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第1章 何もできない公爵令嬢
12話 毎度ご迷惑をかけてくる伯爵令嬢は今日も通常運転
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ディートリヒ家の屋敷に到着しますと、すぐにエミリアさんがお出迎えに現れましたわ。
「ルクレシア様、お待ちしておりました」
彼女は綺麗なお辞儀をしていらっしゃったはずですが、何故か前方にバランスを崩し、私を巻き込んで倒れ込みそうになりました。
ですが、そこでヨハンネスがエミリアさんをすかさず支えてくれたおかげで、私に倒れかかってこないですみましたわ。
「エミリアさん、貴方何回お辞儀に失敗すれば気が済むのですか?」
「すみません! ルクレシア様! すみません!」
エミリアさんは何度も頭を下げ、その様子はいつも通りの光景過ぎて、私は彼女をにらみつけましたわ。ヨハンネスは初見のせいか、かなり驚いていましたわね。
「お嬢様、そろそろディートリヒ嬢をお許しして差し上げても」
さすがに可哀そうと感じたヨハンネスが私に声をかけましたわ。
「彼女は私が許しても謝り続けるわ。本当に迷惑なだけよ」
しばらくしても謝り続ける彼女をディートリヒ家の使用人に任せて、私はヨハンネスと一緒に滞在する部屋を案内してもらいましたわ。
「ふむ、私はそこまで女性に見えるのでしょうか」
案内された部屋をみてまずヨハンネスが私に声をかけてきましたわ。
「そうね、顔だけ見れば間違いなく女性に見えますわ」
私とヨハンネスが案内された部屋は同室でしたわ。さすがにベッドは別々ですが、公爵家令嬢を平民と相部屋とは良い度胸ねエミリアさん。
まあ、この際それは良しとしましょう。下手に護衛のヨハンネスを遠ざけてしまい、何かあっては仕方ありませんわ。
相部屋なのはともかくとして、早速ですが、仕事をしましょうと言ったヨハンネスが荷物をおろしますと部屋中を見渡しましたわ。
その後、ヨハンネスはすぐに窓や出入り口近辺を確かめ始めましたわ。そういうところはちゃんとしているみたいですし、この際性別不明は不問としましょう。
私はベッドに腰を下ろし、窓の外に見える王宮の一部の塔を眺めましたわ。
この屋敷は王宮からそこそこ遠い場所にある屋敷だというのは、馬車の移動距離でなんとなくわかりましたが、貴族街からギリギリでない程度の場所のようね。
ベッケンシュタイン家は貴族街の一等地に建てることは許されていますが、それでは屋敷が小さすぎるといい、王都のはずれに屋敷を構えていますわ。
勿論、一等地まですぐに行けるように道をつなげていましたが、その道が以前イサアークに利用されてしまったのよね。
ですが、貴族街の中でしたら、安全といえるでしょうか。そう思って窓の外を眺めていましたら、ヨハンネスがカーテンを閉めてこちらを睨みましたわ。
「どうしたのかしら?」
「貴方はなるべく外から見えない場所にいるべきだ」
「そうですわね、貴方の言う通りですわヨハンネス」
私の以前の護衛のヤーコフさんは、私の行動に何も文句を言わずに自由にさせてくれていたわ。それはヤーコフさん自身がこの程度の隙であれば私を護りきる自信がおありだったからでしょう。
ですが、ヨハンネスは違いますわね。きっと、少しでも隙をつかれない様に気を付けているのね。最も、あからさまに狙われている状態であれば、ヤーコフさんだってこうしたのかもしれませんが。
「違いましたか? 以前の護衛と」
「ええ、でも状況が状況なのだからしょうがないでしょう」
ヨハンネスは少し考えこむと、ぽつりとつぶやきましたわ。
「それほどの方だったのですよ。お嬢様の元護衛だったあの人は。絶対的な自信があったからお嬢様の自由を阻害する必要がなかったのです。私は腕を買われてここにいますが、戦の経験もない若造。所詮その程度なのです。大変申し訳ありませんが、お嬢様から自由を奪わなければ守れる自信がないのです」
確かに馬車に戻る際に見た死屍累々……いえ、実際は気絶なのでしょうけど、ロムニエイ公爵家側の使用人をヤーコフさんはたった一人で倒して、私の所に来てくださったのですよね。
ですが、それも限界を迎えてしまいましたわ。ヤーコフさんのご実家には正式にご挨拶に行くべきですよね。
しみじみとした話も打ち切り、しばらくヨハンネスと他愛もない会話を続けていますと、エミリアさんが入室していきましたわ。
「エミリアさん、なるべく使用人とも顔を合わせないようにすべきだと思いますが、私の着替えなどはどのように致しましょう?」
「え? それはそちらの護衛の方でよろしいのではないでしょうか?」
エミリアさんはヨハンネスを完全に女性だと思っているみたいですね。私にもわかりませんがね。名前は男ですが、実名であるとは限りません。
「彼はヨハンネス。男性と認識して頂戴」
「ええ!? 申し訳御座いませんルクレシア様 すぐに別の部屋をご用意いたします。着替えは……着替えはどうしましょう?」
「でしたらあなた付きのメイドを一人お借りしますわ。それで我慢してあげますわ」
私がそういうと彼女は硬直してしまいしたわ。
「エミリアさん?」
「申し訳ありません。私の家ってそこまで裕福ではありませんので、メイドは給仕の者とかでしたらいらっしゃるのですがそちらをルクレシア様付きとして手配致します」
そういうと彼女はまたしきりと謝り始めましたが、今度の謝罪はすぐにやみましたわ。
「そしてくれると助かりますわ。くれぐれもここの令嬢のような粗相のない方が来てくださると信じていますわ」
「はぅ。申し訳ありません」
「やはりこの家に来たのは失敗でしたわね」
エミリアさん個人の人間性の信用はともかくとしても、彼女のうっかりは時に許容を超えてきますのよね。
それが原因でイサアークに見つからなければ良いのですが。その点を見れば、ヨハンネスの徹底ぶりはむしろ安心できる環境作りと言えますわね。
それから本日はこの客間でヨハンネスとエミリアさんと、滞在中私付となるメイドのヨゼフィンさんで過ごすことになりましたが、途中私に向かって花瓶を倒すエミリアさんとその花瓶をすかさずキャッチするヨハンネス。
私に向かって転ぶもすぐに彼女を支えるヨハンネス。二人でテーブルに向き合って座っていたところそのままテーブルをこちらに倒してきそうだった時はさすがにヨハンネスも止めることができずに置いてあった熱々のティーポッドが私を襲いましたわ。
「貴族令嬢として教育が必要なのではなくて?」
その後、散々彼女の不注意を指摘していたら日が暮れてしまい、晩餐と湯浴みを済ませてしまいましたわ。
「お嬢様はそちらのベッドでゆっくりしていてください」
「貴方も別に用意されたベッドでしっかり休んで頂戴」
「ベッドで休むほど油断できる状況ではありません。お嬢様が私を信用してくれていることは嬉しいですが、少しはご自分の立場と状況を考えてください」
そういったヨハンネスはソファに腰を下ろして休息をとる体勢に移りましたわ。そう、貴方はそれで休息をとるつもりですね。
「でしたら私も横になりませんわ。何か問題がありまして?」
「あります。貴方は万が一の時に少しでも体力があるべきです」
完全な論破を食らってしまった私は黙って休ませていただくことにしましたが、エミリアさん大丈夫ですよね?
彼女を信用するのは難しいですわ。初対面のはずのヨハンネスは信用していますのに、知り合って四年のエミリアさんは何かと失敗の多い女性です。
いちいち私の迷惑になるように失敗できるのは、ある意味彼女の特性ですわね。
今日の大惨事熱々の紅茶をぶっかけられたことは、運よく火傷になりませんでしたので、大目に見てあげることにしましたが、彼女は失敗したと呟いていましたわ。
やはり気に病んでいる以上、責めるのも可哀そうに感じてしまうのですよね。
あとのことは起きてから考えましょう。少なくとも小屋の後ろに作ったごみ溜めの空間と比べれば、天国のような場所ですわ。
イサアークの件はグレイ様やお父様たちにお任せしましょう。私の証言は済んでいることになったみたいですしね。
例え宰相一家といえども、王族とベッケンシュタイン家の最強コンビに敵うはずありませんもの。
私は一瞬だけ豹変したイサアークのことを思い出しましたわ。
昔の彼は至って普通だったはずですのに、一体何が彼をあそこまで狂わせてしまったのでしょうか。
正気そうに見えて、実は狂っているなんて人はもしかしたらまだ潜んでいるのかしら。
そう考えると、近くで休息をとっているはずのヨハンネスのことが突然怖くなってきましたわ。
ヨハンネスも一応男性として扱ってほしいと言われています。もし本当に男性であれば、知り合ったばかりの方と同じ部屋で夜を過ごすということです。
もしかしたら、王族はなるべく女性らしい見た目の騎士だからヨハンネスを私の護衛にしてくれたのかもしれない。
女性の騎士様もいらっしゃいますが、ヤーコフさんの後任という重圧に負けて志願して頂けなかったのでしょうか?
あるいは、ヨハンネスは本当に女性なのかもしれませんね。もしそうでしたら、一度女性の格好をしてもらって二人で出かけてみるのもいいですわね。
護衛と同行しているということには変わりありませんしね。
不安は増えてしまいましたが、だからと言って今どうこうすべきなのはイサアークの件が優先です。まずは私の自由を取り戻すのです。
「ルクレシア様、お待ちしておりました」
彼女は綺麗なお辞儀をしていらっしゃったはずですが、何故か前方にバランスを崩し、私を巻き込んで倒れ込みそうになりました。
ですが、そこでヨハンネスがエミリアさんをすかさず支えてくれたおかげで、私に倒れかかってこないですみましたわ。
「エミリアさん、貴方何回お辞儀に失敗すれば気が済むのですか?」
「すみません! ルクレシア様! すみません!」
エミリアさんは何度も頭を下げ、その様子はいつも通りの光景過ぎて、私は彼女をにらみつけましたわ。ヨハンネスは初見のせいか、かなり驚いていましたわね。
「お嬢様、そろそろディートリヒ嬢をお許しして差し上げても」
さすがに可哀そうと感じたヨハンネスが私に声をかけましたわ。
「彼女は私が許しても謝り続けるわ。本当に迷惑なだけよ」
しばらくしても謝り続ける彼女をディートリヒ家の使用人に任せて、私はヨハンネスと一緒に滞在する部屋を案内してもらいましたわ。
「ふむ、私はそこまで女性に見えるのでしょうか」
案内された部屋をみてまずヨハンネスが私に声をかけてきましたわ。
「そうね、顔だけ見れば間違いなく女性に見えますわ」
私とヨハンネスが案内された部屋は同室でしたわ。さすがにベッドは別々ですが、公爵家令嬢を平民と相部屋とは良い度胸ねエミリアさん。
まあ、この際それは良しとしましょう。下手に護衛のヨハンネスを遠ざけてしまい、何かあっては仕方ありませんわ。
相部屋なのはともかくとして、早速ですが、仕事をしましょうと言ったヨハンネスが荷物をおろしますと部屋中を見渡しましたわ。
その後、ヨハンネスはすぐに窓や出入り口近辺を確かめ始めましたわ。そういうところはちゃんとしているみたいですし、この際性別不明は不問としましょう。
私はベッドに腰を下ろし、窓の外に見える王宮の一部の塔を眺めましたわ。
この屋敷は王宮からそこそこ遠い場所にある屋敷だというのは、馬車の移動距離でなんとなくわかりましたが、貴族街からギリギリでない程度の場所のようね。
ベッケンシュタイン家は貴族街の一等地に建てることは許されていますが、それでは屋敷が小さすぎるといい、王都のはずれに屋敷を構えていますわ。
勿論、一等地まですぐに行けるように道をつなげていましたが、その道が以前イサアークに利用されてしまったのよね。
ですが、貴族街の中でしたら、安全といえるでしょうか。そう思って窓の外を眺めていましたら、ヨハンネスがカーテンを閉めてこちらを睨みましたわ。
「どうしたのかしら?」
「貴方はなるべく外から見えない場所にいるべきだ」
「そうですわね、貴方の言う通りですわヨハンネス」
私の以前の護衛のヤーコフさんは、私の行動に何も文句を言わずに自由にさせてくれていたわ。それはヤーコフさん自身がこの程度の隙であれば私を護りきる自信がおありだったからでしょう。
ですが、ヨハンネスは違いますわね。きっと、少しでも隙をつかれない様に気を付けているのね。最も、あからさまに狙われている状態であれば、ヤーコフさんだってこうしたのかもしれませんが。
「違いましたか? 以前の護衛と」
「ええ、でも状況が状況なのだからしょうがないでしょう」
ヨハンネスは少し考えこむと、ぽつりとつぶやきましたわ。
「それほどの方だったのですよ。お嬢様の元護衛だったあの人は。絶対的な自信があったからお嬢様の自由を阻害する必要がなかったのです。私は腕を買われてここにいますが、戦の経験もない若造。所詮その程度なのです。大変申し訳ありませんが、お嬢様から自由を奪わなければ守れる自信がないのです」
確かに馬車に戻る際に見た死屍累々……いえ、実際は気絶なのでしょうけど、ロムニエイ公爵家側の使用人をヤーコフさんはたった一人で倒して、私の所に来てくださったのですよね。
ですが、それも限界を迎えてしまいましたわ。ヤーコフさんのご実家には正式にご挨拶に行くべきですよね。
しみじみとした話も打ち切り、しばらくヨハンネスと他愛もない会話を続けていますと、エミリアさんが入室していきましたわ。
「エミリアさん、なるべく使用人とも顔を合わせないようにすべきだと思いますが、私の着替えなどはどのように致しましょう?」
「え? それはそちらの護衛の方でよろしいのではないでしょうか?」
エミリアさんはヨハンネスを完全に女性だと思っているみたいですね。私にもわかりませんがね。名前は男ですが、実名であるとは限りません。
「彼はヨハンネス。男性と認識して頂戴」
「ええ!? 申し訳御座いませんルクレシア様 すぐに別の部屋をご用意いたします。着替えは……着替えはどうしましょう?」
「でしたらあなた付きのメイドを一人お借りしますわ。それで我慢してあげますわ」
私がそういうと彼女は硬直してしまいしたわ。
「エミリアさん?」
「申し訳ありません。私の家ってそこまで裕福ではありませんので、メイドは給仕の者とかでしたらいらっしゃるのですがそちらをルクレシア様付きとして手配致します」
そういうと彼女はまたしきりと謝り始めましたが、今度の謝罪はすぐにやみましたわ。
「そしてくれると助かりますわ。くれぐれもここの令嬢のような粗相のない方が来てくださると信じていますわ」
「はぅ。申し訳ありません」
「やはりこの家に来たのは失敗でしたわね」
エミリアさん個人の人間性の信用はともかくとしても、彼女のうっかりは時に許容を超えてきますのよね。
それが原因でイサアークに見つからなければ良いのですが。その点を見れば、ヨハンネスの徹底ぶりはむしろ安心できる環境作りと言えますわね。
それから本日はこの客間でヨハンネスとエミリアさんと、滞在中私付となるメイドのヨゼフィンさんで過ごすことになりましたが、途中私に向かって花瓶を倒すエミリアさんとその花瓶をすかさずキャッチするヨハンネス。
私に向かって転ぶもすぐに彼女を支えるヨハンネス。二人でテーブルに向き合って座っていたところそのままテーブルをこちらに倒してきそうだった時はさすがにヨハンネスも止めることができずに置いてあった熱々のティーポッドが私を襲いましたわ。
「貴族令嬢として教育が必要なのではなくて?」
その後、散々彼女の不注意を指摘していたら日が暮れてしまい、晩餐と湯浴みを済ませてしまいましたわ。
「お嬢様はそちらのベッドでゆっくりしていてください」
「貴方も別に用意されたベッドでしっかり休んで頂戴」
「ベッドで休むほど油断できる状況ではありません。お嬢様が私を信用してくれていることは嬉しいですが、少しはご自分の立場と状況を考えてください」
そういったヨハンネスはソファに腰を下ろして休息をとる体勢に移りましたわ。そう、貴方はそれで休息をとるつもりですね。
「でしたら私も横になりませんわ。何か問題がありまして?」
「あります。貴方は万が一の時に少しでも体力があるべきです」
完全な論破を食らってしまった私は黙って休ませていただくことにしましたが、エミリアさん大丈夫ですよね?
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いちいち私の迷惑になるように失敗できるのは、ある意味彼女の特性ですわね。
今日の大惨事熱々の紅茶をぶっかけられたことは、運よく火傷になりませんでしたので、大目に見てあげることにしましたが、彼女は失敗したと呟いていましたわ。
やはり気に病んでいる以上、責めるのも可哀そうに感じてしまうのですよね。
あとのことは起きてから考えましょう。少なくとも小屋の後ろに作ったごみ溜めの空間と比べれば、天国のような場所ですわ。
イサアークの件はグレイ様やお父様たちにお任せしましょう。私の証言は済んでいることになったみたいですしね。
例え宰相一家といえども、王族とベッケンシュタイン家の最強コンビに敵うはずありませんもの。
私は一瞬だけ豹変したイサアークのことを思い出しましたわ。
昔の彼は至って普通だったはずですのに、一体何が彼をあそこまで狂わせてしまったのでしょうか。
正気そうに見えて、実は狂っているなんて人はもしかしたらまだ潜んでいるのかしら。
そう考えると、近くで休息をとっているはずのヨハンネスのことが突然怖くなってきましたわ。
ヨハンネスも一応男性として扱ってほしいと言われています。もし本当に男性であれば、知り合ったばかりの方と同じ部屋で夜を過ごすということです。
もしかしたら、王族はなるべく女性らしい見た目の騎士だからヨハンネスを私の護衛にしてくれたのかもしれない。
女性の騎士様もいらっしゃいますが、ヤーコフさんの後任という重圧に負けて志願して頂けなかったのでしょうか?
あるいは、ヨハンネスは本当に女性なのかもしれませんね。もしそうでしたら、一度女性の格好をしてもらって二人で出かけてみるのもいいですわね。
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