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学園4年生編
04
しおりを挟むそうして数日が経ち、今日から新学年がスタート。
ちなみに気になるルキウス様と木華だが…なんと今婚約話が持ち上がってるぞ!!
元々話が進みかけていた他国の令嬢は、互いに可もなく不可もなく「嫌じゃないけどトキメキは無い」な感じだったらしい。
そこにルキウス様にキュンキュンな木華登場、ルキウス様も完全に意識している。
陛下も出来れば息子達には恋愛結婚して欲しいと願ってるし、王族である木華ならばお相手として問題は何も無し。
他国の令嬢は早めにお断りしたほうが彼女の為にもなるので、解消を申し出た。
婚約が確定していた訳でもないし、彼女の両親はあまり乗り気じゃ無かったようで…円満に解決したぞ。
いずれ話がまとまったら、正式に箏に婚約の申し込みをするのだ。
将来、木華が皇后になるかもしれないんだな~!やっぱ僕女性騎士になって、木華を守れる立場にいたいな~と思う今日この頃。
『姫様が皇后…めっちゃいいですね。姫様、頑張って皇太子殿下をオトしましょう!!』
『なんで貴女が乗り気なのよ!?』
『いやあ、私この国のお料理気に入りました。どーせ箏に帰っても早く結婚しろと喧しい両親しかいませんし、私も姫様にくっ付いてグランツ皇国永住権ゲットゲットです』
『少しは取り繕おうとは思わないのかしら?』
『思いませんね。という訳でセレスタン様、皇太子殿下の好きなタイプとかご存知ありませんか?』
と…僕の事情を知る木華の侍女、薪名も紹介された。彼女は17歳、一言で表すなら…女子高生って感じの人。でも仕事はちゃんとこなす、それと無表情が多いけど…上記の通り大体テンション高め。
…ああ、このオンオフの切り替えとか含めて、バティストに似てるかも?
僕的にはこういう、自分の欲に忠実な人は好きさ。王族の付き人をしているだけあって、彼女もそれなりの家柄出身らしい(咫岐もね)。是非僕ともお友達になって欲しい。なった。
で、ルキウス様の好み?知らん。知らんので…知ってそうな兄様に聞いちゃおう。
今の兄様は僕に合わせてくれて、綺麗な銀髪を伸ばしている。そんで大体三つ編みにして、左右どちらかから前に垂らしている事が多い。
なので…外見だけで言えば、白衣の若く麗しい養護教諭なので…本来であれば仮病やら無理矢理怪我をして女生徒が殺到待った無しのはずだろう。
ただ中身が残念なのと、自分は既婚者アピールをしているので…相変わらず医務室は静かなもんだ。
「え、箏の姫君がルキウスを…!?なんだそれ、超面白そうな事になってるじゃないか。任せろ協力しよう。
で、好みか……自分の事を怖がらない、小動物系…かな?」
小動物系…ちっちゃい子?木華の身長は153cm。完璧じゃないか…!!
「あと本人に聞いた訳じゃないが…清楚で物静かな淑女より、表情豊かで元気な子のほうが好きなんじゃないかな」
ふむふむ…勝算アリだね!!!
という訳で木華、薪名、僕による『皇太子メロメロ作戦(特別協力R)』が始動したのであった。
しかし僕らの本分は学業。そちらを疎かにしてはならない!
さて、始業式は恙なく終了。当然箏からの留学生を紹介したのだが…少那の事情に関しては…
『箏の王族は異性と過度の接触してはいけない。なので異性が声を掛けたければ、お付きの人を通してから。
木華は既に婚約者がいるし、兄と一緒のほうが心強いので僕らと行動する』
という…強引な設定で行く事にした。箏にそんな文化ねーよ!とツッコめる人はいないので、なんとか納得させたぞ。
元々王族である少那達に声を掛けられるのは、極一部ではあるけど…念の為ね。
教師陣は全員事情を知っているので、女性教師はさり気なく彼に近付かない。
教室での席は…半径3メートルに女子が入らないってのはまず無理だ。不自然な席順になってしまう。
少那曰く「授業に集中していれば…視界に入らなければ問題無い…と思う」なので。
彼は窓際の一番前の席、隣にルシアンその隣はエリゼ。背の高いジスランやパスカルを配置しようとも思ったが…後ろの人が黒板見えなくなるので却下。
少那の後ろに僕、その隣は木華。女子があんまり遠いと木華が可哀想なので、その隣はロッティ。
ロッティを遠くから紹介した時、僕と同じ顔なので「少しは大丈夫そう!」と言われたのでな。
なるべく周囲は男子で固め…なんとかなりそうでよかった。
で、担任の先生なんだけど…。
「いやあ、赴任してきて3年目。ようやく此方もクラスを任されるようになりましたよ、姫」
「よかったですねえ、はっはっは!!」
はい、ルゥ姉様の後に魔術教師としてやって来たタオフィ先生です!
あの強烈な初対面から丸2年が経ちましたね。その間彼の態度を改めさせるのに苦労しました…。
僕とパスカルをまるで主君のように崇めるもんだから、2人で「僕らはただの生徒です!」「先生として平等に生徒に接してください!」と訴え、なんとか聞いてもらえたぞ。
だがどうしても、姫&王呼びだけはやめてくれない…僕は諦める事を学んだ。
「セレス、姫というのは…?皇宮でも何度か耳にしたんだけど」
「あっはっは最上級精霊と契約した僕とパスカルに、皇帝陛下が精霊姫と精霊王なんて異名を付けてくれてね!!!」
少那の疑問にはそう返した。僕は開き直る事を学んだ。
でも僕、姫呼ばわりされる以外はタオフィ先生の事嫌じゃないのよ。お父様やラディ兄様は警戒してるけどねえ。
テノーで宮廷魔術師をしていただけあって知識は豊富だし、話していて楽しかったりする。
お父様達が何を懸念しているのか知らんが…彼とは普通に教師と生徒として付き合うつもりだよ。
「じゃあ、僕達の友達を紹介するね。
こっちの大きいのがジスラン・ブラジリエ。すっごい強いから、いざとなったら盾にするといいよ。
彼はエリゼ・ラブレー。魔術に長けていて、いつでも冷静で色々頼りになるよ!
そんでパスカル・マクロン。勉強も剣術も魔術も一通りこなせるよ!僕と一緒に生徒会役員をしていて、副会長なんだ。頭の上にいるのがフェンリルのセレネね。
で~…あの遠くにいるシャルロットは紹介したよね。隣にいるのはルネ・ヴィヴィエ。この学園はあの2人が牛耳っていると言っても過言じゃないよ。いつの間にか。
それで、少し後ろに控えているのがロッティの執事、バジル・リオ。
とまあ一気に紹介しちゃったけど…なんかあったらこのメンバーを頼るといいよ!」
「おお…!」
そして少那に、いつもの面子を紹介する。僕の頼れる仲間さ。
彼らには少那の体質?を教えていいと言われたので全部言った。今後は一緒にサポートをしてくれるぞ。
互いに自己紹介を終え、早速親睦を深めるため皆でお茶にしようという話に。今日は始業式だけなので、教室で連絡事項とか聞いて終わりなのだ。
そういえば今後お昼は、ロッティとルネちゃんは別になっちゃうな。そんでジスランとエリゼとバジルは彼女らと一緒。
パスカルは…僕と一緒がいいと言うのでこっち。照れるやん…。
男子&木華で学園内のサロンに移動した。
「近いうちに、皇宮で箏の料理を振る舞うんだ。よかったら皆も来て欲しいな」
「国から食材を持って来てくれたらしくてな。特にセレスは参加するだろう?」
「しますとも!!米はあるかな!?」
「ああ、あるよ」
ひゃっはーい!!この世界で一度も口にしていないお米!!醤油とか味噌もあるかなきっと!
少那は社交的な性格なようで、エリゼ達ともすぐ打ち解けた。そして話題は、今月ある合宿についてに移行する。
4年生になると、男子は本格的に剣術の授業が始まる。そんで早速、2週間の剣術合宿があるのだ。
「合宿は2人部屋みたいなんだが…部屋割り確認したか?」
「あ、忘れてた。えっと…」
エリゼに問われ、さっき教室で配られたプリントを広げる。
「………僕は…少那と同室、だね…」
「そうなの?よろしく!」
「よろしく、ね…」
本音で言えば、ルシアンかエリゼ、バジルが良かったなー…言えないけど。
はあ…寝る時もサラシ巻いとかなきゃだめか…結構キツイんだけどなあ。
「セレス…っと、私はマクロンか。…なんだその顔は?」
「いえ別に?セレスタンと同室が良かったとか思ってませんけど?(そうすれば…事故を装ってあんな事やこんな事も出来たのに…!)うぐぅ…!」
「そうじゃなくてよかったわ。で…オレはバジルとか、ジスランは?」
「セドラン男爵家の息子だな」
ほーん。合宿か…ジェイルにお風呂は大浴場だって言われてんだよね…。
どうしよう…2週間風呂無しは、女子として以前に人間としてどうかと思うよ。
しかし僕は、プリントのある項目に気が付いた。
「ん?今年から…お風呂は大浴場か、個室のシャワーが選べる?おお…!!」
神よ!!!よく分からんが助かった!!だが…
「皆で大浴場に行かない?こっちではあまり他人と入浴する文化は無いみたいだけど…私は温泉とか、皆で入るのが好きなんだ!」
と、少那がいい笑顔で提案してきて、僕はピシ…と固まった。
僕だって温泉は好きさ。一緒に入るのが男子じゃなければな!!
しかし…にこにこしている少那を傷付けないよう、なんて断ればいいんだ…!?彼は下心とか一切無く、純粋に裸の付き合いを望んでいるだけだから…!!
「大浴場…………はだか…!?」
ただしこっちをじーっと見ているパスカル。君は下心しかねえだろ。なんか「洗いっこ…」とか聞こえてくる。したきゃジスランと楽しんでくださいね。
「その、スクナ…セレスはな、あまり肌を他人に見せるのは好かなくて…」
「照れ屋さんなんだね!大丈夫、見ないから!」
「そういう問題では無いんです…!」
ルシアンとエリゼも少那の説得を試みてくれている。僕は…木華と顔を合わせた。
「(どうしよう…なんか言い訳無いかな!?)」
「(そうね………………ちょっと時間を頂戴……)」
ちくしょう!まさか1ヶ月も経たんうちに女だとバラす訳にもいかず。
様々な問題を抱えつつ、僕らは合宿の日を迎えるのであった……。
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