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同僚ですよ
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「……早いな、こういうのって、新人はよく遅刻してくるもんだと思ってたんだが…おまえはちげぇんだな。」
本日、朝五時。
寮母の仕事として、朝食作りをすると聞いていたので、キッチンに行けば……昨日の家庭的な不良とエンカウントいたしました!
そういえば、同僚っぽかったな…いや、彼のほうが長くいるだろうし、先輩だろうか。
「あの、僕は何をしたら……?」
「あ?ああ……そこの玉ねぎ剥いててくれ。シチュー作るから。」
「朝からですか!?重たくありません!?普通卵焼きでは……。」
「うちのやつらは、朝からがっつり食うからな。量を一括で作れるのは、シチューとかそういうのなんだよ。」
「なるほど……。」
納得した私は、たくさんの玉ねぎを剥いたり切ったりしていた。名も知らぬ彼は、材料を鍋で炒めているらしい。近くには、調味料と、まだ切ったりしていない他の具材らしきものがある。これからそれをいれるのだろう。ちらり、と何をいれているのかと覗くと……信じられないものをみた。
「こ、これ……シチューに入れるんですか?」
「?あたりまえだろ、レシピ本にはそう書かれてんだから。ま、うまかねぇけど。飯ってそういうもんだろ?」
「正気ですか!?」
机の上には、胡椒、塩。ここまではいい。タバスコ、明太子、納豆、いちじく……。
「却下です!!なんですか、闇鍋でもしたいんですか!?」
「やみ…?いや、俺らは寮父なんだから、レシピ本通り作んなきゃだろ。」
「料理は過程でなく結果です!!おいしくなって何が悪い!!そしてその具材と調味料はシチューと合いません!!喧嘩しますよ!?」
「もう俺に喧嘩売ってるようなもんだろ……ま、チビがそこまでいうなら、やってみてもいいけどよ。生徒たちにブーイングされたら、少しは庇ってやるよ。」
許可をもらったので、冷蔵庫?らしきところに不適切な材料たちを戻し、玉ねぎをいれ、ほどほどに炒めたところでルーを入れる。
(……なんでルーがあるの?)
1から作る方法は知らないので、ありがたいが。不思議な異世界である。
そして、程よく煮たところで、味見用として、お皿に炊き上がっているふっくらしたご飯を少し盛り、その上からシチューをかけた。先輩は不思議そうにみていた。
「……?どうしたんですか?」
「いや、シチュー、ご飯にかける派だったんだな、と。」
「……僕はこれが一番おいしいと思います。そして、生徒たちに出すのは僕らなんですし、ご飯にかける権利はあります。別々派だろうと容赦しません。」
「なにがおまえをそう掻き立ててんだ…?」
不思議そうな声をスルーし、先輩用の味見を渡す。
香りはとても良く、私の知る匂いだが、はたしてそのお味はいかがだろうか。
それは、先輩と私の反応に託される。
私は、スプーンで、一口食べた。
「おいしい!!」
成功だ。大変美味である。
異世界でもやはりこの美味しさは再現できるのかと感動していれば、となりからも声が聞こえた。
「うめぇ!!は!?そんじょそこらの料理人よりうまいじゃねぇか!こんなん食べれんなら、外食する意味ねぇな……⁉」
そして、ちらり、と私をみた。
「……男だよな。」
おっと、突然性別バレの危機。しかも、そのあとため息をついていた。どういう意図!?
「こんなうめぇ飯作れる嫁さんいるわけねぇよなぁ…そもそも、結婚して家事してくれる女がいるわけねぇか。」
いや、どうやら私が女性でないことに残念がっている様子だった。女性ですけどね!!
それにしても、結婚しても家事をする女性がいないだなんて……そういえば、女性優位の世界だったか。女性は仕事にでもでるのだろうか。
いや、こんな常識で生きているなら、家で好き勝手やってそうだな、この世界の女性は。
「……やめやめ、んなこと考えてても仕方がねぇ、おかしくなっちまったのか?俺。早くガキどもの飯の準備しねぇと……おい、チビ、皿に飯盛るの手伝え!」
突然怒鳴るような大声で指示され、肩が跳ね上がり、反射的にはい!と返事した。
お皿は五十皿ほどあり、盛るのに苦労した。他に寮父らしきひとはいないので、いままでこの人がすべて一人でしてきたのだろうか。
不良っぽい見た目してるけど、苦労人なんだなぁ……。
本日、朝五時。
寮母の仕事として、朝食作りをすると聞いていたので、キッチンに行けば……昨日の家庭的な不良とエンカウントいたしました!
そういえば、同僚っぽかったな…いや、彼のほうが長くいるだろうし、先輩だろうか。
「あの、僕は何をしたら……?」
「あ?ああ……そこの玉ねぎ剥いててくれ。シチュー作るから。」
「朝からですか!?重たくありません!?普通卵焼きでは……。」
「うちのやつらは、朝からがっつり食うからな。量を一括で作れるのは、シチューとかそういうのなんだよ。」
「なるほど……。」
納得した私は、たくさんの玉ねぎを剥いたり切ったりしていた。名も知らぬ彼は、材料を鍋で炒めているらしい。近くには、調味料と、まだ切ったりしていない他の具材らしきものがある。これからそれをいれるのだろう。ちらり、と何をいれているのかと覗くと……信じられないものをみた。
「こ、これ……シチューに入れるんですか?」
「?あたりまえだろ、レシピ本にはそう書かれてんだから。ま、うまかねぇけど。飯ってそういうもんだろ?」
「正気ですか!?」
机の上には、胡椒、塩。ここまではいい。タバスコ、明太子、納豆、いちじく……。
「却下です!!なんですか、闇鍋でもしたいんですか!?」
「やみ…?いや、俺らは寮父なんだから、レシピ本通り作んなきゃだろ。」
「料理は過程でなく結果です!!おいしくなって何が悪い!!そしてその具材と調味料はシチューと合いません!!喧嘩しますよ!?」
「もう俺に喧嘩売ってるようなもんだろ……ま、チビがそこまでいうなら、やってみてもいいけどよ。生徒たちにブーイングされたら、少しは庇ってやるよ。」
許可をもらったので、冷蔵庫?らしきところに不適切な材料たちを戻し、玉ねぎをいれ、ほどほどに炒めたところでルーを入れる。
(……なんでルーがあるの?)
1から作る方法は知らないので、ありがたいが。不思議な異世界である。
そして、程よく煮たところで、味見用として、お皿に炊き上がっているふっくらしたご飯を少し盛り、その上からシチューをかけた。先輩は不思議そうにみていた。
「……?どうしたんですか?」
「いや、シチュー、ご飯にかける派だったんだな、と。」
「……僕はこれが一番おいしいと思います。そして、生徒たちに出すのは僕らなんですし、ご飯にかける権利はあります。別々派だろうと容赦しません。」
「なにがおまえをそう掻き立ててんだ…?」
不思議そうな声をスルーし、先輩用の味見を渡す。
香りはとても良く、私の知る匂いだが、はたしてそのお味はいかがだろうか。
それは、先輩と私の反応に託される。
私は、スプーンで、一口食べた。
「おいしい!!」
成功だ。大変美味である。
異世界でもやはりこの美味しさは再現できるのかと感動していれば、となりからも声が聞こえた。
「うめぇ!!は!?そんじょそこらの料理人よりうまいじゃねぇか!こんなん食べれんなら、外食する意味ねぇな……⁉」
そして、ちらり、と私をみた。
「……男だよな。」
おっと、突然性別バレの危機。しかも、そのあとため息をついていた。どういう意図!?
「こんなうめぇ飯作れる嫁さんいるわけねぇよなぁ…そもそも、結婚して家事してくれる女がいるわけねぇか。」
いや、どうやら私が女性でないことに残念がっている様子だった。女性ですけどね!!
それにしても、結婚しても家事をする女性がいないだなんて……そういえば、女性優位の世界だったか。女性は仕事にでもでるのだろうか。
いや、こんな常識で生きているなら、家で好き勝手やってそうだな、この世界の女性は。
「……やめやめ、んなこと考えてても仕方がねぇ、おかしくなっちまったのか?俺。早くガキどもの飯の準備しねぇと……おい、チビ、皿に飯盛るの手伝え!」
突然怒鳴るような大声で指示され、肩が跳ね上がり、反射的にはい!と返事した。
お皿は五十皿ほどあり、盛るのに苦労した。他に寮父らしきひとはいないので、いままでこの人がすべて一人でしてきたのだろうか。
不良っぽい見た目してるけど、苦労人なんだなぁ……。
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