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「撃てりゃいいってもんなじゃねえだろう」
猪助があきれた顔をした。それを受けて助左衛門が頭を掻く。
「最前の仕事も栄助の働きは大きかった」
依頼は寺銭の強奪を手伝ってほしい、というものだった。
賭場の近隣の百姓の息子が、父が博奕に引き込まれて破滅したことに怒り、集められるだけの金を噂に聞いていたという猪助親分に差し出したのだ。こうして、栄助たちは陣借り無宿として働くことになった。
賭場が開かれてる寺を近くの丘から臨んだ。
鉄砲を持って這いつくばっているのは栄助ひとりだった。夜の目利きを下げないよう酒は控えていた。
夜明け前の四半刻の時刻を迎える。薄明りの中で人は妙に安全だと思う傾向があるため栄助は充分に周囲に注意した。だが、もとよりやくざ者たちは鉄砲で狙われることを考慮していない。
一町の距離を、開け放たれた本堂の灯りを頼りに撃った。風が左から右に一定の速さで吹いていたから左側に銃口を向けた。
刹那、壺振りが胸に銃丸を受けて絶命する。
と同時に、事前に伊平治が仕掛けていた複数の火薬が燃え上がった。本堂が火に包まれた。
一気にやくざ者、客、双方が恐慌に陥る。一斉に出入り口に殺到する彼らを、栄助は遠くから観察していた。
やがて、彼らに混じり千両箱を手にした男たちが出てきたので口角をあげた。
混乱に乗じて仲間たちが銭の入った千両箱を掴んで表に出てきたのだ。
猪助があきれた顔をした。それを受けて助左衛門が頭を掻く。
「最前の仕事も栄助の働きは大きかった」
依頼は寺銭の強奪を手伝ってほしい、というものだった。
賭場の近隣の百姓の息子が、父が博奕に引き込まれて破滅したことに怒り、集められるだけの金を噂に聞いていたという猪助親分に差し出したのだ。こうして、栄助たちは陣借り無宿として働くことになった。
賭場が開かれてる寺を近くの丘から臨んだ。
鉄砲を持って這いつくばっているのは栄助ひとりだった。夜の目利きを下げないよう酒は控えていた。
夜明け前の四半刻の時刻を迎える。薄明りの中で人は妙に安全だと思う傾向があるため栄助は充分に周囲に注意した。だが、もとよりやくざ者たちは鉄砲で狙われることを考慮していない。
一町の距離を、開け放たれた本堂の灯りを頼りに撃った。風が左から右に一定の速さで吹いていたから左側に銃口を向けた。
刹那、壺振りが胸に銃丸を受けて絶命する。
と同時に、事前に伊平治が仕掛けていた複数の火薬が燃え上がった。本堂が火に包まれた。
一気にやくざ者、客、双方が恐慌に陥る。一斉に出入り口に殺到する彼らを、栄助は遠くから観察していた。
やがて、彼らに混じり千両箱を手にした男たちが出てきたので口角をあげた。
混乱に乗じて仲間たちが銭の入った千両箱を掴んで表に出てきたのだ。
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