男子校の寮母さん!

マカロン

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女装救助大作戦。

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「ここ、よね……。」

444号室は、まがまがしい印象とは逆に、普通の扉がついていた。光線銃など見当たらない。

一応辺りを警戒するが、普通に一般人なので、気配など探れない。

目に写る問題点などは見当たらないので、こんこん、とノックをする。
インターホンは、万が一を考えて、怖くてやる勇気がなかった。


しかし、ノックをしてもなんの反応も起きない。

まぁ、引きこもりということなので、そんなに簡単にでてくるような相手ではないとはわかっていた。

なので、打開策として、先ほど厨房に寄り、作ってきた香りの良い食事を持ってきている。

(これならどう…っ!?)

……なんの反応もない。そうね、扉開けてもらわなきゃ匂いなんてわからないわよね。

やはり、インターホンで、食事をお持ちしましたと言わねばならぬのだろうか。

おそるおそる、インターホンをならし、食事をお持ちしました、と伝える。

カメラっぽいのがついているので、様子が見えるはずだ。

『……床に置いておいてください。』

耳を震わせる美声が聞こえた。
やっと話してくれた、と思ったが、すぐにまた静かになってしまう。

「ほら、でも暖かいうちに食べたほうが…それに、床に置いたら汚いですし……。」

なんの声も返されない。インターホンは切られているようだ。

(……無理では?)

いや、こんなところで諦められるはずがない。寮母として、暖かい食事を子供たちに食べてもらわねば気が済まぬ。

(たしか、校長先生は、多少かわいくしても、女性が居るって勘づく人は少ないって言ってたものね。)

こうなったら、色仕掛けよ。

準備のために、床に料理を置いてから、一度校長室に向かった。





「ん?あれ、どうしたんだい?」

たくさんの書類を相手している校長先生に、私は女性ものの服をくださいと伝えた。

「……男から、服を送られたいのかい?」

ギラついた目で、そう問われる。
今着てる服もあなたからもらった服のはずだが。どうやら今回は意味が違うようだ。

「なに考えてるんですか!?部屋から引っ張り出すための色仕掛けですよ!」
「ん?あれ、君不純異性交遊反対してなかった?だめだよ本当にしちゃ。」
「あからさまなことをする気はないです。ただ、簡単なワンピースとか、安い服でいいので。」

ううん、と渋るような声がする。
だが、ここで引くわけにはいかない。

自分のために、女性ものの服が手に入ったら嬉しいな、等と思ってはいない。

あくまで生徒のためなのだ。
ええ、もちろん。
うん……いや女性服って着ると気分上がるじゃない?

とりあえず、今考えている計画を話す。
それに納得したように頷き、彼は明日にでも届くから、と手配してくれた。

携帯に触れていたから、ネットショッピングだろうか。

しかし、これでうまく行かなかったら悔しい。いや、これは賭けるしかない。どうなるかは、私次第だ。
ーーーーこの、女装救助大作戦は。



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