61 / 86
本編
59.後継たち
その後会議の内容としてはハッキリと決まったものは無かった。しかし父の捜索について各家出来る範囲捜索に加わってくれることを伯父だけでなく他の五家も約束してくれた。今回は後継の顔合わせと、以前よりも後継への引き継ぎ内容をより詳しく明確にしておくことを再確認したって感じかな。
その他の事案は魔王復活の予兆か見極める為に、様子を見て再び五家会議の開催となるらしい。次の開催地は美園の番だと言っていた。
「しっかし後は若いもんでって言われてもな?」
「後継と言っても当主がやる気だから大した引き継ぎもまだですし···」
「···同じ、です」
五家会議が終わると浅霧さんと常磐さんは領地が大分離れている為に長旅の疲れもあってか宿泊場所に先に戻った。満星さんは伯父とこれから厳島領周辺を視察するとのこと。
当主陣から若者の視点でお前たちも話し合え、と残された俺たちはそのまま会議室を借りて今ここに至る。要約するなら次の世代を担う者たちとして親交を深めろってこと。
「すみません、ずっと気になっていたのですが······」
「同じく···」
「うん、律花君はなんで燈夜君の膝に座っとんの?」
三者揃って俺たちを見る。
その通り、俺は今兄貴の膝の上に座っている。なお兄貴は俺の肩に顔を埋めスリスリしてる。なんでかって?俺は勿論抵抗したし、壁際の椅子を取ってこようとしたんだけど兄貴が離してくれなくて──。
「おい、燈夜。いい加減にしろ」
「だって律花が僕のことを燈夜って呼んでくれたんだもん」
「だもんじゃねぇわ、馬鹿兄貴」
先輩にどつかれ、俺に拒まれ、やっと俺を離す兄貴。
···兄貴、ホント父さんに似たんだな。
周りを見ると兄貴を皆、白い目で見てる。
あーあ、早速浮いちゃってんじゃん。
「皆さんには先に言っておきますが僕は律花が賛同するなら僕も賛同するし、律花が嫌がるなら賛同は致しかねますので······あぁ、勿論律花に強要はしないよ?」
「公私混同も良いとこだな」
真面目な顔でそう言う兄貴に先輩は呆れ顔だ。
ようやく開放された俺は壁際にある椅子を取りに行こうと兄貴の膝から降りた。
それを制止する先輩の腕、俺が動く前に先輩が立ち上がりいつの間にか壁際の椅子に手をかけていた。呆然とする俺にその椅子を兄貴の横に置いて座るよう促す。
「······いいの?」
「ん?」
「あ、違っ···ありがとうございます」
「ああ、気にするな」
······危なかった。『兄貴の横でいいのか?』なんて···自分で墓穴を掘るところだった。先輩はポンと軽く俺の頭にその大きな手を置いた。正直、知り合ったばかりの人が多くて初めての場所だから兄貴の横に居させてくれるのは助かる······。
「はあん、成程なぁ。厳島さんが一歩出遅れとんのか···?」
「満星さん俺は律花の気持ちを尊重しているだけだ。貴方にも分かる筈だ······好きな人には負担は掛けたくない、そう言うもんだろ」
「惚れた弱みというやつですね」
「···漢」
す、好きな人とか公衆の面前で言うな!本当はそう言って先輩の胸ぐらを掴んでやりたい気持ちもあるが、精神的にも物理的にも出来る気がしないからしない。兄貴の株は下がり、先輩の株は上がると言う状況だ。
「律花」
兄貴が横から耳打ちする。
······え俺、嫌なんだけど。って顔に出したら兄貴は『都築さんのフロランタン、僕の分もあげる』···って。いやホントは嫌だよ?でもさ、フロランタンだからね?
それに······俺もちょこっと気になるし。
「えーと······。り、龍玄さん?」
「・・・」
「待って、これ息してへんのとちゃう?」
おーいおーいと冗談で先輩の目の前で手を振る満星さん。
······意外と恥ずかしい、な。
それにいつも先輩呼びだから名前とか慣れない。
やっぱりと思いつつ先輩の反応を見れたからまぁ、いっか。
兄貴は自分で言わせたくせにむすっとしている。
まぁ、ここまで来たら言わずもがな。
その後は兄貴と先輩の名前を呼べ攻撃が左右から。何で俺は調子にノって兄貴の策略になんか乗ってしまったんだろう。あれだけ後悔しないようにって思ってたのに。
いつの間にか満星さんは席を先輩に譲り、他のふたりと談笑しながら俺達の様子を鑑賞している。左に兄、右に先輩と挟まれた俺は逃げるにも逃げられないこの状況······見せものじゃねーぞ!!
「んー、それとなーく親父から聞いとるけど···今んとこお家存続厳しいんは美園やんか、···俺は息子居るし浅霧さんも一昨年やっけ?結婚したし、常磐さんはまだ十三やろ?まぁ、浅霧家も常磐家も当主様の年齢考えたら焦るんやろうけど」
「·····十三!?年下!?」
「おぅおぅそっちか」
暫くして二人とも落ち着いてから、話題は改めて自己紹介と後継に選ばれた理由等になった。勿論俺たちの事は両親の一件があった為に周知されていたけど。
満星さんは二十二歳、三歳と二歳の年子の息子さんがいる。
結婚はお見合いのちの恋愛結婚、親バカな一面もありお嫁さんとお子さんが可愛いと満面の笑みで語っていた。
浅霧さんは二十歳、十八歳で後継になり儀式後すぐ結婚した。浅霧さん·····当主様は驚くことに九十一歳と判明した、この世界の平均寿命は八十五歳だから遥かに超えている。また、前後継だった日向さんのお母さんは日向さんが十四歳の時に弟さんを出産した後亡くなり、日向さんが後継となったらしい。
常磐さんに至ってはまだ十三歳。本来後継となる筈であったお母さんは常磐さんを産んで直ぐに行方不明となり、同時にお父さんも失踪。常磐さんはお祖父さんである当主様に育てられた、なお常磐の当主様は最高齢の九十三歳だった。
···複数候補がいた場合に後継は十八歳までに選定される為確かに後継になるのはおかしくないけど······。お祖父さん似の墨色の長い髪を肩の高さで結っていて、その身長は十三歳と聞くが恐らく170cmはあるんじゃないか?俺よりも高い。
「···老けててごめんなさい」
「そんなこと言うたら律花君に失礼やろ?」
「···満星さんの方が失礼ですからね」
年相応に今にも泣き出しそうな常磐さんにそう優しく諭すよう言った満星さん。気にしないつもりでいたのに······やっぱり身長か?顔か?そんなやり取りを見て常磐さんは静かに笑った。良かった、年下虐めにならなくて。
心の中で満星さんに感謝した。
「そんで···他ん家に口出すっちゅうのはマナー違反やけどな、常磐さん···幽楽でええか?幽楽はともかく、美園と厳島は適齢期やん。急かすつもりはないねんけど、正直早う折り合いつけてお家存続も考えた方がええで。···ま、年長者の意見として頭ん中入れといてーな」
「自慢するとちゃうけど俺の場合は嫁との出会いは運命だった······ちゅうんか?······なんやクサイこと言ってる気もするけど、特に弊害もなく嫁と一緒になれたんでそこは幸運やったと思う······子供も順調に作れたしなぁ。お前らが不運とか言ってんのとちゃうで?お前らはお前らで考えてんのやろうし、これから一生を過ごす相手として大事に進めてんのも分かるし、外野がとやかく言うのもおかしな話やからな。俺も本音は言いたないねん······ほんまに難しい問題や」
分かってる、俺がハッキリしないから。
満星さんの言葉は兄貴と先輩に言ってるようにきこえても、中身は俺に対して言っていることは察した。俺だって逃げたい、俺自身が男と結婚するのは嫌なんだ。でも兄貴や先輩が俺の事好いてくれているから、大事にしてくれてるのが分かるから拒めきれなくて······。
急に黙り込んだ俺に気を使うように、話は他の話題へと移っていたけれど俺の頭の中は満星さんに言われたことで頭がいっぱいになって、最後の最後まで話に集中出来なかった。
「まー、だいたい皆仲良うなったんちゃうか?···ちょいとハイテンションで君たちを揶揄ったりしてゴメンなぁ?これから宜しゅうな!」
「······友達?」
「そうですね、私達の代も仲良くやっていけるといいですね」
「美園と厳島は律花君が取り持ってもろて」
な······。
「場合によりますね」
「場合によるな」
「······そこだけ仲良くするなよ」
案の定、二人の声が重なった。
そう言うとこだけ仲良く同じタイミングで反応するのは止めて欲しい。俺だってただでさえ扱いづらい二人を相手にするのは大変なんだぞ···。それに──······ごめん。
「律花?」
「何か言ったか」
「······なんでもない、お腹空いた」
満星さん、浅霧さん、常磐さんと会議室で別れると宿泊先のホテルへと足を向けた。まだ若干満星さんに言われたことを引き摺っている。兄貴や先輩だけじゃない、俺に好意を持ってくれている楼透や千秋の事も···どうすればいい?
皆が大事だから、このままの関係を変えたくない······。
でもそれは好いてくれる皆の好意を無下にしてしまう。
「律花」
「落ち着け」
······え?
とすっ、いつの間にか目の前にいた先輩の大きな胸に額をぶつけた。
···また眉が下がってる、やっぱり俺がハッキリしないから──。
「律花、ゆっくりで良いんだよ」
「無理に今答えを出そうとしなくていい」
思わず俯いてしまった俺の両肩を支え、後ろから兄貴が優しい声色で言う。
ゆっくり振り向いて兄貴の表情を見ると声色と同じく優しく微笑み頷いた。俺はもう一度先輩の顔を見上げると先輩も柔らかく微笑んでいた。
「焦るな、俺たちはいつまでも待つ」
「でも······!」
二人や伯父が父と母みたいにならないとは言えないしいつまでもなんて不可能だ。
期限付きとはいえその間に最悪の事が起こらないとも言えない···。
「僕達は大丈夫、死なないし律花から答えを貰うまで離れるつもりは無いよ。驚いちゃったよね、なんて言ったら律花は安心するかな」
「お前は俺達を甘く見るな。···確かに能力は焔殿には及ばないかもしれないな、しかし自身の力は自分がよく分かっている。お前を守れるだけの力はあると思うが?」
············これだから焦るんだってば。
二人とも、カッコイイから、気持ちが変わっちゃいそうだから──。
その他の事案は魔王復活の予兆か見極める為に、様子を見て再び五家会議の開催となるらしい。次の開催地は美園の番だと言っていた。
「しっかし後は若いもんでって言われてもな?」
「後継と言っても当主がやる気だから大した引き継ぎもまだですし···」
「···同じ、です」
五家会議が終わると浅霧さんと常磐さんは領地が大分離れている為に長旅の疲れもあってか宿泊場所に先に戻った。満星さんは伯父とこれから厳島領周辺を視察するとのこと。
当主陣から若者の視点でお前たちも話し合え、と残された俺たちはそのまま会議室を借りて今ここに至る。要約するなら次の世代を担う者たちとして親交を深めろってこと。
「すみません、ずっと気になっていたのですが······」
「同じく···」
「うん、律花君はなんで燈夜君の膝に座っとんの?」
三者揃って俺たちを見る。
その通り、俺は今兄貴の膝の上に座っている。なお兄貴は俺の肩に顔を埋めスリスリしてる。なんでかって?俺は勿論抵抗したし、壁際の椅子を取ってこようとしたんだけど兄貴が離してくれなくて──。
「おい、燈夜。いい加減にしろ」
「だって律花が僕のことを燈夜って呼んでくれたんだもん」
「だもんじゃねぇわ、馬鹿兄貴」
先輩にどつかれ、俺に拒まれ、やっと俺を離す兄貴。
···兄貴、ホント父さんに似たんだな。
周りを見ると兄貴を皆、白い目で見てる。
あーあ、早速浮いちゃってんじゃん。
「皆さんには先に言っておきますが僕は律花が賛同するなら僕も賛同するし、律花が嫌がるなら賛同は致しかねますので······あぁ、勿論律花に強要はしないよ?」
「公私混同も良いとこだな」
真面目な顔でそう言う兄貴に先輩は呆れ顔だ。
ようやく開放された俺は壁際にある椅子を取りに行こうと兄貴の膝から降りた。
それを制止する先輩の腕、俺が動く前に先輩が立ち上がりいつの間にか壁際の椅子に手をかけていた。呆然とする俺にその椅子を兄貴の横に置いて座るよう促す。
「······いいの?」
「ん?」
「あ、違っ···ありがとうございます」
「ああ、気にするな」
······危なかった。『兄貴の横でいいのか?』なんて···自分で墓穴を掘るところだった。先輩はポンと軽く俺の頭にその大きな手を置いた。正直、知り合ったばかりの人が多くて初めての場所だから兄貴の横に居させてくれるのは助かる······。
「はあん、成程なぁ。厳島さんが一歩出遅れとんのか···?」
「満星さん俺は律花の気持ちを尊重しているだけだ。貴方にも分かる筈だ······好きな人には負担は掛けたくない、そう言うもんだろ」
「惚れた弱みというやつですね」
「···漢」
す、好きな人とか公衆の面前で言うな!本当はそう言って先輩の胸ぐらを掴んでやりたい気持ちもあるが、精神的にも物理的にも出来る気がしないからしない。兄貴の株は下がり、先輩の株は上がると言う状況だ。
「律花」
兄貴が横から耳打ちする。
······え俺、嫌なんだけど。って顔に出したら兄貴は『都築さんのフロランタン、僕の分もあげる』···って。いやホントは嫌だよ?でもさ、フロランタンだからね?
それに······俺もちょこっと気になるし。
「えーと······。り、龍玄さん?」
「・・・」
「待って、これ息してへんのとちゃう?」
おーいおーいと冗談で先輩の目の前で手を振る満星さん。
······意外と恥ずかしい、な。
それにいつも先輩呼びだから名前とか慣れない。
やっぱりと思いつつ先輩の反応を見れたからまぁ、いっか。
兄貴は自分で言わせたくせにむすっとしている。
まぁ、ここまで来たら言わずもがな。
その後は兄貴と先輩の名前を呼べ攻撃が左右から。何で俺は調子にノって兄貴の策略になんか乗ってしまったんだろう。あれだけ後悔しないようにって思ってたのに。
いつの間にか満星さんは席を先輩に譲り、他のふたりと談笑しながら俺達の様子を鑑賞している。左に兄、右に先輩と挟まれた俺は逃げるにも逃げられないこの状況······見せものじゃねーぞ!!
「んー、それとなーく親父から聞いとるけど···今んとこお家存続厳しいんは美園やんか、···俺は息子居るし浅霧さんも一昨年やっけ?結婚したし、常磐さんはまだ十三やろ?まぁ、浅霧家も常磐家も当主様の年齢考えたら焦るんやろうけど」
「·····十三!?年下!?」
「おぅおぅそっちか」
暫くして二人とも落ち着いてから、話題は改めて自己紹介と後継に選ばれた理由等になった。勿論俺たちの事は両親の一件があった為に周知されていたけど。
満星さんは二十二歳、三歳と二歳の年子の息子さんがいる。
結婚はお見合いのちの恋愛結婚、親バカな一面もありお嫁さんとお子さんが可愛いと満面の笑みで語っていた。
浅霧さんは二十歳、十八歳で後継になり儀式後すぐ結婚した。浅霧さん·····当主様は驚くことに九十一歳と判明した、この世界の平均寿命は八十五歳だから遥かに超えている。また、前後継だった日向さんのお母さんは日向さんが十四歳の時に弟さんを出産した後亡くなり、日向さんが後継となったらしい。
常磐さんに至ってはまだ十三歳。本来後継となる筈であったお母さんは常磐さんを産んで直ぐに行方不明となり、同時にお父さんも失踪。常磐さんはお祖父さんである当主様に育てられた、なお常磐の当主様は最高齢の九十三歳だった。
···複数候補がいた場合に後継は十八歳までに選定される為確かに後継になるのはおかしくないけど······。お祖父さん似の墨色の長い髪を肩の高さで結っていて、その身長は十三歳と聞くが恐らく170cmはあるんじゃないか?俺よりも高い。
「···老けててごめんなさい」
「そんなこと言うたら律花君に失礼やろ?」
「···満星さんの方が失礼ですからね」
年相応に今にも泣き出しそうな常磐さんにそう優しく諭すよう言った満星さん。気にしないつもりでいたのに······やっぱり身長か?顔か?そんなやり取りを見て常磐さんは静かに笑った。良かった、年下虐めにならなくて。
心の中で満星さんに感謝した。
「そんで···他ん家に口出すっちゅうのはマナー違反やけどな、常磐さん···幽楽でええか?幽楽はともかく、美園と厳島は適齢期やん。急かすつもりはないねんけど、正直早う折り合いつけてお家存続も考えた方がええで。···ま、年長者の意見として頭ん中入れといてーな」
「自慢するとちゃうけど俺の場合は嫁との出会いは運命だった······ちゅうんか?······なんやクサイこと言ってる気もするけど、特に弊害もなく嫁と一緒になれたんでそこは幸運やったと思う······子供も順調に作れたしなぁ。お前らが不運とか言ってんのとちゃうで?お前らはお前らで考えてんのやろうし、これから一生を過ごす相手として大事に進めてんのも分かるし、外野がとやかく言うのもおかしな話やからな。俺も本音は言いたないねん······ほんまに難しい問題や」
分かってる、俺がハッキリしないから。
満星さんの言葉は兄貴と先輩に言ってるようにきこえても、中身は俺に対して言っていることは察した。俺だって逃げたい、俺自身が男と結婚するのは嫌なんだ。でも兄貴や先輩が俺の事好いてくれているから、大事にしてくれてるのが分かるから拒めきれなくて······。
急に黙り込んだ俺に気を使うように、話は他の話題へと移っていたけれど俺の頭の中は満星さんに言われたことで頭がいっぱいになって、最後の最後まで話に集中出来なかった。
「まー、だいたい皆仲良うなったんちゃうか?···ちょいとハイテンションで君たちを揶揄ったりしてゴメンなぁ?これから宜しゅうな!」
「······友達?」
「そうですね、私達の代も仲良くやっていけるといいですね」
「美園と厳島は律花君が取り持ってもろて」
な······。
「場合によりますね」
「場合によるな」
「······そこだけ仲良くするなよ」
案の定、二人の声が重なった。
そう言うとこだけ仲良く同じタイミングで反応するのは止めて欲しい。俺だってただでさえ扱いづらい二人を相手にするのは大変なんだぞ···。それに──······ごめん。
「律花?」
「何か言ったか」
「······なんでもない、お腹空いた」
満星さん、浅霧さん、常磐さんと会議室で別れると宿泊先のホテルへと足を向けた。まだ若干満星さんに言われたことを引き摺っている。兄貴や先輩だけじゃない、俺に好意を持ってくれている楼透や千秋の事も···どうすればいい?
皆が大事だから、このままの関係を変えたくない······。
でもそれは好いてくれる皆の好意を無下にしてしまう。
「律花」
「落ち着け」
······え?
とすっ、いつの間にか目の前にいた先輩の大きな胸に額をぶつけた。
···また眉が下がってる、やっぱり俺がハッキリしないから──。
「律花、ゆっくりで良いんだよ」
「無理に今答えを出そうとしなくていい」
思わず俯いてしまった俺の両肩を支え、後ろから兄貴が優しい声色で言う。
ゆっくり振り向いて兄貴の表情を見ると声色と同じく優しく微笑み頷いた。俺はもう一度先輩の顔を見上げると先輩も柔らかく微笑んでいた。
「焦るな、俺たちはいつまでも待つ」
「でも······!」
二人や伯父が父と母みたいにならないとは言えないしいつまでもなんて不可能だ。
期限付きとはいえその間に最悪の事が起こらないとも言えない···。
「僕達は大丈夫、死なないし律花から答えを貰うまで離れるつもりは無いよ。驚いちゃったよね、なんて言ったら律花は安心するかな」
「お前は俺達を甘く見るな。···確かに能力は焔殿には及ばないかもしれないな、しかし自身の力は自分がよく分かっている。お前を守れるだけの力はあると思うが?」
············これだから焦るんだってば。
二人とも、カッコイイから、気持ちが変わっちゃいそうだから──。
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は未定
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
・本格的に嫌われ始めるのは2章から
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。