出していた事業が一夜にして黒字になったのだ。しかもそれはお父様が13歳の時だ。国からは将来有望の子として育てられた。だが少し性格に難がある。少し…ではないか。とてもだ。

「お父様、私はエレナに虐めはしておりません。ですが言われた時、エレナに場の雰囲気を持っていかれて主導権を握られてしまいました。これは動揺してしまった私の誤算です。大変申し訳ございません」

「婚約破棄されたと聞いたけど、昨日は泣いていたのかな?目元がまだ赤い。僕は昨日、出張で家を空けていてアメリアの泣き顔を見れなくてとても残念だ」

 お父様はにこっと笑ってきた。だがその目は笑っていなかった。この人は冗談は言わないタイプだからこれは本気だと思った。
 この会話を聞くだけで分かる。お父様は娘に対しての扱いが恐ろしい。前世の記憶から当てはまるものがあるとすればドSだ。昔から私が泣いたり落ち込んでいる姿がとても大好物だ。

 それはそうと私はここに来た目的の為、話を一旦終わらした。そして書類を渡した。ここにサインを書いてくれとお願いした。
 その後、お父様はサインをし始めた。

「何かお父様が普通にお願いをしてサインをするのがとても不気味に思います」

「そんなに僕が娘に意地悪をするとでも?だがいつもなら拒否しているだろうな。今回は特別だ」

「特別……?」

「ああ。アメリアが必死に僕にお願いする姿はとても楽しみだがそれよりも楽しみのものが見れそうだ」

 その瞬間、私の背中に悪寒がした。なぜなら滅多に笑わないお父様が笑ったからだ。それは悪魔と言ってもいい程の笑顔だ。エレナとは違う悪魔の笑顔ーー。

「お父様、その楽しみな物とは…?」

「この事業の資料を見たがあの馬鹿王子がこれを引き受けると知った時はとても面白そうだと思ったよ。だってこれアメリアがしないと成績が伸びないだろ。いつも成績を伸ばしていた化粧品会社が急に成績に伸び悩み、会社が傾き始めるーー。そしたら王子が貴族に問題を問われるのは目に見えている。その時の王子の気持ちや表情を想像するだけでゾクゾクするとは思わないか?」

 やはりお父様は異常だ。こんな性格だからこそエレナが心を奪えなかっただろう。エレナは人に見下されるのは好きではない。お父様は人を見下すのが好き。分かっただろうか。こうなると一生分かち合えない。
 それに比べてお母様は私にベッタリだ。時々、私以外いらないなど言ってくる。お母様は私以外眼中に無い。もちろん夫である人も眼中に無かった。だからエレナがお母様に近づこうが相手にされなかった。
 私はこんな二人にサンドイッチ状態にされた。上に兄と姉がいたが姉は嫁いでいって兄は虐めるかいがないとかお父様が言っていてお母様は女の子ではないから嫌だとか言っていた。

 そんな事を思っていたが時間が過ぎてお父様はサインを全て書き終えた。

「アメリア。国外追放された後はどうするつもり?」

「平民としてゆっくり暮らそうかと思います」

「君に平民としていけていけるか不安だな。君が死んだら虐める相手がいなくなる。どうしようか。でも飢えて死にそうなアメリアを世話するのも悪くない」

 フフとお父様は笑ってきた。冗談じゃない。飢えて死にそうな私を見て楽しんでいるお父様の姿が想像ついてしまう。

「アメリア、君に少し宿題を出そう」

「宿題…ですか」

「国外追放されるまでの1週間で何か事業をおこしておきなさい」

「1週間は流石に無理です」

「もし出来たら国外追放された後も援助すると約束しよう」

 援助は有難いが1週間で新しく事業を建てるのは難しい。だが前々からしたいなとは思っていた事業があった。レオナルドにも話していないのが。もう少し経ったら話そうかと思ったが婚約解消の話を出されて話す時間が無かった。だから事業を渡すように言われたのは化粧品会社のみだった。今では話さなくて良かったと思う。

 それから私はお父様の宿題を引き受けて新しい事業を建てようと行動した。
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