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第四章
14
唐澤に仕えると決めた時、俺は唐澤の事を調べた。
といっても、表面的な事のみだ。俺ふぜいでは唐澤家時期当主の内情まで調べる事など不可能だった。
入院していた事はわかっても何故入院していたのかは分からなかったし、何故、こんな条件で自社の一部門を綾小路家に売り渡したのかも分かっていなかった。現当主の反対もあっただろう それを説得するために、唐澤は何かを差し出したはずだ
そうしてまで唐澤は……
秋葉にこの資料をぶちまけたいと思ってしまう。
何故、こうも唐澤はただただ秋葉のために動くのだろう
無償の愛
そんな言葉を口に出すのも気恥ずかしいが、でもそれが一番近いのだろう。
俺にはできないと思う。運命に会ってないだけだからだと言われればそうなのかもしれないが、でも出会ったとしてもそこまでにはならないと思っている
唐澤が会社を差し出した相手は綾小路だ、あの綾小路
そうまでして買ったのは秋葉の身の安全
秋葉は綾小路の運命の相手に手を出した
国内どころか世界でも稀な優秀なαだ。 そんなαの番に手を出して無事でいられるわけがない
まあ実際には横恋慕したのは綾小路の方だ。秋葉とそのΩ奄美はすでに恋愛関係にあった。初々しい初恋。ゆっくりと育てている最中に綾小路に出会ってしまったのだ。綾小路にとって、どちらが先に出合ったかなど関係ないのだろう。自分の番の心を得たもの、それだけで許しがたいはずだ。
だから、唐澤が動いた。
自分以外の相手と恋愛をしてトラブルになったのに、しかも唐澤が望む様な βで穏やかな恋愛を…といった相手ではなく、 男の、訳ありの、しかもΩという、唐澤の望んだ未来と全く真逆の相手を恋人に選んだ秋葉なのに、それなのに救う為に動いた。
そのΩとのことは唐澤にとって苦痛でしかない事だったはずなのに、その尻拭いをただただ 何のないのに行ったのだ
秋葉もそのΩには本気だったのだろう。曰く付きのそのΩの為に、今までコツコツと貯めてきた株や不動産、自ら立ち上げた会社までも売って現金を準備していた。相当な覚悟でもってそのΩと付き合おうとしていたのだ。俺らαならまだしも、βの中坊が会社を立ち上げようとしたところで、支援者も理解者も得られない。フェアな取引先を見つけるのすら苦労したはずだ。学業に武術、そして難問な会社運営まで、秋葉はいつ睡眠を取っていたのだろう。
そんな苦労をしながら育てた会社をΩの身請けの為にうったのだ。本気に決まっている。
綾小路が現れても即座には引き下がらなかったろう。そして、完膚無きまで叩き潰されたのだ。秋葉はこの件で、バースを越える恋愛というものが不可能だと骨身にしみこませられた。
秋葉が、αの想いにもΩの想いにも疎いのはこの為か。
…………もう、もう、いいだろう、秋葉。
唐澤、秋葉を襲っちまえよ
綾小路の逆鱗を収める為に動いた唐澤、お前ら似たもの同士だよ。
秋葉がお前を非難したら、この資料を投げつけてやる。
ストーカーとしか言いようのない資料だけど、唐澤がどれだけ身を削って秋葉を守ってきたのかわかるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
智則がどれだけαが苦手か、どこまで書こうか迷った末、サラリと済ませました。
『努力に勝る……』というシリーズの中で智則の葛藤を詳しく書いてます。
コピペして持ってきてしまおうかとも思ったのですが、アルファポリスさんのルールに触れるかも?と思い、断念しました。違う作品なので、別CPになってます。苦手な方は、スルーして下さい。
同様に、智則がΩに振られた作品は『Ωにうまれて』になります。智則はカップリングしませんが、注意事項としては、智則がややオスっぽいというか、騎士っぽいです。
そして、作者はなんだかんだあっても智則好きみたいで、ズタボロに振られるエピソードは決まっているのに、遅筆になってます。長い目で見ていただければと思います
といっても、表面的な事のみだ。俺ふぜいでは唐澤家時期当主の内情まで調べる事など不可能だった。
入院していた事はわかっても何故入院していたのかは分からなかったし、何故、こんな条件で自社の一部門を綾小路家に売り渡したのかも分かっていなかった。現当主の反対もあっただろう それを説得するために、唐澤は何かを差し出したはずだ
そうしてまで唐澤は……
秋葉にこの資料をぶちまけたいと思ってしまう。
何故、こうも唐澤はただただ秋葉のために動くのだろう
無償の愛
そんな言葉を口に出すのも気恥ずかしいが、でもそれが一番近いのだろう。
俺にはできないと思う。運命に会ってないだけだからだと言われればそうなのかもしれないが、でも出会ったとしてもそこまでにはならないと思っている
唐澤が会社を差し出した相手は綾小路だ、あの綾小路
そうまでして買ったのは秋葉の身の安全
秋葉は綾小路の運命の相手に手を出した
国内どころか世界でも稀な優秀なαだ。 そんなαの番に手を出して無事でいられるわけがない
まあ実際には横恋慕したのは綾小路の方だ。秋葉とそのΩ奄美はすでに恋愛関係にあった。初々しい初恋。ゆっくりと育てている最中に綾小路に出会ってしまったのだ。綾小路にとって、どちらが先に出合ったかなど関係ないのだろう。自分の番の心を得たもの、それだけで許しがたいはずだ。
だから、唐澤が動いた。
自分以外の相手と恋愛をしてトラブルになったのに、しかも唐澤が望む様な βで穏やかな恋愛を…といった相手ではなく、 男の、訳ありの、しかもΩという、唐澤の望んだ未来と全く真逆の相手を恋人に選んだ秋葉なのに、それなのに救う為に動いた。
そのΩとのことは唐澤にとって苦痛でしかない事だったはずなのに、その尻拭いをただただ 何のないのに行ったのだ
秋葉もそのΩには本気だったのだろう。曰く付きのそのΩの為に、今までコツコツと貯めてきた株や不動産、自ら立ち上げた会社までも売って現金を準備していた。相当な覚悟でもってそのΩと付き合おうとしていたのだ。俺らαならまだしも、βの中坊が会社を立ち上げようとしたところで、支援者も理解者も得られない。フェアな取引先を見つけるのすら苦労したはずだ。学業に武術、そして難問な会社運営まで、秋葉はいつ睡眠を取っていたのだろう。
そんな苦労をしながら育てた会社をΩの身請けの為にうったのだ。本気に決まっている。
綾小路が現れても即座には引き下がらなかったろう。そして、完膚無きまで叩き潰されたのだ。秋葉はこの件で、バースを越える恋愛というものが不可能だと骨身にしみこませられた。
秋葉が、αの想いにもΩの想いにも疎いのはこの為か。
…………もう、もう、いいだろう、秋葉。
唐澤、秋葉を襲っちまえよ
綾小路の逆鱗を収める為に動いた唐澤、お前ら似たもの同士だよ。
秋葉がお前を非難したら、この資料を投げつけてやる。
ストーカーとしか言いようのない資料だけど、唐澤がどれだけ身を削って秋葉を守ってきたのかわかるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
智則がどれだけαが苦手か、どこまで書こうか迷った末、サラリと済ませました。
『努力に勝る……』というシリーズの中で智則の葛藤を詳しく書いてます。
コピペして持ってきてしまおうかとも思ったのですが、アルファポリスさんのルールに触れるかも?と思い、断念しました。違う作品なので、別CPになってます。苦手な方は、スルーして下さい。
同様に、智則がΩに振られた作品は『Ωにうまれて』になります。智則はカップリングしませんが、注意事項としては、智則がややオスっぽいというか、騎士っぽいです。
そして、作者はなんだかんだあっても智則好きみたいで、ズタボロに振られるエピソードは決まっているのに、遅筆になってます。長い目で見ていただければと思います
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BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」