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SIDE ジェシカ(ローズ)
クレアとジェシカ 2
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自分の侍女も護衛も従えることを許されない王宮内で、か弱いご令嬢がたった1人で、どうやってあの馬鹿王子から身を守っていらしたのでしょう。
あれはお馬鹿ですが、常にまわりにお仲間が複数名いたはずです。
「・・・私、結界魔法が使えますの」
「あら素敵!・・・でもこれから出国するのであれば、それは国内では秘密にしておいた方がよろしいですわね。稀少な結界魔法の使い手と知られたら、この国が囲おうとしますもの。・・・そうですか・・稀有な属性魔法で身を守っていらしたのね。今流れている良くない噂を消すことのできる秘密があるのでは、と思っていたのですけれど・・・」
稀有な属性である結界魔法の使い手。
驚きです。
けれど残念です。
結界魔法を使って身を守っていたことを証明すれば、不名誉な噂は払拭されるかもしれませんが、クレア様はこの国に囲われてしまいます。
自由を手に入れるためには、魔法のことは公にすることはできません。
私の感も鈍ったものです。
お金の匂いがしたのですけれど。
「あぁ、そうですわね。噂などどうでもいいと思っていましたけれど、ルースのことを考えると、未婚の姉が傷物かもしれないという噂があるのは、体裁が悪いですわよね。私、あの家でルースにだけは、肉親としての愛情を抱いておりますのよ」
そう言って、首から下げている鎖を制服の中から引っ張り出しました。
鎖には金貨が2~3枚入れられるくらいの小さな布製の巾着が、ペンダントトップのような顔をして付いています。
貴族令嬢と鎖と巾着?
そのアンマッチさに目をパチパチしていると、クレア様が巾着から布を取り出しました。
お待ちになって。
その小さい巾着から、なぜその大きさの布が出てきますの?
「これは私の結界魔法を付与した巾着ですの。巾着の中は複数の結界に接続可能で便利なんですのよ。いろいろな生地を試したのですが、付与が定着したのがこれだけでしたの。見た目より利便性重視ですわ」
心を読まれたようで、驚きました。
それよりも、結界魔法を付与したとおっしゃいませんでした?
付与魔法は結界魔法と同じくらい稀有な属性魔法なことをご存じありませんの?
巾着の中は複数の結界に接続可能とおっしゃいませんでした?
この世界に数個しか確認されていないという魔法の鞄より、遥かに凄くありませんこと!?
なんなんですの、この方・・・
ただでさえとんでもなく世間知らずなのに、非凡で非常識な能力の持ち主ではありませんか!
なんて危なっかしいのかしら!!
「これは形状変化を付与した布ですの。付与ができる方であれば簡単に作ることができると思いますわ。魔法が使えない方でも魔力は内包していると言われていますので、魔力を布に流すことさえできれば、どなたでもお使いになれると思いますの。ジェシカ様は魔法はお使いになれまして?」
「え?・・・ええ」
いけませんわ、思わず返事をしてしまったではありませんか。
危なっかしいくせに、相手を油断させることに関しては手練れですの?
「ではこの布を、このように、胸元を覆ってから魔力を流してくださいませ。ただ流すだけで大丈夫だと思います」
クレア様から布を受け取ります。
シルク・・・でしょうか。
控えめに光沢があって、トロンとしていて、見た目より重みのある布です。
大きさはスカーフとハンカチーフの中間位で、丁度胸元が隠れるくらいの大きさです。
言われた通りに胸元を隠すように覆い、魔力を流します。
「きゃっ!」
突然布が形を変えて体に纏わりつき、固まりました。
「一度魔力を流して形が整ったら、暫くは魔力を流さなくてもその形が維持されますの。触ってみてくださいませ」
だんだんクレア様の言っていることを理解するのが困難になってきています。
「え?え?なにこれ、鎧?」
布が金属のように変化しています。
薄くて軽いのですが、撫でても叩いても、その感覚は直接肌には感じられません。
「凄い、ですね」
凄い、の他に言葉が浮かびません。
そして私は断言できますわ。
クレア様はこの凄さを絶対に理解されていないということを。
「私の結界魔法はまだまだ未熟で、結界魔法を使っていることで殿下が違和感を感じると暴力を振るわれていたので、触られてしまった時に少しでも気持ち悪さが軽減するようにと思って、必死に作りましたの。」
あぁ、それほどまでに、気持ち悪かったのですね。
こんな、非常識なものを作り上げてしまうほどに・・・
「物凄く、心から、理解できますわ」
「貴女はどうやってご自分の身を守っていらしたのですか?黙って触られては、いませんよね?」
今度は私が同じ質問をされました。
私の頭がフル回転で計算を始めます。
このご令嬢を逃してはいけないと、本能が告げています。
あれはお馬鹿ですが、常にまわりにお仲間が複数名いたはずです。
「・・・私、結界魔法が使えますの」
「あら素敵!・・・でもこれから出国するのであれば、それは国内では秘密にしておいた方がよろしいですわね。稀少な結界魔法の使い手と知られたら、この国が囲おうとしますもの。・・・そうですか・・稀有な属性魔法で身を守っていらしたのね。今流れている良くない噂を消すことのできる秘密があるのでは、と思っていたのですけれど・・・」
稀有な属性である結界魔法の使い手。
驚きです。
けれど残念です。
結界魔法を使って身を守っていたことを証明すれば、不名誉な噂は払拭されるかもしれませんが、クレア様はこの国に囲われてしまいます。
自由を手に入れるためには、魔法のことは公にすることはできません。
私の感も鈍ったものです。
お金の匂いがしたのですけれど。
「あぁ、そうですわね。噂などどうでもいいと思っていましたけれど、ルースのことを考えると、未婚の姉が傷物かもしれないという噂があるのは、体裁が悪いですわよね。私、あの家でルースにだけは、肉親としての愛情を抱いておりますのよ」
そう言って、首から下げている鎖を制服の中から引っ張り出しました。
鎖には金貨が2~3枚入れられるくらいの小さな布製の巾着が、ペンダントトップのような顔をして付いています。
貴族令嬢と鎖と巾着?
そのアンマッチさに目をパチパチしていると、クレア様が巾着から布を取り出しました。
お待ちになって。
その小さい巾着から、なぜその大きさの布が出てきますの?
「これは私の結界魔法を付与した巾着ですの。巾着の中は複数の結界に接続可能で便利なんですのよ。いろいろな生地を試したのですが、付与が定着したのがこれだけでしたの。見た目より利便性重視ですわ」
心を読まれたようで、驚きました。
それよりも、結界魔法を付与したとおっしゃいませんでした?
付与魔法は結界魔法と同じくらい稀有な属性魔法なことをご存じありませんの?
巾着の中は複数の結界に接続可能とおっしゃいませんでした?
この世界に数個しか確認されていないという魔法の鞄より、遥かに凄くありませんこと!?
なんなんですの、この方・・・
ただでさえとんでもなく世間知らずなのに、非凡で非常識な能力の持ち主ではありませんか!
なんて危なっかしいのかしら!!
「これは形状変化を付与した布ですの。付与ができる方であれば簡単に作ることができると思いますわ。魔法が使えない方でも魔力は内包していると言われていますので、魔力を布に流すことさえできれば、どなたでもお使いになれると思いますの。ジェシカ様は魔法はお使いになれまして?」
「え?・・・ええ」
いけませんわ、思わず返事をしてしまったではありませんか。
危なっかしいくせに、相手を油断させることに関しては手練れですの?
「ではこの布を、このように、胸元を覆ってから魔力を流してくださいませ。ただ流すだけで大丈夫だと思います」
クレア様から布を受け取ります。
シルク・・・でしょうか。
控えめに光沢があって、トロンとしていて、見た目より重みのある布です。
大きさはスカーフとハンカチーフの中間位で、丁度胸元が隠れるくらいの大きさです。
言われた通りに胸元を隠すように覆い、魔力を流します。
「きゃっ!」
突然布が形を変えて体に纏わりつき、固まりました。
「一度魔力を流して形が整ったら、暫くは魔力を流さなくてもその形が維持されますの。触ってみてくださいませ」
だんだんクレア様の言っていることを理解するのが困難になってきています。
「え?え?なにこれ、鎧?」
布が金属のように変化しています。
薄くて軽いのですが、撫でても叩いても、その感覚は直接肌には感じられません。
「凄い、ですね」
凄い、の他に言葉が浮かびません。
そして私は断言できますわ。
クレア様はこの凄さを絶対に理解されていないということを。
「私の結界魔法はまだまだ未熟で、結界魔法を使っていることで殿下が違和感を感じると暴力を振るわれていたので、触られてしまった時に少しでも気持ち悪さが軽減するようにと思って、必死に作りましたの。」
あぁ、それほどまでに、気持ち悪かったのですね。
こんな、非常識なものを作り上げてしまうほどに・・・
「物凄く、心から、理解できますわ」
「貴女はどうやってご自分の身を守っていらしたのですか?黙って触られては、いませんよね?」
今度は私が同じ質問をされました。
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このご令嬢を逃してはいけないと、本能が告げています。
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