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SIDE ジェシカ(ローズ)
クレアとジェシカ 1
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クレア様の仮婚約破棄とお馬鹿な元第一王子トリスタンの廃嫡から、数日。
私はクレア様とお話ししたいことがあって、学園内を探し回っていました。
クレア様は庭園の奥にある東屋で、ぼーっと空を見上げていらっしゃいました。
元第一王子トリスタンの仮婚約者であったことで、肩身の狭い思いをされているのでしょう。
あの後、お馬鹿な元第一王子トリスタンと11人の仮婚約者と彼女たちのご実家とのあれこれで、仮婚約者が全員元第一王子のお手付きだということが分かってしまい、噂が一気に王都中に広がりました。
11人が全員そうだということは、クレア様もそうだったのだと決めつける方々ばかりでしたが、元第一王子の思い通りにならなかったから仮婚約を破棄されたのだと、王家とクレア様のご実家が噂を消そうとしています。
王家と高位貴族のお家騒動が関わっているので、医師の診断書に信憑性を持たせることも難しく、クレア様のお手付き疑惑を払拭するには至っておりません。
次期王太子に内定している第五王子の婚約者であるルース様の実姉の不名誉になることは、例え噂であっても消さねばなりませんものね。
せいぜい頑張ってくださいませ。
私に気が付くと、クレア様は驚いた顔をされました。
そんなお顔をされては、私でも少しは傷つくのですけれど。
「クレア様はこれからどうするおつもりですの?」
私が尋ねると、驚くほど素直にお返事が返ってきました。
「このままでは、元第一王子殿下よりも条件の悪いお相手と、仮婚約を結ばれてしまうでしょう。その前に家を・・いえ、この国から出たいと思っているのですけれど、どうすればいいのか分からないのです。私には、私を道具としてしか扱ってこなかったお父様とお母様と、元第一王子のためだけに生きてきた過去しかありません。王子妃教育と学園での勉強しかしてこなかった自分になにができるのか、どうすれば生きていくことができるのか、分からないのです」
暗い目をしてクレア様は俯いてしまわれました。
そうでしょうね。
貴女は貴女が思っている以上に、世間知らずのお嬢さまです。
「庶民の暮らしを体験してみるのはどうかしら?私はミューラーン国という、本当に小さな国の孤児院の出身なのですけれど、貴女さえよければ、孤児院が併設されている教会のシスターに、住み込みで働けるように推薦して差し上げてよ?」
「・・・なぜですの?私、貴女には嫌な態度しか取った記憶がございませんわ。なにか下心でもございますの?」
「あら嫌だわ。あんなお馬鹿男に付きまとわれ続けて嫁にされるところだった上に、貴女にはなんの非もないのに、仮婚約破棄された傷物だなんて言われて、最悪な人生じゃありませんか!・・・と失礼いたしました。貴女の価値と人生を、あんな馬鹿男とこんなクソみたいな国に台無しにされて、腹が立つじゃありませんか」
私が態とした言い回しを聞いた一瞬後、クレア様が淑女にあるまじき大声で、笑い始めました。
「私が開放されたのは、貴女のおかげですわ。本当にありがとうございました」
ひとしきり笑った後にそう言って、頭を下げてきました。
私は自分一人が生きることで手一杯です。
でも私が生きていくために利益になることがあるのでしたら、協力は惜しみませんわ。
「一つ、教えていただきたいことがございますの」
「私でお答えできることでしたら、なんなりと」
「どうやって、あの馬鹿王子から身を守っていらしたの?」
私はクレア様とお話ししたいことがあって、学園内を探し回っていました。
クレア様は庭園の奥にある東屋で、ぼーっと空を見上げていらっしゃいました。
元第一王子トリスタンの仮婚約者であったことで、肩身の狭い思いをされているのでしょう。
あの後、お馬鹿な元第一王子トリスタンと11人の仮婚約者と彼女たちのご実家とのあれこれで、仮婚約者が全員元第一王子のお手付きだということが分かってしまい、噂が一気に王都中に広がりました。
11人が全員そうだということは、クレア様もそうだったのだと決めつける方々ばかりでしたが、元第一王子の思い通りにならなかったから仮婚約を破棄されたのだと、王家とクレア様のご実家が噂を消そうとしています。
王家と高位貴族のお家騒動が関わっているので、医師の診断書に信憑性を持たせることも難しく、クレア様のお手付き疑惑を払拭するには至っておりません。
次期王太子に内定している第五王子の婚約者であるルース様の実姉の不名誉になることは、例え噂であっても消さねばなりませんものね。
せいぜい頑張ってくださいませ。
私に気が付くと、クレア様は驚いた顔をされました。
そんなお顔をされては、私でも少しは傷つくのですけれど。
「クレア様はこれからどうするおつもりですの?」
私が尋ねると、驚くほど素直にお返事が返ってきました。
「このままでは、元第一王子殿下よりも条件の悪いお相手と、仮婚約を結ばれてしまうでしょう。その前に家を・・いえ、この国から出たいと思っているのですけれど、どうすればいいのか分からないのです。私には、私を道具としてしか扱ってこなかったお父様とお母様と、元第一王子のためだけに生きてきた過去しかありません。王子妃教育と学園での勉強しかしてこなかった自分になにができるのか、どうすれば生きていくことができるのか、分からないのです」
暗い目をしてクレア様は俯いてしまわれました。
そうでしょうね。
貴女は貴女が思っている以上に、世間知らずのお嬢さまです。
「庶民の暮らしを体験してみるのはどうかしら?私はミューラーン国という、本当に小さな国の孤児院の出身なのですけれど、貴女さえよければ、孤児院が併設されている教会のシスターに、住み込みで働けるように推薦して差し上げてよ?」
「・・・なぜですの?私、貴女には嫌な態度しか取った記憶がございませんわ。なにか下心でもございますの?」
「あら嫌だわ。あんなお馬鹿男に付きまとわれ続けて嫁にされるところだった上に、貴女にはなんの非もないのに、仮婚約破棄された傷物だなんて言われて、最悪な人生じゃありませんか!・・・と失礼いたしました。貴女の価値と人生を、あんな馬鹿男とこんなクソみたいな国に台無しにされて、腹が立つじゃありませんか」
私が態とした言い回しを聞いた一瞬後、クレア様が淑女にあるまじき大声で、笑い始めました。
「私が開放されたのは、貴女のおかげですわ。本当にありがとうございました」
ひとしきり笑った後にそう言って、頭を下げてきました。
私は自分一人が生きることで手一杯です。
でも私が生きていくために利益になることがあるのでしたら、協力は惜しみませんわ。
「一つ、教えていただきたいことがございますの」
「私でお答えできることでしたら、なんなりと」
「どうやって、あの馬鹿王子から身を守っていらしたの?」
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