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第1章 何もできない公爵令嬢
11話 公爵令嬢は自ら手を下さないので安全地帯に逃げます
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目が覚めました。確かドロと毛布の中で眠っていたような記憶があったのですが?
どうやら久しぶりのふかふかのベッドでぐっすりと眠ってしまっていたようです。
気が付いたら体中の泥が洗い落とされていて、傍らにいたメイドが朝食を用意してくださりました。
「おはようございます。ルクレシア様」
「ええ、おはよう。ここはどこですか?」
近場にいた見知らぬメイドに声をかけました。
なんとなく窓の外の景色が王宮に見えることと、昨日薄らぼんやりとした記憶で、グレイ様が来てくださったような気がして、そしてすぐに眠ってしまったこと。
目が覚めたらベッドの上でしたから、おそらくここは王宮なのでしょう。
「王宮の客室でございます。もうしばらくしましたら、王子殿下がいらっしゃいますのでごゆっくりどうぞ」
「ええ、ありがとう」
用意された朝食を口に運びました。公爵家で普段食べるようなものでしたから、あまり珍しさは感じない普通の食事のはずですが、私はなぜか泣きながら食べてしまいました。
「そんなにおなかを空かしていたのかい?」
「はっ!? グレイ様? いつからですか?」
気が付いたら、すぐそばにグレイ様がいらっしゃいました。
「……ご迷惑をおかけしましたわ」
私は朝食を口に運ぶのをやめ、グレイ様に頭を下げました。グレイ様の表情が見えません。今、どう思われていますのでしょうか。
「話を聞かせてくれるかな?」
グレイ様は私の頭の上に手を重ね、私の顔を覗き込むように屈みましたわ。
「となりに座るね」
グレイ様はベッドに横に座る私のすぐ横に座り込みました。近すぎると思った私は少しだけ距離を取ると、グレイ様はぐっと近づいてきました。そして私の腰に手を回し、これ以上の距離を取ることを禁止されてしまいました。
拒むこともできましたが、自分を助けてくれた彼のことを、これ以上拒み続けると、後で変なものを要求された時に断りにくいと思いそのままにしておきました。そういうことにしておいて、この距離を甘んじましょう。
私はイサアークに襲われそうになったこと、ヤーコフさんのこと、あのつらい思いをした三日間のことを簡易的に説明しましたわ。グレイ様は一つ一つをゆっくり聞いてくださりました。
「辛かったね、ルー。ごめんね、本当にごめんね」
グレイ様は何を謝っているのでしょうか。私には何もわかりませんでしたが、グレイ様は何度も何度も私を抱きしめ、頭を撫でながら謝ってきました。
「グレイ様、もう大丈夫でございます。私は家に帰らないといけません。家族が心配してくださっています。だからどうかご自分を責めないでください」
もしかして、ロムニエイ家に私が向かった理由は、この間のグレイ様の発言が原因でそれのせいで私が辛い思いをしたとお考えなのでしょうか。そういうことでしたらすごい勘違いです。
確かにイサアークと二人で会おうとした原因は元を辿ればグレイ様で間違いありませんが、イサアークの元に向かうと決めたのは私自身です。
エレナも心配してくれているのでしょうか。早く無事を知らせたい。
「ああ、君の家族には僕から連絡を入れたが、まだロムニエイ公爵家にバレてしまう訳には行かないからね。あとで君の父上が登城する際にあっておくといい」
「何故ですか? イサアークは即刻、断罪すべきですわ」
「そうだね。でも彼は宰相の息子でね。直ぐに断罪できないんだ。君の証言や公爵家の地下室のこと。使用人達から話を聞き出せれば、間違いなくロムニエイ公爵家は爵位剥奪だね。でも、それには少し時間がかかるからね。君を安全な場所に匿う必要があるんだ」
そうですか。では仕方ありませんわ。きっと我がベッケンシュタイン公爵家は安全ではあるのでしょう。
しかし、ベッケンシュタイン公爵家はロムニエイ公爵家に監視されているはずですわ。となると、屋敷に帰る際に最悪強行突破されかねませんわね。
王宮にい続けても、侍女達がいずれ噂話を始めてしまえば客室などすぐに見つかってしまいますわ。
「でしたら! 私の友人のお屋敷などどうでしょうか!」
「そこも見張られていたようだね。あからさまに出入りする人間がわからないようにしたらきっとばれる。それで色々探してみたけど、ここならって場所を見つけたんだ」
「どちらですか?」
「君の天敵の家、ディートリヒ家の屋敷さ。ほら、よく君にぶつかるあの娘のところだよ。ロムニエイ公爵家は君と彼女は仲が悪いと思っているからね」
私はしばらく硬直致しましたわ。今、グレイ様は私にあのエミリアさんの家に行けと仰ったように聞こえました。勿論、聞き間違いを疑いましたが、どうやらそうではなさそうですわね。
「本当ですか? 私がエミリアさんと仲がいい訳ありませんわ。何なら事情を話された途端に、ロムニエイ公爵家に告げ口などされないでしょうか」
「大丈夫だよルー。ディートリヒ嬢がそんな真似する訳ないじゃないか。彼女は心優しい素直なご令嬢だよ」
ですが、グレイ様の言うような方とは思えませんのよね。彼女は気弱そうな割には私によく突進してきますし、まるで私がいじめているみたいに演出をされている気分ですわ。
それもグレイ様の目の前だけです。彼女はグレイ様の目の前でか弱い自分を演出しているのですわね。
「わかりました。彼女の所でお世話になりましょう」
それでしたら、グレイ様に対して心優しいアピールをしてくれますでしょう。
安全かどうかはまだ不安要素だらけですが、この際、文句は言っていられませんわね。そちらに匿らさせてもらいましょう。私が生き延びるためにもね。
エミリアさんとの初対面は、彼女の父であるディートリヒ伯爵が、お父様の部下になった時の挨拶でした。領地にある我が家の屋敷に一緒に連れられてきたことで、年も同じということで一緒にお茶会をさせられたことですわ。
その時は、エミリアさんも普通のご令嬢で、さすが伯爵家のご息女といえるような方でしたわ。
エミリアさんとの出会いを思い出すのは、やめましょう。あの頃の綺麗な彼女がどんどん瓦解していくだけですわ。
しばらくして父と対面し、泣きながら抱きしめてこようとしましたので、思いっきり押し飛ばしてしまいましたわ。
ですが、父も安心した様子、これから裏でイサアークの断罪の準備が行われる間、私はディートリヒ家に預けられることを父に伝えると、ディートリヒ伯爵が迎えに来てくださり、そのまま向こうの屋敷に向かいましたわ。
馬車の中には伯爵ともう一人騎士風の男性がいらっしゃいました。こちらの方はどなた様でしょうか。
見たところ私と同じ髪色ですが、服装は男性そのものでした。
長い髪を後ろでひとまとめにしているようで、ほどけば私みたいになりそうな長さでした。そしてお顔も女性らしい綺麗な顔立ち。
「初めまして、私はヨハンネス・フランスワ。フランスワ準男爵家の次男で王宮騎士をしていたものでしたが、本日付けでベッケンシュタイン家の護衛になりました。ああ、次男と名乗った通り、この格好の時は男性って認識しておいてください」
「……はい?」
男性と認識しろということは、女性ということでしょうか?
「ああ、すみません、私は性別を語る気はありません。男性じゃないかもしれません。ですが当然、女性同士として扱うのは危険ですよとお伝えしたかったのです。でも惚れるのは大歓迎ですよ?」
「そうですか。変わった方ですね」
これから我が家の護衛というよりは、私専属の護衛と考えてよさそうですね。まあ、普段は騎士の格好をしていらっしゃるのでしたら、何も問題ないでしょう。
今後の付き合いも考え、適当に会話してどのような方かだけは把握しておきましょう。
「フランスワ準男爵家といえば、祖父の代にあった戦争の英雄かしら?」
「ええ、正しく我が祖父の話ですね。元々は騎士の家系でしたが、祖父の代から準男爵になりました。平民家系は爵位もここ止まりでしょうけどね」
「私は、主に本を読んで過ごしていますが、ヨハンネスは何か趣味等はありますの?」
「私の趣味ですか? 園芸ですね。特に薔薇やユリの花が好きです。今回の件が無事に終わりましたら、お嬢様の為に花束を用意致しましょう」
「素敵ね、その際にプロポーズしても構いませんのよ。ですが、出会ったばかりの準男爵家の次男では、即お断りですけどね」
イサアークの件で大変ですが、私は半年以内に婚約者を見つける必要がありますのよね。
「プロポーズですか、ははは。確かにお嬢様をめとるのは、男としては誉れでしょう。ですが、つい最近王子殿下と噂になっていましたよね?」
「グレイ様は……その幼馴染でしてそういう風に見られないのよね」
どうせ、二人きりの時にしか見せないあの悪戯好きなグレイ様のことなんて誰もご存じないのでしょう。信じてもらえるとは思えませんわ。適当な言い回しで濁しましょう。
ついでに半年後の約束のことまでヨハンネスに伝えると、さらにヨハンネスは困惑していましたわ。
そこまで思われていて何故王子殿下を選ばないのでしょうかなどと呟いていましたが、彼のどこに私を思っている要素を感じたのかしら。
ですが、今朝のあれは少し優しくされていたように感じましたわ。いくらグレイ様でも、あの状態の私には優しくされるくらいの良識はありましたのよね。
グレイ様の本心があれでしたら、私も半年など待たせないのですが。いえ、妄想の話はやめましょう。私の初恋は、幼子のうちに砕け散ったのですから。
どうやら久しぶりのふかふかのベッドでぐっすりと眠ってしまっていたようです。
気が付いたら体中の泥が洗い落とされていて、傍らにいたメイドが朝食を用意してくださりました。
「おはようございます。ルクレシア様」
「ええ、おはよう。ここはどこですか?」
近場にいた見知らぬメイドに声をかけました。
なんとなく窓の外の景色が王宮に見えることと、昨日薄らぼんやりとした記憶で、グレイ様が来てくださったような気がして、そしてすぐに眠ってしまったこと。
目が覚めたらベッドの上でしたから、おそらくここは王宮なのでしょう。
「王宮の客室でございます。もうしばらくしましたら、王子殿下がいらっしゃいますのでごゆっくりどうぞ」
「ええ、ありがとう」
用意された朝食を口に運びました。公爵家で普段食べるようなものでしたから、あまり珍しさは感じない普通の食事のはずですが、私はなぜか泣きながら食べてしまいました。
「そんなにおなかを空かしていたのかい?」
「はっ!? グレイ様? いつからですか?」
気が付いたら、すぐそばにグレイ様がいらっしゃいました。
「……ご迷惑をおかけしましたわ」
私は朝食を口に運ぶのをやめ、グレイ様に頭を下げました。グレイ様の表情が見えません。今、どう思われていますのでしょうか。
「話を聞かせてくれるかな?」
グレイ様は私の頭の上に手を重ね、私の顔を覗き込むように屈みましたわ。
「となりに座るね」
グレイ様はベッドに横に座る私のすぐ横に座り込みました。近すぎると思った私は少しだけ距離を取ると、グレイ様はぐっと近づいてきました。そして私の腰に手を回し、これ以上の距離を取ることを禁止されてしまいました。
拒むこともできましたが、自分を助けてくれた彼のことを、これ以上拒み続けると、後で変なものを要求された時に断りにくいと思いそのままにしておきました。そういうことにしておいて、この距離を甘んじましょう。
私はイサアークに襲われそうになったこと、ヤーコフさんのこと、あのつらい思いをした三日間のことを簡易的に説明しましたわ。グレイ様は一つ一つをゆっくり聞いてくださりました。
「辛かったね、ルー。ごめんね、本当にごめんね」
グレイ様は何を謝っているのでしょうか。私には何もわかりませんでしたが、グレイ様は何度も何度も私を抱きしめ、頭を撫でながら謝ってきました。
「グレイ様、もう大丈夫でございます。私は家に帰らないといけません。家族が心配してくださっています。だからどうかご自分を責めないでください」
もしかして、ロムニエイ家に私が向かった理由は、この間のグレイ様の発言が原因でそれのせいで私が辛い思いをしたとお考えなのでしょうか。そういうことでしたらすごい勘違いです。
確かにイサアークと二人で会おうとした原因は元を辿ればグレイ様で間違いありませんが、イサアークの元に向かうと決めたのは私自身です。
エレナも心配してくれているのでしょうか。早く無事を知らせたい。
「ああ、君の家族には僕から連絡を入れたが、まだロムニエイ公爵家にバレてしまう訳には行かないからね。あとで君の父上が登城する際にあっておくといい」
「何故ですか? イサアークは即刻、断罪すべきですわ」
「そうだね。でも彼は宰相の息子でね。直ぐに断罪できないんだ。君の証言や公爵家の地下室のこと。使用人達から話を聞き出せれば、間違いなくロムニエイ公爵家は爵位剥奪だね。でも、それには少し時間がかかるからね。君を安全な場所に匿う必要があるんだ」
そうですか。では仕方ありませんわ。きっと我がベッケンシュタイン公爵家は安全ではあるのでしょう。
しかし、ベッケンシュタイン公爵家はロムニエイ公爵家に監視されているはずですわ。となると、屋敷に帰る際に最悪強行突破されかねませんわね。
王宮にい続けても、侍女達がいずれ噂話を始めてしまえば客室などすぐに見つかってしまいますわ。
「でしたら! 私の友人のお屋敷などどうでしょうか!」
「そこも見張られていたようだね。あからさまに出入りする人間がわからないようにしたらきっとばれる。それで色々探してみたけど、ここならって場所を見つけたんだ」
「どちらですか?」
「君の天敵の家、ディートリヒ家の屋敷さ。ほら、よく君にぶつかるあの娘のところだよ。ロムニエイ公爵家は君と彼女は仲が悪いと思っているからね」
私はしばらく硬直致しましたわ。今、グレイ様は私にあのエミリアさんの家に行けと仰ったように聞こえました。勿論、聞き間違いを疑いましたが、どうやらそうではなさそうですわね。
「本当ですか? 私がエミリアさんと仲がいい訳ありませんわ。何なら事情を話された途端に、ロムニエイ公爵家に告げ口などされないでしょうか」
「大丈夫だよルー。ディートリヒ嬢がそんな真似する訳ないじゃないか。彼女は心優しい素直なご令嬢だよ」
ですが、グレイ様の言うような方とは思えませんのよね。彼女は気弱そうな割には私によく突進してきますし、まるで私がいじめているみたいに演出をされている気分ですわ。
それもグレイ様の目の前だけです。彼女はグレイ様の目の前でか弱い自分を演出しているのですわね。
「わかりました。彼女の所でお世話になりましょう」
それでしたら、グレイ様に対して心優しいアピールをしてくれますでしょう。
安全かどうかはまだ不安要素だらけですが、この際、文句は言っていられませんわね。そちらに匿らさせてもらいましょう。私が生き延びるためにもね。
エミリアさんとの初対面は、彼女の父であるディートリヒ伯爵が、お父様の部下になった時の挨拶でした。領地にある我が家の屋敷に一緒に連れられてきたことで、年も同じということで一緒にお茶会をさせられたことですわ。
その時は、エミリアさんも普通のご令嬢で、さすが伯爵家のご息女といえるような方でしたわ。
エミリアさんとの出会いを思い出すのは、やめましょう。あの頃の綺麗な彼女がどんどん瓦解していくだけですわ。
しばらくして父と対面し、泣きながら抱きしめてこようとしましたので、思いっきり押し飛ばしてしまいましたわ。
ですが、父も安心した様子、これから裏でイサアークの断罪の準備が行われる間、私はディートリヒ家に預けられることを父に伝えると、ディートリヒ伯爵が迎えに来てくださり、そのまま向こうの屋敷に向かいましたわ。
馬車の中には伯爵ともう一人騎士風の男性がいらっしゃいました。こちらの方はどなた様でしょうか。
見たところ私と同じ髪色ですが、服装は男性そのものでした。
長い髪を後ろでひとまとめにしているようで、ほどけば私みたいになりそうな長さでした。そしてお顔も女性らしい綺麗な顔立ち。
「初めまして、私はヨハンネス・フランスワ。フランスワ準男爵家の次男で王宮騎士をしていたものでしたが、本日付けでベッケンシュタイン家の護衛になりました。ああ、次男と名乗った通り、この格好の時は男性って認識しておいてください」
「……はい?」
男性と認識しろということは、女性ということでしょうか?
「ああ、すみません、私は性別を語る気はありません。男性じゃないかもしれません。ですが当然、女性同士として扱うのは危険ですよとお伝えしたかったのです。でも惚れるのは大歓迎ですよ?」
「そうですか。変わった方ですね」
これから我が家の護衛というよりは、私専属の護衛と考えてよさそうですね。まあ、普段は騎士の格好をしていらっしゃるのでしたら、何も問題ないでしょう。
今後の付き合いも考え、適当に会話してどのような方かだけは把握しておきましょう。
「フランスワ準男爵家といえば、祖父の代にあった戦争の英雄かしら?」
「ええ、正しく我が祖父の話ですね。元々は騎士の家系でしたが、祖父の代から準男爵になりました。平民家系は爵位もここ止まりでしょうけどね」
「私は、主に本を読んで過ごしていますが、ヨハンネスは何か趣味等はありますの?」
「私の趣味ですか? 園芸ですね。特に薔薇やユリの花が好きです。今回の件が無事に終わりましたら、お嬢様の為に花束を用意致しましょう」
「素敵ね、その際にプロポーズしても構いませんのよ。ですが、出会ったばかりの準男爵家の次男では、即お断りですけどね」
イサアークの件で大変ですが、私は半年以内に婚約者を見つける必要がありますのよね。
「プロポーズですか、ははは。確かにお嬢様をめとるのは、男としては誉れでしょう。ですが、つい最近王子殿下と噂になっていましたよね?」
「グレイ様は……その幼馴染でしてそういう風に見られないのよね」
どうせ、二人きりの時にしか見せないあの悪戯好きなグレイ様のことなんて誰もご存じないのでしょう。信じてもらえるとは思えませんわ。適当な言い回しで濁しましょう。
ついでに半年後の約束のことまでヨハンネスに伝えると、さらにヨハンネスは困惑していましたわ。
そこまで思われていて何故王子殿下を選ばないのでしょうかなどと呟いていましたが、彼のどこに私を思っている要素を感じたのかしら。
ですが、今朝のあれは少し優しくされていたように感じましたわ。いくらグレイ様でも、あの状態の私には優しくされるくらいの良識はありましたのよね。
グレイ様の本心があれでしたら、私も半年など待たせないのですが。いえ、妄想の話はやめましょう。私の初恋は、幼子のうちに砕け散ったのですから。
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