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怒り
しおりを挟む109
黒煙に取り囲まれる寸前
ジュスズは
顔の回りに新鮮な空気を集めレイリョクにより固定させた
黒煙内部は
毒が充満していた
ヨクタクの顔に投器を投げ
ヨクタクの顔に透明な防護壁があることを確かめた
すぐに戦闘要員が現れた
戦闘指揮官ポドスタが黒煙の壁を通り抜ける瞬間
ポドスタの背中に
黒煙外の空気を張り付け固定させた
ポドスタに運ばせた新鮮な空気を
アラコルトの顔の回りに固定させた
先程ポドスタはレイリョクで編まれたジュスズの絨毯を黒煙の外に出した
その隙をジュスズは逃さず、ポドスタの背中に再度空気を貼り付け、黒煙内に運ばせた
その空気をいま
ポドスタの背中から自分の顔のまわりに移動させるジュスズ
ゲスアラコルトにこの空気まで与える考えはない
このような
繊細なレイリョクの使用は ナゥロでもないかぎり不可能に近い
だがジュスズはそれをなし得た
なぜなら
ジュスズは
この一連のレイリョクの使用について
訓練を受けたからである
師匠より訓練を受けた
師匠はT舵国王ダジャその 人である
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爆発したジュスズのレイリョクにより
アラコルトはヨクタクに激突させられた
長い腕をぐにゃりと変形さ せてアラコルトは激突の衝撃力を複雑な回転へと瞬時に変えた
からくり人形どもの頭をもぎとった技を応用して
アラコルトは
ヨクタクの防護壁を頭部か らもぎとった
加速度はそのままに、膝をヨクタクの顔に激突させた
吹き飛ぶヨクタク
吹き飛びながら
足をばたつかせ
やがて駆けるヨクタク
そのまま黒煙外に脱出を企てていると
察知するアラコルト
瞬時に移動して
ぐにゃりと、両手両足を複雑にヨクタクに絡みつかせる
もつれて倒れるヨクタク
さらに絡みつき締め上げるアラコルト
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すでに
防護壁をもぎとられたヨク タクにより
黒煙内の毒は除去されているので
ジュスズは
自分とアラコルトの
レイリョクによる空気の防護壁を解除した
「さあこれで
レイリョクを分散させる必要がない
思いきり…」
アラコルトの懐から短剣をレイリョクにより抜き出して
手に取るジュスズ
両手の短槍をつき出すポドスタ
甲高い音と火花が飛び散る
アラコルトは
すでにヨクタクの両手から手袋を奪い取っている
「床に寝そべりながら見てたからな…
ヨクタクよ
手袋で黒煙を操ってやがったな
さあこれで動きを封じるこ ともできないが?
ヨクタク技術主任 」
突如ヨクタクが 甲高い声で叫んだ
「黒煙よ!!
閉じろ!!! 」
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