26 / 39
26.佐藤颯太の初恋
あくびをしながら廊下を歩いていたら、身長百七十五センチと小さくはない体を折りたたんでしゃがみ込む明翔が笑った。
「おはよ! 眠そうだね」
「はよー。何してんの、こんなとこで」
「深月が来るの待ってた!」
「いいなー、呂久村。明翔にこんなかわいいこと言われて」
「俺、ガチで高崎ならいけるわー。俺に乗り換えない?」
途中で会って一緒に来ていた西郷と淀橋が俺と明翔を見る。
「いくらかわいくても男は男だもんっ。興味ないなっ」
颯太は立ち止まることなく、教室に入った。今日はだいぶ暑いのに、「かわいい」を演出するため、ワイシャツの上に大きなフードのパーカーを着ている。
そう、明翔は男なんだよ。なんだからさ。
「お前ら、明翔にいかず女子にいけよ」
「明翔よりかわいい女子いないじゃん」
「一条はかわいいけど、なんか違うし」
「優はやめといた方がいいよー」
「こら、そういう言い方はやめとけ。明翔が性格悪く見える」
俺は顔をしかめて言ったのに、明翔は嬉しそうに笑う。
「ちゃんと叱ってくれるとこも好き!」
「いいなー、毎日明翔に好きなとこ言ってもらって」
「高崎、俺の好きなとこは?」
「ヨドバシカメラを思い出すところ」
「明翔、俺は?」
「西郷隆盛と同じ苗字で覚えやすいところ」
「俺たちの好きなところは中身ねえなー」
肩を落とした西郷と淀橋が教室に入っていく。
気恥ずかしくて、頭をかきながら「お前な」と思わずイケボになってしまう。
「今、毎日、人生の汚点を築いているんだぞ。いつか好きな子ができた時に、後悔するぞ」
「後悔って?」
「男を好きだって言ってたヤツに惚れられても、女子からしたら微妙だろ」
「俺が深月を好きだったから俺を好きになれない女なら、いらん」
いやん。
韻を踏んでみても、どうにも顔が熱い。
「いつまでそこでしゃべってんのっ? 朝礼始まっちゃうよっ」
あ、今日は全校朝礼か。
この時期のお楽しみ、教育実習生の紹介だろう。おもしろい先生いるかな。
朝礼台には、初々しいスーツ姿の先生が三人並ぶ。女性、女性、男性。だが、呂久村な俺には真ん中の女性がぽっちゃりしてるのが分かるくらいで、顔など見えん。
朝礼が終わると、颯太がテテッと駆け寄ってきた。ナイショ話でもするように、小声で言う。
「なあ、二年一組に来る女性の先生、ちーちゃんじゃないか?」
「ちーちゃん? ああ、芳樹くんの元カノの?」
俺には顔が見えんかったから、なんとも言えない。
教室でも、颯太はソワソワと落ち着かない様子。
白いタンクトップの工藤先生、続いてパッツン前髪の黒髪ロングの女性が入ってくると、颯太の背筋がピンと伸びた。
「えー、二週間、このクラスに入ることになった、教育実習の先生を紹介する」
女性が黒板に「浪川」と書いた。その続きに、教室はザワついた。
「浪川千殺人です。私が教師を志した理由は、この名前にあります」
……そりゃ、そんな物騒な名前をつける大人を二度と生み出さないよう、教育現場を志すわなあ……。
「私の両親は、あらゆるものを、ぶっ殺すつもりで、人生を駆け抜けろ、という意味でこの名前を付けました。ですが、これは誤りです」
うん、誤ってる。盛大に誤ってる。どんな教育方針だ。
「私の両親は千差万別という四字熟語からこの字を選びましたが、千差万別という言葉は、あらゆるもの、という意味ではありません。あらゆるものは、すべて違うものなのだ、という意味です」
浪川先生は、バンッ、と教卓を叩いた。
「私はこの誤りに気付いた時、国語教師になる! と心に決めました。二週間、どうぞよろしくお願いいたします」
浪川先生が頭を下げると、颯太がまず大きな拍手をした。みんな、呆然としながらもつられて手を叩く。
チャイムが鳴ると、颯太がテテッとやってくる。
「ちーちゃんだった!」
「間違いなく、ちーちゃんだったな」
「ちーちゃん、先生になるのか……」
颯太がかわいいフリも忘れて、憂いを帯びた目で思いを馳せる。
「聞き捨てならないな。ちーちゃんって誰だい?」
柳龍二が険しい顔で俺に尋ねる。なぜ颯太に聞かない。
「ちーちゃんは、颯太の初恋の人だよ。教育実習の先生」
「どっちの?」
「うちのクラスに来た方」
「あの胸平さんが?」
「名前みたいに言うなよ」
前の席の明翔が振り返る。
「みんな言ってるよ。胸平さんと豊さんって」
「そして、そんな男子に女子が引いているよ」
たしかに、一条の言う通り、周りの男子と女子の表情の差は大きい。
「ちーちゃんは、颯太の初恋の人であり、颯太の兄ちゃんの元カノなんだ」
「佐藤くんとしては複雑だね。それで?」
ただ、あんまり勝手にしゃべって後で颯太にシメられたのではたまらない。
颯太を見ると、足を組んで前髪をかき上げていた。
「深月、聞かせるような話じゃねえ。ペラペラしゃべんな」
盛大にカッコつけている。これ、もっとしゃべれってやつだな。
「颯太のすぐ上の兄ちゃんが五歳違いの芳樹くんでさ。芳樹くんと中学の時から長いこと付き合ってたのが、ちーちゃん」
ちーちゃんは当時から前髪パッツンで、大きな目が印象的なかわいい子だった。
「ちーちゃん、俺から見てもキラッキラしててさ。今思えば、俺が見るちーちゃんは好きな人といるちーちゃんだから、キラッキラして見えたんだろうな」
そんな恋するちーちゃんに、颯太は恋をした。
「佐藤くん、今も好きなのかい?」
「だから、別に好きじゃない。俺が愛する女は生涯一人だけだもん。ちょっとかわいくて優しくて楽しい良い子だなってだけ」
「ちーちゃんが帰るって言ったら、帰らないで~って毎日泣いてたじゃん」
一瞬だけ、颯太にガン飛ばされる。
はい、しゃべりすぎました。ごめんなさい。
「ちーちゃんは頭良かったんだ。聖天坂高校に行った。芳樹兄ちゃんは頭悪いから、別々で」
「それでショタが聖天坂に来たってことは、やっぱり平さんのために?」
「五歳も離れていては、意味がない」
「芳樹兄ちゃんとちーちゃんは結婚しようって言ってた。もちろん、学生の口約束だったけど、俺は結婚すると思ってた」
颯太の努力を見てきた俺としては、胸がキュッとなる話だ。
「俺が聖天坂に行けば、芳樹兄ちゃんには分からない話がちーちゃんとできると思ったんだ。でも、芳樹兄ちゃんは去年フラれた。ちーちゃんと聖天坂の話なんて、何もできてない」
「健気な……」
柳がメガネをずらし、涙を拭う。
「いいよー、いいショタ持ってるよー。一途なショタ、最高」
一条が拍手を送る。
「もう……やめてよ、そんなんじゃないよっ」
颯太がスッポリと大きなフードを被る。
「かわいい……」
うん、かわいい。
だが、本当にそんなんじゃない。
確かに颯太はずっとちーちゃんを好きだが、惚れっぽいので何人も同時進行で好きになっている。
「まだ何もできてないだけじゃん。兄ちゃんとは別れてるんだし、今からグイグイいけばいいじゃん」
明翔が言うと、颯太が一瞬オスの顔になった。
「でも、そんなの、芳樹兄ちゃんと気まずくなっちゃうよっ」
「気まずくなったって構うものか。ショタ、愛は全てを上回るものだよ」
「僕は反対だ。お兄さんがフラれたということは、平さんが交際を続けられない理由がご家庭にあった可能性がある。ならば、佐藤くんにも勝ち目はない。他に目を向けるべきだよ」
「一理あるな。ならば、平さんに別れた理由を突撃インタビューしてハッキリさせればいい」
一条と柳が言い合いながら、突撃インタビュー作戦が練られていった。
「おはよ! 眠そうだね」
「はよー。何してんの、こんなとこで」
「深月が来るの待ってた!」
「いいなー、呂久村。明翔にこんなかわいいこと言われて」
「俺、ガチで高崎ならいけるわー。俺に乗り換えない?」
途中で会って一緒に来ていた西郷と淀橋が俺と明翔を見る。
「いくらかわいくても男は男だもんっ。興味ないなっ」
颯太は立ち止まることなく、教室に入った。今日はだいぶ暑いのに、「かわいい」を演出するため、ワイシャツの上に大きなフードのパーカーを着ている。
そう、明翔は男なんだよ。なんだからさ。
「お前ら、明翔にいかず女子にいけよ」
「明翔よりかわいい女子いないじゃん」
「一条はかわいいけど、なんか違うし」
「優はやめといた方がいいよー」
「こら、そういう言い方はやめとけ。明翔が性格悪く見える」
俺は顔をしかめて言ったのに、明翔は嬉しそうに笑う。
「ちゃんと叱ってくれるとこも好き!」
「いいなー、毎日明翔に好きなとこ言ってもらって」
「高崎、俺の好きなとこは?」
「ヨドバシカメラを思い出すところ」
「明翔、俺は?」
「西郷隆盛と同じ苗字で覚えやすいところ」
「俺たちの好きなところは中身ねえなー」
肩を落とした西郷と淀橋が教室に入っていく。
気恥ずかしくて、頭をかきながら「お前な」と思わずイケボになってしまう。
「今、毎日、人生の汚点を築いているんだぞ。いつか好きな子ができた時に、後悔するぞ」
「後悔って?」
「男を好きだって言ってたヤツに惚れられても、女子からしたら微妙だろ」
「俺が深月を好きだったから俺を好きになれない女なら、いらん」
いやん。
韻を踏んでみても、どうにも顔が熱い。
「いつまでそこでしゃべってんのっ? 朝礼始まっちゃうよっ」
あ、今日は全校朝礼か。
この時期のお楽しみ、教育実習生の紹介だろう。おもしろい先生いるかな。
朝礼台には、初々しいスーツ姿の先生が三人並ぶ。女性、女性、男性。だが、呂久村な俺には真ん中の女性がぽっちゃりしてるのが分かるくらいで、顔など見えん。
朝礼が終わると、颯太がテテッと駆け寄ってきた。ナイショ話でもするように、小声で言う。
「なあ、二年一組に来る女性の先生、ちーちゃんじゃないか?」
「ちーちゃん? ああ、芳樹くんの元カノの?」
俺には顔が見えんかったから、なんとも言えない。
教室でも、颯太はソワソワと落ち着かない様子。
白いタンクトップの工藤先生、続いてパッツン前髪の黒髪ロングの女性が入ってくると、颯太の背筋がピンと伸びた。
「えー、二週間、このクラスに入ることになった、教育実習の先生を紹介する」
女性が黒板に「浪川」と書いた。その続きに、教室はザワついた。
「浪川千殺人です。私が教師を志した理由は、この名前にあります」
……そりゃ、そんな物騒な名前をつける大人を二度と生み出さないよう、教育現場を志すわなあ……。
「私の両親は、あらゆるものを、ぶっ殺すつもりで、人生を駆け抜けろ、という意味でこの名前を付けました。ですが、これは誤りです」
うん、誤ってる。盛大に誤ってる。どんな教育方針だ。
「私の両親は千差万別という四字熟語からこの字を選びましたが、千差万別という言葉は、あらゆるもの、という意味ではありません。あらゆるものは、すべて違うものなのだ、という意味です」
浪川先生は、バンッ、と教卓を叩いた。
「私はこの誤りに気付いた時、国語教師になる! と心に決めました。二週間、どうぞよろしくお願いいたします」
浪川先生が頭を下げると、颯太がまず大きな拍手をした。みんな、呆然としながらもつられて手を叩く。
チャイムが鳴ると、颯太がテテッとやってくる。
「ちーちゃんだった!」
「間違いなく、ちーちゃんだったな」
「ちーちゃん、先生になるのか……」
颯太がかわいいフリも忘れて、憂いを帯びた目で思いを馳せる。
「聞き捨てならないな。ちーちゃんって誰だい?」
柳龍二が険しい顔で俺に尋ねる。なぜ颯太に聞かない。
「ちーちゃんは、颯太の初恋の人だよ。教育実習の先生」
「どっちの?」
「うちのクラスに来た方」
「あの胸平さんが?」
「名前みたいに言うなよ」
前の席の明翔が振り返る。
「みんな言ってるよ。胸平さんと豊さんって」
「そして、そんな男子に女子が引いているよ」
たしかに、一条の言う通り、周りの男子と女子の表情の差は大きい。
「ちーちゃんは、颯太の初恋の人であり、颯太の兄ちゃんの元カノなんだ」
「佐藤くんとしては複雑だね。それで?」
ただ、あんまり勝手にしゃべって後で颯太にシメられたのではたまらない。
颯太を見ると、足を組んで前髪をかき上げていた。
「深月、聞かせるような話じゃねえ。ペラペラしゃべんな」
盛大にカッコつけている。これ、もっとしゃべれってやつだな。
「颯太のすぐ上の兄ちゃんが五歳違いの芳樹くんでさ。芳樹くんと中学の時から長いこと付き合ってたのが、ちーちゃん」
ちーちゃんは当時から前髪パッツンで、大きな目が印象的なかわいい子だった。
「ちーちゃん、俺から見てもキラッキラしててさ。今思えば、俺が見るちーちゃんは好きな人といるちーちゃんだから、キラッキラして見えたんだろうな」
そんな恋するちーちゃんに、颯太は恋をした。
「佐藤くん、今も好きなのかい?」
「だから、別に好きじゃない。俺が愛する女は生涯一人だけだもん。ちょっとかわいくて優しくて楽しい良い子だなってだけ」
「ちーちゃんが帰るって言ったら、帰らないで~って毎日泣いてたじゃん」
一瞬だけ、颯太にガン飛ばされる。
はい、しゃべりすぎました。ごめんなさい。
「ちーちゃんは頭良かったんだ。聖天坂高校に行った。芳樹兄ちゃんは頭悪いから、別々で」
「それでショタが聖天坂に来たってことは、やっぱり平さんのために?」
「五歳も離れていては、意味がない」
「芳樹兄ちゃんとちーちゃんは結婚しようって言ってた。もちろん、学生の口約束だったけど、俺は結婚すると思ってた」
颯太の努力を見てきた俺としては、胸がキュッとなる話だ。
「俺が聖天坂に行けば、芳樹兄ちゃんには分からない話がちーちゃんとできると思ったんだ。でも、芳樹兄ちゃんは去年フラれた。ちーちゃんと聖天坂の話なんて、何もできてない」
「健気な……」
柳がメガネをずらし、涙を拭う。
「いいよー、いいショタ持ってるよー。一途なショタ、最高」
一条が拍手を送る。
「もう……やめてよ、そんなんじゃないよっ」
颯太がスッポリと大きなフードを被る。
「かわいい……」
うん、かわいい。
だが、本当にそんなんじゃない。
確かに颯太はずっとちーちゃんを好きだが、惚れっぽいので何人も同時進行で好きになっている。
「まだ何もできてないだけじゃん。兄ちゃんとは別れてるんだし、今からグイグイいけばいいじゃん」
明翔が言うと、颯太が一瞬オスの顔になった。
「でも、そんなの、芳樹兄ちゃんと気まずくなっちゃうよっ」
「気まずくなったって構うものか。ショタ、愛は全てを上回るものだよ」
「僕は反対だ。お兄さんがフラれたということは、平さんが交際を続けられない理由がご家庭にあった可能性がある。ならば、佐藤くんにも勝ち目はない。他に目を向けるべきだよ」
「一理あるな。ならば、平さんに別れた理由を突撃インタビューしてハッキリさせればいい」
一条と柳が言い合いながら、突撃インタビュー作戦が練られていった。
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
【完結】Ωになりたくない僕には運命なんて必要ない!
なつか
BL
≪登場人物≫
七海 千歳(ななみ ちとせ):高校三年生。二次性、未確定。新聞部所属。
佐久間 累(さくま るい):高校一年生。二次性、α。バスケットボール部所属。
田辺 湊(たなべ みなと):千歳の同級生。二次性、α。新聞部所属。
≪あらすじ≫
α、β、Ωという二次性が存在する世界。通常10歳で確定する二次性が、千歳は高校三年生になった今でも未確定のまま。
そのことを隠してβとして高校生活を送っていた千歳の前に現れたαの累。彼は千歳の運命の番だった。
運命の番である累がそばにいると、千歳はΩになってしまうかもしれない。だから、近づかないようにしようと思ってるのに、そんな千歳にかまうことなく累はぐいぐいと迫ってくる。しかも、βだと思っていた友人の湊も実はαだったことが判明。
二人にのαに挟まれ、果たして千歳はβとして生きていくことができるのか。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話