男子校の寮母さん!

マカロン

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計画決行!

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次の日の、生徒たちが朝食を取り学校へ向かったあと。

校長先生は、可愛らしいが、上品な服を届けてくれた。しかも、服だけでなく、メイク道具までくれた彼に頭を下げ、私は部屋で着替えた。ウィッグももちろんなしだ。

そして、リビングで待っていた校長先生に、お披露目をする。

「どうですか?似合ってますか?」
「……!素敵だね、とても似合っている。だけど、それを女装として突き通せるかな……。というか、他の男の目に、着飾った姿を見せるのは億劫なのだけど…。どうしてそこまで気合いをいれてしまったんだい?」
「いえ、触られない限りなんとかなります!
それに、せっかくですし思いっきり着飾るべきです!」
「言うねぇ。自信はどこからやら……。まぁ、性別がばれそうになったときは、僕が後でごまかしとくよ。
それに、彼は女性にみだらに触れる度胸はないはずだし、安全か…。」


そうして444号室の部屋の近くまで彼は見送ってくれ、ここから先は僕はいけないから、ここで待っているといった。
私はそこから駆け足になる。

そして、インターホンを押し、何度か強くノックをする。

「たすけてっ!!おねがい、助けて…っ!」

ガタガタ、と今までにない動揺した生活音が聞こえ、扉が開く。

「ど、どうしたんですか…⁉それに、なんで女性が…っ!」
「よし!!お邪魔しますね!!」
「え、はっ!?」

インターホン越しでない美声が聞こえたので、私はすぐさま部屋に上がる。

これでやっと、彼と会話ができるはずだ。

そう思い、驚いているはずの、彼の顔をみる。


「え。」
「っ、見られた…!」

そこにあったのは、ランタンが、頭の位置にある男性。服もなんだか上品さを感じさせ、それが妙にマッチしている。

(異形頭…?)

この世界、こんなこともあるのか。

「気持ち悪いでしょう、怖いでしょう。私の種族はディファレントヒューマル。普通のヒューマルと異なった姿なのですから。」
「いや格好いいと思いますよ…?人間食べたりします?」
「食べませんけど……。」
「なら別に怖くないですよ。」

というか、驚きのほうが勝っている。

こんなに上品な異形頭さん、ピク◯ブでしか見たことない。敬語も合間って、執事とか似合いそうだ。

「……変な人ですね。それにしても、なぜあなたは追われて……女性、なのに、そもそもどうしてこんなところに?あなたは……いえ、名乗りはこちらからがマナーですね。ウィリアム・ジャクソンと申します。ああ、女性に名前を知られるなんて……。」

カァ、と顔を赤らめられる。
照れる要素あったかしら…?と疑問に持ちながらも、自己紹介をしてから、当初から計画していた台詞を吐く。

「じつは、僕女装してて、貴方と話をしたかったんです。寮父です。」
「じょそ…女装!?そんなに可愛らしいのに…いや、たしかに女性がいるはずもないが…でも、女性以外には見えない……だがしかし……私の目は狂ってしまったのでしょうか……。」
「えっ!?あ、いや、校長先生から似合ってるってお墨付きもらってるし、大丈夫ですよ!それが普通のはずです!」

そもそも私女だし、そう見えなかったら普通にショックだ。

「そ、そうですか……それで、話、とは。留年しそうなことですか?それとも……暴力沙汰の件で、退学でしょうか。」

(え。)


そんなこと、校長先生からなにも聞いていない。

どうやら、思ったより複雑なようだ。
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