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Mission!引きこもりを部屋から連れ出そう!
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「初日に申し訳ないのだけれど、そろそろ出席日数が危うい生徒がいるから、どうにか連れ出してくれないかい?」
先輩にやり方を教わり、寮の廊下の掃除をしていたときのこと。
ごきげんよう、と紳士的な笑みで私に声をかけたのは、雇い主である校長先生だった。
そして、彼は少し頼みごとがあるのだけれど、と前置きし、私を個室へと案内した。そして、冒頭のようなことを言ったのだ。
「……その、初日にそれはハードル高いのでは…?」
「接近して抱きつけば、思春期の男なんてすぐ堕ちるよ?イッツ色仕掛け色仕掛け!あ、君から触れるのはいいけど、あっちから触れられたり、服を脱ぐのはダメだよ。性別ばれちゃうから。」
「校長先生が、生徒との不純異性交遊進めないでくれません!?というか、そもそもばれちゃダメなら、なんでそう危険を冒させるんですか!?」
「君には男だと思っていても、母性的な雰囲気がある。それは隠そうと思っても隠せない、いわゆる女性特有のフェロモンのようなものだ。
……ならば、それをうまく使って、問題のある生徒を飼い慣らし……懐柔してくれたら、僕はとっても、仕事が楽だ。」
「本音それですか!?」
「僕は、魅力的な女性の前では、いつも正直にいたいと思っている。」
「魅力的……待ってください、昨日私をぼろ雑巾呼びしたこと忘れてませんからね?」
「おっと、手厳しい。
まぁでも、生徒を留年させるのが忍びない気持ちはあるんだよ。だから、君の方からなんとか声をかけてもらえないかい?」
苦しそうに言う校長先生。
しかし、どうにも私だけが頼み綱、と言っているように聞こえる。
「……校長先生は?声かけないんですか?」
「一時期ピンポンダッシュしたりして気を引こうとしてたんだけど……どうやらムカついちゃったみたいでね。
僕の身長体重を把握され、それに該当する生き物は、彼の部屋のドアの前に立っただけで光線銃撃が飛んでくるようになっちゃったんだ。」
「とんだ危険人物じゃないですか!?いや、ある意味天才なのでしょうけど…たぶんネットとか機械で成功するタイプですよ?そのこ…。」
「でも留年させたら、彼は問題アリと見なされて、将来女性とお見合いすらできなくなるかもしれない。しかも、悪い噂が彼の周囲に広がるかもしれない。そんな事態は、生徒を導く先生として、防ぐべきなんだ。」
覚悟を決めたような目で、私を見据える。そんな目でみられたら、しかもイケオジ…頷くしかない。
「……なんとか、やってみます。」
「ありがとう!それじゃあ来週の今日までに、部屋からでて、教室に向かえるように!これ彼の部屋番号だから!よろしくね♪」
「え!?なんか用件増えてません!?しかも変わり身はやっ!?」
スキップしながら去っていく校長先生に、言葉を失う私。
手に握らされたメモには、444、と書かれている。なんだか不吉な数字だ。
しかし、仕事はもう受け取らされてしまった。成し遂げるしかない。日本人あるあるの不思議な責任感を抱え、私は444号室の生徒のもとへ、歩き出すのだった。
先輩にやり方を教わり、寮の廊下の掃除をしていたときのこと。
ごきげんよう、と紳士的な笑みで私に声をかけたのは、雇い主である校長先生だった。
そして、彼は少し頼みごとがあるのだけれど、と前置きし、私を個室へと案内した。そして、冒頭のようなことを言ったのだ。
「……その、初日にそれはハードル高いのでは…?」
「接近して抱きつけば、思春期の男なんてすぐ堕ちるよ?イッツ色仕掛け色仕掛け!あ、君から触れるのはいいけど、あっちから触れられたり、服を脱ぐのはダメだよ。性別ばれちゃうから。」
「校長先生が、生徒との不純異性交遊進めないでくれません!?というか、そもそもばれちゃダメなら、なんでそう危険を冒させるんですか!?」
「君には男だと思っていても、母性的な雰囲気がある。それは隠そうと思っても隠せない、いわゆる女性特有のフェロモンのようなものだ。
……ならば、それをうまく使って、問題のある生徒を飼い慣らし……懐柔してくれたら、僕はとっても、仕事が楽だ。」
「本音それですか!?」
「僕は、魅力的な女性の前では、いつも正直にいたいと思っている。」
「魅力的……待ってください、昨日私をぼろ雑巾呼びしたこと忘れてませんからね?」
「おっと、手厳しい。
まぁでも、生徒を留年させるのが忍びない気持ちはあるんだよ。だから、君の方からなんとか声をかけてもらえないかい?」
苦しそうに言う校長先生。
しかし、どうにも私だけが頼み綱、と言っているように聞こえる。
「……校長先生は?声かけないんですか?」
「一時期ピンポンダッシュしたりして気を引こうとしてたんだけど……どうやらムカついちゃったみたいでね。
僕の身長体重を把握され、それに該当する生き物は、彼の部屋のドアの前に立っただけで光線銃撃が飛んでくるようになっちゃったんだ。」
「とんだ危険人物じゃないですか!?いや、ある意味天才なのでしょうけど…たぶんネットとか機械で成功するタイプですよ?そのこ…。」
「でも留年させたら、彼は問題アリと見なされて、将来女性とお見合いすらできなくなるかもしれない。しかも、悪い噂が彼の周囲に広がるかもしれない。そんな事態は、生徒を導く先生として、防ぐべきなんだ。」
覚悟を決めたような目で、私を見据える。そんな目でみられたら、しかもイケオジ…頷くしかない。
「……なんとか、やってみます。」
「ありがとう!それじゃあ来週の今日までに、部屋からでて、教室に向かえるように!これ彼の部屋番号だから!よろしくね♪」
「え!?なんか用件増えてません!?しかも変わり身はやっ!?」
スキップしながら去っていく校長先生に、言葉を失う私。
手に握らされたメモには、444、と書かれている。なんだか不吉な数字だ。
しかし、仕事はもう受け取らされてしまった。成し遂げるしかない。日本人あるあるの不思議な責任感を抱え、私は444号室の生徒のもとへ、歩き出すのだった。
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