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22話 私の平穏を脅かさないで欲しいんだけどなぁ
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お昼休み。私は自分の隠れ家に向かう為に教室を出ようとすると、ルビー様たちが目の前に立ちふさがってきました。
「マリーちゃんどこに行こうっていうのかしら?」
「……貴女たちには関係ありません。それでは…………」
私が通り抜けようとすると、メリッサ様に思いっきり腕を掴まれます。
「まだルビー様がお話中ですよ」
「そうですよ。無視して良いと思っているんですか?」
続けてオリーブ様も、私に口出ししてきました。
確かに私とバルツァー様が釣り合わないことは認めますが、別にいいじゃないですか。だってバルツァー様の意思なんですから。
「離してください」
「口答えする気? 伯爵家風情が」
メリッサ様の掴む力が少しだけ強くなりました。とても痛い…………なんてことはないですね。普段はナイフとフォーク以外にモノを握っていないのか心配になるくらいに弱いです。
勿論、穏便に済ませたい私は無理やり振り払おうとはしませんが、何が最適かと考えているうちに、私は人目のつかない場所に連れていかれました。
あ、ここはミシェーラ様がバルツァー様に告白していた隠れスポット。やっぱりみんなここは最初に人目につかない場所って認識しているんだな。
「さてと、ここなら邪魔が入りませんね」
「貴女にはちょっと痛い目にあって頂きます」
「一生おうちに引きこもってられるようにしてあげるね」
「え?」
こういうのってどんどんエスカレートしていくんじゃないんですか?
まずい、発想が貧困な人たちに痛めつけられてしまう。けど、どうしましょうか。
周囲を見渡すと、私が隠れた木製のゴミ箱に、綺麗な白いベンチ。転がっている手のひらくらいの石ころ。赤い薔薇の花の花壇があります。
石ころでルビー様を…………は、まずいですね。薔薇の花壇の中に飛び込んで逃げる。しかし、これもリスク。
そもそもこの薔薇の花壇はそこまで大きくありませんし、回り込まれます。
私の目に見える範囲ですと、それくらいしかありませんが、石ころを投げられる範囲ならどうでしょうか。
校舎の壁や窓。それから案内板。校舎の建設に大きく貢献した王妃様の石像。
それからビップルームの壁や窓。あの窓…………多分あそこは…………
問題は、あそこに投げてもしあの人が出てきた場合、彼女たちから余計に顰蹙《ひんしゅく》を買いそうでためらってしまいました。
石を投げるのはダメですね。そう投げるのはダメです。
私は転がっている石を手に取ると、それをルビー様に向かって投げるように構えますと、彼女たちは悲鳴をあげて逃げ出そうとしました。
その隙に私は、彼女たちと反対方向にダッシュします。それに気付いた彼女たちが追いかけてきましたが、オリーブ様はすぐにバテて、メリッサ様は思いっきり転んでしまいました。
ルビー様は以外と体力があり、田舎娘である私についてきます。
「待ちなさいよ!」
「ひぇ!? だって痛いことするじゃないですか!!」
「伯爵令嬢風情が! 覚えてなさい! きっといつかもっとひどい目に合うんだから!」
彼女も限界が来たようで追いかけっこは終了。もちろん、午後の授業でまた顔を合わせることになるんですけどね。
私も体力限界まで使ってしまい、近くにあったベンチで一休みしましょう。
「あ、お昼ご飯…………今日は諦めますか」
私はご飯を食べ損ねたことにショックを受けながら、今後は彼女たちから逃げることも考慮する必要があると考えていたら、途中でうとうとしてしまい、ぐっすりと眠りについてしまいました。
しばくらして聞き覚えのある声が、私の耳に届き、体は揺さぶられました。
「マリー・コースフェルト! マリー・コースフェルト!!」
「…………ふえ?」
私の目の前には、怒り顔のミシェーラ様がいらっしゃいました。
「授業さぼって何をしているのかしら?」
あー、寝過ごしちゃいましたか。
「マリーちゃんどこに行こうっていうのかしら?」
「……貴女たちには関係ありません。それでは…………」
私が通り抜けようとすると、メリッサ様に思いっきり腕を掴まれます。
「まだルビー様がお話中ですよ」
「そうですよ。無視して良いと思っているんですか?」
続けてオリーブ様も、私に口出ししてきました。
確かに私とバルツァー様が釣り合わないことは認めますが、別にいいじゃないですか。だってバルツァー様の意思なんですから。
「離してください」
「口答えする気? 伯爵家風情が」
メリッサ様の掴む力が少しだけ強くなりました。とても痛い…………なんてことはないですね。普段はナイフとフォーク以外にモノを握っていないのか心配になるくらいに弱いです。
勿論、穏便に済ませたい私は無理やり振り払おうとはしませんが、何が最適かと考えているうちに、私は人目のつかない場所に連れていかれました。
あ、ここはミシェーラ様がバルツァー様に告白していた隠れスポット。やっぱりみんなここは最初に人目につかない場所って認識しているんだな。
「さてと、ここなら邪魔が入りませんね」
「貴女にはちょっと痛い目にあって頂きます」
「一生おうちに引きこもってられるようにしてあげるね」
「え?」
こういうのってどんどんエスカレートしていくんじゃないんですか?
まずい、発想が貧困な人たちに痛めつけられてしまう。けど、どうしましょうか。
周囲を見渡すと、私が隠れた木製のゴミ箱に、綺麗な白いベンチ。転がっている手のひらくらいの石ころ。赤い薔薇の花の花壇があります。
石ころでルビー様を…………は、まずいですね。薔薇の花壇の中に飛び込んで逃げる。しかし、これもリスク。
そもそもこの薔薇の花壇はそこまで大きくありませんし、回り込まれます。
私の目に見える範囲ですと、それくらいしかありませんが、石ころを投げられる範囲ならどうでしょうか。
校舎の壁や窓。それから案内板。校舎の建設に大きく貢献した王妃様の石像。
それからビップルームの壁や窓。あの窓…………多分あそこは…………
問題は、あそこに投げてもしあの人が出てきた場合、彼女たちから余計に顰蹙《ひんしゅく》を買いそうでためらってしまいました。
石を投げるのはダメですね。そう投げるのはダメです。
私は転がっている石を手に取ると、それをルビー様に向かって投げるように構えますと、彼女たちは悲鳴をあげて逃げ出そうとしました。
その隙に私は、彼女たちと反対方向にダッシュします。それに気付いた彼女たちが追いかけてきましたが、オリーブ様はすぐにバテて、メリッサ様は思いっきり転んでしまいました。
ルビー様は以外と体力があり、田舎娘である私についてきます。
「待ちなさいよ!」
「ひぇ!? だって痛いことするじゃないですか!!」
「伯爵令嬢風情が! 覚えてなさい! きっといつかもっとひどい目に合うんだから!」
彼女も限界が来たようで追いかけっこは終了。もちろん、午後の授業でまた顔を合わせることになるんですけどね。
私も体力限界まで使ってしまい、近くにあったベンチで一休みしましょう。
「あ、お昼ご飯…………今日は諦めますか」
私はご飯を食べ損ねたことにショックを受けながら、今後は彼女たちから逃げることも考慮する必要があると考えていたら、途中でうとうとしてしまい、ぐっすりと眠りについてしまいました。
しばくらして聞き覚えのある声が、私の耳に届き、体は揺さぶられました。
「マリー・コースフェルト! マリー・コースフェルト!!」
「…………ふえ?」
私の目の前には、怒り顔のミシェーラ様がいらっしゃいました。
「授業さぼって何をしているのかしら?」
あー、寝過ごしちゃいましたか。
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