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チャプタ―14
ダメな安倍晴明14
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四
晴明が失態をさらした次の日の夜、晴足は中級貴族が集まる酒宴へと顔を出していた。
目的は仕事を集めることだ。官人陰陽師であれば黙っていても向こうから依頼がやって来るが、やはり民間の陰陽師である法師陰陽師はある程度、こうやって顔をつなぐことも入用だ。
盃を干しながら、貴族の他愛もない話に耳を傾ける。
「このあいだ、内裏に地下(庶民)が入り込んで駆けまわったのだ。まったく、なにゆえにあやつらはあのような所業に及ぶのだ」
そのような貴殿の反応が面白くてだろうさ、と思ったものの晴足は黙っておいた。
この時代、内裏に庶民が入り込むということも珍しくなかった。むしろ、乱暴狼藉に及ばなかったのだから大人しかった部類だ。
「地下とは面妖なものでありますなあ」
先の貴族の言葉にもうひとりの貴族が相槌を打つ。
「地下で思い出した。この間、左衛門大夫殿の邸が雇っていた地下の裏切りで盗賊に入られたらしい」
「はあ、地下とは欲深いものでございますなあ」
三人目の貴族の言葉に、最初の貴族が震え上がった風情でうなずいた。
「されど、陰陽師の晴足殿はもっと怖い思いをされているのでありましょう」
「晴明殿のご兄弟ともなれば、それはもう」
晴明の名が出て晴足は内心一気に不機嫌になる。
「人のほうが手前は恐ろしゅうごまいます」
「ほう、人のほうが」
晴足の言葉に、場にいた貴族が興味深げな表情を浮かべる。
「死者も鬼も一念のために行動いたします。されど、人はあれもこれもと欲深い、キリありませぬ」
「なるほど」
「確かに」
「ふむ」
貴族たちは納得がいったようすで顎を引いた。
「されど、あれもこれもと抱え込むのが人の性」
貴族のひとりが酒を飲み干しながら告げる。
「さようさよう、我らは皆、罪人にございまする」
「罪人とは言い得て妙」
貴族たちが声をそろえて笑った。
晴明が失態をさらした次の日の夜、晴足は中級貴族が集まる酒宴へと顔を出していた。
目的は仕事を集めることだ。官人陰陽師であれば黙っていても向こうから依頼がやって来るが、やはり民間の陰陽師である法師陰陽師はある程度、こうやって顔をつなぐことも入用だ。
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「このあいだ、内裏に地下(庶民)が入り込んで駆けまわったのだ。まったく、なにゆえにあやつらはあのような所業に及ぶのだ」
そのような貴殿の反応が面白くてだろうさ、と思ったものの晴足は黙っておいた。
この時代、内裏に庶民が入り込むということも珍しくなかった。むしろ、乱暴狼藉に及ばなかったのだから大人しかった部類だ。
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「地下で思い出した。この間、左衛門大夫殿の邸が雇っていた地下の裏切りで盗賊に入られたらしい」
「はあ、地下とは欲深いものでございますなあ」
三人目の貴族の言葉に、最初の貴族が震え上がった風情でうなずいた。
「されど、陰陽師の晴足殿はもっと怖い思いをされているのでありましょう」
「晴明殿のご兄弟ともなれば、それはもう」
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「ほう、人のほうが」
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「死者も鬼も一念のために行動いたします。されど、人はあれもこれもと欲深い、キリありませぬ」
「なるほど」
「確かに」
「ふむ」
貴族たちは納得がいったようすで顎を引いた。
「されど、あれもこれもと抱え込むのが人の性」
貴族のひとりが酒を飲み干しながら告げる。
「さようさよう、我らは皆、罪人にございまする」
「罪人とは言い得て妙」
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