男子校の寮母さん!

マカロン

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初めましての生徒さん

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「おっはよぉ、もー、お腹空いちゃっ……なにこのいい匂いっ!サクちゃん、料理の腕でも磨いてきたの!?いや、そこらのレストランよりいい匂いだね!?かなり遠くまで修行にいったんじゃない!?」

大食堂で、料理を並べていると、チャラチャラした男の子が、忙しい反応を見せながら、いの一番に入ってきた。


「は?いや、ちげぇよ。チビの料理だ。」
「チビ……?」

首をかしげながら、彼は周りを見渡す。そして、私を視界に留めたらしく、驚愕の表情を浮かべた。目があったので、へらりと笑い、頭を下げる。

「おはようございます。」
「このかわいいこ、ダレーーー!?」

褒められながら絶叫されるなんて初めてである。
ちゃらちゃらしたこに、先輩は新人の寮父だと紹介してくれた。名前まで紹介しているが、なぜ知っているのだろうか。こちらは先輩の名前知らないのですが。

「あ、そうなの……いやこんなかわいいこ、すぐお婿さん候補に選ばれると思うんだけど…寮父ってことは、成人してるんだよね?なんで働いてるの?」

チャラチャラした男の子は、心底意味がわからないとでもいうように眉を潜めた。

「えっ!?あ、いやぁ、お見合い相手が、僕は好みの容姿をしていなかったらしくて……」
「へぇ。まぁ、頼りにはならなそうだもんねぇ……でもま、容姿の好みとかが一致するかは運だし、災難だったね。」

あわてて適当な言い訳をしたら貶されてフォローされた。それが男子高校生の慰めかたなのね、上級テクニックである。

「あ、俺は高等部2年の、朝比奈 薫(あさひな かおる)。薫って呼んでね、新人さん。で、きっと自己紹介してなさそうだから代わりにするけど、君の先輩で口が悪い不良みたいな寮父長は、月影 朔也(つきかげ さくや)。」
(親切な子…!!)

観察眼?推理力?何と言えばいいかわからないが、気が利く子らしい。


よろしくおねがいします、と頭を下げたところで、ぞろぞろ、と生徒たちがやってくる。

みんな、なんだこの匂い!?うまそう!などと驚いてくれている。



しかし、ひと席だけ空いてしまっていた。

寝坊だろうか、と月影先輩に尋ねれば、

『アイツはいつも食事を食べに来ない引きこもりだから、みんなが食べ終わったあとに、部屋の前に料理を置いておくらしい。冷めてしまってもったいないが、そうするしかない、』と首をふりながら教えてくれた。


そうなんですね、と少し気になりながら、納得したふりをして、みんなで朝食をとった。
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