ある日突然、背中に天使の羽が生えて世界を救う使命を負った俺が、光と闇の力で新たな秩序を創り出す

城崎ベル

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第3章 サーレスの谷への到達と新たな導き手

11話 真なる主、ニクスの覚醒

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翔太が「魂の洞窟」での試練を乗り越え、さらに強力な力を得た。その力をもってしても、ニクスという圧倒的な存在との戦いには不安が残る。しかし、ニクスの覚醒が近づいている今、彼らは立ち止まることはできない。ついに、ニクスとの直接対決に挑む時が来た。

---

「時間がない。ニクスの覚醒はもうすぐだ」

瑠衣は、古い書物と共に、闇の気配が集まる場所を示す地図を広げた。彼女が指差した場所は、かつて大きな戦争が行われた「廃都」である。

「ここか…」

翔太は地図を見つめ、拳を握りしめた。廃都は長い間、闇の力が強く漂う場所として知られていた。そして、そこがニクスの覚醒場所であることは確実だった。

「今まで倒してきた闇の使徒や黒騎士は、すべてこの瞬間のために動いていたんだ。ニクスが覚醒すれば、この世界は本当に終わるかもしれない」

駿は緊張した表情で話す。彼らがこれまで闘ってきた敵とは桁違いの力を持つ相手を前に、心の中にある恐怖を拭いきれなかった。

「でも、もう後には引けない。俺たちの力で、ニクスを封じ込めるしかない」

翔太の言葉に、駿と瑠衣も静かに頷いた。覚悟を決めた三人は、廃都に向けて最後の戦いの準備を整えた。

---

廃都に到着した翔太たちを待ち受けていたのは、荒廃した街並みと、まるで時間が止まったかのような静けさだった。空は黒い雲に覆われ、風が冷たく吹き抜けていく。中心にある大聖堂からは、異様な闇の力が溢れ出していた。

「ここが…ニクスがいる場所か」

駿が低い声で呟き、周囲を警戒しながら大聖堂へと足を進める。翔太も、強く背中の羽を意識しながら、ニクスに備える。

大聖堂の扉を開けると、内部は黒い霧に包まれた広大な空間だった。その奥に、ゆっくりと浮かび上がる巨大な黒い影があった。

「ニクス…!」

翔太が警戒しながら声を上げたその瞬間、黒い影は徐々に人型を取り戻し、漆黒の鎧をまとった異形の者として姿を現した。

「お前たちが、ここまで来るとは思わなかった。だが、すべては無駄だ」

ニクスの声は冷たく、全てを拒絶するような圧倒的な力を感じさせた。その存在感だけで、周囲の空気が震え、翔太たちの体に重くのしかかる。

「この世界は闇に包まれる運命だ。お前たち人間の光など、闇の前では儚いものだ」

ニクスは一言一言、深い絶望感を漂わせながら、翔太たちを見下ろした。

「そんなことはさせない!俺たちがここでお前を止める!」

翔太は力強く叫び、背中の羽が一層輝きを増した。覚醒した彼の力は、かつてのものとは比べ物にならないほど強大だ。しかし、その光すらも、ニクスの前では小さな存在に感じられるほどの圧力がかかっていた。

---

戦いは突如として始まった。ニクスが腕を振り上げると、その動きに合わせて周囲の空間が歪み、黒いエネルギーが爆発する。翔太はその攻撃をかろうじて避け、光の刃を放って反撃に出た。

「はぁっ!」

翔太の光の一撃は、ニクスに直撃したかに見えた。しかし、黒い鎧に包まれたその体には、ほとんどダメージがないように見える。

「やはり、そう簡単にはいかないか…」

翔太は焦りを感じながらも、次々と光の技を繰り出した。しかし、ニクスはすべての攻撃を無表情で受け流し、逆に闇の力で反撃してくる。

「駿、瑠衣!俺に力を貸してくれ!」

翔太が叫ぶと、駿は火の力を、瑠衣は風の力を解放し、ニクスに対して一斉に攻撃を仕掛けた。

「行けぇぇ!」

駿の炎がニクスを包み込み、瑠衣の風がその体を切り裂こうとした。しかし、それでもニクスは揺るがず、まるで彼らの力が通じていないかのように立っていた。

「これが…闇そのものの力か…」

駿が呆然と呟いたその時、ニクスが再び動き出し、巨大な闇の刃を形成して彼らに襲いかかる。

「逃げろ!」

翔太は駿と瑠衣を守ろうとするが、ニクスの攻撃は予想以上に速く、全員が吹き飛ばされる。翔太は何とか立ち上がったが、その圧倒的な力の前に、焦燥感が募るばかりだった。

「俺たちじゃ…勝てないのか…?」

その絶望的な状況の中で、翔太は再び自分の心の奥に問いかけた。これまで何度も困難を乗り越えてきたが、今度ばかりは本当に限界を感じ始めていた。

しかし、そんな彼の耳に、微かに父親の声が聞こえた。

「翔太、お前にはまだ力がある。迷うな。お前の光は、闇に勝る」

父親の言葉に勇気を取り戻し、翔太は再び立ち上がった。彼の背中の羽がさらに輝きを増し、光のエネルギーが体全体に満ちていく。

「俺の力は、ここで終わりじゃない!」

翔太は全力でニクスに向かい、光の刃を再び振り下ろした。今度こそ、ニクスの防御を打ち破る一撃を与える決意であった。
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