【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野

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学園4年生編

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 わたし達のファーストダンスが終わると、他の皆様も踊り出す。
 陛下夫妻やルキウス様と木華、ラディ兄様とルゥ姉様、バジルやモニク…といった風に、お相手がいる人はその相手と。
 ただ…ルネちゃんとオスワルドさん。彼らは向かい合って手を繋いだまま微動だにしない。というか、オスワルドさんが固まっている。ドレスアップしたルネちゃんに見惚れてんだな…ぶふっ。

 ちなみに我が家のパーティーはもれなく使用人も参加な為、今年も一緒に楽しむぞ。ダンスは適当だけど。給仕は皇宮のメイドさんがやってくれる。
 でも騎士はいつでも出動可能なようお酒禁止。最近は1日置きくらいの頻度で魔物が出るのだ。


「ん?ジェイル、踊らないの?」

「だってー…女性陣少ないし。女性騎士も皆誘われてるしー…」

「レティ姉様とか空いてるじゃん!ほら薪名もソワソワしてるし、誘って来い!!」

「うおっ!?りょ、りょうかーい!」

 情け無い護衛騎士を蹴り飛ばす。姉様達は今日、パスカルの姉として来てくれているから、旦那様はいないのだ。来年はご夫婦で参加してもらいたい。

「俺…姉上達は駄目って言ったのに…特にメロ姉は、絶対問題起こすから」

「だってー。女性の数が少ないんだもんよ!クラリッサ様は体調不良で来られなかったし、早くご挨拶したかったし。ご両親とお祖父様には、後日改めてね」

「……仕方ない。ちょっと踊ってくる…」

 名残惜しく別れたパスカルはメロ姉様をダンスに誘っている。きっと姉様達から質問攻めにされるだろうなあ。がんば!


 さて…少那。今日は君と踊る為に、ダンスパーティーにしたんだから!2人目の相手は少那と決めている、どこに…?


「セレ……シャー、リィ」

「少那!…少那!?」

 声のする方向に顔を向けると…大粒の涙を流している少那が!!どしたん!?

「もしかしてそんなにショックだった!?ごめんね…わたしの事、もう嫌い…?」

「ううん好き…。
 じゃなくて…命兄上と、凪兄上と、木華に…聞いたの。あの、ね…私が、留学したいって、言ったから…っ!貴女が、本当は3年前…女性として、生きて行こうとしたのに。
 私の、為に…まだ、男性の振りを、してくれてた…って…!」

 彼はしゃくり上げながら涙の理由を語った。その隣で咫岐も悲しげな顔をしている。とりあえず…怒ってはいなさそう、よかったー。
 凪様に目を向けると、「すまない…簡潔に説明したのだが」と言っている。ふむ…これはちゃんと話し合う必要がありそうですね。


「ごめんね…ごめん、なさい…。私の、為に…私の所為で…!う、ううう~…!」

「少那…あ、触っていい?」

「うん…」

 自分を責める少那。彼の両手を取り…わたしも自分の想いを伝える。


「少那。確かに最初は、強制されて始めた男装だった。
 苦しくて、辛くて。女の子として可愛がられて、いつも綺麗なドレスを着ているロッティが羨ましかった」

 彼は益々涙を流し、顔を歪ませる。その涙をハンカチでそっと拭う…全く、わたしよりお兄さんのくせに。仕方ないなあ。


「でもわたしはあの時…自分の意思で君と友達になりたくて、続ける事に決めた。だから…君が責任を感じる必要は一切無いの。
 むしろ騙されたって怒っていいんだからね?」

「そんな事、しない…。私は貴女に、救われたんだから…」

「そっか。わたしね。君と出会えて…友達になれてよかった。君がこの国に来なければ、グラスも家族と再会出来なかったと思うし。
 だから…お願い、自分の所為だなんて言わないで」


 わたしは言葉を尽くして伝えた。君に出会えてよかった、何も後悔なんてしていない。どうか自分を責めないで…と。

 すると段々少那も笑顔になってくれた。咫岐も、騙していてごめんね?

「いえ。貴女には感謝してもしきれません。本当に…ありがとうございました」

 咫岐はそう言って深々と頭を下げた。いやあ、いいってことよ。凪様にも謝罪と感謝の言葉を言われ、なんか照れちゃうわ。

 ……ん?なんか…握る手に力が加えられているような。少那はわたしの手を両手でぎゅっと握っているが…なんか、益々涙が溢れてませんか?


「うう…う~~~…!もっと、もっと早く出会いたかったぁ…!」

「……………ん?」

「だってぇ…!私も、シャーリィと結婚したかった…!」

「…………ほっ?」

「「はあぁーーーっ!!?」」

「ぷすっ」

 彼の発言に…周囲が凍りついた。わたしは目が点、グラス、咫岐はヘッドスライディングをかました。凪様は小さく吹き出していた。
 少那はそんな背後はお構いなしに泣きながら続ける。

「貴女と、パスカル殿は…私がこの国に来る前から想い合っていたんでしょう?そんなの…どうしようも無いじゃないか~!!」

「おぼぁーーーっ!!!」

 だ、だだだ抱き付いてきおった!!!わーーー!!!パスカルが怖い顔で走って来て、少那の腕の中からわたしを救出!!


「何してるんですか!!さっきの見ていたでしょう、俺は彼女と正式に婚約も交わしているんですよ!!」

「え、わたし知らない」

「うわあああん!じゃあ、パスカル殿を始末するしか…」

「それは普通に少那を嫌いになるなあ」

 何この修羅場…?パスカルはわたしを離さないし、少那はグラスが引き摺って行った。その時「流石兄弟、結論が同じだ…」とか呟いていたような?
 それは、いいんだが。


「「「修羅場だわーーー!!!………ん?」」」


 一連のやり取りを見ていた…ルゥ姉様、メロ姉様、フルーラちゃんが…三者三様の表情で拳を握り締めている。


「「「……………………」」」


 3人は互いに顔を見合わせ…近寄り…ガシィっ!!と腕を組み、会場の隅に移動した……?おい、保護者。


「……ま、まあ。クレールさんも新しいお友達が出来そうで何より、うん」

 さいですか兄様。

「姉様…心配だわ…。あ、シャーリィさんお誕生日おめでとう。びっくりしたけど…可愛い義妹が出来て本当に嬉しいわ」

 流石レティ姉様!そしてありがとうございます!

「あの2人、間違いなくフルーラに悪影響じゃないか?」

 わたしもそう思います、エリゼ。こう、出会ってはいけない3人が…って感じする。

 という訳で…わたしはパスカルを背中にくっ付けたまま、彼女らの会話をちょっと盗み聞き。彼女らは頭を突き合わせてヒソヒソ言っているぞ。何々…



「だからー…私は純愛物が好きなのよ。ここはスクナ殿下に迫られてしまい、2人の男性の間で揺れ動く心…最終的にシャーリィが下す決断は!みたいな。
 どっちも好きなの、選べないわ♡は嫌よ。紆余曲折を経て、ちゃんと選んで欲しいわ!」

「そういうものですか、バルバストル先生?…って今はナハト夫人でしたね。
 うーん…私は基本的に百合か薔薇専門なのよねー。正直異性の介入は当て馬のみ…でもリアルに理想を押し付ける程愚かじゃないわ。何よりパスカルちゃんは本当に幸せそうだし!
 ……はっ!!パスカルちゃんとスクナ殿下がくっ付いたら完璧じゃない!?」

「わたくしはやはり…もう少し拗れて欲しいですわ。出来ればスクナ殿下に闇堕ちしてもらって…『私のほうが、貴女を愛しているのに…!』とシャルティエラ様を連れ去る!
 引き裂かれる2人。監禁され無理矢理殿下と婚姻を結ばされるシャルティエラ様。逃げ出す事も出来ず…ついに結婚披露パーティーの日を迎える。その時パスカル様は!」

「「なるほど…」」

「でもシャーリィは自力で脱出しそうよ?精霊様抜きにしても。普通に「ただいまー」って帰って来そう。
 あ、私あれ嫌い。主人公とヒロイン、それぞれに振られた友人ポジの男女がくっ付くパターン。あんたら切り替え早すぎってね、若さの所為かしら?」

「えー、私はアリですよ!王道じゃないですか?現実だったらその友人カップルはすぐ別れてそうですけど。だってどっちも本命逃した後ですし。でも逆に妥協するという事を覚えるのかしら?」

「わたくしは…ライバル、というか悪役ポジにはとことん悪になってもらいたいです。和解して馴れ合うとか解釈違いなので!
 2人を引き裂く為に犯罪まがいの行為に手を出して、身の破滅を迎えて欲しいのですわ。主人公達が同情も出来ない程に清々しく」

「うーん。私も悪役と和解はナイと思うわね。悪行の度合いによるけど。
 最後まで悪を貫いて欲しいの。誰からも恨まれ憎まれたまま退場する。しかし実は彼の活躍が無ければ、ハッピーエンドは迎えなかった裏主人公的な」

「主人公がそれを知り本当は自分が誰を愛していたのか気付きヒロインを捨てて裏主人公の後を追い手を取るんですねわかります!!」

「違うわよマクロンさん!?…じゃなくてハーリアさん!
 もっとこう『精々幸せになってみせな、願ってやらねえけど』って感じで皮肉たっぷりに終わるの!」

「でも私は悪役と和解オッケーです。私は総受けとか結構好きなので(もちろん全員同性)、なんなら悪役にもハーレムの一員になってもらいたいです。
 ……いや待てよ?その悪役を皆で囲うというのもアリかしら…!?今まで散々威張り散らしてくれたけれど…その後主人公達の手により快らk」


「「「そこまでーーーっ!!!」」」


 なんかヤバい会話してる!!特にメロ姉様はイカン!!それぞれの保護者に引き取ってもらい事なきを得た!


 だがこれを切っ掛けに3人は仲良くなり、名前で呼び合うようになった。同じ趣味だけど方向性はまるで違う…逆にそれが良かったみたい?
 この日以降たまに集まり、オススメの本とか紹介し合っているらしいぞ。エリゼは嘆いているが…フルーラちゃんが楽しそうなので何も言えないらしい。



 ところで…保護者がこんな所に大集合しちゃってるけど。アロイス君とクレイグは誰が見てるんだ…?


「ぼくはあろいす。きみは?」

「く、く…くー」

「くくくー?わかった!」

「ちゃーう!くーう!!」

「くー?」

「あいー」

 あら可愛い。修羅場の後には癒されるわぁ…彼らはケーキを一緒に食べている。オランジュ夫妻が見てくれているから安心だね!
 陛下とかにご挨拶しなきゃだけど…先にちびっ子達がこっちに走ってきた。あらら、口元にクリーム付いてるよう。

「せーちゃ。かあいー」

「ありがとう、クレイグ!でも今日からセーちゃんじゃないのよ。シャルちゃんとか…エラちゃん?リィちゃん?」

「んー…りーちゃ」

「おし!アロイス君も、来てくれてありがとう」

「うん!ねえ、せ…しゃるてぃえらちゃん?あにうえと、けっこんするの…?」

「えへへ、そうだよ」

「じゃあけっこんはあにうえとして、ぼくのおよめさんになってね!」

 ズルッ。パスカルと一緒にずっこけそうになった、オランジュ夫妻も…。アロイス君分かってない!!結婚と嫁を別だと思ってる!!

「えっと…パスカルと結婚したら、わたしはパスカルのお嫁さんになるんだよー」

「……?じゃあ、あにうえのつぎでいいよ!」

 よくねえ。え、わたしら離婚すんの?もしくはパスカル死亡?次は無いんだよ…と優しく説明すれば…


「……………………………」

「「?」」

「あーちゃ、どちた?」

「……………びゃああああーーーーー!!!!」

「「!!?」」

「やーだーーー!!!んびゃああーーーあああぁーーー!!!」

「あーちゃ!だじゃー!?」

 アロイス君が突然泣き出してしまい、3人揃ってオロオロするばかり!オランジュ夫妻に任せてわたし達は逃げた。ごめんて…でもお友達が出来てよかったね!



 よし、今度こそ皇帝陛下と皇后陛下にご挨拶!本日はありがとうございます。

「可愛い姪っ子達の誕生日だからな」

「ふふ、とても綺麗よシャーリィ。マクロン君にスクナ君、殿方が放っておかないのも分かるわぁ」

「それに弟君にも求婚されていたな?」

「…ご覧に、なっていましたか…」

 まだ泣き声、聞こえてるもんね。
 陛下方に散々揶揄われ…わたし達は居た堪れなくなり逃げた。その足でルキウス様達の元に向かう。皆本当に嬉しそうに祝福の言葉をくれた。ダンスの約束もし、楽しんでくださいねー!と告げその場を後にする。


 さって、少那探さんと!パスカルはむくれっ面だが、君も他の人と踊って来いや。ロッティは今…エリゼと踊ってるな。わたしもゲストと踊らにゃ。
 丁度、こってり絞られた少那が戻って来た。結婚はしないが踊ろう!と彼の手を引き中央に向かう。

「うぅ~…せめて、これからもお友達でいてねえ…!もしもパスカル殿が貴女を泣かせたら、私は箏から飛んで来て斬り捨ててやるんだから!」

「(おぅ…本当に兄弟で結論が同じだわ…)はは…気持ちだけ貰っとくよ。
 ……グラスの事、お願いね。兄弟仲良く、ね!」

「……うん!」

 彼はようやく笑顔なってくれた。「それじゃあ、温泉いつ行く?」って…そんなに行きたいんかい!!肌を隠す理由はもう無いけどさあ。そんなにわたしの湯浴み着姿見たいの?と冗談混じりに言えば「うん!!」と返された。無垢な少那はもういないようだ。


 彼と終わった後は、ルシアンと踊った。次はジスラン、エリゼ。グラス、ルキウス様にルクトル様、ラディ兄様…忙しや。
 でも皆が「綺麗だ、おめでとう」って言ってくれるから。わたしも顔を綻ばせて、「ありがとう」って返すのだ。
 他にも踊りたい人はいたが、疲れてしまうので無理!またの機会でね。


 最後に…お父様。

「本当におめでとう、シャーリィ」

「ありがとうお父様!…貴方のお陰で、わたしとロッティは幸せになれたんだ」

「…俺が名乗りを上げなくても、他にもお前らを養子に迎えたい家は沢山あっただろう?」

「関係ないよ。お父様…大好きだよ!」

「ははっ、俺もお前らが大好きだよ」

 嬉しい事を言ってくれるね!曲が終わると、ヨミがスタンバイしてた。君も踊るんかい!!仕方がないので、今度はヨミの手を取り歩き出す。よく見るとメイとノモさんも順番待ちしてるう。わたしモテモテ?ひゃはー!!



「よっ、オーバン。辛気臭いツラしてどした?」

「バティストか。あー…孫の顔は見たいけど…すぐには見たくねえなあ…と思って」

「ふはっ!難儀だなあ」

「任せろ義父上!後10ヶ月待ってくれ!!!」

「死ね!!!!」


 む?お父様とバティストが話していたら、そこにパスカルが笑顔で加わり…拳骨食らって沈んでる。何言ったんだ彼は?




 ダンスが終わった後、タオフィ先生が話し掛けてきた。

「ほら、此方の言った通りでしょう?王は喜んでくれたし、スクナ殿下は悔しがっていましたし!」

「ふはっ、そうだね!先生、楽しんで行ってね」

「はい、お言葉に甘えて!
 …おめでとうございます、シャルティエラ様。どうか貴女の未来が、明るいものでありますように…」

「…はい、ありがとうございます」

 先生はわたしへの挨拶を終えて、いっぱい食べているテオファの元に向かった。
 ありがとう、タオフィさん。ルゥ姉様の後釜が貴方でよかった。わたしもパスカルも…ラディ兄様も。皆、そう思っているよ。




 わたしの事情を知っていた人も知らなかった人も。皆が祝福してくれて…とても幸せな時間を過ごせた。

「ふう…」

「シャーリィ」

「ん?パスカル…?」

 あっという間に時間は過ぎ、もう夕暮れ。といっても冬で日の入りが早いので、時間的には遅くはない。
 疲れちゃったので少し会場を離れ、廊下に用意されているベンチで休憩していた。

 そこへパスカルがやって来て…何も言わずに隣に腰掛ける。
 手を繋ぎ、彼の肩に頭を預ける。穏やかで…幸せな時間。セレネは…?と思いきや、精霊達皆で会場にいるわ。


「………?」

 どれくらいこうしていたか分からない、けど。ふいに…彼がわたしの手を撫でている事に気付いた。違和感が…そう思い、左手を見てみると……!

「……その。どうか受け取って欲しい。俺と君を繋ぐ、指輪を…」

 左手の薬指に…小さなダイヤモンドが嵌められた、指輪が輝いている…。彼も同じ物を付けて見せてくれ、た…!
 さっきの公開プロポーズも嬉しかったけど、わたしはまた感極まり…涙が出てきてしまった。あらいやだ、メイクが落ちちゃうわ。

 急いで拭おうとしたら…頬に何か温かいものが触れた。あ…キス、されてる。
 ゆっくりと彼のほうに向き直り…互いの目を見つめる。


「明日の、クリスマス。俺と…2人きりで過ごして欲しい」

「………………!!!」


 彼の言葉の意味を理解し、顔に熱が集中する。
 ……随分、待たせちゃったし。わたしももう16歳だし…いい、かな…?小さく頷けば、彼は破顔した。
 わたしを強く抱き締めて…軽く、触れるだけのキスをする。離れて…もう一度、と唇が近付いたその時…


「お前ら場所考えろっつってんだろうがーーーっ!!!」

「「ずっぁああああーーーーーっ!!!」」


 真上から大声が響き、抱き合いながらベンチから転がり落ちた!!3回目ー!!!ジェイルめぇ…!!


「なんでジェルマン卿がここにいるんだ!!」

「俺は腐ってもお嬢様の護衛騎士なんだよ!!会場から離れたら、近くで待機してるに決まってんだろ!」

「「確かに!!」」

「続きは部屋でやれ!!」

「やんないよっ!!」

「やんないの!?」

 明日まで待てや変態紳士!!!そうだ、Tシャツ完成したからあげようっと。

 ぎゃーぎゃー3人で騒いでいたら…なんだか騒々しい事に気付いた。祭りの喧騒ではなく、こう…異常事態発生!て感じの騒ぎだ。
 耳を澄ませてみると…玄関のほうから叫び声が?なんだろうと思い近付くと…


「…だから!セレス様を出しなさいと言っているのです!!」

「「「!!!?」」」


 今の声…ヴィルヘルミーナ殿下!?なんでここに、自国で謹慎中じゃ!!?魔物より厄介な人来ちゃった!
 彼女は騎士に止められている。早くわたしを出すよう叫んでいるが、出てたまるかい!そう思い3人で部屋に避難しようとしていたら…

「いっそここで、正体バラすのもアリじゃないですか?」

「確かに…シャーリィの真実を知れば、流石に諦めるか」

 言えてる。でもあの剣幕の彼女に近付きたくねえなあ。姿は見えないけど、絶対面倒な事になるよ…と柱に隠れながら会議する。



「ふん、私にそのような態度を取ってよろしいの!?」

「ですから…本日はお嬢様方の生誕をお祝いするパーティーです。陛下方もお見えですし、招待状の無い方をお入れする事は出来ません」

「私はセフテンスの王女よ!?更に現在王太女に最も近いのはこの私!!」



 そうなの?もう決まった…訳ないよね?でも確信あるような言い方だし…こういう時は。情報屋、バティスト召喚!!!


「はーい!呼ばれて飛び出てジャンおにーさん登☆場!!
 結論から言うと、国王があの王女サマを殊更可愛がっているのは事実でーす。なんせ「王とは国の顔。美しい者が選ばれるのは自明の理」とか言っちゃってるからねー!」

 なんじゃそりゃ!颯爽と現れたバティストの発言に、わたし達は呆れるしかない。顔が良ければなんでもいいんかい…。

「ま、お嬢様は引っ込んでましょうか。ここは旦那様にお任せして…」

 バティストがそう言った時。とても無視出来ないような発言が聞こえてきた。その内容とは……



「いいこと!!?私は…この身にセレス様の子を宿しているのよ!!!」



 その言葉を聞いた瞬間。わたし達4人は…ごごごごんっ!!と。仲良く柱に頭を打ち付けたのでしたとさ。


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