最上位αの初恋

認認家族

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陸が湯船につかる。

「あぁ………気持ちいい……はぁ……」

 目を瞑って足をゆらゆらさせている。

『はぁ………気持ちいい…………』

 裸の陸が私の耳元で…いや、と、邪な念を振り落とすように頭を振る。直後に私の不穏な気配に陸が目を開けた…間に合った。情欲を湛えた目を陸にまだ見られるわけにはいかないのだ
 陸は鈍い。けれど、気配には聡いのだ。
『京極様がコンちゃんの運命』このフィルターがあるから私たちの策に気が付かないだけだ。
 情欲は散らしつつも、私も湯船に浸かり陸を見つめた。

「気持ちいいですね」

「……そうだな」

「…………」

 陸が『会話が続かん!』と思っているのがわかる。
 だが、私も今は余裕がないのだ。
 目に焼き付けたい陸の裸体。けれど反応させてはいけない股間。陸との会話は楽しみたいが声がかすれないようにする余力はない。

「私のことは気にするな、今日は移動で疲れたろう。リラックスしろ。目をつぶっててもいいし」
「……ありがとうございます」

 陸が目をつぶる。
 そして無意識なのだろう。スマートウォッチのベルトを触った。コンちゃんとやらのことを考えているのだ。


「陸、それは駄目だ」
 かなりひんやりとした声が出た自覚はある。

「……何のことですか」

 陸が怯えたように私を見る。こんちゃんを守るんだ。そんな風に気負っているのが伝わってきた。

「なんでも無いよ」

 嗤ってしまう。君が私から守らなければいけないのはコンちゃんなどではなく自分自身なのにね。いや、そのΩは抹殺対象だから同じか。
「……そうですか」

 陸が体を反転させた。湯船のヘリに腕をのせて波を見る。

 ヘリに両腕がのったせいでふわりと陸の体が浮いた。浮力に逆らわずにゆらゆらと足を伸ばしてる。
 陸のかわいいお尻が私の目の前で誘うように動く。
『きて?』

 ゴクリと唾を飲んでしまった。潮騒でこの音が聞こえなければいいのだが…

「あはは。スコーン だけではお腹 膨れませんでしたか。まあ、まだまだ俺ら食べ盛りですからね」
 勘違いした陸が言う

「そうだな。空腹だ。ずっと空腹だ。」
 湯面から出ている背中、尻から目が離せない。

「ずっと?言ってくだされば いくらでもおかわりを用意したのに」

「それはまたの機会に。いずれ、私が満腹になるまで食べさせてもらおう。満腹になることはないかもしれないが」
 陸をいくら貪っても貪っても満腹になる日が来るとは思えないが

「あはは、犬じゃあるまいし。人間には満腹中枢があるから大丈夫ですよ、いくら好きなものでも限界は在りますから、一度限界チャレンジします?」

「ああ。今の言葉に責任もてよ、陸。αなど、犬にも劣るからな。」

 そう番を前にしたアルファなんて発情期の犬にも劣る。ひたすらにひたすらにメスに腰を振るだけだ。

「はい、頑張ります」

 陸はイチゴジャムとスコーンの事を言っている。それはわかっている。けれど…
「覚悟しておけよ。私を煽ったのだから」
 俺はどれだけの量のジャムを作らされるんすか…を陸があきれたように言う


 陸はぷかぷかと浮きながら押しては返す波をじっと見つめている。時折、スマートウォッチを触っているが恐らくは無意識だろう。
 ……

「…そろそろのぼせそうので、俺は出ますね」

 陸が湯舟のヘリに置いておいたスマホをとる。
 何故、何の情報も入って無いスマホを持ってきているの。
 もしかしたらコンちゃんとやらから連絡が来るのではとおもっているの?


「陸、スマートウオッチもだがこのお湯は温泉だ。電子機器は傷むぞ。次から外したらどうだ?」

「大丈夫です。スマートウオッチは防汗ですし、スマホもそんなに長く使うつもりも無いので……」

 ……やはり、そのスマホは使い捨てか。
 では、そのスマートウオッチにはどんな機能が付いているんだ
 無意識にベルトをなぞるほどか

「そうか、まぁ、好きにしろ。それと、ベンチで火照りを冷やすといい。この光景は部屋からは見えないからな。」

 嫉妬を隠し言う

「はい」

 陸がタオルで前を隠してロッキングチェアに座る。
 陸の肌が直接触れている
 ああ、私はロッキングチェアになりたい…

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ああ、京極サマが変態DTになっていく…




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