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チャプター20
ダメな安倍晴明20
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五
この日、晴明たちは夜になって兄弟で連れ立って左京の一隅へ足を運んだ。
そこは貴族が引っ越す予定の邸が建っている。
目的は晴明を鍛えることだ。兄弟たちは付き添いで、邸に出るという妖を晴明ひとりで祓わせる肚づもりでいた。
寝殿に向かうと、探すまでもなく妖が現れた。
それも一匹や二匹ではない。数十匹の器物の妖が群れていたのだ。
無理やりに先頭に立たされ孤立がちだった晴明が妖の群れに囲まれた。
「わ、よせ」
晴明が悲鳴を上げるが妖たちは構わない、節くれだった昆虫じみた手足で彼のことを数に任せて打ち据える。
実際はただ単に殴られているのではない。微力ながら、呪詛を手足に載せて浴びせられているのだ。ただ、晴明の霊力が強いためにその攻撃が軽く叩いている程度にしか効いていないのだ。
「み、みな、助け、助けて」
晴明が救いを求めてくる。
晴足は兄弟たちを見た。だが、彼らは晴篤以外の物は真剣な顔で助けに行く素振りはない。
晴足はふたたび晴明のほうに視線をもどした。
小妖と晴明の力の差があって今すぐにどうこうという雰囲気ではない。
だが、これまではこの兄を助けてやってきたのだから、どこか違和感があった。
それに、次第次第に晴明の動きも鈍っていた。
四半刻だろうか、晴明の動向を黙って見守っていたのだ。
が、ついに晴明も呪詛にやられて顔色が悪くなりほとんど棒立ちの態になった。
「みな、そろそろ」
助けに入ったほうがいいのではない、と晴足が訴えた瞬間、彼の霊的な力を持つ者だけに見える視野に閃光じみたものが瞬いた。
次の瞬間、妖のほとんどが吹き飛んでいる。
「あれは」
「祓えだ」
晴足の言葉に、鼻息を荒くしながら晴俊が応じた。
「これほどのものか」「いや、驚いた」
そこに晴秀が驚愕の声で言葉を発する。同時に晴篤が目を丸くした。
「これ、晴明大事はないか」
晴秀が晴明へと近づいて行った。
とたん、晴明が体を傾がせる。倒れかかる兄を、晴秀が受け止めた。
この日、晴明たちは夜になって兄弟で連れ立って左京の一隅へ足を運んだ。
そこは貴族が引っ越す予定の邸が建っている。
目的は晴明を鍛えることだ。兄弟たちは付き添いで、邸に出るという妖を晴明ひとりで祓わせる肚づもりでいた。
寝殿に向かうと、探すまでもなく妖が現れた。
それも一匹や二匹ではない。数十匹の器物の妖が群れていたのだ。
無理やりに先頭に立たされ孤立がちだった晴明が妖の群れに囲まれた。
「わ、よせ」
晴明が悲鳴を上げるが妖たちは構わない、節くれだった昆虫じみた手足で彼のことを数に任せて打ち据える。
実際はただ単に殴られているのではない。微力ながら、呪詛を手足に載せて浴びせられているのだ。ただ、晴明の霊力が強いためにその攻撃が軽く叩いている程度にしか効いていないのだ。
「み、みな、助け、助けて」
晴明が救いを求めてくる。
晴足は兄弟たちを見た。だが、彼らは晴篤以外の物は真剣な顔で助けに行く素振りはない。
晴足はふたたび晴明のほうに視線をもどした。
小妖と晴明の力の差があって今すぐにどうこうという雰囲気ではない。
だが、これまではこの兄を助けてやってきたのだから、どこか違和感があった。
それに、次第次第に晴明の動きも鈍っていた。
四半刻だろうか、晴明の動向を黙って見守っていたのだ。
が、ついに晴明も呪詛にやられて顔色が悪くなりほとんど棒立ちの態になった。
「みな、そろそろ」
助けに入ったほうがいいのではない、と晴足が訴えた瞬間、彼の霊的な力を持つ者だけに見える視野に閃光じみたものが瞬いた。
次の瞬間、妖のほとんどが吹き飛んでいる。
「あれは」
「祓えだ」
晴足の言葉に、鼻息を荒くしながら晴俊が応じた。
「これほどのものか」「いや、驚いた」
そこに晴秀が驚愕の声で言葉を発する。同時に晴篤が目を丸くした。
「これ、晴明大事はないか」
晴秀が晴明へと近づいて行った。
とたん、晴明が体を傾がせる。倒れかかる兄を、晴秀が受け止めた。
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