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序章 長い話の始まり
1 突然の宣告
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「俺とシャンタルはここから東へ行くことにした。だからおまえらと一緒に西へは行けない。すまんが行くなら2人で行ってくれ」
トーヤの突然の言葉にアランとベルは言葉を失った。
ここはよくあるタイプの安宿の一室。
室内にいるのは4人である。
1人は今発言したトーヤ、まだ二十代半ばぐらいの短い黒髪の男だ。
安物の硬そうなソファの背に体をあずけるように深く腰をかけ、腕組みをし、やや俯いているため顔の上半分は前髪に隠れてよく見えないが、引き締めた唇からは意志の強さを感じられる。
4人は傭兵仲間であった。
トーヤをリーダーに魔法使いのシャンタル、トーヤと同じ傭兵のアラン、それからその妹で戦闘はしないが色々と手伝いをしているベル、この4人でこの三年ほど一緒に戦場稼ぎをしてきた。
西の地でやや大きい戦が始まりそうなキナ臭い噂が囁かれ始めた。
そこで一稼ぎになりそうだとそちらへ向かう途中、いきなりトーヤがそんなことを言い出したのだ。
「てめえ……ざっけんなよ!! ここで別れよう? はあ? ほんっとふざけんなよな!」
ベルが、濃い茶の髪を持った少女が、同じ色の瞳を大きく見開き、ふるふると怒りに震えながらそう叫んだ。
「これから西の戦場に一緒に行こうって言ってたじゃないかよ! それをおれたち2人だけで行けって? 勝手なこと言ってんじゃねえ!!」
肩の少し下でざっくりと切り揃えられたあまり長くはない髪。ラフなシャツとズボンだけのしゃれっ気のない服装。ぱっと見ただけではまだ子供の部分が多く、やっとこの頃女性らしさも出てきたか、というところの年齢、13歳になる。
いかにも健康そうな、生命の光に満ち溢れたようなベルが、今は全身に怒りをみなぎらせ、握った両拳を膝の上で震わせている。
「大きな声を出すな、もう夜も遅い」
ベルとは対象的にアランが静かに声をかける。
ベルと並んで隣の椅子に腕を組んで座っているアランは、ベルよりやや年上の、まだ少年と呼んでいいだろう年頃の16歳になったばかりだ。
細身だがそれなりに引き締まった体躯、ベルよりやや明るいやはり茶色い髪、兄妹だけに顔立ちはやはり似ている。
「だってよ兄貴、あんまりじゃないか!」
「お前の言い分はよく分かる、俺だって同じ気持ちだからな。だが時間も遅い、もうちょっと静かに話をしようって言ってるんだ」
兄に言われてベルが唇を噛み締め、悔しそうに黙って椅子に座り直した。
この手の宿は娯楽旅行でゆったり休むためではなく、先を急ぐ旅人がその日の夜を、寒さや雨露を、暗闇の危険を逃れるためだけ、簡易なとりあえず一晩体を休ませるためだけにある。ゆえに壁も薄く、その気になれば耳をつければ隣の部屋の声が全部聞こえる、なんてこともあるのだ。
窓際に壁に沿うように小さい硬いベッドが一つ置いてあり、その頭の横にやはり小さい、高さはベッドよりやや高いぐらいの物置の台が一つ、それに並ぶようにソファ兼ベッドが一つある。一人旅にはベッドを使って一人分の料金を払い、2人なら1人はソファで寝ることになるが、1人と半分の料金で済むので「一人前半の宿」と呼ばれている。
部屋を照らすのは物置の上に置かれた安物のランプが一つ。
小さい部屋の隅までやっと届くか届かないかの灯りだが、それだけでも人はほっとするものだ。
ソファの前には本当に小さい、古い傷だらけのテーブルが一つあり、申し訳程度の小さい椅子が2つ並んでいた。ベルは椅子のベッド側、アランは反対側に腰掛けている。
「トーヤ」
アランは自分の目の前、ソファのベッドと反対側に腰掛けているトーヤに声をかけた。
「俺は、別にあんたらがここで別れようってんならそれはそれでいいんだよ、家族でもないんだし引き止める権利もないしな」
「兄貴!」
アランは今にも噛みつかんばかりのベルを留めながら冷静に続けた。
「だけどな、少なくともこの三年近く、ずっと4人で組んでうまくやってきたんじゃないか、別れるにしてもせめて理由だけでも聞かせてもらいたいってもんじゃないのか?」
「そうだそうだ、兄貴の言う通りだ、わけを言えよわけを」
重ねるようにベルもそう言う。
「西の戦で、ちょっとまとまった金を手にしようぜって話をしてたよな? 少なくともそれまでは一緒に仕事ができる、そう思ってたんだよ、俺たちはさ」
「そうだよ、4人だったらいい仕事できるじゃないかよ、今までもそうしてたじゃん!」
「ちょっと口挟むなお前は」
「だってよ!」
今度は兄妹で諍いが始まりそうな風向きになってきた。
「理由な、それ話したら納得するのか?」
トーヤが低い声でひっそりとそう答えた。
「そうじゃねえよ!」
ベルが立ち上がり、机をバン! と音を立てて叩いた。
「このままずっと一緒でいいじゃんかって、そう言ってんのおれは!」
「だから静かにしろって……」
はぁっとため息をついてアランが妹を止めた。
「とにかくさ、とりあえず理由だけ聞かせてくんない? いきなりここでおさらばだって言われても、それでああそうですかと納得はできないって言ってんのよ。その先のことは話を聞いた後で、そんでいい?」
トーヤは正面を向いたまま自分の右、ソファのベッド側に座っている、頭から生成りのマントをかぶった細身の影に声をかけた。
「だとよ、どうするシャンタルよ? ベルもアランもだまってさいならは聞いてくれそうもないぜ」
ぐるりと体を右に回し、ソファの背もたれに右手をひっかけ、シャンタルと呼びかけた人影の方を向く。
鋭い目つきにそれなりに整った顔つき。笑えば柔らかい表情に親しみやすさも感じるが、少し歪めた口元が危険そうな雰囲気も与える。
見る人によっては修羅場をくぐってきた油断ならない人間に、また違う人には怖い人間に見えるかも知れない。
トーヤが声をかけアランとベルもそちらを見る。
6つの目がマントをかぶった人物を見つめる。
しばらくの沈黙の後、シャンタルがようやっと口を開いた。
「巻き込みたくないんだよ……」
小さいがよく通る声でほおっと吐き出すように答える。
まだ若い男の声のようだ。
「それは分かるけどよ、巻き込みたくないなら巻き込みたくないなりに何か説明してやった方がいいんじゃねえのか?」
「なんだよなんだよそれ、巻き込みたくないってなんか水臭いんだよ!」
ベルがまた机をバン! と叩き、アランが「手を痛めるだろうが」と掴んで止める。
「なあ、シャンタル、俺は、こいつらは信用できると思ってるんだがな。おまえは違うのか?」
「アランとベルは信用できるよ、でもそういう問題でもないだろう?」
「なんだよそれ、信用できるって言いながら内緒かよ! それって信用してないってこと――」
「だからあ、おまえちょっと静かにしろって」
アランに頭をべちっと叩かれ、ベルは不承不承口を閉じた。
「とにかくさ、とりあえず話せるか話せないか決めてくんない? その結果次第じゃ俺も黙ってないけどさ」
アランがそう言ったが、シャンタルは無言のまま、そのまま沈黙が続く。
3人がシャンタルと呼ばれるマントの影をじっと見つめている。
空気が動きを止めたような、夜の闇だけが流れていくような、そんな時間が続いた。
いつまでも口を開かないシャンタルに、ゆっくりとトーヤが語りかける。
「なんて言うか、これも運命だと思わねえか? 今この時にこいつらと一緒にいる、そんで別れるっても簡単には諦めてくれそうもない。こっちもこいつらを信用してるんだ、話してもいいんじゃねえのか? その上でこいつらがどうするか、そいつはまたこいつらの問題だ、違うか?」
シャンタルは答えない。
「とりあえず俺は話そうと思ってる」
シャンタルが驚いたようにくいっと顔を上げた。
弱いランプの灯りに照らされたその顔は、少女と見紛う端正な造り。実際、声を聞かなければ女性だと思う人間が大多数だろう。
特徴的なのはその顔を縁取るゆるやかに流れるくせのない銀の髪、深い緑の瞳、そして深い褐色の肌だ。
神秘的、その言葉が一番似合う人間、いや人間と言うより精霊のような、そんな存在であった。
「おまえが俺と出会ったのが運命なら、こいつらと出会ったのもまた運命だ、違うか? ってことは、ここで話すはめになったこともまた運命、違うか?」
「それは……」
「まあ、そういうことだからな、とりあえず俺から話すぞ。言いたいことがあれば言え、そんでいいか?」
まだしばらく考えた後、シャンタルはようやくゆっくりと頷いた。
「いいな? そんじゃ話すが、長い長い話になるぞ? いいか?」
「いいよ」
「ああ」
アランとベルが答える。
「どこから話すか……そうだな、まずはこの世に神様がいた頃の話からか」
「長すぎんだろうが!」
ベルが立ち上がってそう抗議するのに、トーヤはニヤリといたずらっぽく片頬を歪めて笑った。
トーヤの突然の言葉にアランとベルは言葉を失った。
ここはよくあるタイプの安宿の一室。
室内にいるのは4人である。
1人は今発言したトーヤ、まだ二十代半ばぐらいの短い黒髪の男だ。
安物の硬そうなソファの背に体をあずけるように深く腰をかけ、腕組みをし、やや俯いているため顔の上半分は前髪に隠れてよく見えないが、引き締めた唇からは意志の強さを感じられる。
4人は傭兵仲間であった。
トーヤをリーダーに魔法使いのシャンタル、トーヤと同じ傭兵のアラン、それからその妹で戦闘はしないが色々と手伝いをしているベル、この4人でこの三年ほど一緒に戦場稼ぎをしてきた。
西の地でやや大きい戦が始まりそうなキナ臭い噂が囁かれ始めた。
そこで一稼ぎになりそうだとそちらへ向かう途中、いきなりトーヤがそんなことを言い出したのだ。
「てめえ……ざっけんなよ!! ここで別れよう? はあ? ほんっとふざけんなよな!」
ベルが、濃い茶の髪を持った少女が、同じ色の瞳を大きく見開き、ふるふると怒りに震えながらそう叫んだ。
「これから西の戦場に一緒に行こうって言ってたじゃないかよ! それをおれたち2人だけで行けって? 勝手なこと言ってんじゃねえ!!」
肩の少し下でざっくりと切り揃えられたあまり長くはない髪。ラフなシャツとズボンだけのしゃれっ気のない服装。ぱっと見ただけではまだ子供の部分が多く、やっとこの頃女性らしさも出てきたか、というところの年齢、13歳になる。
いかにも健康そうな、生命の光に満ち溢れたようなベルが、今は全身に怒りをみなぎらせ、握った両拳を膝の上で震わせている。
「大きな声を出すな、もう夜も遅い」
ベルとは対象的にアランが静かに声をかける。
ベルと並んで隣の椅子に腕を組んで座っているアランは、ベルよりやや年上の、まだ少年と呼んでいいだろう年頃の16歳になったばかりだ。
細身だがそれなりに引き締まった体躯、ベルよりやや明るいやはり茶色い髪、兄妹だけに顔立ちはやはり似ている。
「だってよ兄貴、あんまりじゃないか!」
「お前の言い分はよく分かる、俺だって同じ気持ちだからな。だが時間も遅い、もうちょっと静かに話をしようって言ってるんだ」
兄に言われてベルが唇を噛み締め、悔しそうに黙って椅子に座り直した。
この手の宿は娯楽旅行でゆったり休むためではなく、先を急ぐ旅人がその日の夜を、寒さや雨露を、暗闇の危険を逃れるためだけ、簡易なとりあえず一晩体を休ませるためだけにある。ゆえに壁も薄く、その気になれば耳をつければ隣の部屋の声が全部聞こえる、なんてこともあるのだ。
窓際に壁に沿うように小さい硬いベッドが一つ置いてあり、その頭の横にやはり小さい、高さはベッドよりやや高いぐらいの物置の台が一つ、それに並ぶようにソファ兼ベッドが一つある。一人旅にはベッドを使って一人分の料金を払い、2人なら1人はソファで寝ることになるが、1人と半分の料金で済むので「一人前半の宿」と呼ばれている。
部屋を照らすのは物置の上に置かれた安物のランプが一つ。
小さい部屋の隅までやっと届くか届かないかの灯りだが、それだけでも人はほっとするものだ。
ソファの前には本当に小さい、古い傷だらけのテーブルが一つあり、申し訳程度の小さい椅子が2つ並んでいた。ベルは椅子のベッド側、アランは反対側に腰掛けている。
「トーヤ」
アランは自分の目の前、ソファのベッドと反対側に腰掛けているトーヤに声をかけた。
「俺は、別にあんたらがここで別れようってんならそれはそれでいいんだよ、家族でもないんだし引き止める権利もないしな」
「兄貴!」
アランは今にも噛みつかんばかりのベルを留めながら冷静に続けた。
「だけどな、少なくともこの三年近く、ずっと4人で組んでうまくやってきたんじゃないか、別れるにしてもせめて理由だけでも聞かせてもらいたいってもんじゃないのか?」
「そうだそうだ、兄貴の言う通りだ、わけを言えよわけを」
重ねるようにベルもそう言う。
「西の戦で、ちょっとまとまった金を手にしようぜって話をしてたよな? 少なくともそれまでは一緒に仕事ができる、そう思ってたんだよ、俺たちはさ」
「そうだよ、4人だったらいい仕事できるじゃないかよ、今までもそうしてたじゃん!」
「ちょっと口挟むなお前は」
「だってよ!」
今度は兄妹で諍いが始まりそうな風向きになってきた。
「理由な、それ話したら納得するのか?」
トーヤが低い声でひっそりとそう答えた。
「そうじゃねえよ!」
ベルが立ち上がり、机をバン! と音を立てて叩いた。
「このままずっと一緒でいいじゃんかって、そう言ってんのおれは!」
「だから静かにしろって……」
はぁっとため息をついてアランが妹を止めた。
「とにかくさ、とりあえず理由だけ聞かせてくんない? いきなりここでおさらばだって言われても、それでああそうですかと納得はできないって言ってんのよ。その先のことは話を聞いた後で、そんでいい?」
トーヤは正面を向いたまま自分の右、ソファのベッド側に座っている、頭から生成りのマントをかぶった細身の影に声をかけた。
「だとよ、どうするシャンタルよ? ベルもアランもだまってさいならは聞いてくれそうもないぜ」
ぐるりと体を右に回し、ソファの背もたれに右手をひっかけ、シャンタルと呼びかけた人影の方を向く。
鋭い目つきにそれなりに整った顔つき。笑えば柔らかい表情に親しみやすさも感じるが、少し歪めた口元が危険そうな雰囲気も与える。
見る人によっては修羅場をくぐってきた油断ならない人間に、また違う人には怖い人間に見えるかも知れない。
トーヤが声をかけアランとベルもそちらを見る。
6つの目がマントをかぶった人物を見つめる。
しばらくの沈黙の後、シャンタルがようやっと口を開いた。
「巻き込みたくないんだよ……」
小さいがよく通る声でほおっと吐き出すように答える。
まだ若い男の声のようだ。
「それは分かるけどよ、巻き込みたくないなら巻き込みたくないなりに何か説明してやった方がいいんじゃねえのか?」
「なんだよなんだよそれ、巻き込みたくないってなんか水臭いんだよ!」
ベルがまた机をバン! と叩き、アランが「手を痛めるだろうが」と掴んで止める。
「なあ、シャンタル、俺は、こいつらは信用できると思ってるんだがな。おまえは違うのか?」
「アランとベルは信用できるよ、でもそういう問題でもないだろう?」
「なんだよそれ、信用できるって言いながら内緒かよ! それって信用してないってこと――」
「だからあ、おまえちょっと静かにしろって」
アランに頭をべちっと叩かれ、ベルは不承不承口を閉じた。
「とにかくさ、とりあえず話せるか話せないか決めてくんない? その結果次第じゃ俺も黙ってないけどさ」
アランがそう言ったが、シャンタルは無言のまま、そのまま沈黙が続く。
3人がシャンタルと呼ばれるマントの影をじっと見つめている。
空気が動きを止めたような、夜の闇だけが流れていくような、そんな時間が続いた。
いつまでも口を開かないシャンタルに、ゆっくりとトーヤが語りかける。
「なんて言うか、これも運命だと思わねえか? 今この時にこいつらと一緒にいる、そんで別れるっても簡単には諦めてくれそうもない。こっちもこいつらを信用してるんだ、話してもいいんじゃねえのか? その上でこいつらがどうするか、そいつはまたこいつらの問題だ、違うか?」
シャンタルは答えない。
「とりあえず俺は話そうと思ってる」
シャンタルが驚いたようにくいっと顔を上げた。
弱いランプの灯りに照らされたその顔は、少女と見紛う端正な造り。実際、声を聞かなければ女性だと思う人間が大多数だろう。
特徴的なのはその顔を縁取るゆるやかに流れるくせのない銀の髪、深い緑の瞳、そして深い褐色の肌だ。
神秘的、その言葉が一番似合う人間、いや人間と言うより精霊のような、そんな存在であった。
「おまえが俺と出会ったのが運命なら、こいつらと出会ったのもまた運命だ、違うか? ってことは、ここで話すはめになったこともまた運命、違うか?」
「それは……」
「まあ、そういうことだからな、とりあえず俺から話すぞ。言いたいことがあれば言え、そんでいいか?」
まだしばらく考えた後、シャンタルはようやくゆっくりと頷いた。
「いいな? そんじゃ話すが、長い長い話になるぞ? いいか?」
「いいよ」
「ああ」
アランとベルが答える。
「どこから話すか……そうだな、まずはこの世に神様がいた頃の話からか」
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