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魔法と魔術
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それからの日々は忙しく流れていきました。普段通り他国含めての要請をさばきつつ、お嬢様はご当主様と不在の間の準備を進めていきます。いくら嘗て就いていたとはいえ役目から離れて久しく今現在把握しておかなければならない事柄はたくさんあります。もっとも、お嬢様の見立て通りだったのかご当主様は大体は把握されていたようです。血は争えないと言う事でしょうか。
僕も主な仕事はお嬢様のお世話とはいえ多少は塔での仕事がありますので、その引継ぎをしつつ、魔術の一つも仕えた方が良いのかもしれないと、基礎的な魔術本を手に取ってみたのですがよく分かりませんでした。
そもそも魔術というのはいつごろからかわかりませんが人が使えるようになっていた力なのだそうです。人が体内に蓄えている魔力というものを燃料として世界に呼びかけ現象を起こす。そして魔法使いは魔法を目指すものだと言うのです。
魔術と魔法どこが違うというのでしょうか。
「それは簡単よ。決定的に異なっているものですもの」
夢で告げられた入学当日、僕とお嬢様は部屋の中で向かい合っていました。わかっているのは、許可証代わりの小石を身に付けていると言う事だけ。ご当主様は何も教えてくださりませんでしたので、待つしかないだろうと朝からずっと2人でいます。何もしていないのも退屈だから何か話をと言う事になり、疑問として引っかかっていた魔術と魔法の違いについて疑問を口にした所のお嬢様の返答でした。
「魔術は何処まで行っても自然現象の延長線上にあるものなの。発火も浮遊も転移も自然に発生する可能性はゼロではないわ。魔術はゼロではない確率を100にする術ともいえるわね。魔法はそうでないものを言うの。死者蘇生や時間操作、世界間移動のような仮定はされているけれど確認はされていない魂や時間、世界そのものと言った要素を操るものよ。今迄に使えた人なんて数えるほどしかいないわ。だからこそ、魔法使いは魔術しか使えなくとも魔法使いを名乗り魔法を追い求めるの。浪漫よね」
「時間や魂……。まるで奇跡ですね」
「だからこそ魔法なんて呼ばれるのでしょうね。存在だけは知られている魔法の中には虚数を操るものもあったはずだけど、その本は何処だったかしら」
本を探しに立ち上がったお嬢様はそこで動きを止めました。
「残念。時間みたい。講義はまたの機会ね。それか学校に図書館があるならそこで探してみるのもいいかも」
許可証の小石が眩い光を放ちます。お嬢様のものも僕のものも、直視できない程に眩しさを纏い、一気に収束しました。
僕も主な仕事はお嬢様のお世話とはいえ多少は塔での仕事がありますので、その引継ぎをしつつ、魔術の一つも仕えた方が良いのかもしれないと、基礎的な魔術本を手に取ってみたのですがよく分かりませんでした。
そもそも魔術というのはいつごろからかわかりませんが人が使えるようになっていた力なのだそうです。人が体内に蓄えている魔力というものを燃料として世界に呼びかけ現象を起こす。そして魔法使いは魔法を目指すものだと言うのです。
魔術と魔法どこが違うというのでしょうか。
「それは簡単よ。決定的に異なっているものですもの」
夢で告げられた入学当日、僕とお嬢様は部屋の中で向かい合っていました。わかっているのは、許可証代わりの小石を身に付けていると言う事だけ。ご当主様は何も教えてくださりませんでしたので、待つしかないだろうと朝からずっと2人でいます。何もしていないのも退屈だから何か話をと言う事になり、疑問として引っかかっていた魔術と魔法の違いについて疑問を口にした所のお嬢様の返答でした。
「魔術は何処まで行っても自然現象の延長線上にあるものなの。発火も浮遊も転移も自然に発生する可能性はゼロではないわ。魔術はゼロではない確率を100にする術ともいえるわね。魔法はそうでないものを言うの。死者蘇生や時間操作、世界間移動のような仮定はされているけれど確認はされていない魂や時間、世界そのものと言った要素を操るものよ。今迄に使えた人なんて数えるほどしかいないわ。だからこそ、魔法使いは魔術しか使えなくとも魔法使いを名乗り魔法を追い求めるの。浪漫よね」
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「だからこそ魔法なんて呼ばれるのでしょうね。存在だけは知られている魔法の中には虚数を操るものもあったはずだけど、その本は何処だったかしら」
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「残念。時間みたい。講義はまたの機会ね。それか学校に図書館があるならそこで探してみるのもいいかも」
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