最上位αの初恋

認認家族

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斜行エレベーターで下る。
海岸に着いた。
陸をさり気なく岩場へと誘導する。特に舗装もしてない岩場は、陸にとっては障害物ばかりの場所だ。つまり……手を差し伸べ放題なのだ!
今も、陸が岩をよじ登ろうとしているから先に飛び跳ねて上にいき、手を差し伸べる。陸は少しだけ躊躇したが、そのまま私の手を取った。
……番から私に伸ばされる腕……クルものがあるな……。
強めに引っ張ると陸の体が浮きそのまま私の胸に飛び込んでくる。うん、力加減はこれがベストだ。

潮溜まりを目指して移動する。
陸の脚力では飛び越えられないから、姫抱きが赦されるはずだ。陸の腕が私の首に回される……『たかつぐ…』なんて甘美な…。

「どうかしました?」
陸が怪訝そうに私を見る。
下半身の熱よ、散れ。
「何でもない、さぁ」
岩を登り、手を差し伸べる
慣れてきたのか諦めたのか、陸が素直に手を伸ばす。やはり反復というのは重要な事なのだな、ハードルが下がる。一度で物を覚える私にとって反復作業というものは無価値、いや時間を消費する負の行為と思っていたのだが……やはり陸は私に新しい発見をくれる。勉強は講義の中では理解しきれずA1で復習している陸。私が君に教えるという貴重な時間をくれる。一度では理解出来ないから何度か繰り返す。眉が寄るのも可愛い。反復とは素晴らしい時間を繰り返すと言う事、さらなる飛躍への道と言う事を陸は教えてくれた……。

目的地に着いた。
陸が、
「ああ、これはもう…」
折り返しますか、そう言う前に陸を抱き上げた。
「え!?」
暴れる前に潮溜まりを飛び越える。
「……、あ、ありがとう御座います」
複雑そうな顔で私をみる。恐らく、『俺も男なんだけどなぁ』と思っているのだろう。
陸は男だよ。とても魅力的な男の子だ。そして私だけのメスだ。
「?京極サマ?」
首を振って陸をおろした。
そのまま進むと先ほどより少し広い潮溜まりにぶつかる。この先には断続的に潮溜まりが続く
抱き上げて飛び越えようとすると僅かに陸が抵抗した。
……首に手を回してくれないし。空中で故意と悟られぬようにバランスを崩すと陸がピタリと動きを止めた。
着地すると陸が謝罪をしてきた。
「気にするな。ただ、首に腕を回してくれた方が安定する」
そう言って、陸が反論する前に軽く助走をとる。陸が私に首にしがみついた。陸のうなじが近づく
……!
僅かに、極僅かに陸から柑橘系の爽やかだが甘みを秘めた香りがした。
あぁ陸!
昨夜、直接私のフェロモンを飲ませた事で急激にΩ化が進んだのだ。
陸が私の為に変化してくれている。
感激の余りに強く抱擁しそうになるが、何とか理性を総動員する。
まだ、まだ気付かれてはならない。
陸がコンちゃんとやらを諦められるようにΩとして完全体になる迄。コンちゃんとやらを始末する迄、それ迄は陸に警戒されてはならない。
この島に来る前までは、陸に私のフェロモンを抽出した薬剤を気付かれぬように飲ませてきた。ただ、陸は陸の為に用意した食事を食べない。毒を警戒する私のように陸もまた、陸だけの為に私が用意したものは食べない。
……陸らしくない程の警戒。
『青島の家の警備は異常だ。あれだけの警備システムを青島の頭脳で整備することは不可能だ。となるとコンちゃんとやらかその関係者が作ったもの、つまり、コンちゃんとやらは二次元ではない。実在するΩだ。』
陸の家に忍び込んだ千葉の見解だ。私も同意見だ。
おおらかな陸らしくない行為。
陸のΩ化を阻む行い。
……コンちゃんとやらは赦しておけない
この香り。私の為に花開こうとする陸。甘い甘い蜜の香り。
これを奪う者は許さない







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