54 / 60
54
森原みらいのもとへ
しおりを挟む葉山基紀は自分がジャーナリストとして未曾有の事件に立ち会っているという興奮から、その顔は上気し、また目に異様な輝きを宿していた。
スマホの着信音が鳴った。
葉山がポケットからスマホを取りだし耳に充てる。一言二言話すと、みなを見回す。
「誰からじゃ」
天源が葉山を睨むように見る。
「黒沢ゆいな。知りあいの記者です」
天源は葉山を睨み続け話の続きを促す。
「森原みらいの居場所が判ったそうです」
葉山が天源を見つめ返した。
*
葉山基紀、罍天源、SYOの三人は牛頭神霊会所有のロールスロイスに乗って牛頭神霊会本部を出発した。
天源の世話係である黒川実が運転する。
車はアクアラインを通り、やがて中央道へと入った。
福生市に入り辺りに田園風景が広がり始めると前方にワゴンが見える。
「ムーンプレスの車だ」
ロールスロイスがワゴン車の横につける。運転しているのは生田目、助手席に黒沢ゆいなが乗っている。
二人はロールスロイスの葉山に気づいたようだ。
二台の車はワゴンを先頭に走っている。
やがて二台の車はJC美術館に着き駐車場に車を停めた。
二台の車から、それぞれメンバーが降りてくる。
ワゴンからは生田目仙一、黒沢ゆいな。
ロールスロイスからは黒川を除いた四人が降りてきた。
ゆいなはSYOを見て驚いている。
「あなたは……」
「牛頭神霊会の二代目、罍翔一だ」
「罍天源」
天源は生田目に対して短く名を名乗った。
「ムーンプレス社の生田目です。この中に森原みらいがいます」
そう言うと生田目は美術館を目で示した。
「行こうか」
天源に促されて一行は美術館に向かって歩きだした。
0
あなたにおすすめの小説
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる