123 / 207
チャプタ―128
チャプタ―128
しおりを挟む
義久はこれを助けるべく出陣した。
十一月一日に高城南方の佐土原に陣(じん)を構え、十一日には切原坂に伏兵をひそませ、大友勢五〇〇人を討ち取るに至る。
――義久着陣により、両軍の総力をあげた衝突はもはや目前にせまっていた。
七
だが、大友陣営では田北鎮周(たきたしげかね)ら即戦派と、佐伯惟教(さえきこれのり)ら自重派に意見がわかれ、軍としての統一した意思を欠いていた。
軍議の末、ひとまず自重派の意見が容れられたが、鎮周ら即戦派は翌日早朝、勝手に兵を動かし、高城へ攻撃をしかけてしまった。
佐土原に陣を構える島津義久のもとに、高城が攻撃された、という報がもたらされた。
「いかが思案する?」
義久は床机に座った姿勢で、かたわらの肝属兼盛に目を向けた。
「――大友方は意気軒昂、ということでござろうか?」
「違うな」
気を遣った口調の兼盛の言葉を、義久は笑みをふくんだ声で否定する。
十一月一日に高城南方の佐土原に陣(じん)を構え、十一日には切原坂に伏兵をひそませ、大友勢五〇〇人を討ち取るに至る。
――義久着陣により、両軍の総力をあげた衝突はもはや目前にせまっていた。
七
だが、大友陣営では田北鎮周(たきたしげかね)ら即戦派と、佐伯惟教(さえきこれのり)ら自重派に意見がわかれ、軍としての統一した意思を欠いていた。
軍議の末、ひとまず自重派の意見が容れられたが、鎮周ら即戦派は翌日早朝、勝手に兵を動かし、高城へ攻撃をしかけてしまった。
佐土原に陣を構える島津義久のもとに、高城が攻撃された、という報がもたらされた。
「いかが思案する?」
義久は床机に座った姿勢で、かたわらの肝属兼盛に目を向けた。
「――大友方は意気軒昂、ということでござろうか?」
「違うな」
気を遣った口調の兼盛の言葉を、義久は笑みをふくんだ声で否定する。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる