うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

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誕生日プレゼント

ディナータイム

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魁十がジュエリーショップの袋から細長い箱を取り出す。
中身は、ブランドロゴを模した飾りが連なったブレスレットだ。

ブレスレットなんて女性的かと思いきや、魁十が手首に巻いてみると意外と男っぽい印象。
イケメンレベルが更に上がった。
ノーアクセでも最強なのに、大人の色気が加わってヤバい。

「なんで俺が大輝にこんな高いブランドもんもらわなきゃなんねーんだよ。返しといて」
「カッコいいよ、カイ!」
「もらうけど、お返しはしねえって言っといて」

前哨戦、大輝くんからのプレゼントを開けたところで、いよいよ本番。
遠山レストランのコース料理が始まる!

「こちら、サラダでございます」
「買ってきたサラダにドレッシングかけただけな。うん、うまいよ、シェフ」

魁十が親指を立ててキラリと笑う。
カッコ良。

「スープでございます」
「粉を湯で溶いたやつな。優しい味だよ、シェフ。湯が多かったみたいだ」

カウンター越しに感想をいただき、魚焼きグリルを開ける。

うわあ、スープ飲むの早い。
早く、急いで鮭を出さねば!

「熱!」
「大丈夫か?!」

カチャンと音を立て、魁十がキッチンへと回り込んできてしまった。

「うっわ! すげえな!」
「大丈夫だから! 座ってて!」
「大丈夫じゃねえだろ」

呆れた?
鼻から息を漏らした魁十が私の手を取り、赤くなった右手の薬指と小指に流水をあてる。

「鮭冷めちゃうよ」
「いいよ」

料理が出るのを待たせてはいけないから、と魁十が帰ってくる前に1品を除いて後は焼くだけ状態にしていた。
ただ、そこまでたどり着くのにキッチンが見る影もないほどにぐっちゃぐちゃに汚れた。

……見られたくなかったなあ。
おまけにケガしないように包丁を使わないレシピを探したのに、グリルでヤケドとか……。

「あと作るの、これ?」
「うん……」
「一緒に作ろ。俺、ひとりで待ってるより一緒にやりたいタイプ」

無邪気な笑顔に、胸が苦しいくらいキュンとした。

そうだった。
魁十はひとりが嫌い。泣いちゃう程に。

「紗夜、これほぐして」

冷めちゃうどころか火を消し忘れてて焦げ焦げになった鮭を細かくほぐす役目を仰せつかる。

「やっぱ俺は米欲しいよね」
「そうだね、私も。おなかいっぱいになろうと思ったらおかずたくさん食べなきゃいけなくなる」

チャチャッと卵とごはんと鮭で、チャーハンができあがる。
フライパンの余熱があるうちに、表面を焼いてアルミホイルで包んで休ませていた牛ヒレステーキを手早くサイコロ状に切り分けて行く。

「紗夜、盛り付けて」
「はい!」

もはやどっちがシェフだか誰の目にも明らか。
魁十の料理はほんと、見てて気持ちがいい。無駄な動きがなくて美しい。

「なんでピラミッド作ってんの」
「立体的でいいかなって」
「いいね。最高」

あれ?
おかしい? 思いっきり笑われてる気がする。

「うまい! 良い肉と鮭買ってきたじゃん」
「ほんと?!」
「やればできるんじゃない、料理」
「そうかな?!」
「片付けまでが料理だから、食ったら一緒にやろうな」
「うん!」

おいしい~。
お肉が柔らかくてめちゃくちゃジューシー。鮭の塩味が利いたチャーハンも美味!

魁十が褒めてくれたくらいだから、これ私今まで苦手意識が強かっただけで料理できるわ。

「朝倉さんが料理得意なの。年下男子がチョロく落ちるくらい」
「マジか。いいなー、料理上手かっけえ」

……いいな?
……かっけえ?

「ねえ、カイが前に言ってた晩ごはん当番導入しない?」
「料理したいの?」
「したい!」

ふふっ、と魁十が笑う。
え? やっぱり何か変?

「年下男子よりチョッロ。かわい」
「う……カイ、悪い顔してるよ」
「ねえ、コースなのにデザートないの?」

あ……デザートは、わ・た・し、ってやるつもりだった……。

「ないの?」
「デ……デザートは……」

……言えないっ……
よくこんな恥ずかしいことが言えたな。
さすがは大輝くんの元カノ……。

言おうとするだけで浮きそうな歯を食いしばり頭抱えて耐えていると、唇にツッと何かが食い込む。

目を上げたら、テーブルの向こうから魁十が笑って手を伸ばしていた。
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