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第3台目:価値価値村
芦谷燈魔+飯居竜虎先輩
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「ねぇ、なんで私が運転しなきゃいけないのさ。自分で何とかしなよ。自立してよ!!」
「人目から隠れなきゃいけなかったんだからしょうがないだろ。それに僕は免許を持っていないんだよ。頼るのがあんたしかいないんだ」
いつの間にか眠っていたエビルは2人の男女が言い争いを行っている声で目を覚ました。
知らない男女の声である。
彼女には男女の会話にも良い思い出がないし、車の中という場所にも良い思い出がない。
なので、ふて寝してやろうと考えたエビルであったが、ふと視線をずらした先にいた長与の姿を見て起きる。
知らない男女の車の中だと不安だが、長与が側にいるので起きたのだ。
「…………長与?」
「おっ、エビルちゃん。起きたか?」
「なに? その娘。起きたの?
良かった~男ばかりで話し相手が欲しかったのよ」
「あの娘の話し相手になってくれるのはいいけどさ。前見て運転してくれない?」
全裸で隣に座っている長与。
運転席に座っているタバコを咥えた女。
助手席に座っているエビルをお菓子で釣り上げて拉致した男。
エビルの周囲には今日も変わらず、変人しかいない。
まずは起きたばかりのエビルへの自己紹介。
人見知りのエビルのために長与が2人の事を説明する。
「エビルちゃん、紹介するぜ。助手席の若い男が俺とエビルちゃんを拉致したクソ野郎先輩だ。
今は基地の脱出のために力を借りてるがクソ野郎だ」
「ぐうの音も出ねぇ……。てか名前覚えろよ。僕は『芦谷燈魔(あしや とうま)』だ」
芦谷はそう言って長与の紹介文に意見を申し立てるが、エビルの方は決して見ようとはしない。
彼なりに誘拐したことへの負い目を感じているのだろうか。
一方、運転席に座っている長与たちよりも年上に見える女性は全身黒いカラスみたいなワンピースを着た女性。
長与は彼女の方を向きながら、エビルに紹介する。
「そして、その隣で運転席に座ってる受動喫煙女が『飯居竜寅(いい たつとら)』。クソ野郎の先輩で引退者だ」
「飯居先輩って呼んでね。かわいこちゃん」
「…………“怖飯居先輩”?」
「それ私?
初対面の印象作り失敗だわ。ショボン……」
この飯居先輩の方は後部座席にいるエビルをガン見してくる。
運転中にも関わらず、エビルをなめ回すような目付きで見てくるのだ。
もう危なくて見ていられない。かといって誰も車の免許を持っている人はいないし……。
この中で持っているのは飯居先輩だけなのである。
「ねぇ、エビルちゃんだっけ?
趣味はなんなの? どこ出身? あっ一番聞きたいのはね。何歳なのかな?」
「飯居先輩、やっぱ僕に変わって……くそ、免許がないんだった。
マジで前を見て運転してくださいよ先輩!!」
この車内にはエビル以外に問題児しかいないのである。
芦谷に怒られてすっかり静かになってしまった飯居先輩。
最初の頃とは違って、本当に黙りこんで運転している。
エビルは聞く隙は今しかないと考えて、側にいた長与に質問を行い始める。
「……長与。あの後、2人に助けられたの?」
「ん? ああそうだな。偶然出会って偶然助けられたぜ」
「……それならどこに行くの?
おうち帰れる?」
「えっ~と」
「おうち帰れる?」というエビルの質問にはさすがの長与すぐには答えられない。
長与が日本怪奇物討伐連盟に狙われているのは確かだ。
捕まったら廃棄させられるのは確実だろう。
そういえば飯居先輩も芦谷も日本怪奇物討伐連盟の一員。
行き先を告げられてもいないのでこのまま捕まって終わりという可能性もあり得るのだ。
しかし、その不安を解決してくれたのは芦谷だった。
「ああ、その件なら安心しろ。お前らの家を知ってるのは僕だけだ。上に報告もしてない。
だが、顔がバレてるのは……」
「やっぱ、顔はダメなのか? クソ野郎」
「クソ野郎は余計だ怪人野郎。
まぁ顔は細河様にバレてるからな。変装とかはしておくべきかもしれない」
変装。長与とエビルの脳内に浮かんでくるのはサングラスをかけている自分たちの姿である。
創造力のストックの無さに自分を呪いながらも、「意外と似合うかも」とか2人で考えちゃっている。
「「フフッ……」」
「なに2人で笑ってるんだ?
まぁ心配するな。大人しくしておけばそのうち無害証明ができるさ。
その時までは手助けしてやるよ」
そう言って後部座席側に乗り出していた体を芦谷は助手席に戻していく。
しかし、そんな芦谷の台詞が少しだけ疑問だった。
どうして芦谷は裏切り行為になるような事をしたのか。
そこで長与は思いきって聞いてみることにした。
「なぁ芦谷。そういえば何でお前は俺らを助けたのさ。完全に裏切り行為だぜこれ!!」
日本怪奇物討伐連盟に所属する芦谷にとって長与たちはサンプル。
それを勝手に持ち出すのは裏切り行為だ。
芦谷にはなんのメリットがないはず。
長与はそう思っていたのだが、その疑問に答えたのは現在運転中の飯居先輩。
「それは私の命令なのさ。
だってそっちの方が面白そうじゃない!!
狙われる少女と怪人。絶対面白そうな毎日になるよ。こんな玩具を日本怪奇物討伐連盟に手渡すのは勿体ないわ」
「「「…………やっぱり怖飯居先輩だ」」」
エビルの目の前には一番ヤバそうな変人がいたのだ。
車内からの景色が見慣れない風景に変わっていく。どんどん木々が増えてきて都会から離れていっている。
それを最初に気づいたのは芦谷だった。
「飯居先輩。どこに行ってるんです?」
「良いところよ」
「良いところって?」
「そりゃ、良いところよ」
「…………どこ行くの。“言い先輩”?」
「それ私?
まぁ、エビルちゃんに聞かれたら言わなきゃって思うのよね。隠し事は悪いからね。そう私たちの間にもね。
ということで年齢と身長と健康を」
「それで? どこに行ってるんですか?」
「私たちの親睦会!!
村に1泊。楽しいよ~」
エビルと芦谷と飯居先輩が話している中、長与はウトウトと眠りかけながらも窓の外を見ていた。
───この親睦会に行ったことを後日後悔することになるなんてこの時は誰も知らない。
「人目から隠れなきゃいけなかったんだからしょうがないだろ。それに僕は免許を持っていないんだよ。頼るのがあんたしかいないんだ」
いつの間にか眠っていたエビルは2人の男女が言い争いを行っている声で目を覚ました。
知らない男女の声である。
彼女には男女の会話にも良い思い出がないし、車の中という場所にも良い思い出がない。
なので、ふて寝してやろうと考えたエビルであったが、ふと視線をずらした先にいた長与の姿を見て起きる。
知らない男女の車の中だと不安だが、長与が側にいるので起きたのだ。
「…………長与?」
「おっ、エビルちゃん。起きたか?」
「なに? その娘。起きたの?
良かった~男ばかりで話し相手が欲しかったのよ」
「あの娘の話し相手になってくれるのはいいけどさ。前見て運転してくれない?」
全裸で隣に座っている長与。
運転席に座っているタバコを咥えた女。
助手席に座っているエビルをお菓子で釣り上げて拉致した男。
エビルの周囲には今日も変わらず、変人しかいない。
まずは起きたばかりのエビルへの自己紹介。
人見知りのエビルのために長与が2人の事を説明する。
「エビルちゃん、紹介するぜ。助手席の若い男が俺とエビルちゃんを拉致したクソ野郎先輩だ。
今は基地の脱出のために力を借りてるがクソ野郎だ」
「ぐうの音も出ねぇ……。てか名前覚えろよ。僕は『芦谷燈魔(あしや とうま)』だ」
芦谷はそう言って長与の紹介文に意見を申し立てるが、エビルの方は決して見ようとはしない。
彼なりに誘拐したことへの負い目を感じているのだろうか。
一方、運転席に座っている長与たちよりも年上に見える女性は全身黒いカラスみたいなワンピースを着た女性。
長与は彼女の方を向きながら、エビルに紹介する。
「そして、その隣で運転席に座ってる受動喫煙女が『飯居竜寅(いい たつとら)』。クソ野郎の先輩で引退者だ」
「飯居先輩って呼んでね。かわいこちゃん」
「…………“怖飯居先輩”?」
「それ私?
初対面の印象作り失敗だわ。ショボン……」
この飯居先輩の方は後部座席にいるエビルをガン見してくる。
運転中にも関わらず、エビルをなめ回すような目付きで見てくるのだ。
もう危なくて見ていられない。かといって誰も車の免許を持っている人はいないし……。
この中で持っているのは飯居先輩だけなのである。
「ねぇ、エビルちゃんだっけ?
趣味はなんなの? どこ出身? あっ一番聞きたいのはね。何歳なのかな?」
「飯居先輩、やっぱ僕に変わって……くそ、免許がないんだった。
マジで前を見て運転してくださいよ先輩!!」
この車内にはエビル以外に問題児しかいないのである。
芦谷に怒られてすっかり静かになってしまった飯居先輩。
最初の頃とは違って、本当に黙りこんで運転している。
エビルは聞く隙は今しかないと考えて、側にいた長与に質問を行い始める。
「……長与。あの後、2人に助けられたの?」
「ん? ああそうだな。偶然出会って偶然助けられたぜ」
「……それならどこに行くの?
おうち帰れる?」
「えっ~と」
「おうち帰れる?」というエビルの質問にはさすがの長与すぐには答えられない。
長与が日本怪奇物討伐連盟に狙われているのは確かだ。
捕まったら廃棄させられるのは確実だろう。
そういえば飯居先輩も芦谷も日本怪奇物討伐連盟の一員。
行き先を告げられてもいないのでこのまま捕まって終わりという可能性もあり得るのだ。
しかし、その不安を解決してくれたのは芦谷だった。
「ああ、その件なら安心しろ。お前らの家を知ってるのは僕だけだ。上に報告もしてない。
だが、顔がバレてるのは……」
「やっぱ、顔はダメなのか? クソ野郎」
「クソ野郎は余計だ怪人野郎。
まぁ顔は細河様にバレてるからな。変装とかはしておくべきかもしれない」
変装。長与とエビルの脳内に浮かんでくるのはサングラスをかけている自分たちの姿である。
創造力のストックの無さに自分を呪いながらも、「意外と似合うかも」とか2人で考えちゃっている。
「「フフッ……」」
「なに2人で笑ってるんだ?
まぁ心配するな。大人しくしておけばそのうち無害証明ができるさ。
その時までは手助けしてやるよ」
そう言って後部座席側に乗り出していた体を芦谷は助手席に戻していく。
しかし、そんな芦谷の台詞が少しだけ疑問だった。
どうして芦谷は裏切り行為になるような事をしたのか。
そこで長与は思いきって聞いてみることにした。
「なぁ芦谷。そういえば何でお前は俺らを助けたのさ。完全に裏切り行為だぜこれ!!」
日本怪奇物討伐連盟に所属する芦谷にとって長与たちはサンプル。
それを勝手に持ち出すのは裏切り行為だ。
芦谷にはなんのメリットがないはず。
長与はそう思っていたのだが、その疑問に答えたのは現在運転中の飯居先輩。
「それは私の命令なのさ。
だってそっちの方が面白そうじゃない!!
狙われる少女と怪人。絶対面白そうな毎日になるよ。こんな玩具を日本怪奇物討伐連盟に手渡すのは勿体ないわ」
「「「…………やっぱり怖飯居先輩だ」」」
エビルの目の前には一番ヤバそうな変人がいたのだ。
車内からの景色が見慣れない風景に変わっていく。どんどん木々が増えてきて都会から離れていっている。
それを最初に気づいたのは芦谷だった。
「飯居先輩。どこに行ってるんです?」
「良いところよ」
「良いところって?」
「そりゃ、良いところよ」
「…………どこ行くの。“言い先輩”?」
「それ私?
まぁ、エビルちゃんに聞かれたら言わなきゃって思うのよね。隠し事は悪いからね。そう私たちの間にもね。
ということで年齢と身長と健康を」
「それで? どこに行ってるんですか?」
「私たちの親睦会!!
村に1泊。楽しいよ~」
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