12 / 25
第一章 離島生活
12話 罰
しおりを挟む
昼食後、私達聖女候補生たちは皆、礼拝堂に集められました。
礼拝堂にはずらりと並ぶ聖女候補生たち。その中央にある身廊を歩いて主祭壇の前まで歩いていったのは、緑色の髪のシスター・タチアナでした。
「聖女候補生の皆様。お集まりいただき、感謝致します。皆様にはそろそろ離島で生活してどのようにして聖女を決めるのかと疑問に思われているかと思います。そもそも聖痕とは…………」
これは話が長そうですね。私が未来視で知った情報を要約した方がわかりやすいです。
聖痕は神に選ばれた証。持つ者に奇跡の力を与えます。
奇跡の力は個人個人で異なり、私は未来視、ヴィーちゃんは結界術、サーシャさんは聖水使いのように神の力と言って差し支えのない能力を与えられます。
離島生活での聖女選定方法はいたって単純。十日に一度、聖女に相応しいと思う自分以外の人物を投票し、票数の少ない聖女候補生から本土に帰されます。
過去の選定では最初の十日で、半数以上の聖女候補生が消えてしまうそうです。
現在、ここに集まっている聖女候補生の数は百二十八人。
ちなみに投票権は聖女だけでなく、シスターや騎士様も持ち合わせていたりしますので、いつ誰に見られていても聖女らしく行動をしている者は残りやすいです。
「…………であるからして…………」
ありがたいお話はまだまだ続きます。いい加減眠ってしまいそうですが、聖女だったらここで寝ますよね。おやすみ。
「聖クリスチナ!! 起きなさい!!!」
雷の様に鋭い声が、私の鼓膜を通過し、私の体はビクリと反応して目が覚めました。
「ふにゃ!? あ…………えっとですね。いやぁ、ありがたすぎて心が休まったんですよ! 寝ちゃっても不思議じゃないです!」
私はいつの間にか眠っていたようです。
「貴女の場合は頭がです! 反省として本日の夕食に山の果物を使います! 貴女は最低でも五十個のリンゴを取ってきなさい!」
リンゴ五十個ですか。反省とかそれ以前に聖女一人では運べませんね。未来視の力を使うにしても結構厳しいですね。
「一人でですか?」
「私もそこまで鬼ではありません。手伝いは何人呼んでも構いません。足りなかった場合、怒られるのは貴女だけです」
「善処します」
見ていない未来。これは私が本来はこのタイミングで眠ろうとしなかったのでしょう。仕方ありません。何名かお手伝いを依頼しましょうか。
今日の予定はほぼ全て狂ってしまいましたが、数秒先どころか数十分先まででしたら目を閉じればまだ見れますし、何とかリンゴくらい見つけられるでしょう。
シスター・タチアナの有難いお話も終わり、私は早速リンゴを入れるための籠を借りに行きました。あと荷車。
「クリスチナ!」
私を呼ぶ声に振り替えると、そこには大勢の聖女候補生。真ん中で私を呼んだのは赤い髪の聖女候補生。元レンジャーで山間部を歩きなれているステフお姉ちゃんでした。
モニカお姉ちゃんとヴィーちゃんも一緒にいます。
「ステフお姉ちゃん! モニカお姉ちゃんにヴィーちゃんも! 他の皆様もお手伝いしてくださるのですか?」
「クリスちゃんが頑張るならお姉ちゃん頑張っちゃうよぉ!」
「ルームメイトの好みよ。光栄に思いなさい」
「適当に誘ったら二十人くらい来たぜ? サーシャは見当たらなかったのと、フランチェスカは高齢だから誘わなかったけどな」
サーシャさんはすぐにいなくなりますし、フランさんは厳しい方ですが優しい方ですから手伝ってくださってもおかしくないですけど、高齢のあの人に手伝って貰うのはこちらの気が引けますからね。
「これだけ呼んだら騎士様もたくさん連れていかなければですね」
「それも声かけといたから、騎士達が集まったら森に入るぞ」
これはステフお姉ちゃんこそ聖女。十日後の投票。私ははステフお姉ちゃんにしましょう。少なくともこの二日間で一番聖女に近い行動です。私の知る限りですけど。
基本的に聖女候補生の皆様は、私を含め手伝うべきだと考える人物が揃っています。しかし、お手伝いをする上で最も大事なことは行動力。
ステフお姉ちゃんはここにいる誰よりも行動力のある聖女候補生だったのでしょう。今も誰がどの辺でどんな役割の作業をするか話し合っています。
周囲の聖女候補生たちもステフお姉ちゃんを見ては感心している様子。十日後ぶっちぎりのトップ候補ですね。
完全に未来を書き換えてしまいましたが、ステフお姉ちゃんが残るのは心強いので問題ありません。
礼拝堂にはずらりと並ぶ聖女候補生たち。その中央にある身廊を歩いて主祭壇の前まで歩いていったのは、緑色の髪のシスター・タチアナでした。
「聖女候補生の皆様。お集まりいただき、感謝致します。皆様にはそろそろ離島で生活してどのようにして聖女を決めるのかと疑問に思われているかと思います。そもそも聖痕とは…………」
これは話が長そうですね。私が未来視で知った情報を要約した方がわかりやすいです。
聖痕は神に選ばれた証。持つ者に奇跡の力を与えます。
奇跡の力は個人個人で異なり、私は未来視、ヴィーちゃんは結界術、サーシャさんは聖水使いのように神の力と言って差し支えのない能力を与えられます。
離島生活での聖女選定方法はいたって単純。十日に一度、聖女に相応しいと思う自分以外の人物を投票し、票数の少ない聖女候補生から本土に帰されます。
過去の選定では最初の十日で、半数以上の聖女候補生が消えてしまうそうです。
現在、ここに集まっている聖女候補生の数は百二十八人。
ちなみに投票権は聖女だけでなく、シスターや騎士様も持ち合わせていたりしますので、いつ誰に見られていても聖女らしく行動をしている者は残りやすいです。
「…………であるからして…………」
ありがたいお話はまだまだ続きます。いい加減眠ってしまいそうですが、聖女だったらここで寝ますよね。おやすみ。
「聖クリスチナ!! 起きなさい!!!」
雷の様に鋭い声が、私の鼓膜を通過し、私の体はビクリと反応して目が覚めました。
「ふにゃ!? あ…………えっとですね。いやぁ、ありがたすぎて心が休まったんですよ! 寝ちゃっても不思議じゃないです!」
私はいつの間にか眠っていたようです。
「貴女の場合は頭がです! 反省として本日の夕食に山の果物を使います! 貴女は最低でも五十個のリンゴを取ってきなさい!」
リンゴ五十個ですか。反省とかそれ以前に聖女一人では運べませんね。未来視の力を使うにしても結構厳しいですね。
「一人でですか?」
「私もそこまで鬼ではありません。手伝いは何人呼んでも構いません。足りなかった場合、怒られるのは貴女だけです」
「善処します」
見ていない未来。これは私が本来はこのタイミングで眠ろうとしなかったのでしょう。仕方ありません。何名かお手伝いを依頼しましょうか。
今日の予定はほぼ全て狂ってしまいましたが、数秒先どころか数十分先まででしたら目を閉じればまだ見れますし、何とかリンゴくらい見つけられるでしょう。
シスター・タチアナの有難いお話も終わり、私は早速リンゴを入れるための籠を借りに行きました。あと荷車。
「クリスチナ!」
私を呼ぶ声に振り替えると、そこには大勢の聖女候補生。真ん中で私を呼んだのは赤い髪の聖女候補生。元レンジャーで山間部を歩きなれているステフお姉ちゃんでした。
モニカお姉ちゃんとヴィーちゃんも一緒にいます。
「ステフお姉ちゃん! モニカお姉ちゃんにヴィーちゃんも! 他の皆様もお手伝いしてくださるのですか?」
「クリスちゃんが頑張るならお姉ちゃん頑張っちゃうよぉ!」
「ルームメイトの好みよ。光栄に思いなさい」
「適当に誘ったら二十人くらい来たぜ? サーシャは見当たらなかったのと、フランチェスカは高齢だから誘わなかったけどな」
サーシャさんはすぐにいなくなりますし、フランさんは厳しい方ですが優しい方ですから手伝ってくださってもおかしくないですけど、高齢のあの人に手伝って貰うのはこちらの気が引けますからね。
「これだけ呼んだら騎士様もたくさん連れていかなければですね」
「それも声かけといたから、騎士達が集まったら森に入るぞ」
これはステフお姉ちゃんこそ聖女。十日後の投票。私ははステフお姉ちゃんにしましょう。少なくともこの二日間で一番聖女に近い行動です。私の知る限りですけど。
基本的に聖女候補生の皆様は、私を含め手伝うべきだと考える人物が揃っています。しかし、お手伝いをする上で最も大事なことは行動力。
ステフお姉ちゃんはここにいる誰よりも行動力のある聖女候補生だったのでしょう。今も誰がどの辺でどんな役割の作業をするか話し合っています。
周囲の聖女候補生たちもステフお姉ちゃんを見ては感心している様子。十日後ぶっちぎりのトップ候補ですね。
完全に未来を書き換えてしまいましたが、ステフお姉ちゃんが残るのは心強いので問題ありません。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる