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第2章 公爵令嬢でもできること
23話 囚われの公爵令嬢
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私は担がれたまま森に入り、そのまま進み始めて湖のすぐ横にある洞穴に連れてこられてしまいましたわ。薄汚い洞穴ですね。このような場所に公爵令嬢である私を連れ込むだなんて不敬ですわ。……今更ですね。
「ねえ? 逃げ出さないからもう少し楽な姿勢を取れるようにしてもらっていいかしら?」
「いや、お前がつらいとか正直どうでもいいし、騒ぐなら喉を潰す」
「……そう」
洞穴に入るとすぐに縛り上げられ、近くにありました金属製の柱に括り付けられてしまいましたわ。さきほど適当に木に括り付けて欲しいとお願いしましたが、これかなり痛いのですね。もし次があったら痛くない囚われ方を覚えておきましょう。……いえ、次なんて作らないようにしないとですね。
「それで? お前の名前は?」
「貴方に名乗る名前なんてないわ」
「じゃあ、娼婦として売るしかないな。名前のわからないままじゃ、身代金の要求ができやしねえ」
「殺される方がましな未来ね。わかったわよ。私の名前はルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインよ」
「ベッケンシュタイン? なるほど、さっきのメイドを誘拐する手間におつりがくるってのは本当みたいだな」
本当に最悪ですわ。縛り付けられて痛いし、楽な姿勢にすらしてくださらない。騒げば喉が潰されるし、売られるか殺される未来しかないなんて。この男はずっと見張りをするつもりなのでしょう。妙な真似もできない状況ってことですか。
これでは、私の能力の有無関係なしで何もできませんね。さて、家臣を信じて待つのも囚われの姫のようで良いですね。こういう時って普通は家臣じゃなくて…………王子様…………いえ、さすがにここまで乗り込んできたら把握しすぎよ。逆に気持ち悪いわ。
「そもそも、私を生かしておく意味はあるのかしら?」
「あ? あー、まあ、金の入りよう次第ってとこだな。今後も利用価値がないって判断するにはまだ早いからな。それにアンタが生きている姿を見せないと身代金が貰えない可能性もあるだろ」
そうですか。では、身代金を要求するようですし、まだ私は死ななくてよさそうですね。利用価値ですか。……なさそうですね私。公爵家への脅しの道具にはなりそうですけど。
「貴方たちはなんでこのような真似をしているのかしら?」
「俺たちか? ま、せっかく綺麗な女が俺とお喋りしてくれているんだ。答えてやるか。焼かれちまったんだよ。住んでいた村が」
野盗の話を聞くと、どうやら以前は農耕を主とした小さな村出身だそうです。そこである植物の栽培と品種改良が高額で依頼され、村民たちは喜んでその植物の栽培を始めたそうです。
ですが、ある日その植物の栽培と品種改良に成功したことを依頼主に報告すると、植物を根こそぎ奪われ、村が全て焼かれてしまったそうです。そして後になってそれらが麻薬の原材料とわかり、更には村民たちが栽培したと国に偽の情報が流れてしまいました。
村民たちは国から追放される形で東洋と西洋をつなぐスパイスロードを渡り、デークルーガ帝国、更にはアルデマグラ公国に移住してきたそうです。しかし、スパイスロードの向こう側の人達は、肌の色や髪の色がデークルーガ帝国やアルデマグラ公国の民と異なり、差別を受け、いつの日か身を隠して盗賊になってしまったそうです。
そうでしたか、アルデマグラ公国で差別を受け、生き延びるために野盗になり果てた。経緯は理解しましたし、同情もします。ですが、当然許すつもりもありません。暗くてちゃんと見ていませんでしたが、手などの肌の色は確かに白くないですね。顔は布で覆われていますのでよくわかりませんが、手と同じ肌色をしているのでしょう。
「でしたら、その植物栽培の依頼主に仕返ししてみたいと思いませんか?」
「あ? おいおい、そんなことどうやってやるっていうんだよ」
「我がベッケンシュタイン家が全面協力しましょう。はっきり言いまして貴方が言うことが真実であれば、例えグレイトウォール山脈の向こう側のお話でも許すことができません」
「……なるほど、少し仲間内で話し合う時間をくれ」
「構いませんわ」
とりあえず、時間稼ぎ成功と言ったところでしょうか? ヨハンネス達はこちらにたどり着くことができますでしょうか? 何か痕跡を残せたら良かったのですが、いい方法がありませんでしたのよね。
野盗は別の監視を呼び、他の仲間がいるらしい所まで行ってしまいましたわ。しかし、よく貴族である私のいうことを聞いてくださりましたわね。私が嘘を言うとは考えはしなかったのでしょうか?
本来の彼は、きっと優しい方なのかもしれませんね。思い返してみれば、わざわざ私の質問に答える必要などありませんでしたし、騒ぎだせば勝手に喉を潰せばよかったはずです。
もしかして彼は、本当は口で言うほどひどいことをするつもりがないのではないでしょうか? いえ、楽観的な考えは危険ですわね。
「監視のお兄さん? ちょっときついのだけど? 少しでいいから緩めて貰ってもいいかしら?」
ふふふ、少し可愛くお願いすれば、さきほどの方でなければ少しは言うことを聞いてくださるかもしれませんよね。さあ、緩めなさい!
「いやいや、親分がそう縛ったんだ。緩めたら抜け出される可能性がある。ダメだ」
「親分さんが縛ったものは他の人より緩いの?」
あの人親分なのね。
「そうそう、あの人は人を縛り上げるのに抵抗あるからさ。俺たちでやるって言っても聞かないのよ。だからダメ」
やっぱり性根は優しい人なのでしょうか? 上手くいけば交渉で生き残れるかもしれませんね。これは楽観的な考えではありません。この監視君の証言をもとに考えているのです。
「今まで人を誘拐したことってあるのかしら?」
「あるぞ? まあ、みんな奴隷商に売っちまっているがな」
奴隷ですか。アルデマグラ公国では四十年ほど前に廃止された制度ですね。ですが、奴隷商がいなくなったかと言えばそういう訳ではありません。まだまだアルデマグラ公国中をはびこっています。勿論、見つかれば処罰対象です。奴隷商の大本は全員絞首刑ですし、協力者たちも終身刑。彼らは奴隷商との繋がりを認めてしまうと終身刑間違いなしでしょうね。
「何を考えているか知らないが、法律の穴はついている。奴隷商に奴隷をアルデマグラ公国の敷地内で売らなければ、俺達にアルデマグラ公国の法律は適応されない」
「……ジバジデオ王国ですか」
「あっちは奴隷制度がまだまだ残っているからな。現女王であるアンジェリカなんて良い例だろう。愛玩奴隷を何人も飼育しているような女だぞ」
つまり、彼らは奴隷禁止法で処罰は受けないのですね。まあ、窃盗誘拐脅迫が残っていますので、どちらにせよ終身刑以上は確定でしょうね。
「随分落ち着いてたお嬢さんだな」
「貴方たちの親分さんに騒いだら喉を潰すって言われたのよ」
「あー、いつも言うやつか」
「本当に潰すの?」
「親分なら間違いなく潰すね」
人を縛ることに抵抗があるのに、喉を潰すことには抵抗がないのですか。普通逆ではないのでしょうか? いえ、私はどちらも抵抗ありますので、普通は私ですね。……いえ、私は高貴。
とにかく本当に騒げないことだけは理解しましたわ。そして余計に暴れるような真似をしなくて正解でしたね。もし、抵抗していたらなんのためらいもなく傷つけられていた可能性もあったのですから。
監視の人とお話をしていますと、親分さんが戻られましたわ。
「あら親分さん、お話はどうなりましたか?」
「親分さん? ああ、俺か。まあ呼び方は好きにしてくれ」
「布魔人」
「親分さんでいいぞ。話し合いの結果もうしばらくお前を生かすことになったが、そのままだと辛いだろうから移動になった。今度は牢屋だから縛り上げたままじゃねえから好きな姿勢でくつろいでくれ」
「あら? では食事も頂けるかしら? 親分さん」
「突然図々しい奴だな」
どうやら野盗たちの話し合いの結果、私たちの馬車の情報を入手した協力者にベッケンシュタイン家の娘を手に入れたことを報告するつもりらしいですわ。その報告で得られるだろう想定報酬と私の話に乗って村を燃やした依頼主を探しだして仕返しをするかを決めるそうですわ。それまでは私を可能な限り丁重に扱ってくれるそうです。下手に機嫌を損ねてはいけないと判断されたのでしょう。
結局待ちになってしまいそうですわね。いっそ、身代金を頂いて私を開放。その後に私が手伝うと提案すれば良かったのでしょうが、自由になった私が手伝うとは彼らも信用してくれないでしょうね。状況が悪化しない限りはこのままの方がよさそうね。
「ねえ? 逃げ出さないからもう少し楽な姿勢を取れるようにしてもらっていいかしら?」
「いや、お前がつらいとか正直どうでもいいし、騒ぐなら喉を潰す」
「……そう」
洞穴に入るとすぐに縛り上げられ、近くにありました金属製の柱に括り付けられてしまいましたわ。さきほど適当に木に括り付けて欲しいとお願いしましたが、これかなり痛いのですね。もし次があったら痛くない囚われ方を覚えておきましょう。……いえ、次なんて作らないようにしないとですね。
「それで? お前の名前は?」
「貴方に名乗る名前なんてないわ」
「じゃあ、娼婦として売るしかないな。名前のわからないままじゃ、身代金の要求ができやしねえ」
「殺される方がましな未来ね。わかったわよ。私の名前はルクレシア・ボレアリス・ベッケンシュタインよ」
「ベッケンシュタイン? なるほど、さっきのメイドを誘拐する手間におつりがくるってのは本当みたいだな」
本当に最悪ですわ。縛り付けられて痛いし、楽な姿勢にすらしてくださらない。騒げば喉が潰されるし、売られるか殺される未来しかないなんて。この男はずっと見張りをするつもりなのでしょう。妙な真似もできない状況ってことですか。
これでは、私の能力の有無関係なしで何もできませんね。さて、家臣を信じて待つのも囚われの姫のようで良いですね。こういう時って普通は家臣じゃなくて…………王子様…………いえ、さすがにここまで乗り込んできたら把握しすぎよ。逆に気持ち悪いわ。
「そもそも、私を生かしておく意味はあるのかしら?」
「あ? あー、まあ、金の入りよう次第ってとこだな。今後も利用価値がないって判断するにはまだ早いからな。それにアンタが生きている姿を見せないと身代金が貰えない可能性もあるだろ」
そうですか。では、身代金を要求するようですし、まだ私は死ななくてよさそうですね。利用価値ですか。……なさそうですね私。公爵家への脅しの道具にはなりそうですけど。
「貴方たちはなんでこのような真似をしているのかしら?」
「俺たちか? ま、せっかく綺麗な女が俺とお喋りしてくれているんだ。答えてやるか。焼かれちまったんだよ。住んでいた村が」
野盗の話を聞くと、どうやら以前は農耕を主とした小さな村出身だそうです。そこである植物の栽培と品種改良が高額で依頼され、村民たちは喜んでその植物の栽培を始めたそうです。
ですが、ある日その植物の栽培と品種改良に成功したことを依頼主に報告すると、植物を根こそぎ奪われ、村が全て焼かれてしまったそうです。そして後になってそれらが麻薬の原材料とわかり、更には村民たちが栽培したと国に偽の情報が流れてしまいました。
村民たちは国から追放される形で東洋と西洋をつなぐスパイスロードを渡り、デークルーガ帝国、更にはアルデマグラ公国に移住してきたそうです。しかし、スパイスロードの向こう側の人達は、肌の色や髪の色がデークルーガ帝国やアルデマグラ公国の民と異なり、差別を受け、いつの日か身を隠して盗賊になってしまったそうです。
そうでしたか、アルデマグラ公国で差別を受け、生き延びるために野盗になり果てた。経緯は理解しましたし、同情もします。ですが、当然許すつもりもありません。暗くてちゃんと見ていませんでしたが、手などの肌の色は確かに白くないですね。顔は布で覆われていますのでよくわかりませんが、手と同じ肌色をしているのでしょう。
「でしたら、その植物栽培の依頼主に仕返ししてみたいと思いませんか?」
「あ? おいおい、そんなことどうやってやるっていうんだよ」
「我がベッケンシュタイン家が全面協力しましょう。はっきり言いまして貴方が言うことが真実であれば、例えグレイトウォール山脈の向こう側のお話でも許すことができません」
「……なるほど、少し仲間内で話し合う時間をくれ」
「構いませんわ」
とりあえず、時間稼ぎ成功と言ったところでしょうか? ヨハンネス達はこちらにたどり着くことができますでしょうか? 何か痕跡を残せたら良かったのですが、いい方法がありませんでしたのよね。
野盗は別の監視を呼び、他の仲間がいるらしい所まで行ってしまいましたわ。しかし、よく貴族である私のいうことを聞いてくださりましたわね。私が嘘を言うとは考えはしなかったのでしょうか?
本来の彼は、きっと優しい方なのかもしれませんね。思い返してみれば、わざわざ私の質問に答える必要などありませんでしたし、騒ぎだせば勝手に喉を潰せばよかったはずです。
もしかして彼は、本当は口で言うほどひどいことをするつもりがないのではないでしょうか? いえ、楽観的な考えは危険ですわね。
「監視のお兄さん? ちょっときついのだけど? 少しでいいから緩めて貰ってもいいかしら?」
ふふふ、少し可愛くお願いすれば、さきほどの方でなければ少しは言うことを聞いてくださるかもしれませんよね。さあ、緩めなさい!
「いやいや、親分がそう縛ったんだ。緩めたら抜け出される可能性がある。ダメだ」
「親分さんが縛ったものは他の人より緩いの?」
あの人親分なのね。
「そうそう、あの人は人を縛り上げるのに抵抗あるからさ。俺たちでやるって言っても聞かないのよ。だからダメ」
やっぱり性根は優しい人なのでしょうか? 上手くいけば交渉で生き残れるかもしれませんね。これは楽観的な考えではありません。この監視君の証言をもとに考えているのです。
「今まで人を誘拐したことってあるのかしら?」
「あるぞ? まあ、みんな奴隷商に売っちまっているがな」
奴隷ですか。アルデマグラ公国では四十年ほど前に廃止された制度ですね。ですが、奴隷商がいなくなったかと言えばそういう訳ではありません。まだまだアルデマグラ公国中をはびこっています。勿論、見つかれば処罰対象です。奴隷商の大本は全員絞首刑ですし、協力者たちも終身刑。彼らは奴隷商との繋がりを認めてしまうと終身刑間違いなしでしょうね。
「何を考えているか知らないが、法律の穴はついている。奴隷商に奴隷をアルデマグラ公国の敷地内で売らなければ、俺達にアルデマグラ公国の法律は適応されない」
「……ジバジデオ王国ですか」
「あっちは奴隷制度がまだまだ残っているからな。現女王であるアンジェリカなんて良い例だろう。愛玩奴隷を何人も飼育しているような女だぞ」
つまり、彼らは奴隷禁止法で処罰は受けないのですね。まあ、窃盗誘拐脅迫が残っていますので、どちらにせよ終身刑以上は確定でしょうね。
「随分落ち着いてたお嬢さんだな」
「貴方たちの親分さんに騒いだら喉を潰すって言われたのよ」
「あー、いつも言うやつか」
「本当に潰すの?」
「親分なら間違いなく潰すね」
人を縛ることに抵抗があるのに、喉を潰すことには抵抗がないのですか。普通逆ではないのでしょうか? いえ、私はどちらも抵抗ありますので、普通は私ですね。……いえ、私は高貴。
とにかく本当に騒げないことだけは理解しましたわ。そして余計に暴れるような真似をしなくて正解でしたね。もし、抵抗していたらなんのためらいもなく傷つけられていた可能性もあったのですから。
監視の人とお話をしていますと、親分さんが戻られましたわ。
「あら親分さん、お話はどうなりましたか?」
「親分さん? ああ、俺か。まあ呼び方は好きにしてくれ」
「布魔人」
「親分さんでいいぞ。話し合いの結果もうしばらくお前を生かすことになったが、そのままだと辛いだろうから移動になった。今度は牢屋だから縛り上げたままじゃねえから好きな姿勢でくつろいでくれ」
「あら? では食事も頂けるかしら? 親分さん」
「突然図々しい奴だな」
どうやら野盗たちの話し合いの結果、私たちの馬車の情報を入手した協力者にベッケンシュタイン家の娘を手に入れたことを報告するつもりらしいですわ。その報告で得られるだろう想定報酬と私の話に乗って村を燃やした依頼主を探しだして仕返しをするかを決めるそうですわ。それまでは私を可能な限り丁重に扱ってくれるそうです。下手に機嫌を損ねてはいけないと判断されたのでしょう。
結局待ちになってしまいそうですわね。いっそ、身代金を頂いて私を開放。その後に私が手伝うと提案すれば良かったのでしょうが、自由になった私が手伝うとは彼らも信用してくれないでしょうね。状況が悪化しない限りはこのままの方がよさそうね。
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