マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

町長の支配

「！な！何だ！急に話しやがった！！」

　カーオルは一瞬、恐怖と悪寒に心臓が止まるほどの衝撃を感じた…

　「フォフォフォ、君はカーオルだな。一年くらい前に町を飛び出していった…フフフ、一応ここにも監視カメラ、防犯カメラ等、セキュリティはあるのでね」

　「く、何だ…まさか本物の人間も混じり込んでやがるってのか…？」

　「フォフォ、いや、ここは私だけじゃよ。私はここボンタ様の屋敷の執事として勤めさせていただいておりますダンティと申します。ここには長年、勤めさせていただいておりまして先代の頃から長くお世話になっております。（もう一人の方ほうは、知らないが、どこかで見た事があるような…）」

　　「これは何だ…この人形達は…」

　「フォフォフォ。これは、一言で言ってしまえば「管理」です、町民のね。そしてこのプラカードは、ボンタ様（街）への貢献度を表します。グリーンだったら高評価、つまり軍事関係や武器屋と位の高い役職につけ、イエローは、まずまず、適度な役職がつけられる。だが晩年イエローでは、やはり異動候補よ…レッドと同じくね。レッドは雑用や「見せしめ」用の人達です。この街は、街自体が一つの会社のようなものですから…大企業という…カーオルさんは知ってますよね？　カーオルさんあなたは一年前にレッドプラカードが、首にぶら下がっていたんですよ。無論ここのお人形さんにね。その時の異動に不服を感じて、逃げ出したんでしょうが、おめおめと、よくこの町に戻ってこれたもんです。そして、この町のこのボンタ町長のお屋敷に入り込んでくる始末。まあ、大体の目的の察しは、つきます」

「だったら話は早え！！一気にここ駆け上りボンタのとこまで行ってブチのめす！！　先ほど上から品のないでかい笑い声も聞こえてきたから、ボンタも、今ここにいる！！　執事さん…邪魔するならまずあんたをここでブチのめさないと何だがなあ～　どうするよ？黙って行かせろよ？とはいえ万が一だ、ボンタを倒してくる間、ここでロープで身動きできないように固定させてもらうけどな！！」

　「フォフォフォフォその必要はありません。この一階で私に何かしても、２階から３階には上がれませんから。フォフォフォ私自信が、２階から３階に上がる「鍵」なのです」

　「な、一体、どういう事だ…」

　「あなた方にあっ！と、言わせる驚くべき事を話しましょう。私自身が、もはや長い間、３階以上にはいけていないのです。長い間、ボンタ様とも会っていません。　私自身が、敵が侵入してきた際に３階まで上がらせない人型セキュリティなのです。」

　「なんだと～…　あそこに階段がある。ちょっくら２階を見てくるぜ！！ターケン、そいつを見張っていろ！！」

　カーオルは、猛ダッシュで階段まで走り、その後、足音を立てないように階段を上がって行った。

　「必ずたどりつけない。３階には…フォフォ」

　数分したのちカーオルは戻ってきた。　

「はあはあ～…ど、どうなってやがる、２階は３階に上がる階段もなく、壁の色は白一色、そして、壁を触ってみたんだ。超硬い…あの硬さは俺が以前、色々旅に行っていた時に石を生業として生活していたヌコール族が所有していた世界一硬い石と同じ感触だった。間違いねえ、神秘の…あまり覚えちゃいねえが、念が宿ると言われていた石だ…どうする？ターケン。一度、外にでて外壁がらよじ登っていくか？」

　「（あの石を知っているとは…）それはまかり通りません。外側の２階よりそれより上は超強力な電磁波にて周辺を守られています。触れれば即死ものです。そんな事よりも、あなた方は上を目指す…本来なら、すぐ兵士や警護団を呼び寄せてあなた方を逮捕しなければなりません。ですが、あなた方は２階に行く、引き返さないでしょう？　ですから、その必要もないでしょう…」

　「どういう事だ？」

　「ふっ、２階で説明しましょう」