うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

文字の大きさ
23 / 86
告白バーベキュー

秘める思い

しおりを挟む
梅雨も明け、すっかり暑くなってきたなあ。
などと思いながら遅刻回避のために早足で会社に向かう。

ヤバいヤバい。だって魁十が今年初半袖着てたんだもん。めちゃくちゃかわいかった。
細いのにしっかり筋肉の付いた腕、最&高。

「おはようございます」
「おはようございます遠山さんバーベキューしましょう!」

まるで起きたら隣に魁十が寝てたくらいのそのテンション、朝からすごいな。

「なっちゃん、バーベキューに目覚めたの?」
「目覚めたのは難波さん! 今年はバーベキューいっぱいやりたいって言ってたって浜崎さんが教えてくれたの!」

へえ、浜崎さん、ちゃんと仕事してくれてんだ?
なっちゃんに協力するって言ってたもんな。

「夏季休暇に泊りでバーベキューできる海辺のペンション行こうって難波さんを誘ってくれるらしいんですけど、私バーベキューしたことないから一度練習しておきたくて。お願い! 遠山さん!」

泊り? まさか浜崎さん、おこぼれ狙ってない?
行きたくないなあ……。

なっちゃんは私が入社した時にはすでに難波さんが好きだった。
私も難波さんを好きになってしまったこの気持ちを告げるつもりはない。

かと言って、浜崎さんとペアにされるのは絶対に嫌。
朝倉さんとか他にも誘って大人数のイベントにしちゃって回避すればいいか。

「分かった、いいよ」
「ありがとう! 朝倉さん! 遠山さんオッケーです!」

かわいい……めっちゃはしゃぐじゃん。

自分の気持ちを隠すのはしんどくない。
なっちゃんがあんなに楽しそうに笑ってくれるなら、全然しんどくない。



寝る前だと言うのにプリンを食べていたら、バイトを終えた魁十が帰ってきた。

「おかえりー」
「ただいま」

……もう1個食べようかな。ダメに決まってるよね。太る。

プリンの空き容器をボーッと眺めていたら、魁十がダイニングテーブルの隣に座る。
椅子に横座りした魁十はこちらに向けた長い足を組み、右腕を背もたれに乗せて左手で空き容器を指差す。
アイドル誌のグラビアレベル。カッコ良。

「最近、毎日食ってる。何かあったんだろ」
「……カイ、超能力に磨きかかってるね」
「俺には全部話す約束だろ」

……そうだった。
お姉ちゃん、危うく約束を破ってしまうところでした。

「私は仲の良い子と恋愛バトルなんてできないから、変わらず応援しながら見守っていこう、って決めたんだけど、なっちゃんが喜んでる姿見て嬉しいのに胸がギューッてなるの」
「……ふーん」
「説明下手だったよね。もう1回いい?」
「いらねえ」

今ので理解できたんだ?
さすが魁十、頭がいい。
同じ高校を出てるけど、魁十は3年間成績トップを維持したのに対して私はしょっちゅう赤点取ってた。

「そうだ、私夏休みに泊りでバーベキュー行くかもしれない」
「バーベキューごときに泊りの必要ある?」
「私もそう思う。日帰りに変えてって言おうかな」
「そうしとけ。姉ちゃん、寝相悪いし寝言多いし寝ぐせひどいし恥さらすだけだよ」
「私寝言多いの?」
「俺の部屋まで聞こえる」

魁十の電話の声がうっすら聞こえることはあるけど、それくらいの声量の寝言ってこと?
ヤバくない?

もしも、夢の中に難波さんが出てきて、難波さん好き――とか叫んでしまったら.......いやぁああ!

「絶対日帰りにしてもらう。日帰りじゃなきゃ私は行かない」
「うん」
「難波さんがバーベキューにハマってるんだって。でもなっちゃんバーベキューしたことないから、三多良山のバーベキュー場で練習してくる」
「バーベキューの練習って何」
「なんか、火ぃ起こしたりとかしなきゃいけないんでしょ?」
「できんのかよ。いつもの3人なんだろ」
「分かんない。全員バーベキュー未経験なの」

マジか、と魁十がつぶやいて、椅子の背に引っかけた腕に頭を乗せる。
考え事してる時の癖が出てる。軽く唇を尖らせる魁十、かわいいー……。

「写真撮んな。三多良山って駅から30分以上かかるけど誰か車あんの」
「なっちゃんは免許取ってなくて、朝倉さんは免許取ってから一度も運転したことない」
「俺が車出してやろうか」
「ほんと?!」
「姉ちゃん肉持って30分歩いて、そっから登山できんの」
「できない! ありがとう! カイ、大好き!」
「いちいちくっつくな。うぜえ」

憎まれ口叩いたって、お姉ちゃんには優しいのがバレバレだぞぉ。

「大事なことを言うからよく聞いてね、魁十。朝倉さんという大の年下男子好きがいるから、用心して。お菓子あげるって言われてもついてっちゃダメだよ」
「俺ゃ幼稚園児か。自分は難波ってのについてくくせに」
「やだもう、なっちゃんの前ではついてかないよー」
「いなかったらついてくんかい」

でも実際、なっちゃんがいなくて私が難波さんと話す機会って1日15分の5Sくらいしかないんだよね。

「現実、ついて行くチャンスはないよ」
「チャンス言うな」
「はぁ……プリンもう1個食べようかな」
「太りたいならどうぞ」

はぁ……やめとこ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

【完】経理部の女王様が落ちた先には

Bu-cha
恋愛
エブリスタにて恋愛トレンドランキング4位 高級なスーツ、高級な腕時計を身に付け ピンヒールの音を響かせ歩く “経理部の女王様” そんな女王様が落ちた先にいたのは 虫1匹も殺せないような男だった・・・。 ベリーズカフェ総合ランキング4位 2022年上半期ベリーズカフェ総合ランキング53位 2022年下半期ベリーズカフェ総合ランキング44位 関連物語 『ソレは、脱がさないで』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高4位 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高2位 『大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位 『初めてのベッドの上で珈琲を』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高9位 『“こだま”の森~FUJIメゾン・ビビ』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 17位 私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。 伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。 物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。

ズボラ上司の甘い罠

松丹子
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。 仕事はできる人なのに、あまりにももったいない! かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。 やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか? 上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

処理中です...