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6.イケメンパンツ王子
「ねえ、親友の深月。食うもんねえ?」
「ねーよ、親友の明翔」
今お前、大盛りビーフカレー食ったばっかだろ。
「明翔って食費えぐそうだよねっ」
「それな」
「僕はパンツが好きなんだ」
「は?」
心からの「は?」が出たわ。
昼休み、取り巻き軍団を断って一緒にメシ食ってた柳が姿勢良く堂々と座っている。その目は正面にいる颯太をまっすぐ見ている。
「まずは、僕のことを知ってほしくて」
「まず伝えたい情報がパンツなのか」
柳が俺の目を見てうなずいた。まじか。まじなんなん、コイツ。
「俺もパンチラ好きー」
「えっ。明翔が?!」
「そんな驚く? 深月は見ねえの?」
「いや、見るけど」
「僕は履いてるパンツに興味はない」
「は?」
「大きくて派手なトランクスが好きなんだ」
「柳のパンツかよ。興味ねえわ」
「僕のパンツじゃない。僕自身はパンツは履かない主義だ」
「え。お前パンツ履いてねえの?」
「体育のある日は履くようにしているよ、佐藤くん」
「毎日履けよ。毎日制服洗うわけじゃねえんだから、ズボンが汚れ――ちゃっても、知らないよっ?」
ギリギリアウトかな、颯太くん。だが、柳はパアッと笑顔になった。
「ということは、佐藤くんは毎日パンツを履いてるということだよね?」
「もちろんっ」
「じゃあ、僕も履くようにするよ。佐藤くんと僕、おそろいだね」
いや、ほとんどの人間が毎日パンツ履いてると思うんだが。
柳って、しゃべるとこんなヤツだったんだ。見た目オシャレヤンキーの優等生だとしか思ってなかった。ただの変態じゃねえか。
「もう最悪ー。買ったばっかりのパンツだったのに」
「失礼、買ったばっかりのパンツだったのに、ということは、パンツに何かあったのかい?」
パンツセンサーが冴えわたっとるな、柳。隣で小さなお弁当をつつく女子二人が驚いている。
「ベランダに干してたら、下着泥棒に持って行かれたの。うちの近所、最近多いみたいで」
「失礼ながら、母子家庭だったりする?」
「うん。どうして分かるの?」
「女性ものの下着しかないと狙われやすいんだ。男性ものの下着も一緒に干すといいよ。未使用のパンツがたくさんあるから、明日持って来てあげる」
「柳くんのパンツを?!」
「気にすることはない。学級委員長として当然の仕事だ。一軍二軍はお別れできないが、三軍の最底辺を持ってくるよ」
柳がメガネを外して目尻を拭う。どんだけパンツに愛着持ってんだ。
「とりあえず、俺のパンツ持って帰って干しとく?」
「高崎くんのパンツを?!」
「脱いでくれるかい、高崎くん」
「キャー!」
明翔が素早くベルトを外してシャッとチャックを下ろす。慌てて、明翔の前に壁になる。女子が指の間からしっかりガン見してるのを俺は知ってる!
「脱ぐな! 履け!」
「はーい。履いたよ」
「お前なあ、人前でパンツなんか――何?」
「ねえ。なんで深月が真っ赤になってんの?」
「え……それより、なんでお前がパンツ脱ごうとしてんだよ」
「だって、俺んちも母子家庭だから、力になれたらなーと思って」
「俺んちも母子家庭だけど、そんなん思わんわ!」
「お! 深月もパパいないんだ。いえーい、おっそろー」
「いえーい」
パーン、と明翔と二人、手を合わせる。
そして、小声で大事なことを伝える。
「柳、いらんこと言うんじゃねえよ」
「僕は正しい情報しか言っていない。僕の父が警察官でね、男性ものの下着を干すだけで被害に遭う確率は下がるんだ」
「そっちじゃねえ!」
人前でパンツ脱いだら、お前の父親のお世話になるっての!
「ねーよ、親友の明翔」
今お前、大盛りビーフカレー食ったばっかだろ。
「明翔って食費えぐそうだよねっ」
「それな」
「僕はパンツが好きなんだ」
「は?」
心からの「は?」が出たわ。
昼休み、取り巻き軍団を断って一緒にメシ食ってた柳が姿勢良く堂々と座っている。その目は正面にいる颯太をまっすぐ見ている。
「まずは、僕のことを知ってほしくて」
「まず伝えたい情報がパンツなのか」
柳が俺の目を見てうなずいた。まじか。まじなんなん、コイツ。
「俺もパンチラ好きー」
「えっ。明翔が?!」
「そんな驚く? 深月は見ねえの?」
「いや、見るけど」
「僕は履いてるパンツに興味はない」
「は?」
「大きくて派手なトランクスが好きなんだ」
「柳のパンツかよ。興味ねえわ」
「僕のパンツじゃない。僕自身はパンツは履かない主義だ」
「え。お前パンツ履いてねえの?」
「体育のある日は履くようにしているよ、佐藤くん」
「毎日履けよ。毎日制服洗うわけじゃねえんだから、ズボンが汚れ――ちゃっても、知らないよっ?」
ギリギリアウトかな、颯太くん。だが、柳はパアッと笑顔になった。
「ということは、佐藤くんは毎日パンツを履いてるということだよね?」
「もちろんっ」
「じゃあ、僕も履くようにするよ。佐藤くんと僕、おそろいだね」
いや、ほとんどの人間が毎日パンツ履いてると思うんだが。
柳って、しゃべるとこんなヤツだったんだ。見た目オシャレヤンキーの優等生だとしか思ってなかった。ただの変態じゃねえか。
「もう最悪ー。買ったばっかりのパンツだったのに」
「失礼、買ったばっかりのパンツだったのに、ということは、パンツに何かあったのかい?」
パンツセンサーが冴えわたっとるな、柳。隣で小さなお弁当をつつく女子二人が驚いている。
「ベランダに干してたら、下着泥棒に持って行かれたの。うちの近所、最近多いみたいで」
「失礼ながら、母子家庭だったりする?」
「うん。どうして分かるの?」
「女性ものの下着しかないと狙われやすいんだ。男性ものの下着も一緒に干すといいよ。未使用のパンツがたくさんあるから、明日持って来てあげる」
「柳くんのパンツを?!」
「気にすることはない。学級委員長として当然の仕事だ。一軍二軍はお別れできないが、三軍の最底辺を持ってくるよ」
柳がメガネを外して目尻を拭う。どんだけパンツに愛着持ってんだ。
「とりあえず、俺のパンツ持って帰って干しとく?」
「高崎くんのパンツを?!」
「脱いでくれるかい、高崎くん」
「キャー!」
明翔が素早くベルトを外してシャッとチャックを下ろす。慌てて、明翔の前に壁になる。女子が指の間からしっかりガン見してるのを俺は知ってる!
「脱ぐな! 履け!」
「はーい。履いたよ」
「お前なあ、人前でパンツなんか――何?」
「ねえ。なんで深月が真っ赤になってんの?」
「え……それより、なんでお前がパンツ脱ごうとしてんだよ」
「だって、俺んちも母子家庭だから、力になれたらなーと思って」
「俺んちも母子家庭だけど、そんなん思わんわ!」
「お! 深月もパパいないんだ。いえーい、おっそろー」
「いえーい」
パーン、と明翔と二人、手を合わせる。
そして、小声で大事なことを伝える。
「柳、いらんこと言うんじゃねえよ」
「僕は正しい情報しか言っていない。僕の父が警察官でね、男性ものの下着を干すだけで被害に遭う確率は下がるんだ」
「そっちじゃねえ!」
人前でパンツ脱いだら、お前の父親のお世話になるっての!
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