元・狂戦士のオッサン案内人。〜俺の指す先を斬るだけで最強。最短の矢印に従う異世界女騎士とメイドが、特級ダンジョンを蹂躙する〜

くるまAB

文字の大きさ
1 / 8
第1章:再起の矢印と霧晴れる迷宮

1. その案内人、最適解につき

しおりを挟む
【直接投稿開始&一挙公開中!】

皆様、初めまして(あるいは、他サイトから追いかけてくださった皆様、ありがとうございます!)。

本作はこれまで外部URL登録のみでしたが、より快適に読み進めていただけるよう、本日より**アルファポリス内での「直接投稿」**に切り替えました!

直接投稿開始を記念して、本日は一挙7話まで公開いたします!
また、現在37話・約8万文字のストックがございますので、今後の**「毎日更新」**もバッチリお約束します。

「お気に入り」や「スコア(24hポイント)」が執筆の大きな励みになります。
もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、ぜひお気に入り登録や応援をよろしくお願いいたします!


―――

 第1章:再起の矢印と霧晴れる迷宮

 現代の迷宮「ダンジョン」は、効率と合理性が支配する場所だ。
 少なくとも、30歳の案内人、小栗 悠馬(おぐり ゆうま)にとってはそうだった。

 成田市 中級ダンジョン 『悪魔の遊び場』。
 薄暗い5階層の分岐路。
 皮鎧に腰には短剣と言う軽装備で、悠馬は気怠げに壁に背を預けていた。
 すぐ側では、装備だけは立派な若手パーティが「右だ!」「いや左が安全だ!」と騒ぎ立てている。

「……おい、おっさん」
 リーダー格の男が、不機嫌そうに悠馬を睨んだ。
「さっきから突っ立って何してんだ? 死にたいなら他所でやってくれ」

 悠馬は重い瞼をゆっくりと上げ、ボリボリと面倒そうに頭を掻いた。
「……いや。3秒後にそこ、火が出るぞ」

「ハあ? 何言って――」

 3、2、1。
 男が言い返すより早く、通路の床から猛烈な火柱が吹き上がった。

「うわあああ!?」
 間一髪で飛び退く若手たち。 悠馬はそれを眺めることもなく、よろよろと立ち上がった。

「……5階層の罠は秒刻みだ。ガキが来る場所じゃない」

 悠馬の視界には、網膜に焼き付いたような【青い矢印】が静かに浮かんでいる。
 スキル『道標(ガイドポスト)』。
 それは単なるナビではない。
 ダンジョンそのものの「最適解」を暴き出す、理外の力だ。

 悠馬は欠伸を噛み殺すと、矢印が指し示す「最短ルート」へと歩き出した。
 本来、中級ダンジョンはソロで挑む場所ではない。 ましてやこの階層の魔物は、街を滅ぼしかねない個体も混ざる。

 だが、悠馬に焦りはない。
 悠馬の実力なら正面から捻り潰すことも可能だが、彼は何より「面倒事」を嫌った。

(……だるいな。まともに斬り合うと装備が汚れる)

 前方から、3頭のオークが咆哮を上げて突進してくる。
 悠馬は腰の短刀を抜くことすらせず、矢印が指した1点――壁に設置された古い燭台を、通りすがりに軽く叩いた。

 ――グオォッ。

 直後、天井から数トンはあろうかという巨大な岩盤が自由落下し、オークたちを肉片1つ残さず圧殺した。
 悠馬は飛散する血飛沫を、計算し尽くされた歩みで回避する。
 戦うのではない。 ダンジョンを「操作」しているのだ。

 6階層、7階層――。
  本来なら複数人パーティーが1日かけて到達する中層を、悠馬は散歩のような足取りで進んでいく。

「……さて、10階層か。今日のボスは何だったかな」

 たどり着いたのは『主の間』。
 扉を開けると、そこにはこの階層の主である『大鬼(オーガ)』が、棍棒を振り上げて待ち構えていた。
 だが、悠馬の目はオーガを見ていない。 視界の隅で明滅する矢印――その先にある「床の亀裂」を見ていた。

「そこか……」

 悠馬が小石を1つ放り投げる。
 石が特定のタイルに触れた瞬間、オーガの足元の床が跳ね橋のように跳ね上がり、巨体を天井の鋭利な氷柱トラップへと突き上げた。

 ――ズ、ブ。

 断末魔すらなく、オーガは串刺しとなって絶命した。
 悠馬は「やれやれ」と肩をすくめ、ボスの素材を回収しようと部屋の奥へ向かう。
 そこで、悠馬の足が止まった。

「……? なんだ、これ」

 部屋の隅、瓦礫が積み重なった場所に、2人の女性が重なるように倒れていた。
 1人は、ひび割れた純白色の甲冑を纏った金髪アホ毛の少女。
 1人は、血に濡れたメイド服を着た黒髪ポニーテールの女性。
 2人とも深い傷を負い、完全に意識を失っている。
 そして――どうみても現代の探索者ではない。

「……不法投棄か? 勘弁してくれよ、俺は案内人で、ゴミ拾いじゃないんだが」

 悠馬は再びボリボリと頭を掻き、面倒そうに彼女たちの前でしゃがみ込んだ。
 だが、その指先に浮かぶ矢印は、これまでに見たことがないほど強く、激しく発光している。
 その光が指し示す先は、ダンジョンの出口ではなく――彼女たちの胸元、その「命の鼓動」だった。

「……ったく。『矢印』が指す先は、常に『最適解』なんだ。……見捨てろ、とは出てないな」

 悠馬は溜息を吐き、意識のない女騎士をひょいと肩に担ぎ上げた。
 三十路案内人による、史上最も「面倒で最強な」救出劇の始まりだった。

―――

ご覧いただきありがとうございます!
三十路の案内人・悠馬と、謎の二人連れ。
ここから、平穏だった悠馬の日常が「最強」へと激変していきます。

「矢印」が導く先にあるのは、果たして……?

【アルファポリス直接投稿記念・一挙7話公開中!】
この後、順次更新していきます。
続きが気になる方は、ぜひ**「お気に入り(しおり)」**登録をお願いします!
皆様の応援が、執筆の何よりの動力源です。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜

音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった! スキルスキル〜何かな何かな〜 ネットスーパー……? これチートでしょ!? 当たりだよね!? なになに…… 注文できるのは、食材と調味料だけ? 完成品は? カップ麺は? え、私料理できないんだけど。 ──詰みじゃん。 と思ったら、追放された料理人に拾われました。 素材しか買えない転移JK 追放された料理人 完成品ゼロ 便利アイテムなし あるのは、調味料。 焼くだけなのに泣く。 塩で革命。 ソースで敗北。 そしてなぜかペンギンもいる。 今日も異世界で、 調味料無双しちゃいます!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...