モブのAくん×モブのB。

きみどり

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あるかわからぬ恋模様

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「葛城!お呼ばれ~!」
「…………またかよ」
 ここで言うお呼ばれは、カツアゲでも、ましてや艶っぽい方のものでもない。いや、一応艶っぽいのか?俺、全然関係ないけど。

「これ、牧島くんに上げて!」
「はい、承りました」
 ガックリと肩を落とす俺。クッソー、いつもこれだよ。あいつ、牧島チヒロは、αでもないのにモテまくる。いや、モテるような性格と顔なのは知ってるけど。なんで俺にお鉢回って来るのか。そりゃ親友だけどさ。
 俺の名前、葛城ミサトをにっこり笑ってスルーした時からあいつは俺の親友だ。親もどうかしてるよな。この名前。
 某有名映画の有名キャラを知っていて爆笑しなかったのはチヒロだけだから。
 突然変異で出て来たαの姉がとち狂いながら決めた名前なんぞに価値はないのだ。αだっていうのに、αの男と番になって、ピッチングしてΩになるという奇行を果たしたαの姉は奇人変人の類だ。
 そんなこともあってかちょっとした地元の有名人なことは自覚しているが。顔が良いのにあの性格は誰からも愛されないだろうと思っていたものだが似たような変人は探せば居るものだ。
 そんな埒もあかないことを考えながらチヒロのクラスに着いた。
「ほい、運搬完了」
「ありがとう。また、なんだ?」
「チヒロ、モテモテだよなあ。実はαなんじゃねえの」
「はは、運命の人現れるかな?」
「クソー、イケメンの余裕かよ」
「ミサトもそのうちモテるよ、俺とか」
「イケメンにモテてもなあー」
「ハハハ、あ、これ、有名店のチョコだ。はい」
「ん、サンキュ」
 チヒロがひとつぶ摘んだ生チョコをパクつく。
「ん、ンマ」
 女子がくれた生チョコは有名店のもので、口に含んだ途端に甘く蕩けていった。
「そっか、じゃあ俺も」
「俺毒味かよ」
「はは、良きに計らえ」
「お前らさあ、なんなの?番?」
「「へ?」」
 こちらは、チヒロのクラスメイトのモブのCくん。
「いやいや、俺らはβよ?モブにんなもんねーし」
「同性同士でも結婚出来るけど大概αとΩだしね」
「具体例出すとか逆に怪しい」
「斎藤、モテねえから嫉妬か?運搬係変われよ」
「いや、死にたくねえし」
「は?」
 隣では腕組みしながら、ウンウンと頷くチヒロ。
「?なに?もうひとつ食べる?」
「食う」
 なんか分からんけど、小難しいことは、α様方に任せとけば良いのだ。
 モブのβたちには関係がない。
 βとβの恋愛なんてそんなものだ。 
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