望月何某の憂鬱(完結)

有住葉月

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第二章 執筆

9、悩ましい僕の現状

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僕の名前は望月何某。ふう。もう名乗るのも疲れることがいっぱいでなんとも言えないよ。
僕の家族みんなめちゃくちゃなこと言って。。。
って、僕が元々めちゃくちゃだったんだっけ?
僕のメチャクチャはいいじゃないか。キュートて英語で言うんだろ。
去年、外遊してきた時に、そりゃ、みんなパリでは自由にしていたさ。

ああ、望月何某も終わりか。そろそろと思っている諸君!
僕は終わらない!
終われない!
これじゃあ、負けってことじゃないか!


と言うことで、僕は今後まだ望月何某を名乗るので乞うご期待。

え?何も言われてないって?
もったいつけるなって?

うーん。込み入ってるんだよ。

まず、アグリ。こちらはワイフだよ。いきなり洋装店の住み込み修行をしたいなんて言い出した。
子供が群馬にいるんだよ。まだ1歳。

それで、また困ったことに僕の母親。
土建屋の女将さんだよ。急に僕の子供連れて東京に引っ越すって言い出した。


うーん。僕が群馬に戻って母親を説得すればそれでいいのかもれないけどさ。
うーん。群馬に戻ったらもう、東京に戻れないかもしれない。
これって、これって、僕の絶体絶命だろ。

なんてかわいそうな僕。。。。

「アグリ、急なことを言うけどさ、住み込みなんてさ。」
「週末には帰れるって、お店で聞きました。」
「え?君ドレスを買ってる時に、修行の話聞いてきたの?」
「そうですよ。だって、働きたくなっちゃったんだもの。」

困ったもんです。16で嫁入りするからこう言うことになるんです。
分別がついた大人がするものですね、結婚なんて。

「でも、君が群馬に戻って淳之介の面倒を。。」
「だから、お母さんが東京に淳連れて」
「ねえ、君たち女性はバカなの?」
「は?」
「どう考えたって変でしょ?」
「でも、辻さんにお話ししたら、すごくいいって言ってましたよ。」
「辻に?いつ話したの?」
「ドレスを買っていただいてる時に。」
「もう、、君は僕の奥さんなんだよ。」
「奥さんじゃあ、働いてはいけないんですか?」


アグリに言われて気がついた。
僕は彼女の自由を閉じ込めていた張本人だ!


「アグリ、君は自由かい?」
「何度もききますけど、私は自由です。」
「だから、そういう選択をするの?」
「だって、私の人生ですから。」
「好きなことするって?」
「だって、あなたもでしょ?」

ああ、、自由がここにあるって気が付かなかった。

これこそが自由のなのである。たとえ住み込みであったとしても、自分で選択した人生を歩むことが自由だ。

「あなた、変な顔してますけど。。」
「アグリ!君を題材に作品を書くよ!」
「私を?」
「これは大作になる!」

さあ、乞うご期待だ!
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