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第一章:判らなくても求める者。
動き出した罠と、初めての衝撃と確信。
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もう私には何も判らない。
ゼスが側に居るけれど…
普段と違うだけでもなかった。
毎日の様にと皆が走り回って…
そして常にゼスが全部に対応してた。
ずっと…
今日もだった。
それぞれ皆が広場にと走り込んで来る。
それにとゼスが指示を出してた。
「首領!!
駄目だったぁ!!
コード1、2、4、6、7、8、9、10もだぁ。
先に正規軍が。
それから首領の事前にあったやつ!!
避難ルート、パターン44状態!!」
「チッ。
だったら全部に緊急連絡パターン45だぁ!!」
「了解!!」
ゼスが舌打ちをして指示を出して…
広げた大きな地図を見てたけれど。
また皆が走って…
でも…
「首領!!
コード5から僅かにだぁ!!
避難ルート、パターン44状態に!!」
「すぐにコード5から内容だぁ!!」
「緊急連絡パターン22、29だけ!?」
「チッ。
コード5にと出せ!!
緊急連絡パターン45!!」
「了解っス!!」
「首領!!
ヤバ過ぎぃ!?
コード3、11、13、17がだぁ!?
最後の緊急連絡パターン21でと…
各国の正規軍で合流地点にだぁ!!」
ゼスが驚いた顔で言う。
「何だと!?
まさか!?」
凄く慌てながらも若い団員が言った。
「一応、生きてるけど!?
皆が首領を。
内偵したら正規軍の狙いも判ったぁ!!
首領と…
言えねぇ事でのだったぁ!!」
「おぃ…
待て!!
生きたままでか!?」
「そうだぁ!!
あんのイカれたクソ共が根回し!!
許せねぇ!!」
「チッ。
どんだけ…」
ゼスが大きく地図を叩いた。
「もう判ったぁ!!
今から残り全コードにだぁ!!
すぐに緊急連絡パターン45を出せ!!」
若い団員が驚きながら言った。
「首領!?
それだと…
首領がヤベェ!?」
ゼスが大きく怒鳴った。
「馬鹿野郎がぁ!!
これ以上、仲間をかぁ!!
もう俺が出る!!
そして動ける全員に避難ルート。
パターン31だぁ!!
それから合流地点はパターン9!!」
「クソ!!
すぐに!!」
若い団員が悔しそうな顔をしてから走って行く。
私がゼスを見ると…
「やはりか…
既にと。」
目を閉じたままゼスは…
立ち上がって武器も持った。
それでも目を開けず…
右手を口元に当ててた。
もう私は…
あんなに必死な皆やゼスを見てられない。
どうにか私もゼスに言う。
「ゼス…
判らないけれど…
私なら…」
すぐにゼスは目を閉じたまま首を振ると言った。
「ユアナ。
忘れるなと。
既に言った筈だぞ。
俺も諦めないと…」
そんな時に、まただった。
「首領!!
あり得ねぇ!?
ヤベェ!!
何だってんだぁ!?」
それにすら、すぐにゼスが目を開けて大きく言う。
「馬鹿がぁ、内容だ!!」
団員の一人が明らかに…
驚くよりも混乱してる様子が私にすら判る。
「それが…
いや、俺も!?
マジで判ねぇんだぁ!!
村が!?
一番近い村から?
これは順番なのかぁ!?
既に二つ!?
俺も全く判んねぇ!?
俺らだけじゃねぇの!?
何だってんだぁ!?」
またゼスが凄く驚いた顔でだった。
「まさか…
裏以外もか!!」
「多分?
内偵中にも見たけど!?
何があった状態!?
完全に!?」
ゼスが剣を地面に刺してから怒鳴った。
「クズ共がぁ!!
完全にイカれやがったかぁ!!
既に残り全コードにと出してある。
緊急連絡パターン45をだ!!
もう全員にと合流地点はパターン9だぁ!!」
その団員すらも驚きながら言った。
「な、それだと首領!?
首領もヤベェよ!!」
「すぐに行けぇ!!」
「クソッ…
了解…」
団員が悔しそうに言ってから走った。
ゼスは大きく息を吐き出しながら言う。
「ユアナは俺から離れるなよ?
今から俺が直接にだ…
移動もする。
だが、これは…」
私は首を横に振る。
下を向いて何も言えなかった。
「ユアナ…
俺が居れば皆を守れる。
それに一番危険なのは…
ユアナが俺から離れる事だ。」
私は少しだけゼスを見ると…
少し笑ってた。
そんなゼスにと私は迷うけれど。
ゼスの側に行く。
そのまま私を簡単に抱えて移動も始めた。
私も考える。
一体、何が…
それにゼスが…
皆も…
**************************
一方、アランとリアン。
既に帝国軍部を連れて国境付近に居た。
「アラン。
ルート3の方は?」
「全く問題ない。
予定通りだ。
それに予測すると、リアン。
ルート7だ。」
二人共に行動しながら指示を出し続けてた。
「アラン?
村の住民へと避難済みだな?
ならば残りも全て問題ないが。」
「リアン。
勿論だ、住民には帝都内部で保護してる。
被害すら何もない。
だが、裏側に関しては各国の処理だ。」
リアンは少し笑って言う。
「判った。
計画通りだな。
罠にだぞ、アラン。」
アランも少し笑って言う。
「そうだな。
表側には全て対策すらしてる。
これで明日、首領がだぞ。
リアンも準備済みだな?」
「あぁ、問題ない。
使うのは重罪人のみだからな。
皇帝の許可済みだ。」
確認をしてからアランは帝国軍部の一部にと。
また指示を出した。
「第5部隊長。
盗賊団の首領をだぞ?
各国すらも帝国に期待されている。
予定通りに始めろ。
そして第1部隊はリアンとだ。」
それぞれ各部隊長が敬礼してから移動もする。
リアンも確認してからと、また指示を出す。
「第1部隊は俺とだ。
他の部隊も計画通り。
アランの指示で待機だ。」
帝国部隊は500人だった。
各部隊が100人の精鋭でもある。
二人の計画通りにと動かしてた。
「リアン。
時間を間違うなよ?」
「あぁ、判ってる。
アランもユアナをだぞ?」
二人共に目を合わせて頷く。
そして動いた…
**************************
私はゼスと一緒に行くと皆も既に居た。
夜だったのもある。
だから余計に私は何も判らない…
「首領!!
良いのか!?
だけど!!」
側に居たゼスは僅かに見えて微妙な顔で言う。
「あぁ、罠だろうな。
だが、これ以上の被害も出せん。
皆、判ってるな?
俺の通達した通りだ。
可能性は高い…
今から合流地点の変更も不可能だ。
それよりも何を仕掛けるかだろうが…」
私は何も言えず。
ゼスと皆で移動した先で見た。
その光景が余りにも衝撃的だった…
「どうして…
何が…」
小さな村が…
火事でもあったのかすら判らない…
けれど、もう全てが火で包まれてた。
私は初めて見た。
暮らしてた様な村人達が…
こんな火の中でと…
それぞれが武器を持って争ってた。
悲鳴すらも多く聞こえてくる。
血だらけで動かない人達も…
武器で攻撃されて倒れる人達も…
既に燃えた様な人達も…
あんな状態なら…
もう…
ゼスの焦る様な声が聞こえた。
「これは…
ユアナ!?
駄目だ、こんなのを…
ユアナは見るな!!
全員村人じゃない!!」
それでも私は衝撃的過ぎた。
でもゼスが皆にと大きく言ったのも聞こえた。
「すぐに全員もだ!!
この村から離れるぞ!!」
私は驚く。
「ゼス?
どうして…
でも村人が…」
ゼスの焦る様な声を聞いた。
「違う!!
ユアナ!?
ここに居るのは村人じゃない!!
帝国民でもない罠だ!!」
私には判らなかった。
でも急に帝国軍が現れたのが見えた。
不思議に思いながらも私が見てると…
帝国軍は村にと一気に入って行った。
そのまま私が帝国軍を見てると…
リアン兄様が軍の中にと居たのに気付いた。
「リアン兄様?
帝国軍がと…」
判らないけれど私がそのまま村を見てると…
今度は帝国軍が村に消火活動をしながら…
村人達の誘導もしながら助けてる様子だった。
「これは…
そうか!?
ユアナにと!!
わざとか!?」
ゼスの声が聞こえた。
その時、一気に何かがゼスや皆の方にと。
何かが飛んで来たのが僅かに見えた。
それすらもゼスや皆は武器で弾いた様に見えた。
声だけは私にもハッキリと聞こえる。
「首領!!
囲まれてるっぽい!?」
「首領!!
帝国軍だ!!」
「チッ。
皆は身を守って合流地点パターン2へ行け!!
この狙いは…」
私は皆が弾いた…
地面に落ちてる物を見た。
弓矢?
判らない…
それから村の反対側からも帝国軍が現れた。
その中にとアラン兄様が居たのにも気付いた。
「アラン兄様が?
どうして…
軍にと?」
私が見てるとアラン兄様が剣を掲げて大きく言った。
「帝国全軍に告げる!!
極悪人である盗賊団の首領を捕縛せよ!!
そして『拉致』される我が妹を!!
ヤラリス侯爵家の『最愛』でもある。
ユアナを『救出』せよ!!
狙うのは首領だけで良い!!
他は『帝国民を助ける』事だ!!
既に村を三つも崩壊させた元凶でもある!!
極悪人達、盗賊団ならば首領のみ!!
更にヤラリス侯爵家の『ユアナを最優先』にだ!!」
私をと?
アラン兄様がと?
救出と?
他も助けると?
そう言ってから帝国軍が一斉に動いた。
半分は村にと、残りが私達の方とだった。
ゼスの声、皆の声が聞こえる。
「やはり…
これはユアナにと!!
わざと、した事かぁ!!
その為だけに…
皆は早く合流地点へ行けぇ!!
俺はユアナをだぁ!!」
「首領!?
でも…
これは軍すらも変だぞ!?
動きが首領でもねぇ!!」
「判ってる!!
狙いは完全にユアナだ!!
俺も行くが先にと…
お前達は行くんだぁ!!」
もう私には何も判らない。
またアラン兄様の大きな声を聞いた。
「ヤラリス侯爵家のユアナをだ!!
帝国全軍に告げる!!
すぐに極悪人達から『解放と救出』だ!!
そして我が帝国民すらも守るんだ!!
各国の諸悪である首領からと!!
必ず『救出』するんだ!!」
皆も動いてるのは判ったけれど。
暗くて私には余り見えない。
「全軍、聞け!!
援軍も来てる!!
半数は『帝国民の救出』を続けろ!!
残りの半数はヤラリス侯爵家の『最愛』を!!
ユアナの『救出』をしろ!!」
リアン兄様の声が村の方から聞こえた。
そんなリアン兄様すらも更に大きく言った。
「ヤラリス侯爵家からと。
『奪った』最愛のユアナをだ!!
諸悪である首領からと。
最優先で『救出』するんだ!!」
極悪人達と?
ゼス達は違う!!
でも村人を救出してるのは帝国軍…
私がゼスの方を見ると…
全ての弓矢を弾いてる様だった。
これは…
もしかして全部…
私が…
だからゼスも…
皆も…
そんな中で皆は移動もしながら弓矢を弾くのに…
ゼスだけは動かずに弾いてる様子に見えた。
私が居るから…
ゼスだけが!?
だから私は大きく言った。
「ゼス!!
逃げて!!
私が居たらゼスまで!!
ゼスは違うのに…
私の、せいで…
このままだとゼスも!!」
ゼスが僅かに反応した様だった。
暗くて良く見えない中でも声だけは聞こえた。
「ユアナ!?
騙されるなぁ!!
盗賊団すら居ないのに…
なぜ既に村に火がある!!
言葉でと誤魔化されるなぁ!!」
それに私も疑問は浮かんだ。
村に火…
私が考えるよりも先にと。
すぐにアラン兄様の声も聞こえた。
「返して貰うぞ…
悪人の盗賊団、首領ゼス!!
これ以上…
最愛の妹を『惑わせる』な!!
悪人のせいでなど…
俺達から最愛の妹を『奪う』な!!」
何かが打つかる様な音も聞こえた。
「チッ。
本当にイカれたクズ共が…
わざとだろうがぁ!!
この村人達は…
帝国民でもないだろうがぁ!!」
ゼスの言葉をと。
私も疑問をと。
どうにか考え様としてる時。
リアン兄様の大きな声も聞こえる。
「今すぐに最愛の妹を返せ!!
極悪人達の首領ゼス!!
俺達の最愛でもある妹をだ!!
これ以上『欺く』な!!」
暗くて余り見えない私は動けなかった。
更にと急に全く何も見えなくなる。
一体、何が…
考えるけれど判らない。
だから咄嗟に私は叫んだ。
「ゼス!!」
「ユアナ!?」
ゼスの声が!?
何も見えないけれど。
さっきまで居たと思うゼスにと…
私もに手を伸ばそうとした。
それよりも先にリアン兄様の声が聞こえた。
「ユアナ…
もう安全だ。
悪人達にと『騙される』な。」
何か香りがして、それには私でも判った。
これは前の時と同じ!?
またゼスと!?
「チッ。
このイカれたクズ共がぁ!!
またユアナをと!!」
ゼスの声も聞こえた。
凄い眠気が私にと襲ってくる。
どうにか抗う。
見えない、判らない、それでもと…
私は僅かにしか言えなかった。
「ゼス、助け…」
眠気にと必死で頑張っても無理だった。
何も判らないまま私は眠った…
**************************
ふと私が目を覚ました時。
しばらく、そのまま動けなかった。
それから少し経ってから気付いたのもある。
私の自室だと…
起き上がらずに思い出しながらも考える。
でも…
何が起こったのかも判らない。
ふとゼスも思い出した。
もしかして…
また私は捕まったの?
そこで私は身体を起こした瞬間。
「あぁ、おはよう。
俺達の大切なユアナ…」
声にと私は驚いて見ると…
アラン兄様が居た。
とても優しい笑顔だった。
私は徐々にと思い出したのもある。
あの燃えた村や人達を。
それに…
あんな惨劇な光景も…
すぐに私は首を振った。
あんな事を、どうして…
帝国軍に居たアラン兄様の姿…
リアン兄様も居た姿…
私は身体を起こしたけれど。
動けなかった。
「良かった…
ユアナを救い出せた。
どうしても見つけられずにと。
時間が…
あんな危ない場所からと…
本当に助け出せて嬉しいよ。
俺達の大切なユアナ…」
ドアの側で壁に背を。
そのまま動かず…
アラン兄様が優しく言ってきた。
けれど私は普段とも違う様な事には判った。
首を傾げながら私は言う。
「アラン…
兄様?」
そんなアラン兄様は全く動かなかった。
ただ優しく笑って言ってくる。
「ユアナ…
すぐにリアンも来るよ?
前は混乱させてしまったからね。
ユアナは悪人を知らないのに…
混乱させてしまっただろう?
その時よりも今回は長かった…
だから今は俺から先にとかな。
まだ動かないで側に居るだけにと。
でも、もう大丈夫だよ?
ユアナも…
混乱する前に良く考えてごらん?
無事で本当に良かった。」
私は驚く。
動かないと?
大丈夫と?
混乱する前にと?
そこで私は時間を見ると。
朝の7時なのも判った。
更にと部屋を見渡す…
すぐに気付いた事にも驚きながら言う。
「アラン兄様…
柵が…」
私は出窓の方を見れば…
前にあった柵もない。
「あぁ、簡単だよ?
ユアナを守る為だったのに…
柵すら意味がなかっただろう?
ユアナが狙われてるのも判ってた…
だから今更、そんな柵は不要だろう?」
驚くけれど違和感も残る。
それから私はアラン兄様の方を見ると。
ドアの側にと…
今までなかった筈の簡易的なベッドがあった。
今度は私が首を傾げて、それを見てると…
「大丈夫だよ、ユアナ…
このベッドなら俺達しか使わないよ?
ユアナは、いつものベッドで良いからね。
狙われてるのを知ってたのに…
俺すらも、まただった。
だからドアも窓も。
ただ、前と同じに戻しただけだよ。
しばらくユアナが落ち着くまではと。
俺達からも近付かないけれど…
だからユアナには先にと安心をと。
それでも狙われてるのも事実だから…
俺達の大切なユアナを守る為にと。
これは置いただけにもなるかな。
ユアナを…
とても『心配』してた。
無事だった事でも充分過ぎる…」
アラン兄様の違和感にと考えた時。
ゼスに言われた疑問も浮かんだ。
僅かに思い出す…
村の火の事もだった。
どうにか私も言う。
「私をと…
アラン兄様がと?」
私がアラン兄様を見ると優しい笑顔で言う。
「勿論だよ。
俺達はユアナだけを愛してる。
それを『心配』するのは普通だろう?」
「心配と…
アラン兄様が?
私にと…」
そこで私はゼスを思い出すのと同時だった。
目を閉じて私は考える。
確かゼスが言ってた事。
私が思い出した事でもあった。
ゼスが事前にだと言ってた!!
あの時は…
凄く大切な事だと。
だからこそ先にと。
目を閉じたまま私はゼスの言葉をと。
全て思い出そうとした。
『本当の悪人ってのはなぁ。
どんな手段すらも笑ってする。』
それはアラン兄様がと?
本当の悪人だと?
あの村の火も…
ゼスが言ってた通りに変でしょう?
だったら、どうして?
ずっとゼス達は私と一緒に居たのにと?
それなら…
あんな火すらゼス達が出来る筈がない!?
どんな手段すらもと?
まさか…
『そう言う悪人ってのはなぁ。
必ず笑ってユアナを騙して近付いてくる。
そして誤魔化すんだ。』
確かにアラン兄様は笑ってる?
騙してと?
誤魔化すと?
『笑って、優しく、徐々にと嘘を言いながら…
必ずユアナに近付いて誤魔化しながら騙す。
それが本当の悪人だ。
だから外見や言動でと、ユアナ。
騙されるな。』
徐々にと?
私に近付いてくると?
もっと私はゼスの言葉を思い出す。
『今のユアナは狙われてるんだ。
だから笑って、騙して、誤魔化して…
必ずユアナにと近付いてくる。』
アラン兄様は笑ってる…
けれど…
ずっと私の側には居る?
『先にと俺がユアナに教える。
もしユアナを騙して近付くなら…
ユアナにと言う言葉。
それは最初に心配する言葉を。
そして謝罪の言葉を。
それから偽りの自由を。
更に見たくもない悪人をだ。』
最初に心配する言葉と?
今…
アラン兄様が言った?
私は目を開けてアラン兄様を見ると…
確かに優しく笑って私を見てるけれど。
でも…
最初に出した言葉は心配だった。
まさか…
本当の悪人ならと?
ゼスが言った通りなら多分…
次は謝罪の言葉を?
考えながらも私がアラン兄様を見てると。
優しく笑ったまま動かずにと。
アラン兄様が優しく言ってきた。
「ユアナ?
どうしたのかな?
俺が愛してるユアナをだ。
心配するのは当たり前だろう?」
「それは…」
私は途中で言うのを止めた。
また私は目を…
すぐに閉じてゼスを思い出してた。
『俺が今、ユアナに言った言葉。
それを誰にも言わず。
考えるだけで良い。
言えば更に危険になるのはユアナだ。』
ゼスの言葉をと。
だから言わない事と。
考えるだけでと…
私を?
アラン兄様が狙ってると?
だったら次…
それを本当に…
ゼスの通りなら…
アラン兄様は…
目を開けて私はアラン兄様を見る。
その優しい笑顔も何も変わってなかった。
けれど優しい声でと私に言ってきた。
「ユアナ…
助けるのが遅くなって、すまなかった。
長く悪人の中にと居ただろうから…
混乱してるだろう?
俺もリアンも、ずっと心配してたよ…
それに前も、そうだった。
俺達が更にユアナを困らせたと思う。
だから『許して』欲しい。」
私は驚く。
ゼスが言った通りだったのもある。
僅かに私は首を振って目を閉じた。
ただ、もう私はゼスだけを考えた。
必死に思い出すのもあるけれど。
身体が勝手に震えてくる。
『それから偽りの自由を。』
もう…
私にも判った。
お兄様達が…
あの村や人達にとした事だと…
だからこそ私をと?
狙ってると。
その為に柵も…
ドアも…
でも逃げられない様にと。
簡易ベッドを私の部屋に置いてると。
恐い…
私はゼスだけをと…
『本当の自由を。
本当に愛する者をだ。
それを探すと。
ユアナ自身が言った事だ。
ユアナの本心だったからこそ出たんだ。』
もう必死にゼスの言葉をと。
私は目を閉じたまま何度も思い出す。
『そして忘れるな?
俺も絶対に諦めねぇぞ?
必ずユアナをだ。』
『そしてユアナ。
もし逃げられなくても…
生きる事だけしてくれ。
そして諦めるな!!』
私もゼスに言った。
諦めないと。
頑張ると。
『騙されるな。
そんな者はなぁ。
絶対にユアナが心から求めてる者でもない。』
そう、私もゼスにと!!
私も信じると言った!!
だったら私はゼスを!!
ゼスが、そうだった…
言ってた事もある!!
『本当にユアナを愛してる者がする行動がある。
それはなぁ。』
どうにか私は目を開けてアラン兄様にと言った。
「ねぇ?
アラン兄様?
一つだけ…
聞いても、良い?」
さっきと僅かに表情が変わった気もしたけれど。
でも優しく笑ってアラン兄様が言った。
「あぁ、勿論だよ?
ユアナの疑問になら…
何でも答えるよ?
そして教えて良い。」
私は恐いのもあるけれど。
確認の為にと考えながらも言う。
「アラン兄様も…
リアン兄様も…
私を愛してると?
言うでしょう?
だったら、一つだけ聞きたいの。
それは…
愛してる私にと…
何を望むの?
本当に私を愛してると思うなら…
私にと…
アラン兄様は…
どう、思ってるの?」
アラン兄様が凄く驚いた顔をした。
すぐに目を閉じた。
それから目を開けたアラン兄様は優しく笑った。
優しい声でと私にと言ってきた。
「それはユアナにと…
安心して、俺を信じて…
愛してくれる事を望むだけだよ?
そしてユアナをと。
俺は困らせたくないと思ってる。」
「そう…」
私は僅かにしか言えなかった。
けれど確信もした。
アラン兄様は…
私を本当に愛してる者ではない!!
すぐに目を閉じてゼスと思い出す。
本当に私を愛してる者がする行動…
それは…
笑ってて欲しいと。
楽しそうにする姿をと。
見れるなら充分だと。
そう思ってる者と。
アラン兄様は『全てが違う』なら、きっと…
私は目を閉じたまま必死にゼスを思い出す。
だからこそ狙ってると?
騙してと、誤魔化してと?
そして油断するのをと?
恐い…
また私は必死に思い出す。
あの楽しく笑うゼスを、皆を…
けれど思い出すだけでもと…
それから目を開けて私はベッドから降りた。
外を眺めながら思った。
きっとゼスなら…
私は信じるとも言った!!
それまで頑張ると…
だから私は『ゼス』を信じる!!
**************************
一方、ゼス。
既に帝国地下での内部に居た。
皆にと指示を出して動いてた。
そんな皆もだった。
全員が合流後も必死に動く。
更に他国までもと。
今回の事でと…
全ての仲間すらからも報告がくる。
そして全ての情報が入ってくる中でもあるが。
それでもと…
ゼスは指示を出してた。
皆も同じで必死にユアナをと!!
そう思って行動してた。
ゼスは情報も纏めながら指示を出すが…
「首領!!
駄目だったぁ!!
表側の情報網が全滅だぁ!!
しかも信じられねぇ!?
あり得ねぇ!!
もう俺すら許せねぇだけだぁ!!
あんのイカれたクズ共!!
皆が捕縛済みでと!?
その上に、あんな事は…
もう、ただの拷問だぞぉ!?」
「首領!!
ユアナは侯爵邸って判ったぞ!!
でも全部変わってる!?
どうやったかも判んねぇ!?
これは内部なのかぁ!?
全部の構造が変わってるっぽい!?
使用人すらもだぁ!!」
「首領!!
どうにか確認したぞぉ!!
あの村や周辺の帝国民!!
首領の言った通りだったぁ!!
あれは多分…
捕まってた罪人か!?
それを使ったんだ!!
演技でとして、それをユアナにと…
こんなのを、わざと見せてだぁ!?
あんのクズ共が騙してるだけだぁ!!」
それを聞いて更にと…
もうゼスは完全に怒りが湧くだけだった。
皆の前で怒鳴った。
「一度、黙れぇ!!
俺すら居たのに…
帝国軍まで約500人も使って…
あんのイカれたクズ共がぁ!!
最低な罠を…
わざとユアナに見せてだとぉ!!
あんな事すら…
俺は絶対に許せねぇだけだぁ!!」
どうにかゼスは目を閉じて右手を口元に当てる。
予測する為にとユアナを考える。
すぐに予測も出来た上に…
思い出す事も多かった。
そう、捕まった時に見せた手を…
更に最後の言葉も…
『ゼス、助けて』と。
それだけでもなかった事も…
大きく息を吐き出してからゼスは目を開けた。
けれど、もう…
それだけでも完全な怒りの目だと。
皆すら判る程だった。
ゼスは皆を…
完全な怒りの目で全員に向いてから怒鳴った。
「今から全てを全員に言う!!
今回の事、その全てはクソくだらねぇ理由のみ!!
確実にユアナだけだったとなぁ!!
またユアナにと…
最初は身体じゃねぇ!!
『洗脳』する為にと、それをする為だけの理由だぁ!!
俺が前にも言っただろう!!
ユアナは最初にだぁ!!
その洗脳は『判らない事』だとなぁ!!
だが俺と、皆との時間で…
その『洗脳』が消えてるからこそ…
あんのクズ共は同じ事を。
また『新しい洗脳』をとユアナにだぁ!!
それをする為だけの理由で動いただけだとなぁ!!
時間すら使ってクズ共が動くだけ。
そんなクソくだらねぇ理由だけにと。
他の仲間すらも事前に根回しをしてからだぁ!!
ユアナにと…
また『新しい洗脳』をする為だけに動いた事!!
だから俺が動けない様にする為にと…
全部の各国には俺の指名手配を!!
更にユアナには報償金として表を塞いだ。
約1ヶ月使って各国全部を含めてと…
クソみたいな単純な理由だぁ!!
ユアナだけを狙ってした独占欲のみ!!
各国の軍部や上にと全て根回しをしてから…
『ユアナを狙った』だけ!!
その為にだけに裏側すら各国にと手配しやがった…
どんだけイカれたクズ共だぁ!!」
もう完全にゼスは我慢が出来なかった。
また目を閉じてユアナを考える。
思い出すからこそ余計にだった。
ゼスは目を閉じたまま言った。
「あんな事すら言ってた理由もだが…
どれだけ長く…
皆にと言ってなかった事がある。
それはユアナが、俺に一度だけ言った言葉だ。
そのまま俺が、皆にと言うぞ?
『嫌な事も…
恐い事も…
痛い事も…
迷う事も…
何もない。
私が困ったり…
失敗しても怒らない。』とだぁ。
更にだった…
これは俺だけじゃねぇ!!
皆にもだった言葉もある!!
ユアナが言ったんだ!!
『今まで誰も同じ。
同じ目でしか私を見ない。
同じ事しか言われない。
でも優しいのは判るのに…
判らないと言っても私の為だと。
それしか言わないけれど。
でもゼスや、ここに居る皆達だけ。
楽しいと…
嬉しいと…』となぁ。
ユアナが俺らと関わってから…
たかが約1ヶ月程度だぞ?
それなのに…
俺がだ。
あの3日間でと、どうにか助けた事にすらだった!!
だからこそ、もう俺は許せない!!
ユアナがだぁ!!
俺にと一度だけ言った事を!!
そのまま言う!!
『だから、あの時もゼスの言葉をと。
必死で頑張っても…
全て諦めた後も唯一、思った事も…
ゼス達は無事に逃げて欲しいと。
もう私の事なら良いからと。
それすら助けてくれたのはゼスと。
ここに居る皆達だけだった。』
と言った…
俺にと言った、あの言葉で充分過ぎた…
こんな事を…
どんだけ、ずっと…
ユアナが傷付いて泣いてたんだぁ!!」
皆が衝撃を受けた。
首領の言葉…
それをユアナが言った言葉の理由にと。
すぐに理解も出来たからだった。
ゼスは更に、そのままで怒鳴った。
「ふざけんじゃねぇ!!
何が『ユアナの為』だとぉ!?
何も考えてねぇからこそ!?
だから『洗脳』だろうがぁ!!」
だが、ゼスは事前にと…
ユアナに言った言葉があればと。
どうにか落ち着こうもする。
目を開けて皆にと、また大きく言った。
「俺が事前にと『予防』はした!!
だから命だけはユアナ自身が…
また堪え続ける状態だぞ!!
ユアナの性格なら…
俺らの事すらも庇い続けるだけになる!!
だが、すぐには新しい『洗脳』は出来ない筈!!
もう俺らがユアナを助けるんだぁ!!」
皆にと既にゼスは『ヤラリス侯爵家の内情』も…
通達してた事でもあった。
救出時にと、その時点で全員には知らせてた事実でもある。
皆が知ってるからこそユアナを受け入れながらも接してた…
けれど仲間として以上に思う事もあった。
それは皆がユアナの笑顔を見た、知った、それから…
首領や自分達にとも…
接する中にあった優しさに気付いてた。
そのユアナがと…
さっきの首領から聞いた言葉は余りにも衝撃過ぎた。
だからこそ、もう皆すら許せないだけだった。
そして首領が怒るのも当たり前だと!!
皆が全員、同じ意思でユアナを考える。
またゼスは冷静にと目を閉じた。
ユアナをと考えながら予測をし始める…
既に盗賊団が…
裏側の全てが、もう必ずと!!
『ユアナの救出』をと。
ゼスを中心にではあるが…
纏まり考えて行動を決めた…
ゼスが側に居るけれど…
普段と違うだけでもなかった。
毎日の様にと皆が走り回って…
そして常にゼスが全部に対応してた。
ずっと…
今日もだった。
それぞれ皆が広場にと走り込んで来る。
それにとゼスが指示を出してた。
「首領!!
駄目だったぁ!!
コード1、2、4、6、7、8、9、10もだぁ。
先に正規軍が。
それから首領の事前にあったやつ!!
避難ルート、パターン44状態!!」
「チッ。
だったら全部に緊急連絡パターン45だぁ!!」
「了解!!」
ゼスが舌打ちをして指示を出して…
広げた大きな地図を見てたけれど。
また皆が走って…
でも…
「首領!!
コード5から僅かにだぁ!!
避難ルート、パターン44状態に!!」
「すぐにコード5から内容だぁ!!」
「緊急連絡パターン22、29だけ!?」
「チッ。
コード5にと出せ!!
緊急連絡パターン45!!」
「了解っス!!」
「首領!!
ヤバ過ぎぃ!?
コード3、11、13、17がだぁ!?
最後の緊急連絡パターン21でと…
各国の正規軍で合流地点にだぁ!!」
ゼスが驚いた顔で言う。
「何だと!?
まさか!?」
凄く慌てながらも若い団員が言った。
「一応、生きてるけど!?
皆が首領を。
内偵したら正規軍の狙いも判ったぁ!!
首領と…
言えねぇ事でのだったぁ!!」
「おぃ…
待て!!
生きたままでか!?」
「そうだぁ!!
あんのイカれたクソ共が根回し!!
許せねぇ!!」
「チッ。
どんだけ…」
ゼスが大きく地図を叩いた。
「もう判ったぁ!!
今から残り全コードにだぁ!!
すぐに緊急連絡パターン45を出せ!!」
若い団員が驚きながら言った。
「首領!?
それだと…
首領がヤベェ!?」
ゼスが大きく怒鳴った。
「馬鹿野郎がぁ!!
これ以上、仲間をかぁ!!
もう俺が出る!!
そして動ける全員に避難ルート。
パターン31だぁ!!
それから合流地点はパターン9!!」
「クソ!!
すぐに!!」
若い団員が悔しそうな顔をしてから走って行く。
私がゼスを見ると…
「やはりか…
既にと。」
目を閉じたままゼスは…
立ち上がって武器も持った。
それでも目を開けず…
右手を口元に当ててた。
もう私は…
あんなに必死な皆やゼスを見てられない。
どうにか私もゼスに言う。
「ゼス…
判らないけれど…
私なら…」
すぐにゼスは目を閉じたまま首を振ると言った。
「ユアナ。
忘れるなと。
既に言った筈だぞ。
俺も諦めないと…」
そんな時に、まただった。
「首領!!
あり得ねぇ!?
ヤベェ!!
何だってんだぁ!?」
それにすら、すぐにゼスが目を開けて大きく言う。
「馬鹿がぁ、内容だ!!」
団員の一人が明らかに…
驚くよりも混乱してる様子が私にすら判る。
「それが…
いや、俺も!?
マジで判ねぇんだぁ!!
村が!?
一番近い村から?
これは順番なのかぁ!?
既に二つ!?
俺も全く判んねぇ!?
俺らだけじゃねぇの!?
何だってんだぁ!?」
またゼスが凄く驚いた顔でだった。
「まさか…
裏以外もか!!」
「多分?
内偵中にも見たけど!?
何があった状態!?
完全に!?」
ゼスが剣を地面に刺してから怒鳴った。
「クズ共がぁ!!
完全にイカれやがったかぁ!!
既に残り全コードにと出してある。
緊急連絡パターン45をだ!!
もう全員にと合流地点はパターン9だぁ!!」
その団員すらも驚きながら言った。
「な、それだと首領!?
首領もヤベェよ!!」
「すぐに行けぇ!!」
「クソッ…
了解…」
団員が悔しそうに言ってから走った。
ゼスは大きく息を吐き出しながら言う。
「ユアナは俺から離れるなよ?
今から俺が直接にだ…
移動もする。
だが、これは…」
私は首を横に振る。
下を向いて何も言えなかった。
「ユアナ…
俺が居れば皆を守れる。
それに一番危険なのは…
ユアナが俺から離れる事だ。」
私は少しだけゼスを見ると…
少し笑ってた。
そんなゼスにと私は迷うけれど。
ゼスの側に行く。
そのまま私を簡単に抱えて移動も始めた。
私も考える。
一体、何が…
それにゼスが…
皆も…
**************************
一方、アランとリアン。
既に帝国軍部を連れて国境付近に居た。
「アラン。
ルート3の方は?」
「全く問題ない。
予定通りだ。
それに予測すると、リアン。
ルート7だ。」
二人共に行動しながら指示を出し続けてた。
「アラン?
村の住民へと避難済みだな?
ならば残りも全て問題ないが。」
「リアン。
勿論だ、住民には帝都内部で保護してる。
被害すら何もない。
だが、裏側に関しては各国の処理だ。」
リアンは少し笑って言う。
「判った。
計画通りだな。
罠にだぞ、アラン。」
アランも少し笑って言う。
「そうだな。
表側には全て対策すらしてる。
これで明日、首領がだぞ。
リアンも準備済みだな?」
「あぁ、問題ない。
使うのは重罪人のみだからな。
皇帝の許可済みだ。」
確認をしてからアランは帝国軍部の一部にと。
また指示を出した。
「第5部隊長。
盗賊団の首領をだぞ?
各国すらも帝国に期待されている。
予定通りに始めろ。
そして第1部隊はリアンとだ。」
それぞれ各部隊長が敬礼してから移動もする。
リアンも確認してからと、また指示を出す。
「第1部隊は俺とだ。
他の部隊も計画通り。
アランの指示で待機だ。」
帝国部隊は500人だった。
各部隊が100人の精鋭でもある。
二人の計画通りにと動かしてた。
「リアン。
時間を間違うなよ?」
「あぁ、判ってる。
アランもユアナをだぞ?」
二人共に目を合わせて頷く。
そして動いた…
**************************
私はゼスと一緒に行くと皆も既に居た。
夜だったのもある。
だから余計に私は何も判らない…
「首領!!
良いのか!?
だけど!!」
側に居たゼスは僅かに見えて微妙な顔で言う。
「あぁ、罠だろうな。
だが、これ以上の被害も出せん。
皆、判ってるな?
俺の通達した通りだ。
可能性は高い…
今から合流地点の変更も不可能だ。
それよりも何を仕掛けるかだろうが…」
私は何も言えず。
ゼスと皆で移動した先で見た。
その光景が余りにも衝撃的だった…
「どうして…
何が…」
小さな村が…
火事でもあったのかすら判らない…
けれど、もう全てが火で包まれてた。
私は初めて見た。
暮らしてた様な村人達が…
こんな火の中でと…
それぞれが武器を持って争ってた。
悲鳴すらも多く聞こえてくる。
血だらけで動かない人達も…
武器で攻撃されて倒れる人達も…
既に燃えた様な人達も…
あんな状態なら…
もう…
ゼスの焦る様な声が聞こえた。
「これは…
ユアナ!?
駄目だ、こんなのを…
ユアナは見るな!!
全員村人じゃない!!」
それでも私は衝撃的過ぎた。
でもゼスが皆にと大きく言ったのも聞こえた。
「すぐに全員もだ!!
この村から離れるぞ!!」
私は驚く。
「ゼス?
どうして…
でも村人が…」
ゼスの焦る様な声を聞いた。
「違う!!
ユアナ!?
ここに居るのは村人じゃない!!
帝国民でもない罠だ!!」
私には判らなかった。
でも急に帝国軍が現れたのが見えた。
不思議に思いながらも私が見てると…
帝国軍は村にと一気に入って行った。
そのまま私が帝国軍を見てると…
リアン兄様が軍の中にと居たのに気付いた。
「リアン兄様?
帝国軍がと…」
判らないけれど私がそのまま村を見てると…
今度は帝国軍が村に消火活動をしながら…
村人達の誘導もしながら助けてる様子だった。
「これは…
そうか!?
ユアナにと!!
わざとか!?」
ゼスの声が聞こえた。
その時、一気に何かがゼスや皆の方にと。
何かが飛んで来たのが僅かに見えた。
それすらもゼスや皆は武器で弾いた様に見えた。
声だけは私にもハッキリと聞こえる。
「首領!!
囲まれてるっぽい!?」
「首領!!
帝国軍だ!!」
「チッ。
皆は身を守って合流地点パターン2へ行け!!
この狙いは…」
私は皆が弾いた…
地面に落ちてる物を見た。
弓矢?
判らない…
それから村の反対側からも帝国軍が現れた。
その中にとアラン兄様が居たのにも気付いた。
「アラン兄様が?
どうして…
軍にと?」
私が見てるとアラン兄様が剣を掲げて大きく言った。
「帝国全軍に告げる!!
極悪人である盗賊団の首領を捕縛せよ!!
そして『拉致』される我が妹を!!
ヤラリス侯爵家の『最愛』でもある。
ユアナを『救出』せよ!!
狙うのは首領だけで良い!!
他は『帝国民を助ける』事だ!!
既に村を三つも崩壊させた元凶でもある!!
極悪人達、盗賊団ならば首領のみ!!
更にヤラリス侯爵家の『ユアナを最優先』にだ!!」
私をと?
アラン兄様がと?
救出と?
他も助けると?
そう言ってから帝国軍が一斉に動いた。
半分は村にと、残りが私達の方とだった。
ゼスの声、皆の声が聞こえる。
「やはり…
これはユアナにと!!
わざと、した事かぁ!!
その為だけに…
皆は早く合流地点へ行けぇ!!
俺はユアナをだぁ!!」
「首領!?
でも…
これは軍すらも変だぞ!?
動きが首領でもねぇ!!」
「判ってる!!
狙いは完全にユアナだ!!
俺も行くが先にと…
お前達は行くんだぁ!!」
もう私には何も判らない。
またアラン兄様の大きな声を聞いた。
「ヤラリス侯爵家のユアナをだ!!
帝国全軍に告げる!!
すぐに極悪人達から『解放と救出』だ!!
そして我が帝国民すらも守るんだ!!
各国の諸悪である首領からと!!
必ず『救出』するんだ!!」
皆も動いてるのは判ったけれど。
暗くて私には余り見えない。
「全軍、聞け!!
援軍も来てる!!
半数は『帝国民の救出』を続けろ!!
残りの半数はヤラリス侯爵家の『最愛』を!!
ユアナの『救出』をしろ!!」
リアン兄様の声が村の方から聞こえた。
そんなリアン兄様すらも更に大きく言った。
「ヤラリス侯爵家からと。
『奪った』最愛のユアナをだ!!
諸悪である首領からと。
最優先で『救出』するんだ!!」
極悪人達と?
ゼス達は違う!!
でも村人を救出してるのは帝国軍…
私がゼスの方を見ると…
全ての弓矢を弾いてる様だった。
これは…
もしかして全部…
私が…
だからゼスも…
皆も…
そんな中で皆は移動もしながら弓矢を弾くのに…
ゼスだけは動かずに弾いてる様子に見えた。
私が居るから…
ゼスだけが!?
だから私は大きく言った。
「ゼス!!
逃げて!!
私が居たらゼスまで!!
ゼスは違うのに…
私の、せいで…
このままだとゼスも!!」
ゼスが僅かに反応した様だった。
暗くて良く見えない中でも声だけは聞こえた。
「ユアナ!?
騙されるなぁ!!
盗賊団すら居ないのに…
なぜ既に村に火がある!!
言葉でと誤魔化されるなぁ!!」
それに私も疑問は浮かんだ。
村に火…
私が考えるよりも先にと。
すぐにアラン兄様の声も聞こえた。
「返して貰うぞ…
悪人の盗賊団、首領ゼス!!
これ以上…
最愛の妹を『惑わせる』な!!
悪人のせいでなど…
俺達から最愛の妹を『奪う』な!!」
何かが打つかる様な音も聞こえた。
「チッ。
本当にイカれたクズ共が…
わざとだろうがぁ!!
この村人達は…
帝国民でもないだろうがぁ!!」
ゼスの言葉をと。
私も疑問をと。
どうにか考え様としてる時。
リアン兄様の大きな声も聞こえる。
「今すぐに最愛の妹を返せ!!
極悪人達の首領ゼス!!
俺達の最愛でもある妹をだ!!
これ以上『欺く』な!!」
暗くて余り見えない私は動けなかった。
更にと急に全く何も見えなくなる。
一体、何が…
考えるけれど判らない。
だから咄嗟に私は叫んだ。
「ゼス!!」
「ユアナ!?」
ゼスの声が!?
何も見えないけれど。
さっきまで居たと思うゼスにと…
私もに手を伸ばそうとした。
それよりも先にリアン兄様の声が聞こえた。
「ユアナ…
もう安全だ。
悪人達にと『騙される』な。」
何か香りがして、それには私でも判った。
これは前の時と同じ!?
またゼスと!?
「チッ。
このイカれたクズ共がぁ!!
またユアナをと!!」
ゼスの声も聞こえた。
凄い眠気が私にと襲ってくる。
どうにか抗う。
見えない、判らない、それでもと…
私は僅かにしか言えなかった。
「ゼス、助け…」
眠気にと必死で頑張っても無理だった。
何も判らないまま私は眠った…
**************************
ふと私が目を覚ました時。
しばらく、そのまま動けなかった。
それから少し経ってから気付いたのもある。
私の自室だと…
起き上がらずに思い出しながらも考える。
でも…
何が起こったのかも判らない。
ふとゼスも思い出した。
もしかして…
また私は捕まったの?
そこで私は身体を起こした瞬間。
「あぁ、おはよう。
俺達の大切なユアナ…」
声にと私は驚いて見ると…
アラン兄様が居た。
とても優しい笑顔だった。
私は徐々にと思い出したのもある。
あの燃えた村や人達を。
それに…
あんな惨劇な光景も…
すぐに私は首を振った。
あんな事を、どうして…
帝国軍に居たアラン兄様の姿…
リアン兄様も居た姿…
私は身体を起こしたけれど。
動けなかった。
「良かった…
ユアナを救い出せた。
どうしても見つけられずにと。
時間が…
あんな危ない場所からと…
本当に助け出せて嬉しいよ。
俺達の大切なユアナ…」
ドアの側で壁に背を。
そのまま動かず…
アラン兄様が優しく言ってきた。
けれど私は普段とも違う様な事には判った。
首を傾げながら私は言う。
「アラン…
兄様?」
そんなアラン兄様は全く動かなかった。
ただ優しく笑って言ってくる。
「ユアナ…
すぐにリアンも来るよ?
前は混乱させてしまったからね。
ユアナは悪人を知らないのに…
混乱させてしまっただろう?
その時よりも今回は長かった…
だから今は俺から先にとかな。
まだ動かないで側に居るだけにと。
でも、もう大丈夫だよ?
ユアナも…
混乱する前に良く考えてごらん?
無事で本当に良かった。」
私は驚く。
動かないと?
大丈夫と?
混乱する前にと?
そこで私は時間を見ると。
朝の7時なのも判った。
更にと部屋を見渡す…
すぐに気付いた事にも驚きながら言う。
「アラン兄様…
柵が…」
私は出窓の方を見れば…
前にあった柵もない。
「あぁ、簡単だよ?
ユアナを守る為だったのに…
柵すら意味がなかっただろう?
ユアナが狙われてるのも判ってた…
だから今更、そんな柵は不要だろう?」
驚くけれど違和感も残る。
それから私はアラン兄様の方を見ると。
ドアの側にと…
今までなかった筈の簡易的なベッドがあった。
今度は私が首を傾げて、それを見てると…
「大丈夫だよ、ユアナ…
このベッドなら俺達しか使わないよ?
ユアナは、いつものベッドで良いからね。
狙われてるのを知ってたのに…
俺すらも、まただった。
だからドアも窓も。
ただ、前と同じに戻しただけだよ。
しばらくユアナが落ち着くまではと。
俺達からも近付かないけれど…
だからユアナには先にと安心をと。
それでも狙われてるのも事実だから…
俺達の大切なユアナを守る為にと。
これは置いただけにもなるかな。
ユアナを…
とても『心配』してた。
無事だった事でも充分過ぎる…」
アラン兄様の違和感にと考えた時。
ゼスに言われた疑問も浮かんだ。
僅かに思い出す…
村の火の事もだった。
どうにか私も言う。
「私をと…
アラン兄様がと?」
私がアラン兄様を見ると優しい笑顔で言う。
「勿論だよ。
俺達はユアナだけを愛してる。
それを『心配』するのは普通だろう?」
「心配と…
アラン兄様が?
私にと…」
そこで私はゼスを思い出すのと同時だった。
目を閉じて私は考える。
確かゼスが言ってた事。
私が思い出した事でもあった。
ゼスが事前にだと言ってた!!
あの時は…
凄く大切な事だと。
だからこそ先にと。
目を閉じたまま私はゼスの言葉をと。
全て思い出そうとした。
『本当の悪人ってのはなぁ。
どんな手段すらも笑ってする。』
それはアラン兄様がと?
本当の悪人だと?
あの村の火も…
ゼスが言ってた通りに変でしょう?
だったら、どうして?
ずっとゼス達は私と一緒に居たのにと?
それなら…
あんな火すらゼス達が出来る筈がない!?
どんな手段すらもと?
まさか…
『そう言う悪人ってのはなぁ。
必ず笑ってユアナを騙して近付いてくる。
そして誤魔化すんだ。』
確かにアラン兄様は笑ってる?
騙してと?
誤魔化すと?
『笑って、優しく、徐々にと嘘を言いながら…
必ずユアナに近付いて誤魔化しながら騙す。
それが本当の悪人だ。
だから外見や言動でと、ユアナ。
騙されるな。』
徐々にと?
私に近付いてくると?
もっと私はゼスの言葉を思い出す。
『今のユアナは狙われてるんだ。
だから笑って、騙して、誤魔化して…
必ずユアナにと近付いてくる。』
アラン兄様は笑ってる…
けれど…
ずっと私の側には居る?
『先にと俺がユアナに教える。
もしユアナを騙して近付くなら…
ユアナにと言う言葉。
それは最初に心配する言葉を。
そして謝罪の言葉を。
それから偽りの自由を。
更に見たくもない悪人をだ。』
最初に心配する言葉と?
今…
アラン兄様が言った?
私は目を開けてアラン兄様を見ると…
確かに優しく笑って私を見てるけれど。
でも…
最初に出した言葉は心配だった。
まさか…
本当の悪人ならと?
ゼスが言った通りなら多分…
次は謝罪の言葉を?
考えながらも私がアラン兄様を見てると。
優しく笑ったまま動かずにと。
アラン兄様が優しく言ってきた。
「ユアナ?
どうしたのかな?
俺が愛してるユアナをだ。
心配するのは当たり前だろう?」
「それは…」
私は途中で言うのを止めた。
また私は目を…
すぐに閉じてゼスを思い出してた。
『俺が今、ユアナに言った言葉。
それを誰にも言わず。
考えるだけで良い。
言えば更に危険になるのはユアナだ。』
ゼスの言葉をと。
だから言わない事と。
考えるだけでと…
私を?
アラン兄様が狙ってると?
だったら次…
それを本当に…
ゼスの通りなら…
アラン兄様は…
目を開けて私はアラン兄様を見る。
その優しい笑顔も何も変わってなかった。
けれど優しい声でと私に言ってきた。
「ユアナ…
助けるのが遅くなって、すまなかった。
長く悪人の中にと居ただろうから…
混乱してるだろう?
俺もリアンも、ずっと心配してたよ…
それに前も、そうだった。
俺達が更にユアナを困らせたと思う。
だから『許して』欲しい。」
私は驚く。
ゼスが言った通りだったのもある。
僅かに私は首を振って目を閉じた。
ただ、もう私はゼスだけを考えた。
必死に思い出すのもあるけれど。
身体が勝手に震えてくる。
『それから偽りの自由を。』
もう…
私にも判った。
お兄様達が…
あの村や人達にとした事だと…
だからこそ私をと?
狙ってると。
その為に柵も…
ドアも…
でも逃げられない様にと。
簡易ベッドを私の部屋に置いてると。
恐い…
私はゼスだけをと…
『本当の自由を。
本当に愛する者をだ。
それを探すと。
ユアナ自身が言った事だ。
ユアナの本心だったからこそ出たんだ。』
もう必死にゼスの言葉をと。
私は目を閉じたまま何度も思い出す。
『そして忘れるな?
俺も絶対に諦めねぇぞ?
必ずユアナをだ。』
『そしてユアナ。
もし逃げられなくても…
生きる事だけしてくれ。
そして諦めるな!!』
私もゼスに言った。
諦めないと。
頑張ると。
『騙されるな。
そんな者はなぁ。
絶対にユアナが心から求めてる者でもない。』
そう、私もゼスにと!!
私も信じると言った!!
だったら私はゼスを!!
ゼスが、そうだった…
言ってた事もある!!
『本当にユアナを愛してる者がする行動がある。
それはなぁ。』
どうにか私は目を開けてアラン兄様にと言った。
「ねぇ?
アラン兄様?
一つだけ…
聞いても、良い?」
さっきと僅かに表情が変わった気もしたけれど。
でも優しく笑ってアラン兄様が言った。
「あぁ、勿論だよ?
ユアナの疑問になら…
何でも答えるよ?
そして教えて良い。」
私は恐いのもあるけれど。
確認の為にと考えながらも言う。
「アラン兄様も…
リアン兄様も…
私を愛してると?
言うでしょう?
だったら、一つだけ聞きたいの。
それは…
愛してる私にと…
何を望むの?
本当に私を愛してると思うなら…
私にと…
アラン兄様は…
どう、思ってるの?」
アラン兄様が凄く驚いた顔をした。
すぐに目を閉じた。
それから目を開けたアラン兄様は優しく笑った。
優しい声でと私にと言ってきた。
「それはユアナにと…
安心して、俺を信じて…
愛してくれる事を望むだけだよ?
そしてユアナをと。
俺は困らせたくないと思ってる。」
「そう…」
私は僅かにしか言えなかった。
けれど確信もした。
アラン兄様は…
私を本当に愛してる者ではない!!
すぐに目を閉じてゼスと思い出す。
本当に私を愛してる者がする行動…
それは…
笑ってて欲しいと。
楽しそうにする姿をと。
見れるなら充分だと。
そう思ってる者と。
アラン兄様は『全てが違う』なら、きっと…
私は目を閉じたまま必死にゼスを思い出す。
だからこそ狙ってると?
騙してと、誤魔化してと?
そして油断するのをと?
恐い…
また私は必死に思い出す。
あの楽しく笑うゼスを、皆を…
けれど思い出すだけでもと…
それから目を開けて私はベッドから降りた。
外を眺めながら思った。
きっとゼスなら…
私は信じるとも言った!!
それまで頑張ると…
だから私は『ゼス』を信じる!!
**************************
一方、ゼス。
既に帝国地下での内部に居た。
皆にと指示を出して動いてた。
そんな皆もだった。
全員が合流後も必死に動く。
更に他国までもと。
今回の事でと…
全ての仲間すらからも報告がくる。
そして全ての情報が入ってくる中でもあるが。
それでもと…
ゼスは指示を出してた。
皆も同じで必死にユアナをと!!
そう思って行動してた。
ゼスは情報も纏めながら指示を出すが…
「首領!!
駄目だったぁ!!
表側の情報網が全滅だぁ!!
しかも信じられねぇ!?
あり得ねぇ!!
もう俺すら許せねぇだけだぁ!!
あんのイカれたクズ共!!
皆が捕縛済みでと!?
その上に、あんな事は…
もう、ただの拷問だぞぉ!?」
「首領!!
ユアナは侯爵邸って判ったぞ!!
でも全部変わってる!?
どうやったかも判んねぇ!?
これは内部なのかぁ!?
全部の構造が変わってるっぽい!?
使用人すらもだぁ!!」
「首領!!
どうにか確認したぞぉ!!
あの村や周辺の帝国民!!
首領の言った通りだったぁ!!
あれは多分…
捕まってた罪人か!?
それを使ったんだ!!
演技でとして、それをユアナにと…
こんなのを、わざと見せてだぁ!?
あんのクズ共が騙してるだけだぁ!!」
それを聞いて更にと…
もうゼスは完全に怒りが湧くだけだった。
皆の前で怒鳴った。
「一度、黙れぇ!!
俺すら居たのに…
帝国軍まで約500人も使って…
あんのイカれたクズ共がぁ!!
最低な罠を…
わざとユアナに見せてだとぉ!!
あんな事すら…
俺は絶対に許せねぇだけだぁ!!」
どうにかゼスは目を閉じて右手を口元に当てる。
予測する為にとユアナを考える。
すぐに予測も出来た上に…
思い出す事も多かった。
そう、捕まった時に見せた手を…
更に最後の言葉も…
『ゼス、助けて』と。
それだけでもなかった事も…
大きく息を吐き出してからゼスは目を開けた。
けれど、もう…
それだけでも完全な怒りの目だと。
皆すら判る程だった。
ゼスは皆を…
完全な怒りの目で全員に向いてから怒鳴った。
「今から全てを全員に言う!!
今回の事、その全てはクソくだらねぇ理由のみ!!
確実にユアナだけだったとなぁ!!
またユアナにと…
最初は身体じゃねぇ!!
『洗脳』する為にと、それをする為だけの理由だぁ!!
俺が前にも言っただろう!!
ユアナは最初にだぁ!!
その洗脳は『判らない事』だとなぁ!!
だが俺と、皆との時間で…
その『洗脳』が消えてるからこそ…
あんのクズ共は同じ事を。
また『新しい洗脳』をとユアナにだぁ!!
それをする為だけの理由で動いただけだとなぁ!!
時間すら使ってクズ共が動くだけ。
そんなクソくだらねぇ理由だけにと。
他の仲間すらも事前に根回しをしてからだぁ!!
ユアナにと…
また『新しい洗脳』をする為だけに動いた事!!
だから俺が動けない様にする為にと…
全部の各国には俺の指名手配を!!
更にユアナには報償金として表を塞いだ。
約1ヶ月使って各国全部を含めてと…
クソみたいな単純な理由だぁ!!
ユアナだけを狙ってした独占欲のみ!!
各国の軍部や上にと全て根回しをしてから…
『ユアナを狙った』だけ!!
その為にだけに裏側すら各国にと手配しやがった…
どんだけイカれたクズ共だぁ!!」
もう完全にゼスは我慢が出来なかった。
また目を閉じてユアナを考える。
思い出すからこそ余計にだった。
ゼスは目を閉じたまま言った。
「あんな事すら言ってた理由もだが…
どれだけ長く…
皆にと言ってなかった事がある。
それはユアナが、俺に一度だけ言った言葉だ。
そのまま俺が、皆にと言うぞ?
『嫌な事も…
恐い事も…
痛い事も…
迷う事も…
何もない。
私が困ったり…
失敗しても怒らない。』とだぁ。
更にだった…
これは俺だけじゃねぇ!!
皆にもだった言葉もある!!
ユアナが言ったんだ!!
『今まで誰も同じ。
同じ目でしか私を見ない。
同じ事しか言われない。
でも優しいのは判るのに…
判らないと言っても私の為だと。
それしか言わないけれど。
でもゼスや、ここに居る皆達だけ。
楽しいと…
嬉しいと…』となぁ。
ユアナが俺らと関わってから…
たかが約1ヶ月程度だぞ?
それなのに…
俺がだ。
あの3日間でと、どうにか助けた事にすらだった!!
だからこそ、もう俺は許せない!!
ユアナがだぁ!!
俺にと一度だけ言った事を!!
そのまま言う!!
『だから、あの時もゼスの言葉をと。
必死で頑張っても…
全て諦めた後も唯一、思った事も…
ゼス達は無事に逃げて欲しいと。
もう私の事なら良いからと。
それすら助けてくれたのはゼスと。
ここに居る皆達だけだった。』
と言った…
俺にと言った、あの言葉で充分過ぎた…
こんな事を…
どんだけ、ずっと…
ユアナが傷付いて泣いてたんだぁ!!」
皆が衝撃を受けた。
首領の言葉…
それをユアナが言った言葉の理由にと。
すぐに理解も出来たからだった。
ゼスは更に、そのままで怒鳴った。
「ふざけんじゃねぇ!!
何が『ユアナの為』だとぉ!?
何も考えてねぇからこそ!?
だから『洗脳』だろうがぁ!!」
だが、ゼスは事前にと…
ユアナに言った言葉があればと。
どうにか落ち着こうもする。
目を開けて皆にと、また大きく言った。
「俺が事前にと『予防』はした!!
だから命だけはユアナ自身が…
また堪え続ける状態だぞ!!
ユアナの性格なら…
俺らの事すらも庇い続けるだけになる!!
だが、すぐには新しい『洗脳』は出来ない筈!!
もう俺らがユアナを助けるんだぁ!!」
皆にと既にゼスは『ヤラリス侯爵家の内情』も…
通達してた事でもあった。
救出時にと、その時点で全員には知らせてた事実でもある。
皆が知ってるからこそユアナを受け入れながらも接してた…
けれど仲間として以上に思う事もあった。
それは皆がユアナの笑顔を見た、知った、それから…
首領や自分達にとも…
接する中にあった優しさに気付いてた。
そのユアナがと…
さっきの首領から聞いた言葉は余りにも衝撃過ぎた。
だからこそ、もう皆すら許せないだけだった。
そして首領が怒るのも当たり前だと!!
皆が全員、同じ意思でユアナを考える。
またゼスは冷静にと目を閉じた。
ユアナをと考えながら予測をし始める…
既に盗賊団が…
裏側の全てが、もう必ずと!!
『ユアナの救出』をと。
ゼスを中心にではあるが…
纏まり考えて行動を決めた…
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