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後編ークリスマス演習編ー
第二十一話
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捜索開始の合図とともに、甲板の学生たちは整列を崩し、ざわめきながら艦内に散り散りに消え始めた。リースは仕方なく、ネイサンの持つマップを覗き込もうと身を寄せた。
「練習艦って言っても、結構広いよなあ。どこにいるんだろうな」
顎に指を押し当て、考え込むような仕草をするネイサン。その指先の動きがやけに芝居がかっていて、リースは眉をひそめた。彼の胸元あたりの位置にあるマップを覗き込もうにも、どうしても身長が足りないのだ。
わざとやっているのだろうか。どちらにせよかなり胸糞の悪い話だ。
「……ねえ、見えないんだけど」
言うと、ネイサンは肩越しにちらりと振り返り、唇の端をゆるめた。
「ごめんごめん」
「……わかってやってるだろ」
あまりにくだらなすぎて、怒る気にもなれない。
ため息をつくと、ネイサンはやっとマップを少し下げて、わざとらしく腰を屈めた。
「これで見える?」
それを素直に覗き込むのも癪だったので、リースはため息をついて背を向けた。
「こんなの見て考えてたって仕方ないよ。とりあえず中に入ろう」
「あ、おい。待てって」
相手にしていられない。せっかくの演習なのに、全く先が思いやられる。後ろから追いかけてくるネイサンを無視して、ずんずんと艦の中に向かって歩き出した。
「いやー、ほんとに凄いよな。俺、動いてる軍艦乗ったの初めてだよ」
「二年生で乗ったことがある方がおかしいだろ」
「そうだけどさ。まだ怒ってる?ごめんって」
ネイサンは艦の構造一つ一つにすごいすごいと言いながら、リースの後をついて狭い廊下を歩いてきた。あまりにもキョロキョロあたりを見回しながら歩くものだから、注意していないと本当に置いていってしまいそうだ。
彼はかなり艦の構造に詳しいようだった。これは何年製までの艦にあるものだとか、どこの国のものを参考に作っているとか。そんなうんちくを、頼んでもないのにたくさん教えてくれた。最初は鬱陶しいと思っていたけれど、なかなか興味深い内容だったから、リースはいつの間にか歩を緩めて、思わず耳を傾けてしまっていた。
「……すごい、よく知ってるね」
「ああ、好きだからな」
ネイサンはさっきと見違えるような爽やかな笑顔を浮かべて、どこか誇らしげにそう言った。
ーーそうだよな。
好きで来ている人の方が多いだろう。制服に憧れて、船に憧れて、誰かの影を追って。
だからといってそうでない人がいるのも理解はできるし、リースが何を言えることでもない。それは分かっているけれど、せめてアーサーには、こんなふうに同じ方向を向いていてほしかったーーなんてまた余計なことを考えそうになって、小さく首を振った。
「意外と軍艦には一途だろ?」
頭の後ろで腕を組んだネイサンが、どこか得意気な顔で見下ろしてくる。
「うん、意外とね」
「俺は夢は真剣に、恋愛は楽しくテキトーにがモットーだからな」
「それで寮規まで破るのはどうかと思うけど」
「今年はやってねーよ。これに来たかったからな」
ネイサンが鼻高々とそう言った時、横をすれ違った学生たちが「居住区で一体見つかったらしい」と話すのが聞こえた。どうやらドレイク寮の四年生が、すでに一体目を見つけたらしい。
「だってよ。急がないと負けちまう」
リースは正直寮対抗の勝ち負けにそこまで興味はなかったが、ネイサンの方はかなり意気込んでいるらしい。でも確かに、せっかくの機会で何もできずに終わるのは嫌だ。
「こっち行こう」
リースはちょうど進行方向左側に見えた、「立入注意」と赤文字で書かれた機関区に繋がる階段の入口を指差した。
「おい、危なくないか?」
「出遅れてるんだから、みんなが行ってるところに行ってももう遅い」
「あ、おい」
ネイサンの返事を待たずにそこに駆け寄ると、機関室への急な階段が深く口を開けていた。階段というよりは梯子のようだ。手すりには塗装の剥げた赤いラインが走り、階下からは、低く唸るような金属音が響いている。
リースは迷わず後ろ向きになって、それを慎重に降り始めた。靴底が鉄板を叩くたび、カン、カン、と乾いた音が響く。ネイサンも何か言いたげな顔をしながらも、続いて上から降りてきた。下りるごとに空気の密度が増して、硫黄と鉄の匂いが混じったような臭いが鼻をつく。階段を降り切ると、目の前に無数のパイプと巨大なバルブの森が広がっていた。
「ほー、こりゃすげえや」
あとから降りてきたネイサンが、興奮したように言った。まるで、艦の心臓が鼓動しているような轟音。金属の壁が反射する光で、薄暗いはずの空間がどこか鈍く輝いて見える。機関区の奥へと進むたびに、空気がさらに熱く、騒音で互いの声すら届きにくくなっていく。
しばらく歩いた時、ネイサンが隣で声を上げた。
「……あれ、人形じゃないか?」
「え、どこ?」
「ほら、あの冷却管の向こう。あれ、腕っぽい」
言われた通り目を細める。光の届かないパイプの影に、白っぽい布切れのようなものが見えた。
「ほんとだ」
「あんな奥?どうやって取るんだよ」
「ちょっと見てくる」
確かに少し遠いが、届かなくもなさそうな距離だ。リースは狭い脇の通路に踏み込んだ。
「おい、やめとけって。危ねえって」
「うーん…‥届きそうなんだけどな」
通路の端まで来たけれど、やはり普通に手を伸ばしたくらいでは届かなそうだ。
この通路と言えるかも怪しい足場の下には、補機油槽へと続く点検ピットがある。手すりはあるが、それを支えている格子はその間隔が広すぎてなんとも心許ない。落ちれば3メートル下の鉄骨。落ちたら擦り傷では済まないだろう。
リースは小さく深呼吸をすると、その場にしゃがみ込み、格子に片手をかけて体を伸ばした。熱い金属の感触が掌に食い込む。汗が頬を伝った。
ーーあと数センチ。ついに、人形の白い布地が指先にかすかに触れた。いける、と思ったーーその瞬間だった。
「……っ!」
船体が大きく揺れて、轟音の主機が回転数を上げた。その風圧と振動で足場がわずかに揺れ、リースの体が前に傾く。
ーーあ、やばい。
熱気と油の匂いが一気に迫ってくる。落ちる、と思ったらその瞬間、強い腕に腰を引き寄せられた。
「バカ、危ない!」
背中にぶつかる衝撃。鉄の鎖が鳴り、リースは何か柔らかいものに押しつけられるように倒れ込んだ。
「なに一人で無茶してんだよ。落ちるところだっただろうが」
エンジン音に紛れてネイサンの声が耳のすぐそばで震えたことで、助けてくれたのだと初めて理解した。驚きと安堵のあまり、心臓がバクバクと鳴る。
「あ……っ、ありがとう、びっくりした……」
「お前、さっきから、一人で突っ走んな」
そっと振り向くと、思ったよりずっと近くにネイサンの顔があって、思わず目を逸らしてしまった。ネイサンが後ろから抱きとめてくれているところを見ると、さっきリースを包んで助けてくれたのはネイサンの胸板だったようだ。その妙な体勢に、急に恥ずかしさが込み上げてくる。
「……ごっ、ごめん。もう大丈夫だから、離して……」
そう言うとネイサンは、さらに顔を覗き込むようにして距離を詰めてきた。--近い。アーサーとは違う--でも確実に、アルファの匂いがする。
「なに、照れてる?」
「な……っ」
体がじっとりと暑い。それはこの機関区にたちこめる熱気のせいか--それとも。
とにもかくにも、この体勢はなんだかまずい。リースはネイサンの腕を振り払うように抜け出すと、 なんとか体一つ分の距離を取る。
「……違うよっ、もういいから、ありがとっ」
「ほんと可愛いのな、お前」
最後にネイサンがリースの頭をぽんぽんと叩き、ゆっくりと手が離れていく。それで、やっと冷気が戻ってきた。それでもまだ顔が熱いような気がして、誤魔化すように手のひらでパタパタと仰いだ。
--まったく、僕としたことが、ネイサンに助けられてしまうなんて。
ネイサンはまだリースを見つめながら、楽しそうにニヤニヤと笑っている。それに気付かないふりをして、制服の襟を整えようとした、その瞬間だった。
「訓練中に、随分と仲が良いな」
エンジンの音に紛れて、低い声が響いた。その瞬間、リースの背筋に冷たいものが走る。
恐る恐る顔を上げる。見慣れた影が、機関室の赤いランプの下に真っ直ぐと静かに立っていた。
「練習艦って言っても、結構広いよなあ。どこにいるんだろうな」
顎に指を押し当て、考え込むような仕草をするネイサン。その指先の動きがやけに芝居がかっていて、リースは眉をひそめた。彼の胸元あたりの位置にあるマップを覗き込もうにも、どうしても身長が足りないのだ。
わざとやっているのだろうか。どちらにせよかなり胸糞の悪い話だ。
「……ねえ、見えないんだけど」
言うと、ネイサンは肩越しにちらりと振り返り、唇の端をゆるめた。
「ごめんごめん」
「……わかってやってるだろ」
あまりにくだらなすぎて、怒る気にもなれない。
ため息をつくと、ネイサンはやっとマップを少し下げて、わざとらしく腰を屈めた。
「これで見える?」
それを素直に覗き込むのも癪だったので、リースはため息をついて背を向けた。
「こんなの見て考えてたって仕方ないよ。とりあえず中に入ろう」
「あ、おい。待てって」
相手にしていられない。せっかくの演習なのに、全く先が思いやられる。後ろから追いかけてくるネイサンを無視して、ずんずんと艦の中に向かって歩き出した。
「いやー、ほんとに凄いよな。俺、動いてる軍艦乗ったの初めてだよ」
「二年生で乗ったことがある方がおかしいだろ」
「そうだけどさ。まだ怒ってる?ごめんって」
ネイサンは艦の構造一つ一つにすごいすごいと言いながら、リースの後をついて狭い廊下を歩いてきた。あまりにもキョロキョロあたりを見回しながら歩くものだから、注意していないと本当に置いていってしまいそうだ。
彼はかなり艦の構造に詳しいようだった。これは何年製までの艦にあるものだとか、どこの国のものを参考に作っているとか。そんなうんちくを、頼んでもないのにたくさん教えてくれた。最初は鬱陶しいと思っていたけれど、なかなか興味深い内容だったから、リースはいつの間にか歩を緩めて、思わず耳を傾けてしまっていた。
「……すごい、よく知ってるね」
「ああ、好きだからな」
ネイサンはさっきと見違えるような爽やかな笑顔を浮かべて、どこか誇らしげにそう言った。
ーーそうだよな。
好きで来ている人の方が多いだろう。制服に憧れて、船に憧れて、誰かの影を追って。
だからといってそうでない人がいるのも理解はできるし、リースが何を言えることでもない。それは分かっているけれど、せめてアーサーには、こんなふうに同じ方向を向いていてほしかったーーなんてまた余計なことを考えそうになって、小さく首を振った。
「意外と軍艦には一途だろ?」
頭の後ろで腕を組んだネイサンが、どこか得意気な顔で見下ろしてくる。
「うん、意外とね」
「俺は夢は真剣に、恋愛は楽しくテキトーにがモットーだからな」
「それで寮規まで破るのはどうかと思うけど」
「今年はやってねーよ。これに来たかったからな」
ネイサンが鼻高々とそう言った時、横をすれ違った学生たちが「居住区で一体見つかったらしい」と話すのが聞こえた。どうやらドレイク寮の四年生が、すでに一体目を見つけたらしい。
「だってよ。急がないと負けちまう」
リースは正直寮対抗の勝ち負けにそこまで興味はなかったが、ネイサンの方はかなり意気込んでいるらしい。でも確かに、せっかくの機会で何もできずに終わるのは嫌だ。
「こっち行こう」
リースはちょうど進行方向左側に見えた、「立入注意」と赤文字で書かれた機関区に繋がる階段の入口を指差した。
「おい、危なくないか?」
「出遅れてるんだから、みんなが行ってるところに行ってももう遅い」
「あ、おい」
ネイサンの返事を待たずにそこに駆け寄ると、機関室への急な階段が深く口を開けていた。階段というよりは梯子のようだ。手すりには塗装の剥げた赤いラインが走り、階下からは、低く唸るような金属音が響いている。
リースは迷わず後ろ向きになって、それを慎重に降り始めた。靴底が鉄板を叩くたび、カン、カン、と乾いた音が響く。ネイサンも何か言いたげな顔をしながらも、続いて上から降りてきた。下りるごとに空気の密度が増して、硫黄と鉄の匂いが混じったような臭いが鼻をつく。階段を降り切ると、目の前に無数のパイプと巨大なバルブの森が広がっていた。
「ほー、こりゃすげえや」
あとから降りてきたネイサンが、興奮したように言った。まるで、艦の心臓が鼓動しているような轟音。金属の壁が反射する光で、薄暗いはずの空間がどこか鈍く輝いて見える。機関区の奥へと進むたびに、空気がさらに熱く、騒音で互いの声すら届きにくくなっていく。
しばらく歩いた時、ネイサンが隣で声を上げた。
「……あれ、人形じゃないか?」
「え、どこ?」
「ほら、あの冷却管の向こう。あれ、腕っぽい」
言われた通り目を細める。光の届かないパイプの影に、白っぽい布切れのようなものが見えた。
「ほんとだ」
「あんな奥?どうやって取るんだよ」
「ちょっと見てくる」
確かに少し遠いが、届かなくもなさそうな距離だ。リースは狭い脇の通路に踏み込んだ。
「おい、やめとけって。危ねえって」
「うーん…‥届きそうなんだけどな」
通路の端まで来たけれど、やはり普通に手を伸ばしたくらいでは届かなそうだ。
この通路と言えるかも怪しい足場の下には、補機油槽へと続く点検ピットがある。手すりはあるが、それを支えている格子はその間隔が広すぎてなんとも心許ない。落ちれば3メートル下の鉄骨。落ちたら擦り傷では済まないだろう。
リースは小さく深呼吸をすると、その場にしゃがみ込み、格子に片手をかけて体を伸ばした。熱い金属の感触が掌に食い込む。汗が頬を伝った。
ーーあと数センチ。ついに、人形の白い布地が指先にかすかに触れた。いける、と思ったーーその瞬間だった。
「……っ!」
船体が大きく揺れて、轟音の主機が回転数を上げた。その風圧と振動で足場がわずかに揺れ、リースの体が前に傾く。
ーーあ、やばい。
熱気と油の匂いが一気に迫ってくる。落ちる、と思ったらその瞬間、強い腕に腰を引き寄せられた。
「バカ、危ない!」
背中にぶつかる衝撃。鉄の鎖が鳴り、リースは何か柔らかいものに押しつけられるように倒れ込んだ。
「なに一人で無茶してんだよ。落ちるところだっただろうが」
エンジン音に紛れてネイサンの声が耳のすぐそばで震えたことで、助けてくれたのだと初めて理解した。驚きと安堵のあまり、心臓がバクバクと鳴る。
「あ……っ、ありがとう、びっくりした……」
「お前、さっきから、一人で突っ走んな」
そっと振り向くと、思ったよりずっと近くにネイサンの顔があって、思わず目を逸らしてしまった。ネイサンが後ろから抱きとめてくれているところを見ると、さっきリースを包んで助けてくれたのはネイサンの胸板だったようだ。その妙な体勢に、急に恥ずかしさが込み上げてくる。
「……ごっ、ごめん。もう大丈夫だから、離して……」
そう言うとネイサンは、さらに顔を覗き込むようにして距離を詰めてきた。--近い。アーサーとは違う--でも確実に、アルファの匂いがする。
「なに、照れてる?」
「な……っ」
体がじっとりと暑い。それはこの機関区にたちこめる熱気のせいか--それとも。
とにもかくにも、この体勢はなんだかまずい。リースはネイサンの腕を振り払うように抜け出すと、 なんとか体一つ分の距離を取る。
「……違うよっ、もういいから、ありがとっ」
「ほんと可愛いのな、お前」
最後にネイサンがリースの頭をぽんぽんと叩き、ゆっくりと手が離れていく。それで、やっと冷気が戻ってきた。それでもまだ顔が熱いような気がして、誤魔化すように手のひらでパタパタと仰いだ。
--まったく、僕としたことが、ネイサンに助けられてしまうなんて。
ネイサンはまだリースを見つめながら、楽しそうにニヤニヤと笑っている。それに気付かないふりをして、制服の襟を整えようとした、その瞬間だった。
「訓練中に、随分と仲が良いな」
エンジンの音に紛れて、低い声が響いた。その瞬間、リースの背筋に冷たいものが走る。
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