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第三章 第一節 神から人へ
4 東へ
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マユリアは部屋から出ると足早に前の宮へと急いだ。
どこからどう動くべきかと考え、まずは謁見の間へ行くことにした。
謁見の間に着くと、すでにルギとダルが待っていた。2人を呼びに行ったタリアもいる。
「お待たせしましたね、いきなり呼び出して申し訳のないことです」
いつもと変わりなくそう言うと、段から降りて3人の前に立つ。
「ダル、申し訳のないついでにもう一つ用を頼まれてくれますか?」
「は、はい、なんでも」
ダルが跪こうとするのを留め、マユリアが言う。
「わたくしの客室は分かりますよね?あそこにネイが来ているはずです。ネイにキリエと共にここに来るようにと言伝てを頼みます」
「はい、分かりました」
「客室にはラーラ様もいらっしゃいます。ダルはしばらくそこでラーラ様と共に待っていてください」
「え、ラ、ラーラ様とですか?」
ダルがどぎまぎしながら言う。
「ええ、頼みましたよ」
「は、はい!」
「こちらの扉から出て下さい、その方が早いですから」
大扉へ進もうとしていたダルが、マユリアが入ってきた扉から出ていった。
「もうしばらく待っていてください。ネイとキリエが来たら話があります」
「はい」
「はい」
タリアとルギが跪いて丁寧に礼をした。
しばらく待つとネイとキリエが入ってきた。
「ここへ来てください」
マユリアが4人を目の前にして言う。
「今は詳しく理由を話せません。ですがお願いがあります。ネイとタリア、しばらく宮から出て遠くへ行ってください」
「えっ」
2人が声を揃えて言う。
「シャンタルの御為です」
マユリアがそう言うと2人は何も聞かずに了承した。
「ルギ、宮から東、カトッティの方向でしばらく2人が滞在できる場所を探して連れて行ってください。そしておまえは共にそこに留まってください」
「承知しました」
ルギは疑問も不服もなくマユリアの命に従う。
「どこか心当たりはありますか?」
「私がこちらに上がる前に過ごしていた家がございます。小さい家ですがしばらく滞在するには十分かと」
「以前ルギが過ごしていた家ということは、かなりの年月放置されていた家では」
タリアが少し不安そうに言う。
「いえ、それが……」
ルギの説明によると、カースに行った折に村長から定期的にあの家の手入れをしていると言われ、鍵も受け取っていたということであった。
「姿を消した私のために、村人が交代でそうしていつ戻ってもいいようにしていてくれたとのことでした」
「まあ、なんてことでしょう……」
マユリアが感極まったように言う。
「このような状況の中、心のあたたまる話です。救われる思いです……全てのことが終わった後にはカースにお礼に行かねばなりませんね」
ルギがだまって頭を下げる。
「では頼みましたよ。一刻も早くそこへ行き、こちらから連絡があるまでは誰にも知られぬようにして下さい。生活に必要なものなどはそちらで考えて揃えてください。お願いします」
マユリアが3人に頭を下げ、3人が慌てた。
「マユリア、もったいない!」
「いいえ、もったいなくなどありません。シャンタルの御為です。その前ではわたくしもおまえたちも同じ、変わらぬ神のしもべです」
頭を上げ、
「では急いで下さい、一刻も早くこの宮から出て遠くへ」
3人が頭を下げ、急ぎ部屋から出ていった。
「キリエ、待たせましたね」
「いえ」
マユリアはキリエには全てを話した。
「では、今はミーヤが1人で」
「ええ、そうです。次はラーラ様を宮から遠ざけねばなりません。そしてわたくしが籠もる部屋も必要です。何か心当たりはありますか?」
「それでしたら……」
キリエの言葉にマユリアが頷く。
「そこなら大丈夫でしょう」
「ですが、お辛いのではないでしょうか」
「構いません。何よりもシャンタルからわたくしを切り離さねばなりません。ラーラ様にはそのように突き放すことはできないでしょう。ですから宮から出ていっていただかねばならないのです」
「はい」
キリエも納得した。
「キリエ……いつもおまえには辛いことばかりさせますね、本当に申し訳ないことです」
「何をおっしゃいます。私はマユリアの御為に存在しております、頼っていただけてうれしいと思いこそすれ辛いなどとは」
「いいえ、分かっております。おまえが本当はどれだけ優しい人間かわたくしはよく知っています。それを殺して、宮のため、シャンタルとわたくしのためにいつも尽くしてくれています。ありがとう」
マユリアが深く頭を下げる。
「頭をお上げください!」
キリエが慌てて止めさせる。
「ラーラ様はお優しい方です……ですが、それが今回はシャンタルの為にはなりません。そしてネイとタリアもラーラ様のお心に近過ぎるのです。おまえは心を殺し、いつも孤独の中でわたくしたちのために生きてくれています。本当に感謝しているのです」
「マユリア……」
「だけど、もう少しだけ甘えさせてください……シャンタルの御為に……」
「はい……」
「では客室にまいります。お願いしますね」
そうしてマユリアとキリエはマユリアの客室へと向かった。
どこからどう動くべきかと考え、まずは謁見の間へ行くことにした。
謁見の間に着くと、すでにルギとダルが待っていた。2人を呼びに行ったタリアもいる。
「お待たせしましたね、いきなり呼び出して申し訳のないことです」
いつもと変わりなくそう言うと、段から降りて3人の前に立つ。
「ダル、申し訳のないついでにもう一つ用を頼まれてくれますか?」
「は、はい、なんでも」
ダルが跪こうとするのを留め、マユリアが言う。
「わたくしの客室は分かりますよね?あそこにネイが来ているはずです。ネイにキリエと共にここに来るようにと言伝てを頼みます」
「はい、分かりました」
「客室にはラーラ様もいらっしゃいます。ダルはしばらくそこでラーラ様と共に待っていてください」
「え、ラ、ラーラ様とですか?」
ダルがどぎまぎしながら言う。
「ええ、頼みましたよ」
「は、はい!」
「こちらの扉から出て下さい、その方が早いですから」
大扉へ進もうとしていたダルが、マユリアが入ってきた扉から出ていった。
「もうしばらく待っていてください。ネイとキリエが来たら話があります」
「はい」
「はい」
タリアとルギが跪いて丁寧に礼をした。
しばらく待つとネイとキリエが入ってきた。
「ここへ来てください」
マユリアが4人を目の前にして言う。
「今は詳しく理由を話せません。ですがお願いがあります。ネイとタリア、しばらく宮から出て遠くへ行ってください」
「えっ」
2人が声を揃えて言う。
「シャンタルの御為です」
マユリアがそう言うと2人は何も聞かずに了承した。
「ルギ、宮から東、カトッティの方向でしばらく2人が滞在できる場所を探して連れて行ってください。そしておまえは共にそこに留まってください」
「承知しました」
ルギは疑問も不服もなくマユリアの命に従う。
「どこか心当たりはありますか?」
「私がこちらに上がる前に過ごしていた家がございます。小さい家ですがしばらく滞在するには十分かと」
「以前ルギが過ごしていた家ということは、かなりの年月放置されていた家では」
タリアが少し不安そうに言う。
「いえ、それが……」
ルギの説明によると、カースに行った折に村長から定期的にあの家の手入れをしていると言われ、鍵も受け取っていたということであった。
「姿を消した私のために、村人が交代でそうしていつ戻ってもいいようにしていてくれたとのことでした」
「まあ、なんてことでしょう……」
マユリアが感極まったように言う。
「このような状況の中、心のあたたまる話です。救われる思いです……全てのことが終わった後にはカースにお礼に行かねばなりませんね」
ルギがだまって頭を下げる。
「では頼みましたよ。一刻も早くそこへ行き、こちらから連絡があるまでは誰にも知られぬようにして下さい。生活に必要なものなどはそちらで考えて揃えてください。お願いします」
マユリアが3人に頭を下げ、3人が慌てた。
「マユリア、もったいない!」
「いいえ、もったいなくなどありません。シャンタルの御為です。その前ではわたくしもおまえたちも同じ、変わらぬ神のしもべです」
頭を上げ、
「では急いで下さい、一刻も早くこの宮から出て遠くへ」
3人が頭を下げ、急ぎ部屋から出ていった。
「キリエ、待たせましたね」
「いえ」
マユリアはキリエには全てを話した。
「では、今はミーヤが1人で」
「ええ、そうです。次はラーラ様を宮から遠ざけねばなりません。そしてわたくしが籠もる部屋も必要です。何か心当たりはありますか?」
「それでしたら……」
キリエの言葉にマユリアが頷く。
「そこなら大丈夫でしょう」
「ですが、お辛いのではないでしょうか」
「構いません。何よりもシャンタルからわたくしを切り離さねばなりません。ラーラ様にはそのように突き放すことはできないでしょう。ですから宮から出ていっていただかねばならないのです」
「はい」
キリエも納得した。
「キリエ……いつもおまえには辛いことばかりさせますね、本当に申し訳ないことです」
「何をおっしゃいます。私はマユリアの御為に存在しております、頼っていただけてうれしいと思いこそすれ辛いなどとは」
「いいえ、分かっております。おまえが本当はどれだけ優しい人間かわたくしはよく知っています。それを殺して、宮のため、シャンタルとわたくしのためにいつも尽くしてくれています。ありがとう」
マユリアが深く頭を下げる。
「頭をお上げください!」
キリエが慌てて止めさせる。
「ラーラ様はお優しい方です……ですが、それが今回はシャンタルの為にはなりません。そしてネイとタリアもラーラ様のお心に近過ぎるのです。おまえは心を殺し、いつも孤独の中でわたくしたちのために生きてくれています。本当に感謝しているのです」
「マユリア……」
「だけど、もう少しだけ甘えさせてください……シャンタルの御為に……」
「はい……」
「では客室にまいります。お願いしますね」
そうしてマユリアとキリエはマユリアの客室へと向かった。
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