笑う死霊家臣団 (別名義、別作品で時代小説新人賞最終選考落選歴あり)

牛馬走

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チャプタ―115

チャプタ―115

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 領地と一族郎党を失ったときの己ではない――それを、今はもう居ない清次郎のためにも証明しなければならない。
 現実に打ちひしがれるだけなど、御免こうむる、市右衛門は強くそう思った。

 ――そして、尾行を担当していた山潜りたちと合流し、敵が消えたという廃寺を襲撃した。
 不意打ちの手裏剣を合図に、市右衛門と平兵衛、八九郎と右京亮が建物の朽ちかけた壁を突き破って侵入する。
 中にいた透波が手裏剣を放つ――剣光一閃、平兵衛がそれを防いだ。
 渠の脇を抜けて市右衛門がさらに前へ。
“転”――ほぼ同時に、その腕が電光と化した。
 ……耳障りな音が鳴り、火花が闇に散る。
 例の南蛮の剣士が大剣を電撃的迅さで抜き放つや、剣身を立てて防御したのだ。祓魔師(エクソシスト)を狙って放たれた一撃は失敗に終わる。
 一方、同じく術者を狙った八九郎と右京亮は、敵が振り撒いた液体――一見、水に見える物を手足に浴びてしまい、頭を打たれたように脱力する。
「八九郎、右京亮!?」
 渠らまでも居なくなってしまうのではないか、そんな懸念が市右衛門の背筋を震わせた。
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