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チャプタ―63
ダメな安倍晴明63
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玉藻前を内裏に送り込んだ公卿の邸で談合が開かれていた。
主催した鷲鼻の公卿が口火を切った。
「玉藻前なる女房、妖であるとのこと。内裏に、親王陛下のお側に置いておくことはできぬ」
彼の言葉に、
「なんと、玉藻前は妖であったか」
「それは由々しきこと」
と他の公卿が驚愕の声をもらす。
「それはまことでありましょうや。間違いであったでは済まされぬが」
疑り深い者の問いかけに、
「疑うなら蔵人陰陽師に確かめてみさせればよい」
と彼はこたえた。
「そこまで貴殿が申されるなら」
くだんの公卿は言葉を濁す。
「今宵、みなに集まってもらったのは玉藻前討つべしという奏上に賛成してもらいたく改めて意を問うためだ」
集まった数人の公卿を見まわす彼の視線に、顔ぶれは硬い表情になった。
親王の寵愛を受ける者を討つという事実、その者が妖でるという事実などに緊張せざるをなかったのだ。
「みな、いかがか?」
彼の問いかけに返事があるには時間がかかった。だが、お陰で賛意を得られる。
「貴殿の仰る通り」
「内裏に妖を放置することはできまい」
「誰かがなんとかせねばなるまいて」
それらの言葉に彼は口角を吊り上げた。
「それにしても、ぜひに妖退治はつながりのある兵に成就させたいものだ」
公卿のひとりの発言に、みなの表情がハッとなる。
公卿だから直接には関係ないが、間接的には目をかけているもののふに功を上げさせる機会だと気づいたのだ。権力の座にいるだけあって、彼らは自分の手を汚さずに済むための者を飼っていた。
「なるほど、単なる妖退治なら陰陽師の出番で終わりだが、こたびは大捕物となろう。なれば、武士の出番もありましょう」
「したが、摂政殿に縁深い源頼光殿に妖を討たれると厄介ですな」
ひとりの言葉に、みなが顔をしかめる。
源頼光といえば、鬼を斬ったことで知られる渡辺綱や、童話金太郎の元になった坂田金時など歴戦の猛者を手下にしている武士の棟梁だ。実績もあるだけに、彼らを出し抜くのは困難に思えた。
「まあ、鬼退治の手柄は余禄のようなものと捉えるか」
彼の言葉に、
「そうですな」「そうしましょう」「さよう」
と公卿たちが声を揃える。
主催した鷲鼻の公卿が口火を切った。
「玉藻前なる女房、妖であるとのこと。内裏に、親王陛下のお側に置いておくことはできぬ」
彼の言葉に、
「なんと、玉藻前は妖であったか」
「それは由々しきこと」
と他の公卿が驚愕の声をもらす。
「それはまことでありましょうや。間違いであったでは済まされぬが」
疑り深い者の問いかけに、
「疑うなら蔵人陰陽師に確かめてみさせればよい」
と彼はこたえた。
「そこまで貴殿が申されるなら」
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「今宵、みなに集まってもらったのは玉藻前討つべしという奏上に賛成してもらいたく改めて意を問うためだ」
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「みな、いかがか?」
彼の問いかけに返事があるには時間がかかった。だが、お陰で賛意を得られる。
「貴殿の仰る通り」
「内裏に妖を放置することはできまい」
「誰かがなんとかせねばなるまいて」
それらの言葉に彼は口角を吊り上げた。
「それにしても、ぜひに妖退治はつながりのある兵に成就させたいものだ」
公卿のひとりの発言に、みなの表情がハッとなる。
公卿だから直接には関係ないが、間接的には目をかけているもののふに功を上げさせる機会だと気づいたのだ。権力の座にいるだけあって、彼らは自分の手を汚さずに済むための者を飼っていた。
「なるほど、単なる妖退治なら陰陽師の出番で終わりだが、こたびは大捕物となろう。なれば、武士の出番もありましょう」
「したが、摂政殿に縁深い源頼光殿に妖を討たれると厄介ですな」
ひとりの言葉に、みなが顔をしかめる。
源頼光といえば、鬼を斬ったことで知られる渡辺綱や、童話金太郎の元になった坂田金時など歴戦の猛者を手下にしている武士の棟梁だ。実績もあるだけに、彼らを出し抜くのは困難に思えた。
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「そうですな」「そうしましょう」「さよう」
と公卿たちが声を揃える。
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