14 / 37
第3章 サーレスの谷への到達と新たな導き手
14話 カオスの影
しおりを挟む新たに現れた謎の存在「カオス」。彼の出現は、翔太たちが終わったと思っていた戦いの始まりを告げるものであった。カオスはただの闇ではなく、世界そのものの秩序を覆そうとする存在であり、その影が次第に広がり始めていた。翔太たちはこの新たな脅威に立ち向かう準備を進めるが、カオスの力は想像以上のものであった。
---
「カオス…秩序を超えた存在だって?」
洞窟を出た後、翔太はその言葉が頭から離れなかった。駿や瑠衣も同様に、感じたことのない恐怖を抱えていた。
「ニクスは明確に『闇』の存在だったが、カオスは…もっと異質だ。秩序と闇の対立を超えたものを象徴しているのかもしれない」
瑠衣がそうつぶやくと、駿が苛立った表情で拳を握った。
「いったいどうすりゃいいんだ?今度の敵は、ただの闇を操る者じゃないってことかよ…」
翔太は、駿の不安を感じつつも冷静を保とうとした。
「カオスの目的が何であれ、俺たちが立ち止まるわけにはいかない。奴が次に動く前に、何か手を打つしかない」
翔太の言葉に、駿と瑠衣は頷いたが、彼らの表情には依然として不安が漂っていた。
---
数日が経ち、翔太たちはカオスに関する手掛かりを求めて様々な古代の文献を調べ始めた。だが、カオスに関する情報は極めて少なく、その存在はほとんどの歴史から抹消されていたかのようだった。
「これ以上、手掛かりがない…?」
翔太が苛立ちを隠せずに本を閉じると、瑠衣が一冊の古い巻物を指さした。
「これ、どうかしら?ここには『宇宙の均衡』について書かれているみたい」
巻物を広げてみると、そこには「カオス」がかつて宇宙の秩序を崩壊させようとした伝説が記されていた。カオスは「秩序」や「混沌」を超越した存在であり、世界のバランスを揺るがす「混沌の核心」を作り出す力を持っていたという。
「カオスが…世界の秩序そのものを壊そうとしているのか」
翔太はその意味を理解し、カオスの危険性がニクス以上であることを改めて痛感した。
---
その夜、翔太たちは不安を抱えたまま眠りについた。しかし、翔太はまたもや奇妙な夢を見た。夢の中で彼は無限に続く闇の中に立ち尽くしていた。そして、彼の目の前にカオスが現れた。
「翔太、お前たちは世界の光だ。しかし、光は常に闇に飲み込まれる運命にある」
カオスの声は冷たく、耳元でささやくように響く。
「お前がどれほど力を手に入れようと、この世界の秩序は私の手によって崩れる。それがこの世界の本当の姿だ」
翔太はその言葉に反論しようとするが、口を開くことができなかった。彼はその場で動けなくなり、ただカオスの言葉を聞くだけだった。
---
翌朝、翔太は汗だくで目を覚ました。
「また…カオスの夢か」
翔太は頭を抱え、背中の羽が再び微かに震えているのを感じた。何かが迫っていることを本能的に察したのだ。
「何かが近づいてる…」
翔太は急いで駿と瑠衣の元へ向かった。彼らもまた不安を抱えていたが、翔太が感じた危機感に同調した。
「何かが動き出しているんだ。俺たちは急がないと、カオスが何かを仕掛けてくる」
翔太の言葉に、二人もすぐに行動を開始することに同意した。次の目的地は、かつてニクスの力を封じていた「魂の塔」。そこには、カオスを封じる鍵となるかもしれない情報が隠されている可能性があった。
---
魂の塔に到着すると、塔全体がかつてないほどの闇に覆われていた。塔の入り口には黒い霧が立ち込めており、まるでその先に進む者を拒んでいるかのようだった。
「ここにカオスの手が…」
瑠衣が驚いた声を上げ、翔太は決意を込めて剣を構えた。
「行こう。ここで何が待っていようと、俺たちは止まれない」
翔太たちは塔の奥へと進んでいったが、次々と出現する闇の幻影が彼らを襲った。これまでの敵とは異なり、幻影は心の中に直接語りかけ、恐怖や迷いを植え付けるものだった。
「お前たちには無理だ。カオスの力に屈するしかない…」
幻影の声に動揺しながらも、翔太たちは懸命に前へ進んでいく。しかし、塔の最深部にたどり着いた時、そこにはかつて見たことのない光景が広がっていた。
巨大な石の祭壇に封じられた「混沌の核心」がゆっくりと脈動していた。それは、世界を壊すための「カオスの核」であり、翔太たちはその存在を目の前にして立ち尽くした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる