ある日突然、背中に天使の羽が生えて世界を救う使命を負った俺が、光と闇の力で新たな秩序を創り出す

城崎ベル

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第1章 覚醒と無の力の発現

4話 闇の存在

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翔太が初めて自分の羽の力を使った夜、彼は眠れぬまま朝を迎えていた。三神の言葉、そしてフードの男の襲撃が頭の中を渦巻き、何が正しいのかもわからない。

「闇…か。俺がそれと戦うなんて、冗談だろ…」

ただの派遣社員だった自分が、突然「選ばれた者」と呼ばれ、空を飛ぶ力を持ってしまった。そして、どうやらこの羽にはさらなる秘密が隠されているらしい。翔太は、三神の言葉を思い出しながら、彼に連絡すべきか迷っていた。

その日はいつも通り会社に行くことにした。だが、昨日の出来事を引きずっているせいか、仕事にも集中できない。何か異常が起こる前触れのような、落ち着かない気分だった。

昼休み、翔太は職場の近くにあるカフェで一息つくことにした。背中の羽を隠すためのパーカーは不自然な厚さになっているが、誰も気づいていないようだった。しかし、ふとした瞬間、店内に違和感を感じた。人々の動きが、まるでスローモーションのようにゆっくりと見えたのだ。

「なんだ…これ…?」

翔太は目をこすって確かめるが、視界は変わらない。周囲の空気がまるで重くなり、耳鳴りのような音が遠くから聞こえてくる。次の瞬間、店のドアが開き、一人の女性が入ってきた。

その女性は、翔太と同年代に見える美しい人物だった。彼女は長い黒髪を揺らしながら、静かにカウンターに向かう。その姿が、他の客とは明らかに違って見えた。まるで、彼女だけが別の時間軸に存在しているかのような異質な感覚。

「君も気づいているね」

突然、彼女は翔太に向かって話しかけてきた。驚いて顔を上げると、彼女はまっすぐにこちらを見つめていた。冷静で、どこか哀しげな目つき。その目には、何か強い決意が宿っているように見えた。

「君は"選ばれた者"なんでしょう?それともまだ自覚していないの?」

翔太は一瞬言葉を失った。なぜ彼女が自分のことを知っているのか、そして「選ばれた者」と呼ばれるのか。彼女の言葉は確実に三神の言葉とリンクしていた。

「どうして…知ってるんだ?俺に何が起こってるのか…」

彼女は軽く微笑み、カウンターから注文したコーヒーを手に取って、翔太の隣に座った。

「私の名前は桐島瑠衣(きりしま るい)。私も、君と同じ"選ばれた者"だ。私たちは、これからこの世界に潜む"闇"と戦わなければならない」

翔太は目を見開いた。自分と同じ「選ばれた者」が他にもいるのか?それに、「闇」とは一体何なのか。疑問が次々に浮かんでくるが、何も理解できていない。

「闇って…なんなんだ?それと戦うって、どういうことだよ?」

瑠衣は少しだけ視線を落とし、コーヒーのカップを見つめた後、ゆっくりと語り始めた。

「この世界には、目には見えないが"闇"と呼ばれる存在がある。それは、人間の負の感情や欲望、憎しみ、嫉妬といったものが具現化したもの。通常の人々には見えないけれど、その闇が強くなると、この世界に影響を及ぼす。君が昨日出会ったフードの男も、その"闇"に取り込まれた者だった」

翔太は言葉を失った。昨日の男が、ただの犯罪者ではなく、闇に取り込まれた存在だったということか。

「闇に取り込まれると、人は自分を失い、他者を傷つけるようになる。そして、そんな闇の存在に対抗できるのは、私たちのように羽を持った"選ばれた者"だけ。私たちの羽は、その力に対抗するために生まれてきたんだ」

翔太は信じられないという表情で瑠衣を見つめた。

「俺にそんなことができるのか…?ただの普通の人間だったんだぞ」

瑠衣は静かに頷いた。

「私も最初はそうだった。でも、君が力に目覚めた以上、避けられない。君にはこの世界を守るための使命がある。三神から何か言われなかった?」

翔太は三神のことを思い出し、ポケットに入れていた名刺を取り出した。

「そうか…お前も、三神と知り合いなんだな」

瑠衣は微かに微笑んだ。

「彼は私たちを導く存在。彼の言うことに従えば、君の力はさらに強くなる。でも、注意して。闇は思っている以上に深く、そして危険だから」

翔太は重く頷き、名刺を見つめた。この世界で自分に何が求められているのか、少しずつ見えてきた気がした。しかし、同時にその道がどれだけ険しいかも感じ始めていた。
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