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第五章 新たなる世界へ
8、農家体験
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どうやら家族は農業に出ているらしく、14時を過ぎたころ、あの老婆が来て以来、誰もこの家に立ち寄らなかった。
「昼食を食べるというのは難しそうだね。」
「あ、さっき辻さんお菓子持ってるって言ってたでしょ?それでいいよ。」
「これは、こちらの家にあげる約束をしてしまったからね。ほら」
袖の中から小さなキャラメルを出した。
「あーこの間のキャラメルも食べちゃったから食べたいよー」
「でもこちらのオカミに約束してしまっただろう。僕は約束破るのはいやなんだ。」
「でもどうすればいいんだよ。お腹すいたよー。」
「望月くんは、子供のようだね。そう思って、このお菓子も持ってるんだ。」
それは田中菓子店の水菓子だった。
先日、坂本にお願いして買っておいてもらったものだ。
「わあ、すごく綺麗な水菓子だね。日持ちするの?」
「それが一週間くらいいいらしい。田中菓子店のだよ。」
「ああ、櫻くんのおじさんのお店だね。」
「櫻くんのお父さんが来てから、坂本が社長と懇意にするようになってね。もちろん、僕の存在は知られていないよ。」
「抜かりないねえ。僕は君がそこまでしてこだわる女性って本当に気になるけど、ウブイ女学生にしかみてないんだよね。。」
「櫻くんの魅力は内面にあるんだ。もちろん、見た目も僕は好きだけどね。化粧もしていないのに、恥ずかしいと紅を塗ったみたいになるし。」
「もう、惚気はいいから、早くちょうだいよ。」
「望月くん、落ち着きなよ。はいどうぞ。」
望月に水菓子を渡すとすぐに口に入れた。
「わー美味しい!」
もぐもぐしている。
「だろう」
坂本の話だと、田中社長は櫻を後押ししていきたいという話をしていたと、聞いた。
櫻が有能なのは知っていたのだ。でも、兄の手前、遠慮もあったのだろう。
手元にもういない今、外から見た櫻の有能さを思ったのだろう。
「おーい、お客人、いるかあ?」
縁側の方から男性の声がしたので辻が向かう。
「あ、お邪魔してます。東京で教師をしてます辻と言います。」
「あちゃ先生さまか。うちでええんか。煎餅布団しかねえけど。」
「いえいえ泊めていただけるだけで我々いいんです。」
「わけえお客人だから、ちょこっと畑手伝って欲しいんだが。」
「僕らみたいな素人がいいでしょうか?」
「人ではいくらあってもいい。こっちへ来てくれ。」
そういうと、望月と辻は畑へ行った。
スイカがたくさんなっている。
「これを収穫してもらいてえんだ。」
ということで、二人は農家のたいへんな仕事を手伝うことになった。
二人は顔を見合わせ、苦笑いをした。
「昼食を食べるというのは難しそうだね。」
「あ、さっき辻さんお菓子持ってるって言ってたでしょ?それでいいよ。」
「これは、こちらの家にあげる約束をしてしまったからね。ほら」
袖の中から小さなキャラメルを出した。
「あーこの間のキャラメルも食べちゃったから食べたいよー」
「でもこちらのオカミに約束してしまっただろう。僕は約束破るのはいやなんだ。」
「でもどうすればいいんだよ。お腹すいたよー。」
「望月くんは、子供のようだね。そう思って、このお菓子も持ってるんだ。」
それは田中菓子店の水菓子だった。
先日、坂本にお願いして買っておいてもらったものだ。
「わあ、すごく綺麗な水菓子だね。日持ちするの?」
「それが一週間くらいいいらしい。田中菓子店のだよ。」
「ああ、櫻くんのおじさんのお店だね。」
「櫻くんのお父さんが来てから、坂本が社長と懇意にするようになってね。もちろん、僕の存在は知られていないよ。」
「抜かりないねえ。僕は君がそこまでしてこだわる女性って本当に気になるけど、ウブイ女学生にしかみてないんだよね。。」
「櫻くんの魅力は内面にあるんだ。もちろん、見た目も僕は好きだけどね。化粧もしていないのに、恥ずかしいと紅を塗ったみたいになるし。」
「もう、惚気はいいから、早くちょうだいよ。」
「望月くん、落ち着きなよ。はいどうぞ。」
望月に水菓子を渡すとすぐに口に入れた。
「わー美味しい!」
もぐもぐしている。
「だろう」
坂本の話だと、田中社長は櫻を後押ししていきたいという話をしていたと、聞いた。
櫻が有能なのは知っていたのだ。でも、兄の手前、遠慮もあったのだろう。
手元にもういない今、外から見た櫻の有能さを思ったのだろう。
「おーい、お客人、いるかあ?」
縁側の方から男性の声がしたので辻が向かう。
「あ、お邪魔してます。東京で教師をしてます辻と言います。」
「あちゃ先生さまか。うちでええんか。煎餅布団しかねえけど。」
「いえいえ泊めていただけるだけで我々いいんです。」
「わけえお客人だから、ちょこっと畑手伝って欲しいんだが。」
「僕らみたいな素人がいいでしょうか?」
「人ではいくらあってもいい。こっちへ来てくれ。」
そういうと、望月と辻は畑へ行った。
スイカがたくさんなっている。
「これを収穫してもらいてえんだ。」
ということで、二人は農家のたいへんな仕事を手伝うことになった。
二人は顔を見合わせ、苦笑いをした。
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