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告白バーベキュー
秘める思い
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梅雨も明け、すっかり暑くなってきたなあ。
などと思いながら遅刻回避のために早足で会社に向かう。
ヤバいヤバい。だって魁十が今年初半袖着てたんだもん。めちゃくちゃかわいかった。
細いのにしっかり筋肉の付いた腕、最&高。
「おはようございます」
「おはようございます遠山さんバーベキューしましょう!」
まるで起きたら隣に魁十が寝てたくらいのそのテンション、朝からすごいな。
「なっちゃん、バーベキューに目覚めたの?」
「目覚めたのは難波さん! 今年はバーベキューいっぱいやりたいって言ってたって浜崎さんが教えてくれたの!」
へえ、浜崎さん、ちゃんと仕事してくれてんだ?
なっちゃんに協力するって言ってたもんな。
「夏季休暇に泊りでバーベキューできる海辺のペンション行こうって難波さんを誘ってくれるらしいんですけど、私バーベキューしたことないから一度練習しておきたくて。お願い! 遠山さん!」
泊り? まさか浜崎さん、おこぼれ狙ってない?
行きたくないなあ……。
なっちゃんは私が入社した時にはすでに難波さんが好きだった。
私も難波さんを好きになってしまったこの気持ちを告げるつもりはない。
かと言って、浜崎さんとペアにされるのは絶対に嫌。
朝倉さんとか他にも誘って大人数のイベントにしちゃって回避すればいいか。
「分かった、いいよ」
「ありがとう! 朝倉さん! 遠山さんオッケーです!」
かわいい……めっちゃはしゃぐじゃん。
自分の気持ちを隠すのはしんどくない。
なっちゃんがあんなに楽しそうに笑ってくれるなら、全然しんどくない。
寝る前だと言うのにプリンを食べていたら、バイトを終えた魁十が帰ってきた。
「おかえりー」
「ただいま」
……もう1個食べようかな。ダメに決まってるよね。太る。
プリンの空き容器をボーッと眺めていたら、魁十がダイニングテーブルの隣に座る。
椅子に横座りした魁十はこちらに向けた長い足を組み、右腕を背もたれに乗せて左手で空き容器を指差す。
アイドル誌のグラビアレベル。カッコ良。
「最近、毎日食ってる。何かあったんだろ」
「……カイ、超能力に磨きかかってるね」
「俺には全部話す約束だろ」
……そうだった。
お姉ちゃん、危うく約束を破ってしまうところでした。
「私は仲の良い子と恋愛バトルなんてできないから、変わらず応援しながら見守っていこう、って決めたんだけど、なっちゃんが喜んでる姿見て嬉しいのに胸がギューッてなるの」
「……ふーん」
「説明下手だったよね。もう1回いい?」
「いらねえ」
今ので理解できたんだ?
さすが魁十、頭がいい。
同じ高校を出てるけど、魁十は3年間成績トップを維持したのに対して私はしょっちゅう赤点取ってた。
「そうだ、私夏休みに泊りでバーベキュー行くかもしれない」
「バーベキューごときに泊りの必要ある?」
「私もそう思う。日帰りに変えてって言おうかな」
「そうしとけ。姉ちゃん、寝相悪いし寝言多いし寝ぐせひどいし恥さらすだけだよ」
「私寝言多いの?」
「俺の部屋まで聞こえる」
魁十の電話の声がうっすら聞こえることはあるけど、それくらいの声量の寝言ってこと?
ヤバくない?
もしも、夢の中に難波さんが出てきて、難波さん好き――とか叫んでしまったら.......いやぁああ!
「絶対日帰りにしてもらう。日帰りじゃなきゃ私は行かない」
「うん」
「難波さんがバーベキューにハマってるんだって。でもなっちゃんバーベキューしたことないから、三多良山のバーベキュー場で練習してくる」
「バーベキューの練習って何」
「なんか、火ぃ起こしたりとかしなきゃいけないんでしょ?」
「できんのかよ。いつもの3人なんだろ」
「分かんない。全員バーベキュー未経験なの」
マジか、と魁十がつぶやいて、椅子の背に引っかけた腕に頭を乗せる。
考え事してる時の癖が出てる。軽く唇を尖らせる魁十、かわいいー……。
「写真撮んな。三多良山って駅から30分以上かかるけど誰か車あんの」
「なっちゃんは免許取ってなくて、朝倉さんは免許取ってから一度も運転したことない」
「俺が車出してやろうか」
「ほんと?!」
「姉ちゃん肉持って30分歩いて、そっから登山できんの」
「できない! ありがとう! カイ、大好き!」
「いちいちくっつくな。うぜえ」
憎まれ口叩いたって、お姉ちゃんには優しいのがバレバレだぞぉ。
「大事なことを言うからよく聞いてね、魁十。朝倉さんという大の年下男子好きがいるから、用心して。お菓子あげるって言われてもついてっちゃダメだよ」
「俺ゃ幼稚園児か。自分は難波ってのについてくくせに」
「やだもう、なっちゃんの前ではついてかないよー」
「いなかったらついてくんかい」
でも実際、なっちゃんがいなくて私が難波さんと話す機会って1日15分の5Sくらいしかないんだよね。
「現実、ついて行くチャンスはないよ」
「チャンス言うな」
「はぁ……プリンもう1個食べようかな」
「太りたいならどうぞ」
はぁ……やめとこ。
などと思いながら遅刻回避のために早足で会社に向かう。
ヤバいヤバい。だって魁十が今年初半袖着てたんだもん。めちゃくちゃかわいかった。
細いのにしっかり筋肉の付いた腕、最&高。
「おはようございます」
「おはようございます遠山さんバーベキューしましょう!」
まるで起きたら隣に魁十が寝てたくらいのそのテンション、朝からすごいな。
「なっちゃん、バーベキューに目覚めたの?」
「目覚めたのは難波さん! 今年はバーベキューいっぱいやりたいって言ってたって浜崎さんが教えてくれたの!」
へえ、浜崎さん、ちゃんと仕事してくれてんだ?
なっちゃんに協力するって言ってたもんな。
「夏季休暇に泊りでバーベキューできる海辺のペンション行こうって難波さんを誘ってくれるらしいんですけど、私バーベキューしたことないから一度練習しておきたくて。お願い! 遠山さん!」
泊り? まさか浜崎さん、おこぼれ狙ってない?
行きたくないなあ……。
なっちゃんは私が入社した時にはすでに難波さんが好きだった。
私も難波さんを好きになってしまったこの気持ちを告げるつもりはない。
かと言って、浜崎さんとペアにされるのは絶対に嫌。
朝倉さんとか他にも誘って大人数のイベントにしちゃって回避すればいいか。
「分かった、いいよ」
「ありがとう! 朝倉さん! 遠山さんオッケーです!」
かわいい……めっちゃはしゃぐじゃん。
自分の気持ちを隠すのはしんどくない。
なっちゃんがあんなに楽しそうに笑ってくれるなら、全然しんどくない。
寝る前だと言うのにプリンを食べていたら、バイトを終えた魁十が帰ってきた。
「おかえりー」
「ただいま」
……もう1個食べようかな。ダメに決まってるよね。太る。
プリンの空き容器をボーッと眺めていたら、魁十がダイニングテーブルの隣に座る。
椅子に横座りした魁十はこちらに向けた長い足を組み、右腕を背もたれに乗せて左手で空き容器を指差す。
アイドル誌のグラビアレベル。カッコ良。
「最近、毎日食ってる。何かあったんだろ」
「……カイ、超能力に磨きかかってるね」
「俺には全部話す約束だろ」
……そうだった。
お姉ちゃん、危うく約束を破ってしまうところでした。
「私は仲の良い子と恋愛バトルなんてできないから、変わらず応援しながら見守っていこう、って決めたんだけど、なっちゃんが喜んでる姿見て嬉しいのに胸がギューッてなるの」
「……ふーん」
「説明下手だったよね。もう1回いい?」
「いらねえ」
今ので理解できたんだ?
さすが魁十、頭がいい。
同じ高校を出てるけど、魁十は3年間成績トップを維持したのに対して私はしょっちゅう赤点取ってた。
「そうだ、私夏休みに泊りでバーベキュー行くかもしれない」
「バーベキューごときに泊りの必要ある?」
「私もそう思う。日帰りに変えてって言おうかな」
「そうしとけ。姉ちゃん、寝相悪いし寝言多いし寝ぐせひどいし恥さらすだけだよ」
「私寝言多いの?」
「俺の部屋まで聞こえる」
魁十の電話の声がうっすら聞こえることはあるけど、それくらいの声量の寝言ってこと?
ヤバくない?
もしも、夢の中に難波さんが出てきて、難波さん好き――とか叫んでしまったら.......いやぁああ!
「絶対日帰りにしてもらう。日帰りじゃなきゃ私は行かない」
「うん」
「難波さんがバーベキューにハマってるんだって。でもなっちゃんバーベキューしたことないから、三多良山のバーベキュー場で練習してくる」
「バーベキューの練習って何」
「なんか、火ぃ起こしたりとかしなきゃいけないんでしょ?」
「できんのかよ。いつもの3人なんだろ」
「分かんない。全員バーベキュー未経験なの」
マジか、と魁十がつぶやいて、椅子の背に引っかけた腕に頭を乗せる。
考え事してる時の癖が出てる。軽く唇を尖らせる魁十、かわいいー……。
「写真撮んな。三多良山って駅から30分以上かかるけど誰か車あんの」
「なっちゃんは免許取ってなくて、朝倉さんは免許取ってから一度も運転したことない」
「俺が車出してやろうか」
「ほんと?!」
「姉ちゃん肉持って30分歩いて、そっから登山できんの」
「できない! ありがとう! カイ、大好き!」
「いちいちくっつくな。うぜえ」
憎まれ口叩いたって、お姉ちゃんには優しいのがバレバレだぞぉ。
「大事なことを言うからよく聞いてね、魁十。朝倉さんという大の年下男子好きがいるから、用心して。お菓子あげるって言われてもついてっちゃダメだよ」
「俺ゃ幼稚園児か。自分は難波ってのについてくくせに」
「やだもう、なっちゃんの前ではついてかないよー」
「いなかったらついてくんかい」
でも実際、なっちゃんがいなくて私が難波さんと話す機会って1日15分の5Sくらいしかないんだよね。
「現実、ついて行くチャンスはないよ」
「チャンス言うな」
「はぁ……プリンもう1個食べようかな」
「太りたいならどうぞ」
はぁ……やめとこ。
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