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8話 目立たない様に頑張ってきたんだけどなぁ
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今朝、何とか断ったおかけが、バルツァー様がお迎えに来ると言うことはなかった。
なんてものは幻想だったのかもしれません。
間違いなくお屋敷の近くに一度バルツァー公爵家の馬車が一度停泊し、一人の男性が降りられました。
このまま屋敷を出れば、確実に見つかってしまいます。幸いなことにまだバルツァー様は私に気付いていません。
今のうちに裏口に向かって逃げましょう。大丈夫です。大丈夫。逃げられますよ私なら。
「マリー様。正面玄関はあちらですが?」
「きょ、今日はその裏口からの気分でして」
メイドに見つかってしまいましたけど、彼女がバルツァー様に私の動向を話すわけでもありませんし大丈夫ですよね。
そう思った瞬間でした。玄関の方から話声が聞こえたのです。
「マリー・コースフェルトは登校したのか?」
「いえ、お嬢様でしたら今日は裏口の気分と言いまして、これから登校されるようです」
「すまないが、案内してくれないだろうか?」
隠れて間に合うかな。声はっきり聞こえる距離なんですけど。
今から不自然な行動をしても二度も見つかっています。とにかく隠れましょう。
周囲を見渡しますと、二階に上がる階段があり、その横はちょうどこの通路から死角になっていました。私は急いでそこに身をかがめます。
「悪いが、隠れるところは一部始終しっかり確認した」
「ひぃ!?」
私がビクッとしながら振り返ると、そこにはいつも通り眉間にしわを寄せたバルツァー様がいらっしゃいました。
「趣味か?」
「ソウデス」
「ならばいい。行くぞ」
「ハヒ」
「いってらっしゃいませお嬢様」
メイドが笑顔でお見送りしてくださっていますが、私は泣きそうです。
昨日同様しっかりと腕を握られて痛くなってしまうので、なるべく無抵抗で付いていきます。
…………これ、校舎まで続けるんでしょうか?
バルツァー様と手をつなぎながら登校なんてしたら、周囲から絶対に注目されてしまいます。変装!? 変装しないと!?
「お前は何をやっているんだ?」
バルツァー様が、突然空いた手で髪をぐしゃぐしゃにしている私を見て、不思議そうにしています。
「イメージチェンジ?」
冷静に考えればかなり不思議な行動をしていましたね。そもそも、ぐしゃぐしゃにしただけじゃ私のままだ。
「……まあ、そうだな。何も変わらないからやめろ」
「はい」
私が俯きながらバルツァー様についていきますと、突然頭の上になのかが乗りました。
「え? ふぇ!? 何をされているのですか??」
「髪を整えている」
「せめて声をかけてください!」
「……それはすまない」
あれ? なんだか普通に会話できているような。と、言うよりせめて声をかけてくださいなんて言って不敬罪になりませんでしょうか。なってませんよね? なってなさそう。
もしかしてこの人、ただ顔が怖いだけ?
いえ、表情が少しだけ厳しい。私は何を思ったのか。そっとバルツァー様の眉間のシワをそっと左手で隠しました。
「何をしているコースフェルト嬢」
「え? …………え? あっ…………」
不敬罪!?!?!?!? 無許可で髪を触るなって言った格下が、格上のお顔を無許可で触ってどうするんですか!?
「何をしている」
「え? えと、腕を切り落としますので我が家は取り潰さないでください」
「誰もお前の責任の取り方など聞いていない」
これ、言わないとダメでしょうか。眉間のシワなくなったら顔怖くならなそうだなって思いましたって? 無理無理無理無理。
「その、無意識です」
「ごまかしたいのだな。まあいいだろう」
許して貰えましたけど、もうすでに行動パターンを把握されているような気がします。
「はぁ…………ありがとうございます」
そして徐々に校舎に近づくにつれて、周囲からの目線がどんどん痛くなってきました。これはもうだめです。教室じゃなくて保健室に行きましょう!
あ、ミシェーラ様と目があいました。無事死亡です。
「それでは俺はこれで。また放課後」
「はい…………」
そして私は、鬼の形相で睨んでくるミシェーラ様のいる方に、足を運ばないといけなくなりました。
なんてものは幻想だったのかもしれません。
間違いなくお屋敷の近くに一度バルツァー公爵家の馬車が一度停泊し、一人の男性が降りられました。
このまま屋敷を出れば、確実に見つかってしまいます。幸いなことにまだバルツァー様は私に気付いていません。
今のうちに裏口に向かって逃げましょう。大丈夫です。大丈夫。逃げられますよ私なら。
「マリー様。正面玄関はあちらですが?」
「きょ、今日はその裏口からの気分でして」
メイドに見つかってしまいましたけど、彼女がバルツァー様に私の動向を話すわけでもありませんし大丈夫ですよね。
そう思った瞬間でした。玄関の方から話声が聞こえたのです。
「マリー・コースフェルトは登校したのか?」
「いえ、お嬢様でしたら今日は裏口の気分と言いまして、これから登校されるようです」
「すまないが、案内してくれないだろうか?」
隠れて間に合うかな。声はっきり聞こえる距離なんですけど。
今から不自然な行動をしても二度も見つかっています。とにかく隠れましょう。
周囲を見渡しますと、二階に上がる階段があり、その横はちょうどこの通路から死角になっていました。私は急いでそこに身をかがめます。
「悪いが、隠れるところは一部始終しっかり確認した」
「ひぃ!?」
私がビクッとしながら振り返ると、そこにはいつも通り眉間にしわを寄せたバルツァー様がいらっしゃいました。
「趣味か?」
「ソウデス」
「ならばいい。行くぞ」
「ハヒ」
「いってらっしゃいませお嬢様」
メイドが笑顔でお見送りしてくださっていますが、私は泣きそうです。
昨日同様しっかりと腕を握られて痛くなってしまうので、なるべく無抵抗で付いていきます。
…………これ、校舎まで続けるんでしょうか?
バルツァー様と手をつなぎながら登校なんてしたら、周囲から絶対に注目されてしまいます。変装!? 変装しないと!?
「お前は何をやっているんだ?」
バルツァー様が、突然空いた手で髪をぐしゃぐしゃにしている私を見て、不思議そうにしています。
「イメージチェンジ?」
冷静に考えればかなり不思議な行動をしていましたね。そもそも、ぐしゃぐしゃにしただけじゃ私のままだ。
「……まあ、そうだな。何も変わらないからやめろ」
「はい」
私が俯きながらバルツァー様についていきますと、突然頭の上になのかが乗りました。
「え? ふぇ!? 何をされているのですか??」
「髪を整えている」
「せめて声をかけてください!」
「……それはすまない」
あれ? なんだか普通に会話できているような。と、言うよりせめて声をかけてくださいなんて言って不敬罪になりませんでしょうか。なってませんよね? なってなさそう。
もしかしてこの人、ただ顔が怖いだけ?
いえ、表情が少しだけ厳しい。私は何を思ったのか。そっとバルツァー様の眉間のシワをそっと左手で隠しました。
「何をしているコースフェルト嬢」
「え? …………え? あっ…………」
不敬罪!?!?!?!? 無許可で髪を触るなって言った格下が、格上のお顔を無許可で触ってどうするんですか!?
「何をしている」
「え? えと、腕を切り落としますので我が家は取り潰さないでください」
「誰もお前の責任の取り方など聞いていない」
これ、言わないとダメでしょうか。眉間のシワなくなったら顔怖くならなそうだなって思いましたって? 無理無理無理無理。
「その、無意識です」
「ごまかしたいのだな。まあいいだろう」
許して貰えましたけど、もうすでに行動パターンを把握されているような気がします。
「はぁ…………ありがとうございます」
そして徐々に校舎に近づくにつれて、周囲からの目線がどんどん痛くなってきました。これはもうだめです。教室じゃなくて保健室に行きましょう!
あ、ミシェーラ様と目があいました。無事死亡です。
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「はい…………」
そして私は、鬼の形相で睨んでくるミシェーラ様のいる方に、足を運ばないといけなくなりました。
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