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149_猪瀬
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ふわふわといい香りがする
「目覚めたか」
青島が俺の手を握っていた
「ここは」
「病院だよ。俺がアナフィラキシーショックで運ばれた病院。お前も肋骨を折ってるし同室の方がいいだろうからってさ」
水飲むだろ
そう言って青島が俺から離れた。手が離される。思わず引き留めそうになった。
だめだ。これは違う。
「もう俺もお前も退院していいってさ。ただ俺はちょっとしたショックで再発するだろうから、安定させるまではお前と暮らす」
「……は?」
「番ったのを覚えてないのか?」
「…………」
覚えていないわけがない。忘れられたらどれだけ幸せか。
「お前と番ったのに、京極に上書きされそうになったから俺がだいぶ 不安定になっているらしい。まあ京極であれば俺が抵抗しなければ上書きできるからな」
「…………」
青島は俺と番で居続けるつもりなのか
「何故…」
「わざわざ 説明いる?」
「………」
俺の目が覚めたことを ナースコールで連絡したのだろう、医者がやってきた。
「うん、さすが上位αだね。番のフェロモンのおかげもあって肋骨の調子はだいぶ良さそうだ」
番のフェロモンはアルファにとっては万能薬に近いと言われる。確かに息をしても肺は痛くない。
「じゃあこのまま退院していいよ。さっきも言ったように、セックスはまだダメだけど一緒のベッドでは寝るようにね。」
「は?」
「はい」
青島は何を頷いているんだ。
寝る?俺が青島と?貴嗣様の番と?
混乱してる俺を置いて医師と看護師が出て行く。青島も俺を無視して退院手続きしてくると言って部屋を出て行った。
青島のフェロモンがわずかにしか残ってないこの部屋に寂しさを感じた。離れたくない……
パパパパと退院作業を終えてタクシーに乗せられた
「とりあえずマンスリーマンションを契約した。そこで同居するから」
「何をバカなことを」
「あ、運転手さんそこ右に」
俺の反論などは完全に無視をされた
マンションの部屋に着くと 内側からドアが開く
「お疲れ 、陸。とりあえず掃除はしておいたよ」
青島の兄、累がいた。
「コーヒー飲むか?」
「ありがとう」
累が準備をしている間に青島が部屋の中を軽く案内してくれた
「一応家電は一通り揃っているけど足りないものがあったら買い足してくれ。各自の部屋は作ったが 寝室は1個だ。寝る時だけは一緒にな」
「ふざけるな。そんなことができるわけがないだろう!」
俺の怒鳴り声に累がやってきた。
「…………兄さん、いくら上位αの回復が早いからってそれで殴るのはやめてくれ、さすがに打ち所が悪かったら死ぬから」
累は手に持っていたジュースの瓶を床に置いてそして俺の腹を拳で殴ってきた
「兄さん、兄さんの手が傷つくからそれ以上はやめてね」
「…………」
まだ肋骨が完全に治ったわけではないのだが、そっちの心配か、青島。
「それに一応猪瀬は被害者だからさ。フェロモンレイプしたのは俺だし」
レイプ 、俺が?俺がレイプ被害者だと?この俺が?
「青島」
「あ、コーヒーできた。スコーンもあるし スコーン食おう」
…………完全無視か。
「陸、千葉君と京極がお前に会いたいと言っている」
「貴嗣様が!?」
「どうする?千葉君はいいけど京極は断っておくか?」
「いや、いいよ。京極にも猪瀬と暮らすことを報告しなきゃなんないから」
「俺はそんなことを了承した覚えはない!」
「了承していようがいまいが猪瀬は俺と暮らすんだよ。番うってことはそういうことだ」
「俺は……。ぐ!」
ふわりと青島のフェロモンが漂ってきた。意図的だ。俺を騙す黙らせるために誘惑 フェロモンを出してきている。
「猪瀬、これが想いの無い番契約ってもんだよ。弱い立場がさらに屈服させられる契約だ」
よだれが出る。うまそうな匂い。獲物……
「陸、もうそういうのは…」
「分かってるよ、兄さん」
青島のフェロモンが弱まった。
何が獲物だ。これは違う、これは貴嗣様のだ。
唇を思いっきりかんだ。鉄くさい匂いが口の中に充満する
「うわっ何やってんだよ猪瀬!」
青島がティッシュで俺の唇を拭こうと手を伸ばしてきた。咄嗟にその腕を取る。美味そうだ……。
「つっ」
後頭部に痛み。窓を開けにいった累が本で殴ってきた
「陸、本当にこんなのと暮らすのか」
「うん、決めたんだ」
「…………分かった」
累が何かを言いかけ、そして諦めたように頷いた。
「信じているからな」
「うん」
「目覚めたか」
青島が俺の手を握っていた
「ここは」
「病院だよ。俺がアナフィラキシーショックで運ばれた病院。お前も肋骨を折ってるし同室の方がいいだろうからってさ」
水飲むだろ
そう言って青島が俺から離れた。手が離される。思わず引き留めそうになった。
だめだ。これは違う。
「もう俺もお前も退院していいってさ。ただ俺はちょっとしたショックで再発するだろうから、安定させるまではお前と暮らす」
「……は?」
「番ったのを覚えてないのか?」
「…………」
覚えていないわけがない。忘れられたらどれだけ幸せか。
「お前と番ったのに、京極に上書きされそうになったから俺がだいぶ 不安定になっているらしい。まあ京極であれば俺が抵抗しなければ上書きできるからな」
「…………」
青島は俺と番で居続けるつもりなのか
「何故…」
「わざわざ 説明いる?」
「………」
俺の目が覚めたことを ナースコールで連絡したのだろう、医者がやってきた。
「うん、さすが上位αだね。番のフェロモンのおかげもあって肋骨の調子はだいぶ良さそうだ」
番のフェロモンはアルファにとっては万能薬に近いと言われる。確かに息をしても肺は痛くない。
「じゃあこのまま退院していいよ。さっきも言ったように、セックスはまだダメだけど一緒のベッドでは寝るようにね。」
「は?」
「はい」
青島は何を頷いているんだ。
寝る?俺が青島と?貴嗣様の番と?
混乱してる俺を置いて医師と看護師が出て行く。青島も俺を無視して退院手続きしてくると言って部屋を出て行った。
青島のフェロモンがわずかにしか残ってないこの部屋に寂しさを感じた。離れたくない……
パパパパと退院作業を終えてタクシーに乗せられた
「とりあえずマンスリーマンションを契約した。そこで同居するから」
「何をバカなことを」
「あ、運転手さんそこ右に」
俺の反論などは完全に無視をされた
マンションの部屋に着くと 内側からドアが開く
「お疲れ 、陸。とりあえず掃除はしておいたよ」
青島の兄、累がいた。
「コーヒー飲むか?」
「ありがとう」
累が準備をしている間に青島が部屋の中を軽く案内してくれた
「一応家電は一通り揃っているけど足りないものがあったら買い足してくれ。各自の部屋は作ったが 寝室は1個だ。寝る時だけは一緒にな」
「ふざけるな。そんなことができるわけがないだろう!」
俺の怒鳴り声に累がやってきた。
「…………兄さん、いくら上位αの回復が早いからってそれで殴るのはやめてくれ、さすがに打ち所が悪かったら死ぬから」
累は手に持っていたジュースの瓶を床に置いてそして俺の腹を拳で殴ってきた
「兄さん、兄さんの手が傷つくからそれ以上はやめてね」
「…………」
まだ肋骨が完全に治ったわけではないのだが、そっちの心配か、青島。
「それに一応猪瀬は被害者だからさ。フェロモンレイプしたのは俺だし」
レイプ 、俺が?俺がレイプ被害者だと?この俺が?
「青島」
「あ、コーヒーできた。スコーンもあるし スコーン食おう」
…………完全無視か。
「陸、千葉君と京極がお前に会いたいと言っている」
「貴嗣様が!?」
「どうする?千葉君はいいけど京極は断っておくか?」
「いや、いいよ。京極にも猪瀬と暮らすことを報告しなきゃなんないから」
「俺はそんなことを了承した覚えはない!」
「了承していようがいまいが猪瀬は俺と暮らすんだよ。番うってことはそういうことだ」
「俺は……。ぐ!」
ふわりと青島のフェロモンが漂ってきた。意図的だ。俺を騙す黙らせるために誘惑 フェロモンを出してきている。
「猪瀬、これが想いの無い番契約ってもんだよ。弱い立場がさらに屈服させられる契約だ」
よだれが出る。うまそうな匂い。獲物……
「陸、もうそういうのは…」
「分かってるよ、兄さん」
青島のフェロモンが弱まった。
何が獲物だ。これは違う、これは貴嗣様のだ。
唇を思いっきりかんだ。鉄くさい匂いが口の中に充満する
「うわっ何やってんだよ猪瀬!」
青島がティッシュで俺の唇を拭こうと手を伸ばしてきた。咄嗟にその腕を取る。美味そうだ……。
「つっ」
後頭部に痛み。窓を開けにいった累が本で殴ってきた
「陸、本当にこんなのと暮らすのか」
「うん、決めたんだ」
「…………分かった」
累が何かを言いかけ、そして諦めたように頷いた。
「信じているからな」
「うん」
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