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第2章 仲間との絆と旅の始まり
6話 仲間との絆
しおりを挟む初めての試練を乗り越えた翌日、翔太は少しだけ自信を感じていた。だが、それと同時に、自分が抱える新たな責任の重さを改めて実感する。羽の力を引き出すことはできたが、まだ完全に自分のものにできているとは言えない。これから先、もっと強力な闇と対峙することになるだろう。
仕事を終えた翔太は、三神からの連絡を待ちながら、再び瑠衣と会うことになった。指定されたカフェに入ると、瑠衣が既に待っていた。彼女はカウンター席に座り、何か考え込むような表情を浮かべていた。
「昨日はお疲れ様。初めてにしては上出来だったよ」
翔太が席に着くと、瑠衣は穏やかな笑顔を見せた。
「ありがとう。でも、あれがほんの序章だっていうのが分かってるからな…」
翔太は少し疲れた表情を浮かべた。心の中では、これからどんな闇が待ち受けているのか、恐怖が混じっていた。
「そうね。闇はますます強くなっていくし、私たちもそれに対抗できるだけの力をつけなければならない。でも、私たちは一人じゃない。仲間がいる」
「仲間?」
翔太はその言葉に驚き、瑠衣を見つめた。瑠衣は静かに頷き、コーヒーを一口飲んだ。
「実は、私たち以外にも選ばれた者がいる。今日、そのうちの一人を紹介するつもりだったの」
その瞬間、店のドアが開き、また新たな人物が入ってきた。翔太が顔を向けると、そこには少しがっしりとした体格の青年が立っていた。短髪で、鋭い目つきをしているが、どこか親しみやすさも感じる。
「お前が加瀬翔太か?聞いてたよりも普通の奴っぽいな」
青年は少し茶化すように言いながら、テーブルの隣に座った。翔太は少し戸惑いながらも、手を差し出した。
「えっと…そうだ、加瀬翔太だ。お前は…?」
青年は笑って握手に応じた。
「俺は片桐駿(かたぎり しゅん)。お前と同じく、"選ばれた者"ってやつだ」
駿は気さくな態度で話すが、その瞳には強い決意と覚悟が見え隠れしていた。翔太は少し安心しながらも、さらに質問を投げかけた。
「じゃあ、駿も闇と戦ってるのか?」
駿は軽く頷いた。
「ああ。俺は瑠衣と同じく、もうしばらく前からこの"戦い"に参加してる。お前が新しい仲間って聞いて、正直どんな奴か興味があったんだが…初めてで闇を浄化したって聞いて驚いたぜ。やるじゃないか」
翔太は少し照れくさそうに笑った。
「いや、まだ全然分かってないことだらけだよ。ただ、本能的にやれただけだし…」
駿は肩を叩き、翔太を激励した。
「そんなもんでいいんだよ。最初から全部分かってる奴なんていない。俺だって最初はパニックになったし、何度も失敗してきた。でも、その度に少しずつ強くなっていくもんさ」
瑠衣も微笑みながら頷いた。
「駿の言う通り、最初はみんなそう。だからこそ、私たちはお互いに支え合って戦っていくのよ。闇は一人では到底太刀打ちできない存在だから」
翔太は二人の言葉に少し心が軽くなった。まだ自信はないが、仲間がいることは大きな力になると感じた。
「それで、今日はどうするんだ?」
駿は興味津々に尋ねた。瑠衣はカバンから一枚の紙を取り出し、それをテーブルに広げた。
「実は、今夜新たな闇の気配がある場所がわかったの。どうやら、かなり大きな闇が集まっているみたい。私たち三人で行って、その闇を浄化する必要がある」
翔太は一瞬驚いたが、すぐに表情を引き締めた。これが自分の使命だと理解している。
「わかった。俺も行くよ。これ以上、闇が広がるのを放っておけない」
駿は満足そうに笑い、瑠衣も頼もしく頷いた。
その夜、三人は指定された場所――廃ビルへと向かった。ビルの周囲は静かで不気味なほどに暗い。しかし、その中に漂う独特の重い空気は、確実に何かが潜んでいることを示していた。
「気をつけて。今回は前回とは比べ物にならない強さの闇が集まっているわ」
瑠衣が静かに警告する。翔太は少し緊張しながらも、背中の羽を準備する感覚に集中した。
駿が前に進み、手を握り締めた。
「さぁ、行こうか。俺たちの力、見せてやる」
三人は闇に包まれたビルへと足を踏み入れた。内部は暗く、視界がほとんど効かない。しかし、すぐに闇が蠢く不気味な音が聞こえてきた。
「来たか…」
翔太がその声を聞いた瞬間、闇の塊が彼らに向かって襲いかかってきた。翔太は咄嗟に羽を広げ、空に舞い上がり攻撃を回避する。駿も素早く動き、瑠衣が後ろから援護する形で光の矢を放つ。
「翔太、君は高所から動きを封じて!駿と私は地上から攻める!」
瑠衣の指示に従い、翔太は高所から闇の塊を見下ろし、意識を集中させた。そして、駿と瑠衣が闇を攻撃する瞬間を見計らい、羽から放たれる光の一撃でとどめを刺す。
闇は次第に力を失い、やがて完全に消え去った。
ビルを出ると、翔太は深いため息をついた。今回の戦いで、自分が少しずつだが強くなっていることを実感した。しかし、それ以上に感じたのは、仲間の存在の大きさだった。
「お前、なかなかやるじゃないか」
駿は満足げに笑い、瑠衣も穏やかな表情で翔太を見つめた。
「ありがとう。みんなのおかげだ」
翔太は感謝の気持ちを込めて、二人に微笑んだ。これからの戦いは、もっと激しく、危険なものになるだろう。しかし、仲間と共に歩むことで、翔太は確かに強くなっていく。
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